1991年に起こった東海大学「安楽死」殺人事件を取材しながら、安楽死や尊厳死について考察した本。
この事件は、家族に要求されて、多発性骨髄腫の末期患者に医師が塩化カリウムを注射し死に至らせたもの。判決は、懲役2年、執行猶予2年の有罪判決であった。
著者は、この裁判経過を追うだけでなく、安楽死と尊厳死の違い、安楽死として認定される要件は何か、それに照らして本件はどう評価されるか、等について解説を加えている。
また、終末医療に取り組む医師の活動や、看護士たちを取材し、医療・看護体制のあるべき姿についても考察している。
事件の裁判経過そのものがなかなか興味深いだけでなく、終末期医療について考えさせられる本であり、読むに値する本と思います。
ただ、残念なのは、著者が、事件を起こした医師個人を、個人の人格まで踏み込んで、繰り返して相当厳しくコメントすること。少しやりすぎという読後感が残った。
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病者は語れず: 東海大安楽死殺人事件 単行本 – 1995/5/1
永井 明
(著)
- 本の長さ229ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日1995/5/1
- ISBN-104163502807
- ISBN-13978-4163502809
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
安楽死か、殺人か。日本中を揺るがせた東海大安楽死事件には現代医療の問題が集約して表れた。全法廷を傍聴し、医療と医師のあり方を問う迫真のルポ。延命治療でも安楽死でもない、第三の選択とは。
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (1995/5/1)
- 発売日 : 1995/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 229ページ
- ISBN-10 : 4163502807
- ISBN-13 : 978-4163502809
- Amazon 売れ筋ランキング: - 730,143位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 35,706位医学・薬学・看護学・歯科学
- カスタマーレビュー:
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2017年8月6日に日本でレビュー済み
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想像したより、文面が思ったより意外に、読みやすかったと思います。
2011年3月1日に日本でレビュー済み
著者は今では『医龍』の原案者としてのほうが有名であろう。本書は東海大学の安楽死事件裁判の傍聴をもとに書かれている。著者は旧態依然とした医局システム、内実を伴わないチーム医療、事件を語りたがらない関係者から、安楽死を実行した被告医師、故人の家族の批判へとすすむ。本件は内部告発によるが、これ以前にも東海大学では同様の安楽死案件があったとされ、それが事実だとしたら当時の病巣は相当根深かったのだろう。この裁判の影響は巨大で、とくに東海大学では医師・医学生をいかに全人的に教育するか真剣に検討された。本書では並行して千葉大学や昭和大学の関係者が当時萌芽的に取り組み始めたホスピス・ケアが紹介され、それが救いとなっている。著者は2004年に逝去されています。ご冥福をお祈りします。