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キャッシュカードがあぶない 単行本 – 2004/12/15
- 本の長さ203ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2004/12/15
- ISBN-104163667202
- ISBN-13978-4163667201
商品の説明
メディア掲載レビューほか
キャッシュカードの磁気情報を読み取る「スキミング」と呼ばれる手口で作られた偽造カードによる被害が続出している。知らぬ間に、銀行口座から多額の預金が盗まれてしまった被害者は、人生設計が立たなくなるなどの苦境に追い込まれている。進化するカード犯罪の手口、被害者の実態、銀行の欺瞞、警察の怠慢など、カード犯罪の構造を分析する。
日本では偽造カードによる犯罪に対する法体系が整っていない。刑法上、預金が引き出されたATM(現金自動預け払い機)を管理する銀行が被害届を出すことになっており、面倒なことに巻き込まれたくないと、届けすら出さない銀行もあるという。偽造カード事件の犯人を検挙できた例は数少なく、警察の動きも極めて鈍い。
本書は、責任を一切負わず、預金の補填もしない銀行の姿勢を厳しく批判する。超小型デジタルカメラをセットしたり、ATMの電話線に一種の盗聴器をつけて傍受するといった方法で、暗証番号のデータを盗む手口が横行している現在、暗証番号の「安全神話」は完全に崩壊している。異常な引き出しに対する“警報機能”の強化、具体的な被害事例を示した注意喚起など、銀行レベルで取り得るセキュリティー対策について、著者なりの考えを示す。
(日経ビジネス 2005/01/24 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
-- 日経BP企画
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2004/12/15)
- 発売日 : 2004/12/15
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 203ページ
- ISBN-10 : 4163667202
- ISBN-13 : 978-4163667201
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,802,423位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,757位事件一般関連書籍
- - 2,219位刑法・訴訟法
- - 2,828位銀行・金融業 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
1936年栃木県生まれ。NHK記者を経て作家活動に入る。72年『マッハの恐怖』で第3回大宅壮一ノンフィクション賞、79年『ガン回廊の朝』で第1回 講談社ノンフィクション賞、95年『犠牲(サクリファイス)わが息子・脳死の11日』などで菊池寛賞、97年『脳治療革命の朝』で文藝春秋読者賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 新・がん50人の勇気 (ISBN-13: 978-4163709802 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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新聞報道だけではわからない、被害者の悲惨な実態、銀行・警察の酷薄な対応が手に取るように伝わってくる。
冒頭に紹介される方は、妻が余命2ヶ月の中、銀行口座から3000万円を盗まれている。
そんな彼に、銀行の取った対応は。警察は?
法律の不備、行政の不備はこんな悲惨な状況を生むのかと考えると身が引き締まる思いがする。
法律上は、口座から勝手にお金を下ろされた人は被害者にはならないのだ。その結果生じるたらいまわし。
彼らの痛みを思うと胸が潰れる思いがする。
良くまとまっており、読みやすい。
銀行について、金融系の犯罪に興味がある人にオススメ。
1回の時間外手数料の方が高いんで、
銀行には日頃からアタマにきてたんです。
それなのにカード犯罪で預金を根こそぎ奪われて
身に覚えのないキャッシングで借金まで背負わされても
銀行は1円も補償してくれないんですか!
そんな事例がわんさか載っていて
読んでる私は歯噛みをしたり涙が出たり・・・。
暗証番号というのは個々人で十分管理に気をつけていても
たやすく窃取されてしまうもんなんですね
(スキミングされるような場所にはそもそも行かないから安全さ、
とか思っていた甘ちゃんな私)。
自分探しならぬ自分の財産の安全な置き場所探しをしようと思います。
槍玉にあげられているのは、
1 まずは、銀行。情報を隠し、責任を消費者(の注意)に転嫁し、規制にも業界をあげて潰してきた。
2 次に、警察。被害者を救済するばかりではなく、やっかいもの扱いをして、泣き寝入りさせたり、言葉で傷つけたり、証拠を残す対策をとらず放置した。
3 金融庁。外国で消費者保護のための規制があることを知っていながら、銀行の反発を受けてたなざらしにした。
4 裁判所。形式的な法解釈により、真の被害者の救済ができなかった。
5 国会。何もしてこなかった。
しかしだ。さらに、何故こんなことになったのかを考えたい。単に、銀行などを槍玉にあげて済む問題ではない。
一つには、日本が安全だ(とみんな思っている)からだ。外国(途上国)を含む)で、カードに関する規制が進んでいるのは、カード犯罪が常識だからだ。別に、日本が遅れているからではない。
それと、妙な平等主義、大衆主義がある。銀行だって馬鹿でないから、カード詐欺に備えて預金者から保険料をとりたいのだろうが、「預金者から保険料をとるなんてなんて銀行だ」という批判が怖かったのだろう。
さらに、国民の間に技術信仰がある。欠陥があることを前提にしてた仕組み(フェール・セーフ)を考えていない。
これらの問題は日本人の意識に根着いているので、なかなか払拭できない。しかし、払拭できないとすれば、形を変えて同じ問題が出てくるだろう。
それにしてもこの本が契機となって銀行の姿勢が変化したのだとすれば、「ペンは剣より強し」を地で行っている。
本書には13件の被害者事例が本書に登場しますが、共通しているのは、銀行は何も補償してくれないこと。また、警察は「あなたはカード(またはカードの磁気情報)を盗まれただけだから、お金の被害届けは出せない」と形式的なことを言って取り合ってくれません。
銀行と警察をたらい回しされる間に「あなたの家族が犯人ではありませんか」などと心無いことばを浴びせられ、被害者は心の傷まで負ってしまいます。
欧米諸国がカード犯罪に1980年代から取り組んでいるのに、日本では1988年に銀行業界が「猛烈な反対」で立法化の検討をつぶしてしまいました。
一方、犯罪者側の技術の進歩は目覚しく、「カードと暗証番号によるセキュリティ」は崩壊しているといってもいいでしょう。
著者は、今まで様々な事故と安全対策の歴史を見てきた経験から断言します。「企業は経営が財政的に厳しくなってくると、失敗の隠蔽や欠陥商品の改修の後まわしなどを密かに行い、安全対策を安上がりで済ませようとする傾向が強くなる」と。
カード犯罪に対する銀行の姿勢も同様と断罪します。
預金者をないがしろにする銀行の姿勢を告発する本書を読んでいると、「そうだ、そうだ!」と言いたくなる箇所がたくさんあります。被害者の窮状が胸に迫り、安全社会構築の本質に迫る著者の分析に感動さえ覚えました。
この取材報告の第一報を『文藝春秋』04年8月号に掲載してから半年あまりで、銀行は次々に対策を発表し、被害補償についても前向きな発言をするようになりました。
本書はカード社会の安全性を再構築するきっかけとなったレポートとして「古典」や「伝説」になるかもしれません。
読んで損なし。
高名な作家が暴露しないと動かない日本の体質にがっかり。
星の理由は、本の中身はスカスカなのに値段高すぎ、デザインセンスゼロ。
内容はいいのにねぇ。本当に大衆に知らしめたいなら1000円以下にしなさいよ。
しかし、実態は、そうではない。
銀行は、偽造されたカードの磁気情報でも、盗まれた暗証番号でも、口座を持つ本人と似ても似つかぬ人間でも、カード自体が違っていても、磁気情報と、暗証番号さえ合っていれば、簡単に私たちの口座に入っているお金を渡してしまう。
信頼して預けた顧客のお金を、そうやって犯罪者に渡してしまう銀行は、約款を盾に、自分にはまったく責任はない、という態度を取るのである。
最近、ゴルフ場を舞台とした、大掛かりなキャッシュカード偽造犯罪が明るみに出て、少しだけ世間の関心を得たが、既にもう、早くも忘れ去られようとしているように感じる。
この本には、被害の実例が、たくさん載っている。問題は、キャッシュカード偽造によって預金が盗まれることだけでなく、盗まれた被害者が、銀行と警察によって、二重三重にダメージを受け続けることだ。
その苦しみから逃れるには、どうすればいいのか? 私たちがそういう被害に遭わないためには、どうすればいいのか?
残念ながら、その答えは、この本の中にはない。
キャッシュカードを持たないようにする、というのは、何の解決にもならない。かといって、被害者の会を構成し、何十年もかけて、裁判で闘わなければ、被害を無くせないのだろうか?
一人でも多く、この本を読んで、今ここにある問題を、知ることが、まず第一歩なのかも知れない。
被害の状況、問題のポイントが、読んでいて分かりやすい。
この本を読み思うのは、最終的には災害になると本人責任が大きいということだ。銀行が責任をとるわけでもない、警察が親身になるわけでもない。常日頃の危機管理を意識することが一番大事なことと学ぶ。