週刊文春の連載をまとめて、定期的に出版されています。何冊か読みましたが、どうにも物足りないのは、その文章力もさりながら、妙な所で作者が、妙に愚痴っぽくなったり、逆に蘊蓄をさらすからのようです。特に映画鑑賞とその評論をやりだすと、今では知る人もいない古い映画と俳優に関して、独りよがりに自分の感慨を述べます。もう一つは古い東京の街に関して、少々江戸っ子ぶった素振りが嫌味です。
それでも、この巻はまだましなようで、幾つかはなるほどと読ませるエピソードがあります。女優長沢まさみに関する賞賛・ミュージカルとタモリに触れた文章などは、なかなか説得力があり面白い。こういう風に現代の社会と風俗に関して素直を文章をつづれば良いのに・・・・・・すぐに古き昔の時代を引きあいに出さなければと惜しまれます。
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