折原作品の中でも非常に完成度の高い作品。グランドマンションにもしてやられたが、またしても本作でも、折原マジックにしてやられた。
物語は殺人者が時効まで逃げおおせるかをスリリングな展開で描く。よくある展開だが、ラストに思いがけない仕掛けが待ち構えている。楽しく最後まで読むことが出来た。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
逃亡者 単行本 – 2009/8/28
折原 一
(著)
知人の夫を殺した智恵子は、警察の不手際で脱走に成功。名前を変え、顔を変えて時効まで全国を逃げ回る。名手が贈る傑作ミステリー
- 本の長さ518ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2009/8/28
- ISBN-104163284508
- ISBN-13978-4163284507
この著者の人気タイトル
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2009/8/28)
- 発売日 : 2009/8/28
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 518ページ
- ISBN-10 : 4163284508
- ISBN-13 : 978-4163284507
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,199,198位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 294,463位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
埼玉県出身。早稲田大学文学部卒業後、JTBに入社、雑誌『旅』などの編集に携わる。
88年、『五つの棺』(のち『七つの棺』として文庫化/創元推理文庫)でデビュー。88年、『倒錯のロンド』(講談社文庫)で江戸川乱歩賞候補、95年、『沈黙の教室』(ハヤカワ文庫)で日本推理作家協会賞(長編部門)受賞。主な作品に、『倒錯の死角』『倒錯の帰結』『異人たちの館』(講談社文庫)、『冤罪者』『失踪者』『天井男の奇想』(文春文庫)、『逃亡者』『追悼者』(文藝春秋)、『暗闇の教室』(ハヤカワ文庫)など。
謎の画家、石田黙の作品を収集。05年、石田黙作品集にして美術ミステリである『黙の部屋』(文藝春秋/現在文春文庫)を発表。
07年6月、石田黙のコレクション展(石田黙展)を文藝春秋画廊・地下室で開く。
11年5月、メメント・モリ(折原一骸骨絵コレクション展)を同画廊で開く。
18年10月、ヴァニラ画廊にて、メメント・モリ展&石田黙展を開く。
現在、日本推理作家協会会員。
著者ホームページ 「沈黙の部屋」http://orihara1.la.coocan.jp/
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2011年3月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最終盤まで一気に読む事ができる力のある本でした。
折原作品の叙述でびっくりする本というよりは、逃亡劇のスリリングさにハラハラする本です。ただ、最後はほんとにジェットコースターで、すっきり納得とはならないのが、折原作品らしい本で、最後まで読むと、あ、こういうことかと見直したくなります。
この段落はこの人のことなんて、解説サイトがあったら見たいかもしれません。
いろんな細工に挑戦する折原作品の中では、小細工は少ないです。
途中の一文に引っかかっていたら、予想通り最後に生きたんですが、それもお前か!と驚きの結末でした。
折原作品の叙述でびっくりする本というよりは、逃亡劇のスリリングさにハラハラする本です。ただ、最後はほんとにジェットコースターで、すっきり納得とはならないのが、折原作品らしい本で、最後まで読むと、あ、こういうことかと見直したくなります。
この段落はこの人のことなんて、解説サイトがあったら見たいかもしれません。
いろんな細工に挑戦する折原作品の中では、小細工は少ないです。
途中の一文に引っかかっていたら、予想通り最後に生きたんですが、それもお前か!と驚きの結末でした。
2017年5月25日に日本でレビュー済み
およそ活字になっているものでこれほど稚拙なものを初めて読んだ。
担当編集者はいなかったのだろうか。
前半はつじつまが合わないながらもスピード感があったので
そのうち挽回するかなと思いスルーしていたが、読み進めるに従って
どんどん小説のていをなさなくなっていった。
これをミステリーと呼ぶのはファンに失礼ではないか。
時間を無駄にしてしまった。
担当編集者はいなかったのだろうか。
前半はつじつまが合わないながらもスピード感があったので
そのうち挽回するかなと思いスルーしていたが、読み進めるに従って
どんどん小説のていをなさなくなっていった。
これをミステリーと呼ぶのはファンに失礼ではないか。
時間を無駄にしてしまった。
2011年12月31日に日本でレビュー済み
ラスト前まではそれなりに小説として成立していましたが、ラストはちょっと無理しすぎでしょう。
あっと驚くどんでん返しにしたかったんだとは思いますが、なんの前振りもなく唐突にこのような
結末にするというのは、あまりにイージーな作品づくりじゃないでしょうか。
困ったもんです。
あっと驚くどんでん返しにしたかったんだとは思いますが、なんの前振りもなく唐突にこのような
結末にするというのは、あまりにイージーな作品づくりじゃないでしょうか。
困ったもんです。
2009年9月4日に日本でレビュー済み
“叙述ミステリーの第一人者”“語りの魔術師”折原一の47作目の最新刊は、’95年の『誘拐者』から始まり、累計46万部を突破したといわれる<・・・者>シリーズの書き下ろし長編である。
実際に起こった、殺人犯福田和子の逃亡事件をモチーフにしているだろうと思われる物語である。友竹智恵子は、持ちかけられた交換殺人に乗って、知人の夫を殺してしまうが、警察の不手際で脱走し、殺人事件の時効である15年をひたすら逃亡することになる。
いつもの折原作品と違い、大部分は彼女の逃亡者としての読み応えのあるストーリーが展開される。身分を偽り、顔を変え、出会う人々に支えられながら、ひたすら日本全国を逃げまわる智恵子。彼女を執拗に追いかけるある刑事と、顔に泥を塗られ復讐に燃える夫。何度もあと一息というところで危機をすり抜ける場面の連続で息をつかせない。
いつもの折原節とは違う、真剣で“真面目”な小説だなと思ってエンディング近くまで圧倒されて読み進んでゆくと、そこはさすがに折原一。独特の、フォントを換えたパソコンサイトの表現と、各章の幕間のエピソードが一気に収斂して、衝撃のサプライズが用意されていた。
本書は、最後の最後に折原一らしい“どんでん返し”があるものの、大半が智恵子のスリリングで気を抜けない“読ませる逃亡劇”で、ボリューム満点の力作である。
実際に起こった、殺人犯福田和子の逃亡事件をモチーフにしているだろうと思われる物語である。友竹智恵子は、持ちかけられた交換殺人に乗って、知人の夫を殺してしまうが、警察の不手際で脱走し、殺人事件の時効である15年をひたすら逃亡することになる。
いつもの折原作品と違い、大部分は彼女の逃亡者としての読み応えのあるストーリーが展開される。身分を偽り、顔を変え、出会う人々に支えられながら、ひたすら日本全国を逃げまわる智恵子。彼女を執拗に追いかけるある刑事と、顔に泥を塗られ復讐に燃える夫。何度もあと一息というところで危機をすり抜ける場面の連続で息をつかせない。
いつもの折原節とは違う、真剣で“真面目”な小説だなと思ってエンディング近くまで圧倒されて読み進んでゆくと、そこはさすがに折原一。独特の、フォントを換えたパソコンサイトの表現と、各章の幕間のエピソードが一気に収斂して、衝撃のサプライズが用意されていた。
本書は、最後の最後に折原一らしい“どんでん返し”があるものの、大半が智恵子のスリリングで気を抜けない“読ませる逃亡劇”で、ボリューム満点の力作である。
2011年10月30日に日本でレビュー済み
登場人物に感情移入もできず、フラストレーションのたまる読後感でした。
そもそもその発端の交換殺人にリアリティがないし、そうせざるを得なかった
説得力も乏しい。逃走劇はスリルはあるものの、警察や夫とのすれ違いも、逃げた先での
恋愛もご都合主義のようです。
記述に時間の入れ替えがあり、読んでいて変だな、と思ったら過去にさかのぼっていたり、
それは技巧と言えなくもないでしょうが、単に読者をミスリードするためだけのような気がします。
最後10数ページのどんでん返しも作りすぎのような感じで、カタルシスを感じるところまではいきません。
現実にあった事件を、これだけでは物語にならないので、無理筋に仕上げた、というのが正直な感想です
そもそもその発端の交換殺人にリアリティがないし、そうせざるを得なかった
説得力も乏しい。逃走劇はスリルはあるものの、警察や夫とのすれ違いも、逃げた先での
恋愛もご都合主義のようです。
記述に時間の入れ替えがあり、読んでいて変だな、と思ったら過去にさかのぼっていたり、
それは技巧と言えなくもないでしょうが、単に読者をミスリードするためだけのような気がします。
最後10数ページのどんでん返しも作りすぎのような感じで、カタルシスを感じるところまではいきません。
現実にあった事件を、これだけでは物語にならないので、無理筋に仕上げた、というのが正直な感想です