死刑の実務と運用について大変有意義な資料でした。安田弁護士の最高裁の弁護方針が実に正鵠を得ていたのかが現在になってはっきり理解できます。解説と背景、またその手法についてはここでは問題があるので述べません。しかし、細部のディテールはとても興味深いものでした。「剣道の紐」とか蝶々結びとか、なんでこの人が殺されなければならなかったのか理不尽極まりないことだと思います。
でもこれ批判した橋本弁護士と石原慎太郎ってこの体制を本気で支持しているのでしょうか? しかも創価学会と共闘したいって意味がわかりません。芥川龍之介が河童という小説を書いていますが、当時は合理性もあったし一般的な理解があったと思えるのですが、また当時からすると殺人事件の件数が大幅に減ったと政府が主張していますが、要するに教育と矯正でそのような人物が一般社会で生きていけるようになっただけなのではないかという感想を持ちます。小倉千加子氏が「赤毛のアンの秘密」で書いているのですが、「何かしら脅されてばかりいる社会」
の実態はこのようなものだと思います。ヒトの生物学的な殺人の蓋然性と、司法の統計がものすごく乖離しているように思います。
要約すると、ナチュラルボーンキラーズとかストーカーって税金投入して維持すべきものなのでしょうか? よっぽど右翼の方が誠実でまともに思えます。
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裁判官が見た光市母子殺害事件―天網恢恢 疎にして逃さず 単行本 – 2009/2/11
井上 薫
(著)
- 本の長さ257ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2009/2/11
- ISBN-104163710701
- ISBN-13978-4163710709
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2009/2/11)
- 発売日 : 2009/2/11
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 257ページ
- ISBN-10 : 4163710701
- ISBN-13 : 978-4163710709
- Amazon 売れ筋ランキング: - 953,443位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2013年9月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
勉強になりました。2周目は要りません。
_本書は、元裁判官が光市母子殺害事件の裁判過程を分析・解説したものです。元裁判官の視点からの本件へのアプローチと言うことで客観的に本件を眺めようと言う姿勢は感じます。
_次のような構成になっています。事件全体を概説した後、第1審・控訴審・上告審・差し戻し後控訴審の裁判の過程を、法律的側面を一般読者にもわかるよう専門的表現は控えて、解説しています。そして、随時各段階での裁判所の判決文・遺族の陳述・弁護側の主張を取り上げ、「ここではこういう事を意味しています。法律的にはこういう風になっています。」と解説しています。世論の動静や遺族の活動については特段大きくは取り上げられてはいません。
_死刑基準については、判例としての永山基準がありますので、最高裁もその点詳しく論じていて、著者も法的側面から詳しく解説しています。
_著者の本件に対する主張は抑制気味で解説されていますが、本書中盤当たりでは著者の持論”蛇足判決理論”(著者の他の本でも繰り返し述べられている毎度おなじみの主張です)が本件の裁判所の判決文にも適応されて「裁判所のこの部分も司法の喋りすぎだ」との主張をしておりました。
_本書は、元裁判官が光市母子殺害事件の裁判過程を分析・解説したものです。元裁判官の視点からの本件へのアプローチと言うことで客観的に本件を眺めようと言う姿勢は感じます。
_次のような構成になっています。事件全体を概説した後、第1審・控訴審・上告審・差し戻し後控訴審の裁判の過程を、法律的側面を一般読者にもわかるよう専門的表現は控えて、解説しています。そして、随時各段階での裁判所の判決文・遺族の陳述・弁護側の主張を取り上げ、「ここではこういう事を意味しています。法律的にはこういう風になっています。」と解説しています。世論の動静や遺族の活動については特段大きくは取り上げられてはいません。
_死刑基準については、判例としての永山基準がありますので、最高裁もその点詳しく論じていて、著者も法的側面から詳しく解説しています。
_著者の本件に対する主張は抑制気味で解説されていますが、本書中盤当たりでは著者の持論”蛇足判決理論”(著者の他の本でも繰り返し述べられている毎度おなじみの主張です)が本件の裁判所の判決文にも適応されて「裁判所のこの部分も司法の喋りすぎだ」との主張をしておりました。
2009年3月16日に日本でレビュー済み
客観的立場からの視点で全体的に解説されています。
法律の知識のない方でも読めるのでは?
光市母子事件を機に大きく厳罰化、被害者保護等の面が取りあげられました。
永山事件のように今後法曹界に影響を与えると思います。
死刑制度や裁判員制度、裁判、裁判官に興味があるなら一読するのをお勧めします。
ただ、一部分に自身の判決書に関する論理を入れる必要はないと思います。
また、結論を導き出す点が著者の考えに誘導していると少し感じました。
客観的に論じるなら徹底すればいいと思うので★四つとします。
ただ、全体的には貴重な本であると思います。
法律の知識のない方でも読めるのでは?
光市母子事件を機に大きく厳罰化、被害者保護等の面が取りあげられました。
永山事件のように今後法曹界に影響を与えると思います。
死刑制度や裁判員制度、裁判、裁判官に興味があるなら一読するのをお勧めします。
ただ、一部分に自身の判決書に関する論理を入れる必要はないと思います。
また、結論を導き出す点が著者の考えに誘導していると少し感じました。
客観的に論じるなら徹底すればいいと思うので★四つとします。
ただ、全体的には貴重な本であると思います。
2009年3月21日に日本でレビュー済み
「光市母子殺害事件」についての解説書である。特に
裁判所でのやり取りに重点が置かれている。裁判所のこの事件
への対応には(最高裁の対応も含めて),一般国民として納得
のいかない,不条理なことが多い。それを一つ一つ解きほぐして
分かりやすく解説している。その点で極めて優れた本である。
ただ,末尾に「岩をも貫く執念」として,裁判官の一般的な態度
(「被告側に甘い判決を出す判事の方が出世が早い」など)
についてこの著者特有の,批判的な叙述が見られが,これは
蛇足であろう。こういう中途半端なことばかり言っているから
何も改善されないのである。
この点は民事も含めて別のところでもっと詳しく分析して
述べるべきである。民事事件の場合,判決を出さずに和解ばかり
させる判事の方が出世が早い,といったこともあるはずである。
他にも,偽証は基本的にし放題で,検事の面子に関わるときだけ
罪に問われる,といったことも著者はよく知っているはずである。
裁判所でのやり取りに重点が置かれている。裁判所のこの事件
への対応には(最高裁の対応も含めて),一般国民として納得
のいかない,不条理なことが多い。それを一つ一つ解きほぐして
分かりやすく解説している。その点で極めて優れた本である。
ただ,末尾に「岩をも貫く執念」として,裁判官の一般的な態度
(「被告側に甘い判決を出す判事の方が出世が早い」など)
についてこの著者特有の,批判的な叙述が見られが,これは
蛇足であろう。こういう中途半端なことばかり言っているから
何も改善されないのである。
この点は民事も含めて別のところでもっと詳しく分析して
述べるべきである。民事事件の場合,判決を出さずに和解ばかり
させる判事の方が出世が早い,といったこともあるはずである。
他にも,偽証は基本的にし放題で,検事の面子に関わるときだけ
罪に問われる,といったことも著者はよく知っているはずである。
2009年5月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者は漢詩創作の趣味でもあるのでしょうか。いきなりはしがきで、事件の感慨を、自作の七言絶句で表現しています。詩の冒頭は 「母子 悲傷 泉下に号く」 といった感じです。お金を払って購入した本で、読みたくも無い素人のつまらない漢詩を無理やり読まされ、げんなりしました。こういう「独り自慢の誉め手なし」のような駄作は、仲間うちのサークルででも披露してください。
2009年3月24日に日本でレビュー済み
確かに従来のこの事件を扱った類書と比較すれば、裁判所側の態度にも疑問を突きつけている点は一歩前進と言え、評価に値するかもしれない。
しかし元裁判官と言う立場の視点が災いしてか、弁護側に対する批判は元検事等々の論評と同じく、職業的な対立構造から出た月並みで底の浅い見解に終わっており、弁護団の誤りの本質を説明しきれていない上、マスコミ報道の功罪に関する分析が全くなされていない。
この裁判が引き起こした問題は多岐に渡っており、単なる殺人事件の裁判解説という扱いでは分析しきれないだろう。
被告・弁護側、検察側、裁判所、マスコミから被害者遺族まで、全てを均等に分析しない限りお世辞にも客観的な分析とは言いい難い。
「裁判官側の視点」「客観的」の言葉に魅かれて読んではみたものの、新鮮な視点もなければ客観性も感じられない。
結局、よくあるセールス目的で多数派読者に迎合する類書の立ち位置からは一歩も出る事ができなかったのは残念だ。
しかし元裁判官と言う立場の視点が災いしてか、弁護側に対する批判は元検事等々の論評と同じく、職業的な対立構造から出た月並みで底の浅い見解に終わっており、弁護団の誤りの本質を説明しきれていない上、マスコミ報道の功罪に関する分析が全くなされていない。
この裁判が引き起こした問題は多岐に渡っており、単なる殺人事件の裁判解説という扱いでは分析しきれないだろう。
被告・弁護側、検察側、裁判所、マスコミから被害者遺族まで、全てを均等に分析しない限りお世辞にも客観的な分析とは言いい難い。
「裁判官側の視点」「客観的」の言葉に魅かれて読んではみたものの、新鮮な視点もなければ客観性も感じられない。
結局、よくあるセールス目的で多数派読者に迎合する類書の立ち位置からは一歩も出る事ができなかったのは残念だ。
2010年3月7日に日本でレビュー済み
本書の要旨は第四章の「最高裁の宿題」からです。
それまでは著者の従来の論理的な考察によって本件裁判を冷静に分析しています。
しかし第四章以降になると著者の見解(私見)が散見されるようになり、副題にある「天網恢々疎にして漏らさず(逃がさず)」の趣旨が強く現れてきます。
筆者は本書以外の著者の著作に関して論理的な解釈ができ表現できる有能な元裁判官の弁護士であるとおもってきましたが、本書に限って言えば「有能な弁護士(裁判官時代は有能であったと著作からも判断できますが)」と言う部分については疑心暗鬼に思えてきました(よって星3つ)。
本書での論理展開もそうですが、「裁判実務」しか見ていないのだなというのが筆者の感想です。しかるがゆえに被害者の裁判参加を肯定しているのだともおもえます。
筆者には、裁判とは被告人を裁く場である(だけ)とおもいます。それ以外は著者がいうように全てが「蛇足」です。
裁判の場に被害者感情を際限なく(将来的にはタガが外れてそうなるであろう)持ち込んだり、庶民感情というものを法曹関係者全員が考慮(思慮)し手続きがすすむようであるなら被告人の権利の擁護というのは将来的に払拭されてなくなる懸念すら湧いてきます。
本書に関しては著者の他の著作のように評価はできませんでした。
あとがきでは多分そのことについての弁解ならぬ理由を綴っているのだとおもわれますが、実際に本件裁判実務に携わっていないところからの私見とするなら、本書はただの本件裁判に対する感想文に過ぎない。
それまでは著者の従来の論理的な考察によって本件裁判を冷静に分析しています。
しかし第四章以降になると著者の見解(私見)が散見されるようになり、副題にある「天網恢々疎にして漏らさず(逃がさず)」の趣旨が強く現れてきます。
筆者は本書以外の著者の著作に関して論理的な解釈ができ表現できる有能な元裁判官の弁護士であるとおもってきましたが、本書に限って言えば「有能な弁護士(裁判官時代は有能であったと著作からも判断できますが)」と言う部分については疑心暗鬼に思えてきました(よって星3つ)。
本書での論理展開もそうですが、「裁判実務」しか見ていないのだなというのが筆者の感想です。しかるがゆえに被害者の裁判参加を肯定しているのだともおもえます。
筆者には、裁判とは被告人を裁く場である(だけ)とおもいます。それ以外は著者がいうように全てが「蛇足」です。
裁判の場に被害者感情を際限なく(将来的にはタガが外れてそうなるであろう)持ち込んだり、庶民感情というものを法曹関係者全員が考慮(思慮)し手続きがすすむようであるなら被告人の権利の擁護というのは将来的に払拭されてなくなる懸念すら湧いてきます。
本書に関しては著者の他の著作のように評価はできませんでした。
あとがきでは多分そのことについての弁解ならぬ理由を綴っているのだとおもわれますが、実際に本件裁判実務に携わっていないところからの私見とするなら、本書はただの本件裁判に対する感想文に過ぎない。
2010年6月20日に日本でレビュー済み
タイトルは光市母子殺害事件、とついていますが正確には光市母子殺害事件裁判といった内容でしょう。殺害事件が単なる裁判を検討するための構成要件でない以上。永山判決以後を問題としていますがそれ以前んも検討するための視野の広さが欲しかったですね。