性的倫理観が世間的に「こうあるべし」ってラインとは少々異なるけど、一定の美学的なモノを持った女性の短編集。
藤堂氏の作る女性キャラはパターン化され過ぎのきらいもあるが、軽く楽しむ分には充分。
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パーフェクト・リタイヤ 単行本 – 2009/4/14
藤堂 志津子
(著)
定年退職が迫った布沙子。「完璧な退職」のためにずっと用意してきたことがあった……表題作ほか、全5篇。鮮烈で切実な傑作短篇集
- 本の長さ285ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2009/4/14
- ISBN-104163281002
- ISBN-13978-4163281001
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2009/4/14)
- 発売日 : 2009/4/14
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 285ページ
- ISBN-10 : 4163281002
- ISBN-13 : 978-4163281001
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,996,046位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1949年、北海道札幌市生まれ。
藤女子短期大学国文科卒業。学生時代から詩や小説を書き、19歳で詩集『砂の憧憬』を刊行。広告代理店勤務を経て、作家活動に入る。1987年、デビュー作「マドンナのごとく」で第21回北海道新聞文学賞を受賞。88年「熟れゆく夏」で第100回直木賞受賞。
主な作品に『ソング・オブ・サンデー』(第8回島清恋愛文学賞受賞)、「秋の猫」(第16回柴田錬三郎賞受賞)、『人形を捨てる』『桜ハウス』『かげろう』等がある。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年2月10日に日本でレビュー済み
エッセイの中にある人物と重なります。いずれもよく似た素材が用いられているのかなと感じます。パーフェクト・リタイアってどんなものなのだろうととても興味深く読みました。なかなかリタイアまでは用意周到です。さまざまな考えがあり、いき方があるのでこういうリタイアをパーフェクトといわれるのか・・・と思いました。思いもよらぬパーフェクト・リタイアだったのでちょっと驚きです。
2009年5月2日に日本でレビュー済み
今回の藤堂さんのこの作品、タイトルからして40代後半〜60の女性をどう描かれるのか、とても楽しみにしていました。
この世代では先駆けとなり、女性側から性愛や見栄や孤独を描かれてきた藤堂さんですから期待大でした。
が…、今回は作品の主人公の女性達に共感を持てませんでした。
表題作、パーフェクト・リタイヤ、定年を迎える女性。
女性としての晩年を、どうやってパーフェクトなものにしようとするのか。
この作品には特に期待していました。
それだけに…、最終的に彼女が選んだのが、あんなことだったのには、非常にガッカリ…。
老いていく女性、女性の晩年をこれからも描くであろう藤堂さん。
次に期待させていただきます。
この世代では先駆けとなり、女性側から性愛や見栄や孤独を描かれてきた藤堂さんですから期待大でした。
が…、今回は作品の主人公の女性達に共感を持てませんでした。
表題作、パーフェクト・リタイヤ、定年を迎える女性。
女性としての晩年を、どうやってパーフェクトなものにしようとするのか。
この作品には特に期待していました。
それだけに…、最終的に彼女が選んだのが、あんなことだったのには、非常にガッカリ…。
老いていく女性、女性の晩年をこれからも描くであろう藤堂さん。
次に期待させていただきます。
2012年3月12日に日本でレビュー済み
どこにもパーフェクトリタイヤなんていうのがあり得ないのがよくわかります。全部で5編の作品が収められていますが、どれも陰惨な話が続きます。将来への希望が主人公によってやっとの思いで吐き出される作品もいくつかありますが、どれもあまり現実感を与える終わり方ではないようです。どこにも「パーフェクト」のかけらさえ感じられないのです。取り上げられる人間関係(異性間だけなく同性間も)も倒錯した悲しいものばかりです。全作品のうち結婚している女性は、最初の作品だけだというのはこの陰惨さと関係しているのでしょうか。
しいて暖かさのかけらを示唆するのが、動物(猫と犬)を副主人公とした作品だというのは、現代の私たちの置かれた境遇を反映しているのでしょうか。ほとんどの登場人物が現実感のある印象を与えない中で、「猫を連れて」の中で「ギーちゃん」がある状況で示す行動だけは、実に個性的で魅力に富んでいるというのは皮肉です。
しいて暖かさのかけらを示唆するのが、動物(猫と犬)を副主人公とした作品だというのは、現代の私たちの置かれた境遇を反映しているのでしょうか。ほとんどの登場人物が現実感のある印象を与えない中で、「猫を連れて」の中で「ギーちゃん」がある状況で示す行動だけは、実に個性的で魅力に富んでいるというのは皮肉です。
2009年8月17日に日本でレビュー済み
テーマは「リタイヤ」。5つの短編からなる作品集。
どのお話にも共通するのは、主人公が「40代後半〜60歳間近の女性」であること。
この年代の女性ならではの不安や孤独、理想を描いています。
それぞれの価値観の違いで、「パーフェクトな老後」が違ってくるのは理解してるものの、
どのお話の主人公を見ても共感も憧れもできず、
「ほんとうにこれがあなたにとってのパーフェクトなの?」と思わずにはいられませんでした。
誰の選択も正解だとは思えないし、納得できないもどかしさも残るけどいろんな人がいてこその世間だからな。
個人性の面白みは感じます。
定年を迎えたといっても今の60代はまだまだ若い。
定年後の人生に趣味でも見つけてのんびりと暮らすのもいい老後ではあるけれど、まだ何かをはじめるのに遅いという年齢でもない。
守りじゃなく、攻めの姿勢で新しい生き方を模索する中年の方ってそれだけで輝いている。
ただ流されるだけじゃない、後悔しない生き方・・・。
「まだ先のこと」なんて思わずに、少しは真剣に考えてみようかな。
どのお話にも共通するのは、主人公が「40代後半〜60歳間近の女性」であること。
この年代の女性ならではの不安や孤独、理想を描いています。
それぞれの価値観の違いで、「パーフェクトな老後」が違ってくるのは理解してるものの、
どのお話の主人公を見ても共感も憧れもできず、
「ほんとうにこれがあなたにとってのパーフェクトなの?」と思わずにはいられませんでした。
誰の選択も正解だとは思えないし、納得できないもどかしさも残るけどいろんな人がいてこその世間だからな。
個人性の面白みは感じます。
定年を迎えたといっても今の60代はまだまだ若い。
定年後の人生に趣味でも見つけてのんびりと暮らすのもいい老後ではあるけれど、まだ何かをはじめるのに遅いという年齢でもない。
守りじゃなく、攻めの姿勢で新しい生き方を模索する中年の方ってそれだけで輝いている。
ただ流されるだけじゃない、後悔しない生き方・・・。
「まだ先のこと」なんて思わずに、少しは真剣に考えてみようかな。