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平松剛

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磯崎新の「都庁」―戦後日本最大のコンペ単行本 – 2008/6/10

平松剛 (著)

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85年、新宿新都庁舎コンペ(設計競技)。建築界の天皇・丹下健三に、弟子の磯崎が挑み、敗れた「幻の」都庁をめぐるノンフィクション。
新宿の東京都庁と言えば、丹下健三設計の巨大なツインタワーを思いうかべる方も多いはず。けれどもこの本に描かれているのは、1985年の設計競技(コンペ)で、磯崎新が師匠である丹下に挑んで敗れ去った“もうひとつの都庁”――幻の建築の物語です。
知的なイメージで知られる磯崎さんですが、実は美食家で親分肌。コンペをよそに仕事で世界中を飛び回り、留守を守るスタッフたちをやきもきさせます。けれどもそうして古今東西の名建築から受けたインスピレーションが、衝撃的な「都庁低層案」に結実したのです。
『光の教会――安藤忠雄の現場』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した著者が、建築界の知の巨人の思索の軌跡をていねいに辿った建築ノンフィクション。頭の中に幻の“都庁”が立ち上がっていくスリリングな読書体験をお楽しみください。

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本の長さ

476ページ
言語

日本語
出版社

文藝春秋
発売日

2008/6/10
ISBN-10

4163702903
ISBN-13

978-4163702902
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登録情報

出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋 (2008/6/10)
発売日 ‏ : ‎ 2008/6/10
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 476ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4163702903
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4163702902

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銀

臨場感溢れます

2024年3月16日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

自分もその場に居るみたいに生き生きと描かれています
有名な近代建築家がたくさん登場して絡み合うのが面白かったです

2019年3月13日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

今や建築界で一目おかれる大御所も、そこは人間。クスッとさせられる数々のエピソードや人物像。。。厳しくも夢溢れる建築の世界を、作者ならでは実地力でまとめあげられた力作。その道を目指す人も、そうでない人も楽しめるお勧めの1冊です。

1人のお客様がこれが役に立ったと考えています

役に立った

inge

戦後復興の舞台裏

2015年2月19日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

本書は磯崎新を中心にして書いてはいるが、実際にはもっと大風呂敷で、戦後の日本復興をアピールする２大イベント、東京五輪と大阪万博を通して時代の流れを追う軸と、岸田、前川、丹下を通して東大建築学科が政治的な力と連携していく横の軸とをうまく絡ませて、ある意味その泥臭い攻防を如実に著したもので、ドラマを越えるようなドキュメンタリーで大変面白い。日本の近現代建築において、これほど輝かしい時期はもう無いだろう。本書の印象の半分はこっちで磯崎が前面にという感じではない。

そうはいっても生い立ちから現在までの彼の人生を追っているが、丹下が政治べったり（大阪万博事務局トップは途中から何と新都庁移転を掲げた鈴木前都知事だった！）なのと全く対照的なノンポリ派で、政治側からも近づかないだろうなという感じが伝わってくる。実際、この新都庁コンペでもコンペの正当性を示さんがためのお飾り扱いで引っ張り出されたようなものだ。

東大に居ながら建築事務所を開いている丹下もアコギなものだが、アトリエ建築事務所での実務状況がよく伝わってくる。建築家を目指す人は本書から多くのことを学ぶことができる。現在ではコンピュータ化も進んで、この当時とはかなり様子が変わってきているが、結局のところ人間のやることなので、糧としてはかなり質の高いものである。

さて、こうして丹下案に決まった新都庁ではあるが、たった１５年で老朽化と雨漏り（丹下と言えば雨漏り。まず手直しに応じない。まあ、顔つきの通りで狸親父である）で800億の補修が行われる。機能性もない。磯崎案が通っていたら、職員は大いに喜んだことだろうと思う。
それにしても、広島ピースセンターはノグチの案が良かったし、万博では岡本太郎の作品しか残らなかった。日本の建築は本当に意義ある建築なのだろうかと疑念を抱かせる。

振り返ってみると、戦争と更なる欧米化に突き進むという流れがあって、日本の建築が大きく進んだと言える。そしてその中心に丹下健三が居たというのがよくわかる。バブルパワーでの新都庁。今後もこのようなビッグな建築が作られることがあるだろうか。。。
建築に興味のない人でも、戦後復興の舞台裏がよくわかる良作である。同著者の安藤忠雄も面白いが、こっちはさらに面白い。

4人のお客様がこれが役に立ったと考えています

役に立った

ヒエロ

コンペに落ちた理由

2014年10月10日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

なぜなら、それは最初から負け戦だったから。
常に人間が居る空間の中に存在する建築と、象徴としての建築(実際使い勝手は悪い)の戦い。
それは、本音では勝負に興味がない一種孤高の建築家と、権威「的なもの」が大好きな建築家の戦いです。
ある意味出来レースであった新宿新都庁のコンペの記録を、師弟対決の物語として解き明かす。
これは傑作です。
もちろん事実ですからドキュメンタリーですが、無味乾燥の記録じゃなくて、人間の戦いのドラマとしての記述が素晴らしいです。
師匠丹下と弟子磯崎が接近遭遇する場面では、かの二人の因縁を知るものにとっては、もうハラハラドキドキの描写に満ちあふれています。
磯崎が、このコンペにおいて道路交通法くそ食らえで、東京都の「シティーホール＝広場＝人々の集うところ」としてのあるべき姿を
提示した事は有名ですが、なぜ彼はその境地に立った(立てた)のかという理由が、大学時代からの師匠丹下の元での修行に始まる磯崎自信の
半生にある事が浮かび上がってきます。
この本を読了して「前から思っていたけど、丹下健三はやっぱ昭和脳だよな」と、再認識しました。

1人のお客様がこれが役に立ったと考えています

役に立った

meganeamazon

真実に興奮。これは面白い。

2015年5月6日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

デザインの世界は独特。コンペの裏側に興奮。師弟関係。ライバル関係。面白い。

2010年11月6日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

久しく活字から離れていたのだが５００ページ近い内容にもかかわらず一気に読んでしまった。。。

元々モダニズム建築が好きだ。県庁や体育館などに丹下健三作品が数多く残る香川県に育ったせいだろうか。

群馬音楽センターが、出雲大社庁が、広島ピースセンターが、都城市民会館が、何より大阪万博が好き。それらの建築群が産まれた時代、唯一の世界同時革命と言われる６０年代は好きを通り越して憎しみすら感じる。

前述した丹下健三は、確実に戦前戦後を通して日本をグランドデザインするのに最も恣意的で、強力無比だった建築界の天皇。

その黄金時代に隠された日本建築界の大黒幕の存在。東京帝国大学とは何なのか！？全てを利用し、自分の理想とする空間作りに命をかけた巨匠が夢見た戦後日本最大のコンペ、東京都庁！！！！！！！

この国に生きる人なら誰でもが知ってるモニュメントだ。

現代のノートルダムに対して、今尚語り継がれる唯一の対抗案は師の愛弟子によって提出された。。。。

人々の無意識的な共有意識を目に見えるカタチとして現出させる総合芸術としての建築家という苛烈なそれぞれの生き様が図面上で爆発する！

建築とは何か？師と弟子とは何か？そして物語は「やみくろ」のうごめく質量をもった真の闇へ。。。

単なる建築ドキュメンタリーにとどまらず、モノ作りに関わる全ての人へ薦める名著！奇跡的に実現する建築は氷山のほんの一角、目に見える世界の下層に確かに存在する膨大な「念」の圧倒的な量感！

最後の方には読んでて久々頭がくらくらしてきましたよ、終章のオチまで完璧ですし。。。もう寝るつもりが興奮したのでついついレビューw

必読！

3人のお客様がこれが役に立ったと考えています

役に立った

tk

面白い

2013年5月14日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

この本は非常に面白い！
アトリエ系設計事務所の１事例としてはとても興味深く
過去の磯崎新と丹下さんのエピソードや
今有名な青木淳などの下積み時代のエピソードなど
今と絡めてストーリー仕立てでわかりやすいオススメの一冊！

2013年1月17日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

まだ半分しか読めてませんが、とてもおもしろいです。
都庁コンペの磯崎事務所と丹下事務所のバトルが主な内容ですが、その頃の時代背景や２人の建築家としての歩みを振り返ったり、これを読むだけで建築史の勉強にもなります。

役に立った

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