不器用に生きる大宅賞作家が懐かしく、愛しく、切ない「記憶」の扉を開く。
もう触れないつもりだった。ただ。幾らか、思うところを。 以前に、紹介した言葉であるのだけれども、筒井康隆断筆事件の際に、浅田彰が言ったことがある。大意、と厳に断る。 ――マジョリティの側におかれては、マイノリティの側に対する度量をこそ求めたい。マイノリティは、マイノリティの側にあるがゆえに、言行に際して攻撃的になりもする。そのことは、やむを得ないことでもある。対するに、マジョリティの側がヒステリッ 続きを読む