沢木耕太郎の「男と女」?
これは、沢木耕太郎ノンフィクション作品集全9巻の一冊。
男と女は、すなわち人間。
「自作解説ノート」からノンフィクションというジャンルの書く者と書かれる者の息遣いまでが感じられる。
この本のために書かれた「夜の野菜畑」は自身と読者に対しての誠実さという点において、これまでのどの作品にも増して著者を感じさせる。
「男と女」は「檀」を書き、「檀」から「無名」に至る著者自身のStoryでもある。

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男と女 (沢木耕太郎ノンフィクション6) ペーパーバック – 2004/3/25
沢木 耕太郎
(著)
あなたにとって私とは何だったのか。私にとってあなたはすべてであったけれど。無頼の作家の妻の一人称で綴る『火宅の人』の実像
- 本の長さ502ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2004/3/25
- ISBN-10416364900X
- ISBN-13978-4163649009
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2004/3/25)
- 発売日 : 2004/3/25
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 502ページ
- ISBN-10 : 416364900X
- ISBN-13 : 978-4163649009
- Amazon 売れ筋ランキング: - 760,604位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 453位個人全集の全集・選書
- - 3,878位自伝・伝記
- カスタマーレビュー:
著者について
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1947(昭和22)年、東京生れ。横浜国大卒業。
ほどなくルポライターとして出発し、鮮烈な感性と斬新な文体で注目を集める。『若き実力者たち』『敗れざる者たち』等を発表した後、1979年、『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、1982年には『一瞬の夏』で新田次郎文学賞を受賞。常にノンフィクションの新たな可能性を追求し続け、1995(平成7)年、檀一雄未亡人の一人称話法に徹した『檀』を発表。
2000年に初めての書き下ろし長編小説『血の味』を刊行。2002年から2004年にかけて、それまでのノンフィクション分野の仕事の集大成『沢木耕太郎ノンフィクション』が刊行され、2005年にはフィクション/ノンフィクションの垣根を超えたとも言うべき登山の極限状態を描いた『凍』を発表、大きな話題を呼んだ。
カスタマーレビュー
星5つ中4.7つ
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年4月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
父と過ごした最期の日々の記録を描いた「無名」が秀逸である、無名だった父親
のたった一冊の句集に注いだ作者情熱が伝わる内容である、作者の父に対する
礼儀正しさに距離感とともに父親に対する想いを感じた。
のたった一冊の句集に注いだ作者情熱が伝わる内容である、作者の父に対する
礼儀正しさに距離感とともに父親に対する想いを感じた。
2004年9月29日に日本でレビュー済み
「火宅の人」檀一雄。名前だけは知っていたけれど、女優檀ふみの身内という知識しかありませんでした。さらに「火宅の人」を勝手に家庭内暴力の人と勘違いしてました。檀の妻、ヨソ子さんの1人称というスタイルで語られる「檀」、夫婦の半生、自身の生涯については「火宅の人」を読んでいなくても、迫ってくるものがあります。そして檀という男の妙を考え始めました。もう1篇収録されている長篇は沢木耕太郎の父の最期を描いた「無名」。沢木がここまでプライベートなことを語ったのは初めてではないでしょうか。三浦哲郎の死が迫る老母との交流を描いた短篇小説に通ずるものがありました。「無名」は幻冬舎から近年発売されたもので、読んで間がなかったのですが、今回また深く埋没するように読みふけってしまいました。
2004年10月27日に日本でレビュー済み
~「火宅の人」に語られる檀は、破天荒で痛快といった感があるが、沢木が「火宅の人」の妻に長期インタビューを行いまとめたのが本書。彼の著作にしては珍しく、妻ヨソ子が一人称で語る内容になっている。
小説がいわゆる私小説であったことで、檀と愛人のことは周知の事実であったし、また当時のマスコミ(おそらく口コミによる波及だろうが)も放ってはお~~かなかったはずだ。それをネタに小説を作り上げた檀はヨソ子に対してどういった感情を持っていたのだろうか。ヨソ子は、私生活を小説としたことで「二重に苦しめられた」と語っている。
だが、夫婦の事は分からないとよく言われるとおり、この檀夫婦もよくわからない。ヨソ子は一雄が事をおこした時に一度家を出ている。しかし、荷物を取りに帰ったついで~~にまた家で暮らし始めた。このくだりが何とも不思議で、「なぜ帰ったのかわからない。一人で暮らして行く事が心細かったのかもしれない」というものの、よくあるように「子どもの事が心配で」ということは全く無かったと記されている。
一雄が愛人と暮らし始め、帰ってくる時は友人と一緒という環境。そして、一雄が家に落ち着くのは愛人と別れ50歳を迎える~~頃。そしてここから「火宅の人」の執筆が始まる。と同時に始まる一雄の体調悪化。ガンの宣告。ヨソ子は一雄を支え続ける。そして彼女が苦しんだ「火宅の人」の最終章をなんと口述筆記で支えたという。
女性が男性の背後にいて支え続けることが美徳とされた時代。ヨソ子はその時代の女性像を忠実に反映はしていないが、彼女の人生が檀一雄の人生にすっかり~~飲み込まれてしまったような印象がある。檀一雄との生活を振り返りヨソ子は語る。
「私はもう一度檀の妻となろうとしているのかもしれない」~
小説がいわゆる私小説であったことで、檀と愛人のことは周知の事実であったし、また当時のマスコミ(おそらく口コミによる波及だろうが)も放ってはお~~かなかったはずだ。それをネタに小説を作り上げた檀はヨソ子に対してどういった感情を持っていたのだろうか。ヨソ子は、私生活を小説としたことで「二重に苦しめられた」と語っている。
だが、夫婦の事は分からないとよく言われるとおり、この檀夫婦もよくわからない。ヨソ子は一雄が事をおこした時に一度家を出ている。しかし、荷物を取りに帰ったついで~~にまた家で暮らし始めた。このくだりが何とも不思議で、「なぜ帰ったのかわからない。一人で暮らして行く事が心細かったのかもしれない」というものの、よくあるように「子どもの事が心配で」ということは全く無かったと記されている。
一雄が愛人と暮らし始め、帰ってくる時は友人と一緒という環境。そして、一雄が家に落ち着くのは愛人と別れ50歳を迎える~~頃。そしてここから「火宅の人」の執筆が始まる。と同時に始まる一雄の体調悪化。ガンの宣告。ヨソ子は一雄を支え続ける。そして彼女が苦しんだ「火宅の人」の最終章をなんと口述筆記で支えたという。
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「私はもう一度檀の妻となろうとしているのかもしれない」~