世界的に著名な言語学者ノーム・チョムスキーが、「新自由主義」の不自由さ、
貪欲な金融資本主義を糾弾するとともに、民衆を画一化して管理しようとする
グローバリズムを痛烈に批判する。
なお、本書の主題とは直接には関係ないが、本書では「日本の植民地政策」に
ついて、次のように書かれている。
「日本は、暴力的な植民強国ではあったが、植民地の強奪はせず、本国と
ほとんど同じレベルで植民地を開発した。」
これは、戦前日本の植民地政策はヨーロッパ諸国が行なったような第三世界
に対する「搾取」とは異なるとする見方である。
戦後の自虐史観を刷り込まれた現代日本人にも知ってもらいたい事実である。
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金儲けがすべてでいいのか 単行本 – 2002/9/27
ノーム チョムスキー
(著),
山崎 淳
(翻訳)
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2002/9/27
- ISBN-104163589708
- ISBN-13978-4163589701
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
9・11テロ後、アメリカに報復する資格はないと喝破したチョムスキーが、グローバリズムの思想と行動を完膚なきまで批判した論文集。新自由主義とグローバルな秩序、同意なき同意、自由市場への情熱、究極の武器など。
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2002/9/27)
- 発売日 : 2002/9/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 320ページ
- ISBN-10 : 4163589708
- ISBN-13 : 978-4163589701
- Amazon 売れ筋ランキング: - 625,100位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2022年9月19日に日本でレビュー済み
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2002年9月30日に日本でレビュー済み
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この人は,言うアメリカ資本主義は危機(私が書評で書いたのだが)でなく,葬り去らなければならないと。それは,戦争という非惨な結末で終わるかもしれないと。この人ほど,グローバリリズムの欺瞞を,鋭く指摘した人を,私は,知らない。辺見氏が絶賛するのもうなずける。まさに知の巨人の作品。
2004年1月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
チョムスキー氏の著作を読んだのは本著が初めてだった。発刊直後に読んだのだが、自分のなかで整理ができないまま、わかったようなわからないような印象だった。 言葉は確かに難解になりがちかもしれないが、そんなことよりも自分の生活の中で、氏の主張をどう位置づけたらいいのか考えが整理できなかったからだ。
現代は、経済活動という一見正当な社会活動が、グローバリズムとかグローバルスタンダードという言葉に載って際限のない広がりを見せている。またこのグローバリズムに載ることが、自らの生活と社会を豊かにし、人々のためになると主張するのが「新自由主義」であり、それを主張するのはアメリカ政府や米系大企業だと。
その一方で、形を変えた搾取が途上国などで起こる。 新自由主義やグローバリズムは、「持てる者は、より多く」、「持たざる者は、さらに手放す」という二極分化を促してしまうと、著者は言う。
鹿児島県地方には、自分の暮らす「四里四方」の飲み物・食べ物を口にしていれば、健康でいられ、かつそれは美味しいという考え方がある。 フランスの農村で発したスローフードと考え方は同じであり、それを経済テーマまで繋げて考えていくことによって、チョムスキー氏の主張にも、初めて頷ける。 私なりに、本書のメッセージを自分の暮らしの中に落とし込んでみることができた。
私は役人や経済学者ではなく、経済の勉強の経験もない、一介のサラリーマンだ。 日頃、お金(特にローンかな)に追い回されるのはイヤだと感じている。 しかしその一方で、美味しいワインも飲みたいし、欲しいものもあるから、身の丈以上にお金が欲しいとも感じる。とても矛盾している。 そんな私に社会経済という面から、自分の暮らしを整理して考えるきっかけとなってくれた本書には感謝している。
スローフードやシンプルライフといったことに興味のある方にも読んでいただきたい一冊です。
現代は、経済活動という一見正当な社会活動が、グローバリズムとかグローバルスタンダードという言葉に載って際限のない広がりを見せている。またこのグローバリズムに載ることが、自らの生活と社会を豊かにし、人々のためになると主張するのが「新自由主義」であり、それを主張するのはアメリカ政府や米系大企業だと。
その一方で、形を変えた搾取が途上国などで起こる。 新自由主義やグローバリズムは、「持てる者は、より多く」、「持たざる者は、さらに手放す」という二極分化を促してしまうと、著者は言う。
鹿児島県地方には、自分の暮らす「四里四方」の飲み物・食べ物を口にしていれば、健康でいられ、かつそれは美味しいという考え方がある。 フランスの農村で発したスローフードと考え方は同じであり、それを経済テーマまで繋げて考えていくことによって、チョムスキー氏の主張にも、初めて頷ける。 私なりに、本書のメッセージを自分の暮らしの中に落とし込んでみることができた。
私は役人や経済学者ではなく、経済の勉強の経験もない、一介のサラリーマンだ。 日頃、お金(特にローンかな)に追い回されるのはイヤだと感じている。 しかしその一方で、美味しいワインも飲みたいし、欲しいものもあるから、身の丈以上にお金が欲しいとも感じる。とても矛盾している。 そんな私に社会経済という面から、自分の暮らしを整理して考えるきっかけとなってくれた本書には感謝している。
スローフードやシンプルライフといったことに興味のある方にも読んでいただきたい一冊です。
2002年11月23日に日本でレビュー済み
同時多発テロ以降、アメリカの一連の軍事行動への警鐘として『9.11』などの本を上梓。ドキュメンタリー映画にも描き出され、最近注目のチョムスキー(本職は言語学者だが、知識人と最近は呼ばれている)。
本書では、自国アメリカへの経済面についての批判が書かれている。
みなさんが本書を読むかどうか決めるにあたり、以下の3点を参考までに申しあげたい。
1点目。本書に書かれている内容は、すべて同時多発テロが起こるよりも以前のもの。クリントンがアメリカ大統領だったころに書かれた雑誌寄稿文を集めたものである。現ブッシュ政権への批判を期待しているみなさんには的外れとならぬよう。
2点目。ドキュメンタリー映画を観る限り、チョムスキーの主張のしかたは至極明確なものだった。だが本になると、どうしてこれほどまでに難解になるのだろうか(翻訳のせい?)。気軽に読むというよりも、気合いを入れて読む本。
3点目。だが、チョムスキーの主張はやはり首尾一貫している。難解さを克服し読み進めるために、「政府+大企業」対「庶民」という対立構図の中で話が進んでいくことを常に意識されるとよいだろう。
本書では、自国アメリカへの経済面についての批判が書かれている。
みなさんが本書を読むかどうか決めるにあたり、以下の3点を参考までに申しあげたい。
1点目。本書に書かれている内容は、すべて同時多発テロが起こるよりも以前のもの。クリントンがアメリカ大統領だったころに書かれた雑誌寄稿文を集めたものである。現ブッシュ政権への批判を期待しているみなさんには的外れとならぬよう。
2点目。ドキュメンタリー映画を観る限り、チョムスキーの主張のしかたは至極明確なものだった。だが本になると、どうしてこれほどまでに難解になるのだろうか(翻訳のせい?)。気軽に読むというよりも、気合いを入れて読む本。
3点目。だが、チョムスキーの主張はやはり首尾一貫している。難解さを克服し読み進めるために、「政府+大企業」対「庶民」という対立構図の中で話が進んでいくことを常に意識されるとよいだろう。