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きみ去りしのち ハードカバー – 2010/2/10

3.9 5つ星のうち3.9 55個の評価

息子は1歳の誕生日をむかえたばかりで眠るように死んだ。圧倒的な彼岸の風景と土地に残る死の記憶がもたらした奇跡の再生の物語。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋 (2010/2/10)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2010/2/10
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • ハードカバー ‏ : ‎ 384ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4163289100
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4163289106
  • カスタマーレビュー:
    3.9 5つ星のうち3.9 55個の評価

著者について

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重松 清
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1963(昭和38)年、岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。

出版社勤務を経て執筆活動に入る。1991(平成3)年、『ビフォア・ラン』(ベストセラーズ、現在は幻冬舎文庫)でデビュー。

著書は他に、『ナイフ』(新潮文庫、坪田譲治文学賞)、『定年ゴジラ』(講談社文庫)、『エイジ』(新潮文庫、山本周五郎賞)、『ビタミンF』(新潮文庫、直木賞)、『隣人』(講談社、講談社文庫で改題『世紀末の隣人』)、『流星ワゴン』(講談社文庫)、『きよしこ』(新潮文庫)、『トワイライト』(文春文庫)、『疾走』(角川文庫)、『その日のまえに』(文春文庫)、『カシオペアの丘で』(講談社文庫)、『とんび』(角川書店)、『十字架』(講談社、吉川英治文学賞)など多数。

カスタマーレビュー

星5つ中3.9つ
5つのうち3.9つ
55グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2017年3月12日に日本でレビュー済み
幼い子供を亡くした父親が旅をしながら人と出会い、残された人、残して死んでしまう人についてのドラマに出会い、自分の心情とクロスしていく話。生きること、死ぬこと、残されること。恐山、奥尻、オホーツク、ハワイ、阿蘇、大和、出雲、与那国島、島原。
 オホーツクでの話がいい。死の世界とも生の始まりの風景とも思えるような流氷。おばあちゃんが息子の名前を流氷に向かって呼び続ける。
 生きていることの延長線上に死ぬことがある。時間軸は一方通行で戻れないが、過去の出来事をどこの時間軸で振り返るかで、心の持ち方が変わっていく。思いどおりになること、ならないことがあって、命だけは努力と別のところにあると思い知らされる現実がある。昔から「その子は、それだけの命しか持ってこなかった」と死者について語ることがある。諦めとも、納得とも、どうにもならないことを受け入れるための言葉かもしれない。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年9月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
始まりは重苦しさの強い北の風景が広がりますが、だんだんとその重さが弱まっていく。。。読みごたえのある秀作でした。
2013年6月27日に日本でレビュー済み
重松さんの作品の基本の流れになっている…
思わずふき出してしまったり、涙が浮かんできたりではなく、ほんわかしたりじんわりしたりでもなく…

読んでいると、涙が眼球に貼りつく感じがします。
読み終わると、こころが「しーん」として、なにも考えられなくなります。
時間と思考が停止させられてしまう感じでしょうか。

いろいろな別れを描きながら、力強く乗り越えたり、抑えこむように忘れようとしたりではなく…
旅の景色の流れ、切りとられて映し出される出会う人のこころの風景と時間の流れの中で…
重くまとわりつくような水のかたまりの中を歩きながら、
ふっと抜けていくような感じを味あわせてくれます。

止まってしまった思考から、現実に戻ってくる瞬間に…
大きすぎる悲しい別れを通り抜けていく時の感じを、疑似体験をさせてくれるのでしょうか。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年4月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
手垢 汚れが気になりました。。
ちょっとクリーニング出荷してほしいです
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年2月2日に日本でレビュー済み
本書をごく簡潔にいってしまえば、1歳の息子を突然亡くした父親・関根と、
前妻との間に生まれた16歳の娘・明日香の鎮魂の旅、といったところにな
るだろうか。

関根は、(再婚相手である母親も同様なのだが)夜中に突然亡くした息子
に何故気づいてあげられなかったのかと悔やみ続ける毎日を送っており、
明日香も母親(すなわち関根の前妻)が癌におかされ、余命少ないことを
知る状態で再会を果たした両者が、ともに巡礼の旅を続けながら、<喪失>
に折り合いをつけていく様子がえがかれている。

読み出せば分かるが、本書は決して明るい本ではない。重苦しい雰囲気
さえ感じる本であるが、なるほど、本書を執筆している最中に東日本大震災
が起こったことが小説にも影響を与えたことがあとがきに書かれていて合点
がいった。喪失感との向き合い方を書きしたためると、このようなかたちに
なったのだろう。

やはり読んでいて、関根と明日香が数年ぶりの再会を果たした直後になぜ
2人で旅を始め、そしてなぜ約1年間にもわたって旅を続けるのか、その必
然性が分かりにくく、その設定からすべてのお話が始まっていく本書では、
場面設定がもう少し丁寧になされると、よりストーリーの中にスムーズに入り
やすいようにも感じる。
しかし、第8章と第9章はやはりすごいですね。与那国島で人生を全うする
直前にいる前妻と向き合う関根さんや周りの人の姿など、本当にきれいに
えがかれています。

鎮魂の旅をえがいた重厚な一冊です。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年12月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私個人の好みの問題ですが、いろいろ気になって夢中になって読む事が出来ませんでした。
情景描写は素晴らしいです。大切な人を失った時のそれぞれの心情も細やかに表現されています。
しかし、話の流れのほとんどが娘ありきな点が気になりました。未成年の子供に、母も父も作者さえも丸投げな印象でした。
実際子を産み育てている身としては、いくら精神年齢が高い子にしたって程があると思ってしまいました。
2012年7月26日に日本でレビュー済み
この小説は、親子の“巡礼”を媒介として”死”、”別れ“について考えさせるが、と同時に「生」をも実感させようとしている。全九章は、全て”旅をしている”から始まる。恐山、奥尻、オホーツクの流氷、阿蘇、大和・・・そして前妻が最期の場所に選んだ与那国島・・・。それらの風景には父娘に様々な死の記憶が刻まれており、悲しみの淵を彷徨する。しかし、この小説が「死による別れ」より「生」を読者に実感させようとしているのが分かる。それは、作者の風景の描き方から感ずる・・・父娘は風景に出会い、その中に抱かれるように溶け込んでゆくからである。日本の風景が、重要な存在意味を持ち、その作者の描写の筆致が、父娘の巡礼・放浪の旅から「生」への祈りを実感させてくれる。
日本の風景の描き方がとても良い。
悲しみの淵からのREBIRTH! 
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年9月12日に日本でレビュー済み
満一歳を迎えたばかりの息子を亡くした主人公・関根。
前妻のもとに残してきた娘・明日香とともに旅に出る。
かつての妻も末期ガンに犯されていた。
2人の旅は死後の世界とも言われる恐山に始まり、
津波で多くの人命が失われた奥尻島。西の果て与那国島。そして島原。
生死の境を覗き込むような巡礼の旅で少しずつ癒されていく心。
心に持っていられないほどの辛さ、悲しみ。
それをどうやって消化していくのか、印象的な箇所がいくつもありました。

奥尻島の地震と津波で同級生を亡くした子の作文を読んで明日香が言ったこと。
(亡くなった友達のことを)「思いださないことはあるかもね。
忘れちゃうのと思いださなくなるってのは、違うもんね」

自分だったらどうだろう?と考えてしまいます。
忘れられちゃうのは悲しい。そう思います。

島原を訪ねたときに出会った前妻の友人は、弟を交通事故で亡くしていました。
弟の友人の父が居眠り運転をしてしまったからです。
相手も辛いだろうけど、赦すことはできない。
そんなもどかしさを抱きながら呟いた言葉。
「歳月っていうか、時間が、時の流れが解決してくれること、
あるんじゃないか、って。ないかもしれないけど、あるといいな、って」

そして旅の最後に関根が娘に語った言葉。
「忘れることや捨て去ることはできなくても、少しずつ薄めることはできるのかもな」

時間が経って全てキレイさっぱり解決すればいいけれど、できない。
時間の経過さえも辛く苦しいことにどうやって向き合うのかを考えさせられます。
この本が発売された後、東日本帯震災が起こりました。
文庫版が発売されるにあたり、重松さんはかなり修正されたそうです。
『「忘れる」のでも「乗り越える」のでもない、喪失感との折り合いのつけ方を探ってみたかった』
との執筆の動機には深く共感しました。
言葉にできない、ならない思いを形にしてもらえたような読後感でした。