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終点のあの子 単行本 – 2010/5/13

4.0 5つ星のうち4.0 169個の評価

オール讀物新人賞史上最強の「ガールズ系小説」。女子校の甘くて苦い出来事を、やわらかく繊細な文章で描く受賞作ほか全4篇を収録
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋 (2010/5/13)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2010/5/13
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 199ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4163292101
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4163292106
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 169個の評価

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柚木 麻子
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上位レビュー、対象国: 日本

2023年12月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
紙書籍の良さ、電子書籍の良さ、それぞれあると思います。

直近の芥川賞受賞者の市川先生の仰る気持ちも理解できます。
もっと俗な理由で、書籍だと置き場所に困るという話も。
けれど、紙の質感で読んだ方が自分の中により物語が浸透し、刻み込まれる時がある。この本はそちら側に定義できる作品でした。

以下、ネタバレが大いに含まれます。
『フォーゲット ミー ノット ブルー』。
冒頭の高架工事についての内容から、少女たちの普段の様子や、工事独特のあの薬剤の匂いや白い壁がまざまざと脳裏に浮かんでくるようで、もっと早くこの本を手に取りたかったと思う反面、自分がまだ彼女たちの傷に共感するような年齢の時分に読んだなら、苦しくて途中で読めなくなったかもしれない。それくらいに、表題作を始めとしたすべてのお話が、わたしたち少女だった人、あるいは今の少女たちの話でした。
主人公の希代子が、転校生で有名な建築家の父を持つ、松濤暮らしの朱里に憧れを抱き、やがて彼女の目から見た自分が「つまらないもの」であること、自分の大切な人たちが自分よりも彼女を大事に思うよう(に見える)になるに従って、彼女を変えてやりたいと思うようになります。
自分たちのような「普通」の人間の気持ちを考えようとしない朱里。
自分たちを内心で莫迦にしている朱里。
経堂駅の小田急線ホームで、電車に乗った方と、踏みとどまった方。
わたしはつまらない人間じゃない。
朱里はすごい。でも、彼女は人の痛みを知らない。思い知るべきだ。
ここからどう展開するんだろう、と予想できない気持ちで読みました。
読み進めるにつれて「わたしも朱里に一泡ふかせたい」という気持ちになりましたが、どんどん物語が加速していくに従って、それは完全に苛めに変容します。
この頃にはもう希代子にも共感できないようになっています。ただ、彼女たちの着地点を見守るだけです。ページをめくる手が早くなったり、遅くなったり。時々前に戻ってみたり。
取り返しのつかないところまできてやっと、希代子は止まりました。
そして希代子の気持ちが明らかになった時、朱里との関係はもう修復不可能のところまで来ていました。

好きだった。憧れていた。だからこそ悲しかった。彼女に変わってほしかった。
「わたしの中に占める彼女の割合」「彼女の中に占めるわたしの割合」が釣り合っていなくて悲しかった。
彼女にわたしを同じように思ってほしかった。
切実で傲慢な考えです。
でも、共感できないとは言えない。

あの方法以外はなかったのだろうか。作中でも出てくる言葉です。
でも、あの時の彼女にはあの方法しか思いつかなかった。

柚木麻子先生がインタビューで、「女子高の担任をしている友人から聞いたいじめの話に対して抱いた感情を形にした」と仰っていて、わたしも現実にあったらしいこの経験を追体験した気持ちになりました。

連作なので、お話はこのクラスの中で、主人公を変えて続きます。
「ふたりでいるのに無言で読書」の、思春期時代の考え方の違いによる分かり合えなさ(大人になったらもう少しうまく付き合えるのに、それができない)、最後の恭子さんのエピソードがほろ苦さを添えています。

無印の梅干、現実のアイドルの名前。
時折差し込まれるそのはっとするような単語が、お話にさらに現実を加味するので、登場人物たちの痛みが際立ちます。

読んで損はない作品だと思います。
わたしはあの痛みも含めて大好きです。
2010年7月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
青春モノはほとんど読まないのに、某週刊誌で見た書評に引かれて読んでみました。
あまり期待していなかったのですが、
平易できれいな文章、飽きさせないストーリー、巧みな心理描写など質の高い小説でした。

4連作のうち、2つ目の「甘夏」がマイベストでした。
自分の行動に嫌悪感を持った女子高生が
不意にひらめき、思わず鞄を抱きしめて、ある行動に出ようとするところはグッときます。
ここだけでも読んで良かったなあと思えました。

ストーリーに合わせて、装丁に制服姿の女の子が描かれてます。
学園モノ、しかも女子高モノなので私のような中年サラリーマンには読んでもらいにくいかもしれませんが、
私が強く思ったのは女子高も会社も人間模様は同じではないかということです。

社員がグループ分けされて、他者を見下したり、他者に卑屈になったり。
ある出来事をきっかけに他者に対する態度をゴロリと変えたり。

それだけに、不意にひらめき、思わず鞄を抱きしめて、嫌な自分から脱する気になる瞬間がとても貴重なのです。
女子高生の場合はそこが「一つ成長する瞬間」、オッサンなら「吹っ切れる瞬間」と呼ぶのでしょうか。
いやオッサンでも自分をしっかり見つめて、成長することができるのかもしれません。
私は読みながら、自分のサラリーマン生活を思い起こさずにはいられなかったです。

ただ、連作の最後の「オイスターベイビー」には疑問を持ちました。
ここでパパが有名カメラマンの女子高生が、大学生として再登場し主役になったのはいかがなものでしょう。
この娘は狂言回しだと思ってたからです。

それよりも、この娘の日記を盗んで友人を失う女子にもう一度主役となって登場してほしかった。
「終点のあの子」というタイトルが成立しなくなるかもしれませんが、
日記を盗んで罰せられた女子にも、成長する瞬間を与えてやってほしかったですね。

まったく知らない作家でしたが、柚木さんには今後も頑張ってほしいです。
34人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年5月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
辛口になってしまうかもしれませんが特に残るものがありませんでした。
文章は読みやすいですし思春期の少女たちの気持ちやすれ違いもよく描けていたと思います。
そういった意味で過去の自分を思い出すきっかけのようなものにはなりましたが、
最後まで読んでも"共感"ができるだけにとどまってしまい、読み終わればそれまでという印象です。
悪くいってしまうと"毒にも薬にもならない"作品でしょうか、、、
決して駄作ではありませんがもう一歩踏み込んで書いてほしかったというのが正直な気持ちです。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2014年9月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とてもおもしろく読みました。
女子高生の微妙な心理を描いておられて各々の登場人物に感情移入しました。
話が変わると前の話で脇役の子が一人称になっていて、見る側と見られる側の
違いがよくわかりました。

著者のことは人気があるらしいけど読んだことがありませんでした。
朝日新聞に(間隔はわかりませんが)エッセイを連載されていて、
そこに書かれていることを読んで共感できることが多かったのと、
たまたま見たテレビ番組に出演されていて新刊の話や読書遍歴を話されて
いて興味を持ち、それなら最初の作品をと思ったのがきっかけです。

他の作品もよみたいと思いましたし、この作品を人にも薦めたくなりました。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2016年11月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
吉本ばななの『TUGUMI』や、山田詠美の『放課後の音符』などの一時期のジュブナイルに必ずいた、個性的かつ魅力的な「あの子」。「あの子」はとても素敵なのに何故か周りと距離を置いて、「あたし」だけを特別扱いしてくれる…。そんな甘い、紋切り型の友情小説かと思いきや、いい意味で裏切ってくれる。青春小説のアンチテーゼ的な作品。
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2015年6月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
はじめて読む著者。女性の世界、それも学生時代というかなり制約された世界で生きる少女たちが、
とてもリアルに描かれていた。特に、各キャラクターの心理描写がとっても優れていた。
自分は男だが、狭い世界で生きる少女になったような、痛い気持ちの揺れ動きが手に取るようにわかった。
舞台は数人の少女たちの視点が、同じ高校という定点を中心に展開されていくが、どの人が主人公ということはなく、
多感の時期の少女の喜怒哀楽がとても生き生きと描かれていて面白かった。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2015年7月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
柚木さんの作品は、どれを読んでも、はずれがありません。おもしろかったです。
2012年2月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
全編ともとても良かった
特に好きだったのは2話目と3話目。
心情的には☆4にしたいところだけど、

文化祭後から朱里を無視たりした事実と
2話目や3話目の少女たちの心情の整合性が合っていない気がした。
加えて、女子高ってこんなに性格悪い奴多いのか?
って純粋に違和感を覚えたww

文章の表現や登場人物の心の動きは凄くよく書けていたし
読んでて純文学的な余韻を凄く感じる作品で買って損はないと思います!
12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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