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真綿荘の住人たち 単行本 – 2010/2/10
島本 理生
(著)
レトロな下宿、真綿荘に集う人々の恋はどこかいびつで滑稽で切ない……。不器用な恋人達、不道徳な純愛など様々なかたちを描く
- 本の長さ275ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2010/2/10
- ISBN-104163289402
- ISBN-13978-4163289403
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2010/2/10)
- 発売日 : 2010/2/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 275ページ
- ISBN-10 : 4163289402
- ISBN-13 : 978-4163289403
- Amazon 売れ筋ランキング: - 890,632位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 230,256位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年9月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
芥川賞選考会での島本理生「夏の裁断」に対する評価色々を読んで
興味を覚えました。芳しくない評価のほうが多かったような。
検索すると「真綿荘の住人たち」が出てきてタイトルに魅かれました。
真綿荘って何とはなしにちょっと不気味感を漂わせていて何か
起きる起きそうって気がして。それに中古で格安。まずは
こちらを読んでみましょ。きれいな本到着するもカバーにあきれつつ
読み始めました。島本理生は恋愛小説家?なのかしらん。
「著者プロフィール」(2010年当時)(初出は2008~9年)には
「~~恋愛小説の書き手としても、最も注文される若手のひとり」と。
「青少年のための手引き」「清潔な視線」「シスター」「海へ向かう魚たち」
「押入れの傍観者」「真綿荘の恋人」の6編が収められていて
真綿荘の見取り図も載っていて、これが読むにおおいに役立ちました。
読み始めた当初は主人公は大和葉介君かなと。それが違ってるというか
それぞれの章は独立していて人間関係如何なってるのって想像を巡らしながら
読み進むというかんじでした。そうして真の主人公は大家さんの千鶴さんと
へんてこりんな晴雨さん。ひょっとして島本理生はこういう如何しようもない
男が好きなのかしらん。「押入れの傍観者」が自分にとっては圧倒的に
面白かった。ここに辿り着くまでの大和君はいいこだし大柄な鯨ちゃんの気持ちは
純で椿さんの同性に対する愛もわからなくはないけれど伏線のような気がして
つきつめるべきは同じ書くならもっと深い島本理生ならではの誰にも書けない
独特なる際立つ男と女の世界ではないのかな。なんて子供っぽさ排除の世界を
読んでみたいな。そう感じました。
興味を覚えました。芳しくない評価のほうが多かったような。
検索すると「真綿荘の住人たち」が出てきてタイトルに魅かれました。
真綿荘って何とはなしにちょっと不気味感を漂わせていて何か
起きる起きそうって気がして。それに中古で格安。まずは
こちらを読んでみましょ。きれいな本到着するもカバーにあきれつつ
読み始めました。島本理生は恋愛小説家?なのかしらん。
「著者プロフィール」(2010年当時)(初出は2008~9年)には
「~~恋愛小説の書き手としても、最も注文される若手のひとり」と。
「青少年のための手引き」「清潔な視線」「シスター」「海へ向かう魚たち」
「押入れの傍観者」「真綿荘の恋人」の6編が収められていて
真綿荘の見取り図も載っていて、これが読むにおおいに役立ちました。
読み始めた当初は主人公は大和葉介君かなと。それが違ってるというか
それぞれの章は独立していて人間関係如何なってるのって想像を巡らしながら
読み進むというかんじでした。そうして真の主人公は大家さんの千鶴さんと
へんてこりんな晴雨さん。ひょっとして島本理生はこういう如何しようもない
男が好きなのかしらん。「押入れの傍観者」が自分にとっては圧倒的に
面白かった。ここに辿り着くまでの大和君はいいこだし大柄な鯨ちゃんの気持ちは
純で椿さんの同性に対する愛もわからなくはないけれど伏線のような気がして
つきつめるべきは同じ書くならもっと深い島本理生ならではの誰にも書けない
独特なる際立つ男と女の世界ではないのかな。なんて子供っぽさ排除の世界を
読んでみたいな。そう感じました。
2019年2月15日に日本でレビュー済み
島本さんの作品を結構読んでいますが、肉体関係に陥らないでぐだぐだ言っている節のあるものが
多いのでなんか気になってましたが……(それでいてどうでもいいような男とは躰の関係持ったり)
ナラタージュとか、先生とはそういう関係にならずに小野君は何だったんだろうとか思いましたけれど。
それはともかく、今回はそれぞれ登場人物に対して綺麗な見方をして書かれていて好感が持てました。
容姿はともかく鯨ちゃんの性格が一番好きだし友達になりたいかもです。
しかし椿さんや綿貫さんもカッコイイ女性だけれど、八重子ちゃんはあれは一過性の同性愛の可能性があるのに
椿さんがからめとってった感が否めなくて、他の恋愛を知ったら離れていくんじゃ?とか色々思っていましたが
途中の誰の独白なのこれは、という千鶴さんがどうにかされてしまう部分、もちろん何の話なのかは
分かりましたが、そこのとこの描き方がなんだか上から目線デスが秀逸でした。
ただ最後になんで養子縁組なのよ?と思いたい。
これは作者さんがそうした方が面白いからと思ったからとしか思えない。
肉体関係あるんだし普通にもう婚姻届でええやん……。
主人公ぽかった大和くんが一番影薄かったですね。
全体的に面白かったですが、ちょっと詰め込み過ぎたのかな、せっかく丁寧な文章を書く方なのに。
多いのでなんか気になってましたが……(それでいてどうでもいいような男とは躰の関係持ったり)
ナラタージュとか、先生とはそういう関係にならずに小野君は何だったんだろうとか思いましたけれど。
それはともかく、今回はそれぞれ登場人物に対して綺麗な見方をして書かれていて好感が持てました。
容姿はともかく鯨ちゃんの性格が一番好きだし友達になりたいかもです。
しかし椿さんや綿貫さんもカッコイイ女性だけれど、八重子ちゃんはあれは一過性の同性愛の可能性があるのに
椿さんがからめとってった感が否めなくて、他の恋愛を知ったら離れていくんじゃ?とか色々思っていましたが
途中の誰の独白なのこれは、という千鶴さんがどうにかされてしまう部分、もちろん何の話なのかは
分かりましたが、そこのとこの描き方がなんだか上から目線デスが秀逸でした。
ただ最後になんで養子縁組なのよ?と思いたい。
これは作者さんがそうした方が面白いからと思ったからとしか思えない。
肉体関係あるんだし普通にもう婚姻届でええやん……。
主人公ぽかった大和くんが一番影薄かったですね。
全体的に面白かったですが、ちょっと詰め込み過ぎたのかな、せっかく丁寧な文章を書く方なのに。
2017年2月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
島本理生さんは、言葉の使い方がとても好きです。
まだ、本作で二冊目ですが。
「真綿荘」という名前に惹かれて、でも、買うほどでもないかと、図書館で借りて読みました。
手元に置いてじっくり読み直したくなり、Amazon発注。
読む時の自分の状態で、その都度感じ方は変わるのだろうと思います。
それが、楽しみです。
まだ、本作で二冊目ですが。
「真綿荘」という名前に惹かれて、でも、買うほどでもないかと、図書館で借りて読みました。
手元に置いてじっくり読み直したくなり、Amazon発注。
読む時の自分の状態で、その都度感じ方は変わるのだろうと思います。
それが、楽しみです。
2010年4月19日に日本でレビュー済み
「
シルエット (講談社文庫)
」以来、
ほぼずっと読み続けている島本理生の最新刊(2010年1月現在)。
彼女の作品をずっと読んでいて
「誰かをずっと思いながらも他の人と付き合う」
( ナラタージュ 、 シルエット (講談社文庫) 、 生まれる森 (講談社文庫) 、 波打ち際の蛍 )という設定の多さに、
心の中でいささか食傷を感じていたのですが
今作は、彼女の作品の中で新境地とも言える一冊です。
A編での主人公がB編では脇役に、という連作形式で
“真綿荘”の住人の内面が描かれていきます。
東京での、いろんな人との共同生活というと
わたしは「 パレード (幻冬舎文庫) 」、「 風が強く吹いている (新潮文庫 み 34-8) 」を思い出しましたが、
前者が好きな方には、面白く読めるのではないでしょうか。
ちなみに、今回のこの本は最終章に重力があるがゆえ、
その章に賛否が分かれるかと思いますが
不思議と自分は腑に落ちました。
そしてこの章を読んでようやく綿貫さんが理解できた気がします。
恋愛だけではなく、他者との関係性を構築すると言うことの
難しさや、かけがえのなさを描いたことで
島本さんの描く物語世界に新しい絵の具の色が加わり、
幅と奥行きが増したことに嬉しさを感じました。
おそらく彼女の「 一千一秒の日々 (角川文庫) 」が好きな人には
おすすめな一冊だと思います。
逆に「 あなたの呼吸が止まるまで 」がお嫌いな方には、もしかしたら合わないかもしれません。
ほぼずっと読み続けている島本理生の最新刊(2010年1月現在)。
彼女の作品をずっと読んでいて
「誰かをずっと思いながらも他の人と付き合う」
( ナラタージュ 、 シルエット (講談社文庫) 、 生まれる森 (講談社文庫) 、 波打ち際の蛍 )という設定の多さに、
心の中でいささか食傷を感じていたのですが
今作は、彼女の作品の中で新境地とも言える一冊です。
A編での主人公がB編では脇役に、という連作形式で
“真綿荘”の住人の内面が描かれていきます。
東京での、いろんな人との共同生活というと
わたしは「 パレード (幻冬舎文庫) 」、「 風が強く吹いている (新潮文庫 み 34-8) 」を思い出しましたが、
前者が好きな方には、面白く読めるのではないでしょうか。
ちなみに、今回のこの本は最終章に重力があるがゆえ、
その章に賛否が分かれるかと思いますが
不思議と自分は腑に落ちました。
そしてこの章を読んでようやく綿貫さんが理解できた気がします。
恋愛だけではなく、他者との関係性を構築すると言うことの
難しさや、かけがえのなさを描いたことで
島本さんの描く物語世界に新しい絵の具の色が加わり、
幅と奥行きが増したことに嬉しさを感じました。
おそらく彼女の「 一千一秒の日々 (角川文庫) 」が好きな人には
おすすめな一冊だと思います。
逆に「 あなたの呼吸が止まるまで 」がお嫌いな方には、もしかしたら合わないかもしれません。
2013年1月10日に日本でレビュー済み
それぞれ割としっかりした特徴(癖というべきか)がある面々が一つのアパートで過ごす日々を描く連作短編。
お互いの共感と反感が生み出す微妙な空気感が面白かったです。
文庫版の帯や裏表紙のあらすじからは、一つ屋根の下で織りなすハートウォーミングな話のような印象を受けますが、
それとは少し違って、清濁併せ飲んだストーリーでした。
仲良しごっこではない住人達一人一人の姿を、内面が少しだけ読み取れる定点カメラを据えて撮ったような作品。
(ストレートに「いい人」として描かれた人物がいないので、読み手によって肩入れする人が変わると思います。)
個人的には、会話が面白かったです。
結論を言わなかったり、言葉半ばで途切れるような台詞が多く、最初は少し違和感を覚えました。
しかし、現実の会話ってそういうものも多いし、常にきっちり主張したり説明的に話すわけではありません。
飲み込んだ言葉尻や、さえぎられてさらわれた発言権の背後で漂う本音や心情のかけらを感じながら読むと
より味わい深いと思います。
お互いの共感と反感が生み出す微妙な空気感が面白かったです。
文庫版の帯や裏表紙のあらすじからは、一つ屋根の下で織りなすハートウォーミングな話のような印象を受けますが、
それとは少し違って、清濁併せ飲んだストーリーでした。
仲良しごっこではない住人達一人一人の姿を、内面が少しだけ読み取れる定点カメラを据えて撮ったような作品。
(ストレートに「いい人」として描かれた人物がいないので、読み手によって肩入れする人が変わると思います。)
個人的には、会話が面白かったです。
結論を言わなかったり、言葉半ばで途切れるような台詞が多く、最初は少し違和感を覚えました。
しかし、現実の会話ってそういうものも多いし、常にきっちり主張したり説明的に話すわけではありません。
飲み込んだ言葉尻や、さえぎられてさらわれた発言権の背後で漂う本音や心情のかけらを感じながら読むと
より味わい深いと思います。
2011年2月26日に日本でレビュー済み
恋愛小説家島本理生さんによる6編の中編小説による連作小説集である。「真綿荘」という奇妙な名前の下宿屋が舞台となっており、そこに棲まう5人の住人たちの、切なくも奇妙な恋愛事情が描かれている。
真綿荘の5名の住人とは、下記のようにユニークだ。
綿貫千鶴(恋愛小説家でもある大家)
真島晴雨(大家の内縁の夫で画家)
大和葉介(北海道出身の下宿の新入り)
山岡 椿(事務員。女子高生の八重子と付き合っている)
鯨井小春(大柄なのがコンプレックスの大学生)
「真綿荘」というネーミングは「真綿で首を絞める」という喩えを連想させて不気味であるが、大家と大家の内縁の夫が経営する下宿屋の名前とあれば、それなりに納得する。恋愛というものはおしなべて真綿で首を絞めるようなものだというメッセージを受け取ってしまう。実はそんなことも無くて、単なる遊びなのかもしれないのだ。作者はそんなこんなのエスプリを楽しみながら創作をしていたのではないか? そんな想像さえ抱かせてしまう。
住人たちの恋愛事情はそれぞれまちまちではあるが、世間一般の、所謂多数派とは距離を置いていて、尚且つそれぞれに少数派であるが故のはくがいを内包している。恋愛にまつわる様々なる痛みというものを内包している、この小説のポジションはとても鮮烈であり、とてもユニークなものだ。
若き恋愛小説家の新境地を築いた作品だと云えるだろう。
真綿荘の5名の住人とは、下記のようにユニークだ。
綿貫千鶴(恋愛小説家でもある大家)
真島晴雨(大家の内縁の夫で画家)
大和葉介(北海道出身の下宿の新入り)
山岡 椿(事務員。女子高生の八重子と付き合っている)
鯨井小春(大柄なのがコンプレックスの大学生)
「真綿荘」というネーミングは「真綿で首を絞める」という喩えを連想させて不気味であるが、大家と大家の内縁の夫が経営する下宿屋の名前とあれば、それなりに納得する。恋愛というものはおしなべて真綿で首を絞めるようなものだというメッセージを受け取ってしまう。実はそんなことも無くて、単なる遊びなのかもしれないのだ。作者はそんなこんなのエスプリを楽しみながら創作をしていたのではないか? そんな想像さえ抱かせてしまう。
住人たちの恋愛事情はそれぞれまちまちではあるが、世間一般の、所謂多数派とは距離を置いていて、尚且つそれぞれに少数派であるが故のはくがいを内包している。恋愛にまつわる様々なる痛みというものを内包している、この小説のポジションはとても鮮烈であり、とてもユニークなものだ。
若き恋愛小説家の新境地を築いた作品だと云えるだろう。
2016年2月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
物語の状況を想像できず,感情移入できず,私には合いませんでした.