ドナウ川で発見された、19歳と33歳の邦人男女の遺体。
これだけの内容では、「失楽園」に似た不倫の話に思えます。
しかし、そんなに薄い話ではない。
19歳の無償の愛。
こんなに人を愛せるのでしょうか?
ここまで自分を犠牲にできるのでしょうか?
また、海外で最愛の娘を失った両親。
悲しいでは表現できない絶望感。
涙が何度も出てきました。
この話、ノンフィクションなんです。
ネットで調べると、父親は検索できました。
本の最後には、亡くなった19歳の少女の写真が。
大変重い話ですが、是非読んで欲しいです。
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ドナウよ、静かに流れよ 単行本 – 2003/6/1
大崎 善生
(著)
- 本の長さ367ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2003/6/1
- ISBN-104163597409
- ISBN-13978-4163597409
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
留学中にドナウ川へ身を投じた19歳の少女。その死を伝える小さな記事に衝き動かされた私は、運命に導かれ、彼女の短すぎる生を追う旅に出た。本格ノンフィクション。
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2003/6/1)
- 発売日 : 2003/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 367ページ
- ISBN-10 : 4163597409
- ISBN-13 : 978-4163597409
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,036,735位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 145,614位ノンフィクション (本)
- - 266,764位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年9月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2003年9月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この人が以前書いたノンフィクションは2つある。
夭折の天才棋士を描いた「聖の青春」
プロ棋士の登竜門・奨励会での挫折を描いた「将棋の子」
どちらも感動した。
この作品は19才の少女と精神を病んだ33才の恋人とがドナウ川で心中した顛末を描いたノンフィクションである。
女性の母親は将棋のアマ強豪だった人。正直また関係者か、また将棋かと思う。
死後、彼女のパソコンに残った、留学先のルーマニアの事情によるものか、メールの不達を嘆く言葉。
プリンタの設定が出来ていないパソコン。
19才の少女が一人で外国で生きていくのには寂しすぎる広い部屋。
前半を読むにつれ33才の男の方を憎らしく思えてきた。
しかしあとに続く、文章で明らかになる男性についてのこと。
彼女が彼をどのように愛したか。
最初は寂しさをまぎらわすために、しかし、だんだんと母のように彼を見守るために。
彼と彼女を引き離そうとする家族はさながらカルト教団に対峙するかのようだ。
しかし、彼女は彼を選んだ。
感動した。
「ドナウよ、静かに流れよ。」
同感だ。
しかし、この人の作品でいつも思うのは感動させられたという作為の方だ。
19才の"少女"。間違いじゃない。むしろ妥当だけど、"若い女性"じゃいけないの?
ハーフだそうだけど、それゆえの苦悩もあっさりと。
男性の方に対する取材も足りてないのではないかという気がする。
男性の精神病も中途半端な取り上げ方だ。
どうとでも受け取れる、不十分な否定。
否定するなら否定すべきだ。
19才の無垢な美少女が33才の精神病?の男性に騙されて心中する話とも受け取れる。
感動する話の型にはめた作品の気がした。
40代の当時独身のオジサンの目を感じざるをえない。
この人の作品をよく読むのは自分にとってくみしやすいとなめているからだ。
期待を裏切ってほしい。
夭折の天才棋士を描いた「聖の青春」
プロ棋士の登竜門・奨励会での挫折を描いた「将棋の子」
どちらも感動した。
この作品は19才の少女と精神を病んだ33才の恋人とがドナウ川で心中した顛末を描いたノンフィクションである。
女性の母親は将棋のアマ強豪だった人。正直また関係者か、また将棋かと思う。
死後、彼女のパソコンに残った、留学先のルーマニアの事情によるものか、メールの不達を嘆く言葉。
プリンタの設定が出来ていないパソコン。
19才の少女が一人で外国で生きていくのには寂しすぎる広い部屋。
前半を読むにつれ33才の男の方を憎らしく思えてきた。
しかしあとに続く、文章で明らかになる男性についてのこと。
彼女が彼をどのように愛したか。
最初は寂しさをまぎらわすために、しかし、だんだんと母のように彼を見守るために。
彼と彼女を引き離そうとする家族はさながらカルト教団に対峙するかのようだ。
しかし、彼女は彼を選んだ。
感動した。
「ドナウよ、静かに流れよ。」
同感だ。
しかし、この人の作品でいつも思うのは感動させられたという作為の方だ。
19才の"少女"。間違いじゃない。むしろ妥当だけど、"若い女性"じゃいけないの?
ハーフだそうだけど、それゆえの苦悩もあっさりと。
男性の方に対する取材も足りてないのではないかという気がする。
男性の精神病も中途半端な取り上げ方だ。
どうとでも受け取れる、不十分な否定。
否定するなら否定すべきだ。
19才の無垢な美少女が33才の精神病?の男性に騙されて心中する話とも受け取れる。
感動する話の型にはめた作品の気がした。
40代の当時独身のオジサンの目を感じざるをえない。
この人の作品をよく読むのは自分にとってくみしやすいとなめているからだ。
期待を裏切ってほしい。
2017年1月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
汚れは多少ありますが、読むことに問題ありませんでした。次回の割引券も同封してありました。
2003年11月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私にとって大崎作品は2作目。
読みながらこんなに気持ちがかわる本は珍しいと思う。
亡くなった女の子への無謀さにあきれてみたり、生きていればきっといいことあったのにと悔しく思ってみたり、心中した男性への憤りがとまらなかったり、ご両親の気持ちを思うとせつなくなってみたり、またご両親の生き方、考え方に腹立たしく思ったり。
だけど最後には一種すががしさを感じた。
きっと彼女の気持ちは昇華され、最後は幸せな気持ちであったんだろうと。
もちろん作者も言うように事実は本人でしかわからないけれど、そうあってほしいと願うばかりです。
両親のエゴ、わがまま、身勝手、関わる大人達の誤算、不幸な偶然が彼女を追い詰めてしまったことが本当に悔やまれる。
本人の意思を尊重すべきところで親が本人の意思を考えずに自分達の考えを押しつけ、まだ19歳の少女を導くべきところで「自分で考えろ」と突き放す。
そんな環境にいたからこそ、彼女が最後に選んだ男(普通でないところが残念だったけれど)、道は最終的に純粋でよかったのだと思う。
子供を持ってる方にぜひ読んでいただきたい1冊です。
彼女のような悔やまれる人生を歩む子供がこれ以上増えないために。
読みながらこんなに気持ちがかわる本は珍しいと思う。
亡くなった女の子への無謀さにあきれてみたり、生きていればきっといいことあったのにと悔しく思ってみたり、心中した男性への憤りがとまらなかったり、ご両親の気持ちを思うとせつなくなってみたり、またご両親の生き方、考え方に腹立たしく思ったり。
だけど最後には一種すががしさを感じた。
きっと彼女の気持ちは昇華され、最後は幸せな気持ちであったんだろうと。
もちろん作者も言うように事実は本人でしかわからないけれど、そうあってほしいと願うばかりです。
両親のエゴ、わがまま、身勝手、関わる大人達の誤算、不幸な偶然が彼女を追い詰めてしまったことが本当に悔やまれる。
本人の意思を尊重すべきところで親が本人の意思を考えずに自分達の考えを押しつけ、まだ19歳の少女を導くべきところで「自分で考えろ」と突き放す。
そんな環境にいたからこそ、彼女が最後に選んだ男(普通でないところが残念だったけれど)、道は最終的に純粋でよかったのだと思う。
子供を持ってる方にぜひ読んでいただきたい1冊です。
彼女のような悔やまれる人生を歩む子供がこれ以上増えないために。
2007年4月7日に日本でレビュー済み
大崎さんの作品はどれも好きですが、
「ドナウよ、静かに流れよ」はダントツに大好きです。
ノンフィクションのお話とゆうことで、
本当に、事実は小説より奇なり、とはまさにこうゆうことだなと思いました。
不可思議なところや、共感できない、わからない(行動や言動が)所も
多々ありますが、私自身も、作中に登場する女の子と同じ歳の頃に
ヨーロッパに単身留学していたので、感情移入するところも
少しありました。
なんていったらいいか本当にうまくいえないけど・・・
読んでみておとずれる不思議な感情。
彼女の周りの日本の友人たち、現地で彼女を心配する友人たち、
そして親、彼女が好きになった人…
いろんな人が見守る中で、変わっていく彼女。
「どうして」と疑問も感じずにはいられません。
そして最終的に、不思議な行動のあとには、死を選んでしまうとゆう
少し重いストーリーですが、読み出したら止まりません!!
読み終わったら涙がこぼれる作品です。
「ドナウよ、静かに流れよ」はダントツに大好きです。
ノンフィクションのお話とゆうことで、
本当に、事実は小説より奇なり、とはまさにこうゆうことだなと思いました。
不可思議なところや、共感できない、わからない(行動や言動が)所も
多々ありますが、私自身も、作中に登場する女の子と同じ歳の頃に
ヨーロッパに単身留学していたので、感情移入するところも
少しありました。
なんていったらいいか本当にうまくいえないけど・・・
読んでみておとずれる不思議な感情。
彼女の周りの日本の友人たち、現地で彼女を心配する友人たち、
そして親、彼女が好きになった人…
いろんな人が見守る中で、変わっていく彼女。
「どうして」と疑問も感じずにはいられません。
そして最終的に、不思議な行動のあとには、死を選んでしまうとゆう
少し重いストーリーですが、読み出したら止まりません!!
読み終わったら涙がこぼれる作品です。
2003年8月25日に日本でレビュー済み
ウィーンで心中した邦人男女をめぐる、衝撃のノンフィクション。
しかし、衝撃的なのは描かれている事実ではなく、それを書く著者の強度そのものである。
「心中」という圧倒的な事実の前には、99%の割合で、ただ1つだけの
解釈の余地しか残されていない。その状況に直面した時、99%の解釈に身を委ねるか、
それとも残りの1%に到達し得ないことに切なさや儚さを感じるか。
著者の取る態度は、そのいずれでもない。
言葉を失いそうな圧倒的事実を前に、その衝撃性とは異なる解釈を探しながら、
ギリギリのすき間でいくつもの99%の壁をよけ、心中が行われた河へとたどり着く。
その驚異的な力強さは、決していわゆる美文ではないが、しかし語りかけるような
緩急のスピード感が見事な文体によって綴られ、圧巻としか言いようがない。
著者のたどり着いた先は、何もない、空虚な場所だったかもしれない。
「心中」と表裏一体の関係にある「愛」の取り扱いも、多少感傷的かもしれない。
けれども、もしもこの小説が欺瞞的であると言うならば、ほとんどの小説は明らかに、
そのはるか手前で空転している。この本が何も言えていないとすれば、
なにかを言えている著述がどれくらいあるだろうか。
何かを知ることや、コトバの自由に生きる人に、ぜひとも読んで欲しい、珠玉の一冊。
しかし、衝撃的なのは描かれている事実ではなく、それを書く著者の強度そのものである。
「心中」という圧倒的な事実の前には、99%の割合で、ただ1つだけの
解釈の余地しか残されていない。その状況に直面した時、99%の解釈に身を委ねるか、
それとも残りの1%に到達し得ないことに切なさや儚さを感じるか。
著者の取る態度は、そのいずれでもない。
言葉を失いそうな圧倒的事実を前に、その衝撃性とは異なる解釈を探しながら、
ギリギリのすき間でいくつもの99%の壁をよけ、心中が行われた河へとたどり着く。
その驚異的な力強さは、決していわゆる美文ではないが、しかし語りかけるような
緩急のスピード感が見事な文体によって綴られ、圧巻としか言いようがない。
著者のたどり着いた先は、何もない、空虚な場所だったかもしれない。
「心中」と表裏一体の関係にある「愛」の取り扱いも、多少感傷的かもしれない。
けれども、もしもこの小説が欺瞞的であると言うならば、ほとんどの小説は明らかに、
そのはるか手前で空転している。この本が何も言えていないとすれば、
なにかを言えている著述がどれくらいあるだろうか。
何かを知ることや、コトバの自由に生きる人に、ぜひとも読んで欲しい、珠玉の一冊。
2004年4月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
印象に残るは「少女の美しさ」。
2001年に起こったあの事件を覚えているだろうか。
ドナウ川で、日本人の33歳指揮者(と名乗る男)と日本人の19歳女子大生が心中…。 その事件の背景と二人の足跡を追ったのが本書。
「娘はあの男に殺されたんだ」と泣き叫ぶ女性の両親。そして次々明らかになる指揮者と名乗る男の奇行。しかし、女子大生は殺されたのではないと、本書は指摘する。それは…。
19歳という女とも少女ともいえないあやふやな時期の女性の成長が、そこにはあった。
前編に渡り、事件の事実が読ませるが、文は「下手」ということは、一応指摘しておきたい。
2001年に起こったあの事件を覚えているだろうか。
ドナウ川で、日本人の33歳指揮者(と名乗る男)と日本人の19歳女子大生が心中…。 その事件の背景と二人の足跡を追ったのが本書。
「娘はあの男に殺されたんだ」と泣き叫ぶ女性の両親。そして次々明らかになる指揮者と名乗る男の奇行。しかし、女子大生は殺されたのではないと、本書は指摘する。それは…。
19歳という女とも少女ともいえないあやふやな時期の女性の成長が、そこにはあった。
前編に渡り、事件の事実が読ませるが、文は「下手」ということは、一応指摘しておきたい。
2014年7月25日に日本でレビュー済み
19歳の若い女性が自殺してしまった。かわいそう。実は知り合いの娘だった。
そのあとは思い入れたっぷりに、その自殺を美化しようとする考察が続く。ノンフィクションの体をとっているが、何一つ真実は出てこない。実は、事実も出てこない。取材と称して語られるのは彼の思い入れの延長で取り上げられるだけだ。
ノンフィクション作家は生きることを否定してはいけない。いかなることがあろうと自殺を美化しそれがあたかも何かのメッセージ性を持って美化できるのだという方向に歩いてはいけない。そんなものはノンフィクションではない。愚鈍なまでの命への応援が優れたノンフィクションだ。
彼女がいくら純粋であろうと、繊細であろうと、無責任な両親に育てられようと、過酷な外国生活を強いられてしまったのであろうと、彼女は生きなければならなかったし、生かせなければならなかった。そういう物語でなければ、そういう全ての、彼女以外の全ての人間の慟哭の物語でなければならない。
死んでしまったものを悪く言うのではない。
死に向かうような、最低な男との邂逅を止められなかった周りの人間の、引いては私たち自身の物語にすべきだった。
私はこの作家の作品は二度と読まない。
そのあとは思い入れたっぷりに、その自殺を美化しようとする考察が続く。ノンフィクションの体をとっているが、何一つ真実は出てこない。実は、事実も出てこない。取材と称して語られるのは彼の思い入れの延長で取り上げられるだけだ。
ノンフィクション作家は生きることを否定してはいけない。いかなることがあろうと自殺を美化しそれがあたかも何かのメッセージ性を持って美化できるのだという方向に歩いてはいけない。そんなものはノンフィクションではない。愚鈍なまでの命への応援が優れたノンフィクションだ。
彼女がいくら純粋であろうと、繊細であろうと、無責任な両親に育てられようと、過酷な外国生活を強いられてしまったのであろうと、彼女は生きなければならなかったし、生かせなければならなかった。そういう物語でなければ、そういう全ての、彼女以外の全ての人間の慟哭の物語でなければならない。
死んでしまったものを悪く言うのではない。
死に向かうような、最低な男との邂逅を止められなかった周りの人間の、引いては私たち自身の物語にすべきだった。
私はこの作家の作品は二度と読まない。