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9.11 単行本 – 2001/11/29
- 本の長さ157ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2001/11/29
- ISBN-10416358210X
- ISBN-13978-4163582108
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商品の説明
商品説明
著者ノーム・チョムスキーはアメリカを代表する言語学者だが、社会運動家としても知られる。そのまなざしは自国の惨禍にあってなお研ぎ澄まされ、鋭く本質を見据えている。同時テロに関してしばしば行われる観念的な分析を退け、これは「文明の衝突」などではなく、反グローバリゼーションとも何ら関連ないとする。また、アフガニスタンへの攻撃に対しては、「罪のない民衆をほしいままに殺戮するのはテロであり、テロに対する戦争ではない」と容赦ない批判を向けている。なかでも驚かされるのは、ニカラグアやスーダンへの非人道的な破壊活動などあまたの例を挙げ、「アメリカこそテロ国家の親玉」と喝破していることだろう。アメリカ人でなくとも衝撃を受けずにはいられないが、これは厳然たる事実に基づいた指摘なのである。
だが、いたずらに自国を非難することが著者の本意ではない。事実を直視し、平和のために市民ひとりひとりが何をなすべきか真摯に示唆しようとする。そうして語られるなかには、「テロの背後に潜むものを調べ」「不満を理解し」「法のルールに従い犯人を処罰する」など、自明の理と呼べるものも数多い。だが、世界が理性を失っていくなかで恐れず道理を口にすることが知性であり、勇気なのだ。知こそ、平和へ向かう唯一の出発点なのかもしれない。(大滝浩太郎)
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2001/11/29)
- 発売日 : 2001/11/29
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 157ページ
- ISBN-10 : 416358210X
- ISBN-13 : 978-4163582108
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,048,857位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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アメリカの良心、懐の深い国、自由の国。確かに戦後日本はアメリカを手本にしながら発展してきた。ハリウッド映画が悪人として描いてきたテロリスト。確かにテロは許し難い行為であるが、何故それが起こったのか、それを一言で説明出来ない複雑な長い歴史があるのは皆が知るところだが、どっちもどっち、という言い方はしたくない。
ひとつだけ言える事、そこでいつも犠牲になるのは軍事力、利権、パワーゲームとは無縁の普通の生活をしている普通の人々である、という事が許せない。いつもどこかの国で肉親を失った人が泣いている映像がTVに流れるたびに私はそう思う。 ハリウッドがCGで作った映画どおりのテロを起こされてしまった国にそう言いたい。
“西側は敵の選び方において極めて普遍的、世界的である。判定基準は、服従しているか否かであり、権力へ奉仕しているか否かであって、
宗教のいかんではない。”
9.11World Trade Center 攻撃事件後、評者はメディアを通じたホワイトハウスの大本営発表を素直に信じ、米軍によるアフガニスタン攻撃、イラク侵略はやむを得ないと思っていたことを思い出す。評者が優れた政治家だと評価していたイギリスのブレア首相もアメリカ政府を全面的に支持していた。NATOがアフガン攻撃に参加したのも、アメリカの言い分に同調したからであろう。
欧州の駐在経験があり、少しは世界のことを知っているつもりだった評者でも、事件後のマスコミ報道、ホワイトハウスの大本営発表を素直に信じ、結果的に簡単に騙されてしまった。ところが本書の著者は、全く違う。9.11直後でさえ、「誰がやったのか。証拠はなにか」と冷静に問う。アフガン攻撃に対しては「米国国民が他国でテロ行為をしたときに、報復に他国が米国に攻め込むのを認めるか」と問う。問題の核心は「なぜイスラム過激派が西側諸国でテロをするのか」だという。その原因、責任は…、本書から改めて世界情勢を見る視点を教えてもらった。
英文を読むときに返り読みをすることはありますが、
日本語を読むときに何度も行ったり来たりしなければならない経験は
そうありません。何度読んでも理解できないので、一瞬自分が悪いのかと錯覚する程でした。
あとがきの最後に、「旧版に対しては文章が下手で読みにくいなどお叱りを頂戴したので、(中略)できる限り読みやすいものにしたつもりである」とありました。旧版を手に入れたくなりました。
チョムスキーがあまりに憐れでなりません。
悪いことばかり書いてしまいましたが、原著から時間をあけずに翻訳をなさった訳者のヴァイタリティーには皮肉ではなく敬意を表します。また、翻訳の不味さを念頭に置いても、内容は興味深く素晴らしい本だと思います。その意味では、必読書と言えますし、私自身もっと早く手に取るべきだったと思っています。色々な意味で勉強になりましたし、結論としては買って良かったと思っています。
我々はアメリカがしたこと、考えていることを知らなさすぎる。というより、敢えて知ろうとしなかったのかもしれない。今こそ、少しでもそれを知るときではないだろうか。
著者は、アメリカにいながら、鋭い視点でテロに対して検証可能で客観的な事実のみからその本質にあるものをえぐり出してくれる。かろうじてアメリカにもこのような知性が存在することに微かな安心を覚え、本書に書かれていることを理解してくれる人が一人でも増えてくれることを心から望む。
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建国以来、米国は他国を攻めるようなことはあっても、自国が本格的に攻められることはなかった。攻撃の矛先が初めて米国に向いたという意味で、9.11は未だかつてない出来事であった。しかもそれは得体の知れないテロリスト集団によるものであり、9.11は米国のみならず世界を震撼させた。
しかし、それとアフガン空爆に踏み切るのとは別問題である。米国に反撃する権利はない。これがチョムスキーの主張である。この本では、ICJがニカラグア事件で米国を「テロ支援国家」としたことや、米国のスーダン空爆によって特効薬を製造していた工場が破壊され、結果的に多くの被害をもたらしたことなど、具体的事例をもとに、気持ちのいいくらい強烈な対米批判がなされている。
確かに米国はしばしば国際法を破るし、常に人道的な行動を取っているわけではない。ただ、ある事例を取り上げて国全体の性質を断定することによって、著者は合成の誤謬に陥っているのではないだろうか。