動物たちは寿命が人間よりも短いからどうしても飼い主は飼われる動物たちの
死を多く経験する。ペットロスの悲劇もよく耳にする。しかしこの本では逆に、
死にいく飼い主に寄りそう動物の物語が語られる。いや私たちは米原万里の死を
知っているからよけいそう感じるのかもしれない。
2003.10 母、美智子亡くなる。万里にがんが見つかる。
2006.05 万里、鎌倉にて死去
この本はこのあたりの米原万里をとりまく動物たちの物語である。万里にとって
動物たち(犬・ねこ)はペット(=愛玩動物)ではない。家族そのものである。
自分の血を分けた子供たちである。とりわけ万里の不注意から行方不明になった
忠犬ゲンのエピソードが涙をさそう。それにしても米原万里の文章は見事だな。
動物が相手でも手を抜かない。ちゃんとその個性を的確に描写する。万里の死後に
これらの犬や猫がどうなったかもちゃんと載っている。安心した。
この本の後半は、米原万里の生い立ちや政治的なエッセーがついている。
米原万里が14年間共産党員だったとは知らなかった。
・・結局、共産党には14年間いましたが、その「査問体質」を知ったのは、
収穫だと思います。無謬主義って、自信の無さの裏返しなんですね。・・
原発村にせよ霞が関の官僚にせよ権威はどうして無謬主義が好きなんだろうか。
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終生ヒトのオスは飼わず 単行本 – 2007/5/25
米原 万里
(著)
好評ペットエッセイ『ヒトのオスは飼わないの?』の続編と、単行本未収録の原稿を集めた著者最後のエッセイ集。イヌネコ写真多数
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2007/5/25
- ISBN-10416368820X
- ISBN-13978-4163688206
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2007/5/25)
- 発売日 : 2007/5/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 240ページ
- ISBN-10 : 416368820X
- ISBN-13 : 978-4163688206
- Amazon 売れ筋ランキング: - 52,600位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,946位エッセー・随筆 (本)
- - 7,091位ビジネス・経済 (本)
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著者について
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1950年生まれ。元ロシア語会議通訳、作家。
59~64年、在プラハ・ソビエト学校に学ぶ。東京外国語大学ロシア語学科卒業、東京大学大学院露語露文学修士課程修了。80年設立のロシア語通訳協会の初代事務局長を務め、95~97年、03~06年会長。92年、報道の速報性に貢献したとして、日本女性放送者懇談会賞を受賞した。著書『不実な美女か貞淑な醜女か』(徳間書店、新潮文庫)で読売文学賞、『魔女の1ダース』(読売新聞社、新潮文庫)で講談社エッセイ賞、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(角川書店、角川文庫)で大宅壮一ノンフィクション賞、『オリガ・モリソヴナの反語法』(集英社、集英社文庫)でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。2006年5月、逝去
(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 終生ヒトのオスは飼わず (ISBN-13: 978-4167671051 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年11月6日に日本でレビュー済み
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2015年9月18日に日本でレビュー済み
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万里さん、もっと生きていて欲しかった。
前作「ヒトのオスは飼わないの?」と合わせて、犬猫たちの生き生きとした暮らしぶり、著者の愛情にひきこまれるエッセイです。
前作「ヒトのオスは飼わないの?」と合わせて、犬猫たちの生き生きとした暮らしぶり、著者の愛情にひきこまれるエッセイです。
2014年10月18日に日本でレビュー済み
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米原さん。
規格外か、とでも言いたいほどの愛情を持っておられた方なんだろうな。
もしかして、身近にいた人は大変だったかもな、と不謹慎なことを思い、
いやそれでも、みんなをひきつけてやまない人だったに違いないでしょう。
ついにゲンに会えなかった事実はとても悲しかった。
どこかで幸せに暮らしていてほしい、と無理に思いこむ読後だった。
米原さんに会いたかったし、ゲンにも会いたかった。
規格外か、とでも言いたいほどの愛情を持っておられた方なんだろうな。
もしかして、身近にいた人は大変だったかもな、と不謹慎なことを思い、
いやそれでも、みんなをひきつけてやまない人だったに違いないでしょう。
ついにゲンに会えなかった事実はとても悲しかった。
どこかで幸せに暮らしていてほしい、と無理に思いこむ読後だった。
米原さんに会いたかったし、ゲンにも会いたかった。
2023年9月17日に日本でレビュー済み
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1985年、東京大学大学院在籍の頃、伊里一智氏の「宮本顕治議長の勇退勧告」を支持したかどで共産党から査問を受けた経験が語られ、これがきっかけで離党したようだ。その後彼女はロシア語通訳者となり、エッセイストとしても活躍された。少女時代にチェコスロバキアで5年間過ごし、そこで出会った3人の旧友を東欧革命(1989年)後に探し、再会するまでの経験を綴った『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(2001年)は読み応えがあり、彼女の代表作だと思う。
2016年12月3日に日本でレビュー済み
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知的でユーモアたっぷりの米原さん。早過ぎる死を悼みます。もっとたくさんの著書を読みたかった、、、。
2015年8月31日に日本でレビュー済み
自立した独身女性だからこそ、犬も猫も片っ端から拾って
愛を注ぐことができるのでしょう。一方で独身だからこそ
うっかり先に逝ってしまえば、毛深い家族にかわいそうな事になると
しみじみ感じさせられました。
特殊なバックグラウンドを持ち、特殊なお仕事をなさっていた
米原さんだからこそ 秘書や友人に後を託すことができたわけで、
一般的な独身女性が米原さんの真似をすると犬・猫不孝なことになりそうです。
さて、原子力関係の会議で頻繁に通訳をされていた米原さん、彼女が
生きていて2011年の原発事故を見ていたら何と言っただろう?
下手な学者より原子力について詳しかったんじゃないかな?
今の時代に必要な人だったのに・・・早すぎましたよ、残念です。
愛を注ぐことができるのでしょう。一方で独身だからこそ
うっかり先に逝ってしまえば、毛深い家族にかわいそうな事になると
しみじみ感じさせられました。
特殊なバックグラウンドを持ち、特殊なお仕事をなさっていた
米原さんだからこそ 秘書や友人に後を託すことができたわけで、
一般的な独身女性が米原さんの真似をすると犬・猫不孝なことになりそうです。
さて、原子力関係の会議で頻繁に通訳をされていた米原さん、彼女が
生きていて2011年の原発事故を見ていたら何と言っただろう?
下手な学者より原子力について詳しかったんじゃないかな?
今の時代に必要な人だったのに・・・早すぎましたよ、残念です。
2016年3月9日に日本でレビュー済み
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豪快な米原さんの著書をまとめて読みました。
東欧での生活、動物たちとの愛情深い生活、奥深いです。最後の部分は騙されました。
東欧での生活、動物たちとの愛情深い生活、奥深いです。最後の部分は騙されました。
2016年2月7日に日本でレビュー済み
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犬はもちろん、猫のかわいさがあふれる文章力、米原さんの本の中でも特にお気に入りです。おもしろい!