以前に読んだ「サッカーの世紀」で、各国のサッカー情勢がある程度理解できたが、やはりサッカーはワールドカップを中心に動いていると思ったので、この書も読んでみた。
「サッカーの世紀」同様、1998年フランス大会までの記載しかないが、各国のワールドカップに対する考え方の違いがわかっておもしろかった。
特にブラジル、ドイツ、イタリア、アルゼンチンのBIG4とその他の国では、ワールドカップに対する考え方や戦い方が異なるため、なかなかBIG4の牙城を崩すのは難しいという説明には納得する部分が多い。その証拠に強豪国といわれるフランスやイングランドが自国開催という全ての点において圧倒的有利な条件下でしか優勝していないことやオランダやスペインがなかなかワールドカップで勝てないことなどを挙げている。
とは言え、前回の南アフリカ大会ではそのスペインとオランダが決勝で対戦し、スペインが初優勝を飾っているので、これからスペインやオランダがどこまでBIG4に絡んでくるのかが楽しみである。
また、純粋にサッカーを楽しむ他に、ワールドカップ開催国決定などに関するFIFAの思惑や各国の政治的駆け引きなどのことにも触れられており、別の視点からもワールドカップを楽しむことができる。
巻末の筆者と岡田監督の対談を読みながら、ワールドカップ出場常連国になりつつある日本が出場するだけでなく、BIG4と優勝を争う日が近い内にやってくることを期待しつつ本を閉じた。
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ワールドカップの世紀: リアリズムとしてのサッカー 単行本 – 1996/5/1
後藤 健生
(著)
世界最大のイベントと、サッカーというスポーツの本質に迫る知的探検。サッカーファンに衝撃を与えた「サッカーの世紀」の続篇
- 本の長さ263ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日1996/5/1
- ISBN-104163515607
- ISBN-13978-4163515601
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
世界最大のイベントと、サッカーというスポーツの本質に迫る知的探検。世界最高のテクニックや様々な駆け引きや運、不運が織りなすドラマを「リアリズム」の眼で振り返る。「サッカーの世紀」の続編。
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (1996/5/1)
- 発売日 : 1996/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 263ページ
- ISBN-10 : 4163515607
- ISBN-13 : 978-4163515601
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,525,479位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 33,948位スポーツ (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年6月20日に日本でレビュー済み
1996年に出た単行本の文庫化。1998年フランス大会についての記述が、少しだけだが、書き加えられている。また岡田武史との対談が収録されている。
ワールドカップの歴史を豊富なデータと確かな知識で読み解いた著作。大きな柱となっているのは、ブラジル、イタリア、ドイツ、アルゼンチンという常連国・優勝経験国と、それ以外の国々の比較。それ以外の国々とは、力はありながら優勝できないオランダや東欧諸国、新参者・弱小国であるアジア・アフリカ諸国のことを指す。両者を分けるのは大会全体を通しての戦い方と、勝利への執念であるという。たとえばイタリアは一次リーグの間は力をセーブして守備的なサッカーに徹する。しかし決勝トーナメントでは攻撃的になる。
こうした分析を基礎に据え、ワールドカップの各大会が俎上に上げられていく。なるほどと思わされる。各国のサッカースタイルの違いや報道姿勢、国民の反応にも触れられており、総合的なサッカー文化理解が出来たような気がする。
また、本書は日本がワールドカップで勝ち抜くための指南書ともなっている。大陸予選での戦い方、国民のバックアップの方法など、克服すべき問題は山積みになっている。ワールドカップで勝つためには日本全体のサッカー文化を成熟させていく必要があるのだろう。勉強になった。
ただ、前著『サッカーの世紀』に比べると落ちるように感じた。
ワールドカップの歴史を豊富なデータと確かな知識で読み解いた著作。大きな柱となっているのは、ブラジル、イタリア、ドイツ、アルゼンチンという常連国・優勝経験国と、それ以外の国々の比較。それ以外の国々とは、力はありながら優勝できないオランダや東欧諸国、新参者・弱小国であるアジア・アフリカ諸国のことを指す。両者を分けるのは大会全体を通しての戦い方と、勝利への執念であるという。たとえばイタリアは一次リーグの間は力をセーブして守備的なサッカーに徹する。しかし決勝トーナメントでは攻撃的になる。
こうした分析を基礎に据え、ワールドカップの各大会が俎上に上げられていく。なるほどと思わされる。各国のサッカースタイルの違いや報道姿勢、国民の反応にも触れられており、総合的なサッカー文化理解が出来たような気がする。
また、本書は日本がワールドカップで勝ち抜くための指南書ともなっている。大陸予選での戦い方、国民のバックアップの方法など、克服すべき問題は山積みになっている。ワールドカップで勝つためには日本全体のサッカー文化を成熟させていく必要があるのだろう。勉強になった。
ただ、前著『サッカーの世紀』に比べると落ちるように感じた。
2001年5月24日に日本でレビュー済み
かねてからサッカーがあまり盛んではなかった日本では、ワールドカップは出るものとしてではなく、見るものとして捉えられていた。そのためか、昔のワールドカップに関する情報が乏しい感は否めない。やはり世界サッカーの、日本にとっては「暗黒」時代の推移を知りたかった私にとってこの本はまさに打ってつけだった。
詳しすぎるほどに説明を重ねるのが後藤の本質。くどいと感じたことも多少あったにせよ、押し付けではなく誠意のある書き方。
2002年にワールドカップ自国開催を控えている日本の問題も浮き彫りにされている.いろんな意味で「知的サッカーファン」の疑問に答えてくれる一冊と言える。
詳しすぎるほどに説明を重ねるのが後藤の本質。くどいと感じたことも多少あったにせよ、押し付けではなく誠意のある書き方。
2002年にワールドカップ自国開催を控えている日本の問題も浮き彫りにされている.いろんな意味で「知的サッカーファン」の疑問に答えてくれる一冊と言える。