この本で分かりました。
佐藤優さんの本のどこに魅かれるのか。
私自身は今まで馴染みがなかったロシア、ソ連のモスクワに
生きた人々が生々しく登場してくる点に目新しさ、興味深さを感じているのです。
アフガニスタン帰還兵の学生の言葉、超エリート大学というモスクワ大学の学生、
教授の様子。さらには政府組織の人々の様子。
これらが、食事の場面では素敵な料理の描写ととともに、この人たちの声が
聞こえてきます。
ソ連ってこんな国だったんだという素朴な驚きです。
少数民族、ゴルバチョフ、東欧での過去の紛争、当時の共産党組織の実態、
KGBの監視の話などなど。
また馴染みのない、キリスト教世界のものの考えの相違などなど。
面白いです。

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私のマルクス ロシア篇 甦る怪物 単行本 – 2009/6/29
佐藤 優
(著)
外交官としてソ連に着任した著者は、モスクワ大学で出合った人々を通して再びマルクスを考察する。ソ連崩壊を思想的に捉えた野心作
- 本の長さ356ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2009/6/29
- ISBN-104163715207
- ISBN-13978-4163715209
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2009/6/29)
- 発売日 : 2009/6/29
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 356ページ
- ISBN-10 : 4163715207
- ISBN-13 : 978-4163715209
- Amazon 売れ筋ランキング: - 757,965位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 95,359位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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元外交官で文筆家。ロシア情報収集・解析のエキスパート。魚住昭/ジャーナリスト。ノンフィクションに著作多数。青木理/ジャーナリスト。元共同通信記者。『日本の公安警察』『絞首刑』など著作多数。植草一秀/経済学者。日本経済、金融論が専門。(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 誰が日本を支配するのか!?政治とメディアの巻 (ISBN-13:978-4838721566)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年1月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「自壊する帝国」に続いて、著者が大使館に勤務しながら
モスクワ大学でプロテスタント神学の講義を持った経験や
民族学研究所に足しげく通って闊達な議論を交わす様子が描かれている。
さまざまな生い立ちのエリート学生や学者との
現場での生の議論や交流、生活までの息遣いが伝わってくるような作品。
彼の特異な能力と教養が、その人脈形成に大いに活かされている。
話の過程で登場するマルクス〜レーニン思想や神学の知識の断片についても
分かりやすい形で丁寧に説明されていて、なじみが薄い自分にも
ストーリーの修飾のような形で楽しむことができた。
モスクワ大学でプロテスタント神学の講義を持った経験や
民族学研究所に足しげく通って闊達な議論を交わす様子が描かれている。
さまざまな生い立ちのエリート学生や学者との
現場での生の議論や交流、生活までの息遣いが伝わってくるような作品。
彼の特異な能力と教養が、その人脈形成に大いに活かされている。
話の過程で登場するマルクス〜レーニン思想や神学の知識の断片についても
分かりやすい形で丁寧に説明されていて、なじみが薄い自分にも
ストーリーの修飾のような形で楽しむことができた。
2016年1月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても良い状態の商品でした。値段の設定も良心的で、満足しました。
2009年7月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
佐藤優の“青春自叙伝・立志編”。今回は、佐藤が役人としてモスクワに派遣され、ペレストロイカとソ連邦内の諸民族の分離独立運動、更にソ連崩壊から資本主義化の道を歩む20世紀2度目の“ロシア”の激動の変換期をくまなく目撃、体験した時代に、三たびマルクスと出会った経緯と変遷を追う。
1987年外務省からモスクワ大学に1年間留学した佐藤は、4年後そこでプロテスタント神学の教鞭を取って欲しいとの依頼を受ける。体制転換へ大きく舵を切ったとは言え、つい最近まで敵外国であった外交官に依頼する大学側も随分とリベラルだが、ロシア人脈構築とロビー活動に有効との考えもあり承諾した佐藤、以下、ロシアのエリート学生とのジアローグ(対話)から交流が始まる。
私財を投じながら、大学と言う場で政治や社会を熟考させ、哲学や神学を説く佐藤教授。崩壊した社会主義国家が残した傷痕、旧体制でのエリート子息たちの苦難、そして学問を介して出会った学者、生徒たちとの信頼関係の深さ。外交官としてよりも、一知識人、教師としての崇高な思いを熱く感じる。
ソビエト社会主義終焉時の混乱と激化する紛争、新生ロシア創生期の混沌とした政情が今一度理解出来るし、アルチューノフを始め、当時の優秀な学者、エリートたちの、“国家”、“マルクス”への思考、総括が読み取れる。
学術的、思想的思索に富んだ本ではあるが、自由闊達な知的営為の応酬、醍醐味が刺激的なので、さしてロシア通ではなくても、決して飽きさせない。やっぱり、佐藤優のロシア本は実に面白い。
先日、上告棄却有罪確定で公務員の職を失った佐藤、これからは、極めつけの“インテリジェンス”であり、“文筆家”として、読者を知的探求心と洞察力の道へと導いて欲しい。
1987年外務省からモスクワ大学に1年間留学した佐藤は、4年後そこでプロテスタント神学の教鞭を取って欲しいとの依頼を受ける。体制転換へ大きく舵を切ったとは言え、つい最近まで敵外国であった外交官に依頼する大学側も随分とリベラルだが、ロシア人脈構築とロビー活動に有効との考えもあり承諾した佐藤、以下、ロシアのエリート学生とのジアローグ(対話)から交流が始まる。
私財を投じながら、大学と言う場で政治や社会を熟考させ、哲学や神学を説く佐藤教授。崩壊した社会主義国家が残した傷痕、旧体制でのエリート子息たちの苦難、そして学問を介して出会った学者、生徒たちとの信頼関係の深さ。外交官としてよりも、一知識人、教師としての崇高な思いを熱く感じる。
ソビエト社会主義終焉時の混乱と激化する紛争、新生ロシア創生期の混沌とした政情が今一度理解出来るし、アルチューノフを始め、当時の優秀な学者、エリートたちの、“国家”、“マルクス”への思考、総括が読み取れる。
学術的、思想的思索に富んだ本ではあるが、自由闊達な知的営為の応酬、醍醐味が刺激的なので、さしてロシア通ではなくても、決して飽きさせない。やっぱり、佐藤優のロシア本は実に面白い。
先日、上告棄却有罪確定で公務員の職を失った佐藤、これからは、極めつけの“インテリジェンス”であり、“文筆家”として、読者を知的探求心と洞察力の道へと導いて欲しい。
2010年2月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
佐藤さんが敬愛するチェコの神学者フロマートカによるカラマーゾフの兄弟の大審問官の読み解き、モスクワ大学の教え子達の鮮烈な生(アフガンでの惨殺経験や超才女の愛人への転落等)、プーチンの登場を予見していた知の巨人アルチェーノフ氏との対話、そして佐藤氏の神学とソ連人脈とフィールドワークで得た知識を元にしたソ連崩壊の詳細な読み解き等々、
並みの直木賞小説よりもドラマチックであり、また、神学的・思想的及び知識人との深い人脈から導かれた知の深みがあって、ソ連崩壊の歴史の目撃者かつ深き理解者となれる極めて優れたノンフィクションです。
並みの直木賞小説よりもドラマチックであり、また、神学的・思想的及び知識人との深い人脈から導かれた知の深みがあって、ソ連崩壊の歴史の目撃者かつ深き理解者となれる極めて優れたノンフィクションです。
2009年8月3日に日本でレビュー済み
本書を読んで感じた点は2点である。
まず本書はフィクションなのか ノンフィクションなのかを僕として知る由がない点だ。
読んでいる印象としては 限りなくノンフィクションだとは思うが それを検証できるすべはない。但し 考えてみると フィクションとノンフィクションの違いが実質的にどこまであるのかも分からない。大切なのは それを読んだ際に何を学び 何を次にやりたいのかというvisionが湧いてくるかどうかだ。
その意味で 本書を読むことで マルクスを21世紀の今に再読する必要性を強く
感じた。
二点目として 旧ソ連の崩壊をここまで鮮やかに描き出した本を読むのは初めてだ。というか 旧ソ連の崩壊を描いた日本の本も余りないと思う。かつ 本書はジャーナリズムの立場で書かれていない点に凄味があると考える。
「ドキュメント ソ連崩壊」というような内容ではなく あくまで崩壊が起こる内在的な論理を 宗教と歴史に求める姿勢が貫かれている。
これは そもそも宗教と歴史に通暁している事が著者に求められるという極めてアグレッシブな状況だ。それを自分の問題として引き受け かつ 果たしている著者の実にユニークな立ち位置が見えてくるという点で刺激的だ。こういうリスクを自ら取って書く本にはなかなかお目に描かれない。
僕は佐藤というお方には大変注目している。表立って「佐藤批判」が出てこないことも実に興味深い。佐藤のように「断言する」方に対しては もっと批判や批難が出てくることが普通だと思う。それが この数年出てきていない点に 日本の思想界のひ弱さすら感じてしまう。
まず本書はフィクションなのか ノンフィクションなのかを僕として知る由がない点だ。
読んでいる印象としては 限りなくノンフィクションだとは思うが それを検証できるすべはない。但し 考えてみると フィクションとノンフィクションの違いが実質的にどこまであるのかも分からない。大切なのは それを読んだ際に何を学び 何を次にやりたいのかというvisionが湧いてくるかどうかだ。
その意味で 本書を読むことで マルクスを21世紀の今に再読する必要性を強く
感じた。
二点目として 旧ソ連の崩壊をここまで鮮やかに描き出した本を読むのは初めてだ。というか 旧ソ連の崩壊を描いた日本の本も余りないと思う。かつ 本書はジャーナリズムの立場で書かれていない点に凄味があると考える。
「ドキュメント ソ連崩壊」というような内容ではなく あくまで崩壊が起こる内在的な論理を 宗教と歴史に求める姿勢が貫かれている。
これは そもそも宗教と歴史に通暁している事が著者に求められるという極めてアグレッシブな状況だ。それを自分の問題として引き受け かつ 果たしている著者の実にユニークな立ち位置が見えてくるという点で刺激的だ。こういうリスクを自ら取って書く本にはなかなかお目に描かれない。
僕は佐藤というお方には大変注目している。表立って「佐藤批判」が出てこないことも実に興味深い。佐藤のように「断言する」方に対しては もっと批判や批難が出てくることが普通だと思う。それが この数年出てきていない点に 日本の思想界のひ弱さすら感じてしまう。
2009年7月5日に日本でレビュー済み
佐藤優の本はすべて読んでいるが、久々の大ヒット。自壊する帝国のパート2といった趣で圧倒的に面白い。
ロシアでの特殊な体験をモスクワ大学での教師としての視点と、ソ連科学アカデミー民族学研究所に出入りするものの視点を中心に描かれている。
前半のモスクワ大学の部分ではアフガン戦争、秘密都市などロシアの闇を背負った学生たちがどんな経歴で、混乱期のロシアで、どのようにその後を歩んでいるかが書かれており本当に面白い(こんな陳腐な表現では伝わらない面白さがある)。
後半の民族学研究所の部分では、民族とは何かについて、ソ連各地でおきていた民族問題を通して、民族学研究所の研究者たちとともに考察していく。
ロシアでの特殊な体験をモスクワ大学での教師としての視点と、ソ連科学アカデミー民族学研究所に出入りするものの視点を中心に描かれている。
前半のモスクワ大学の部分ではアフガン戦争、秘密都市などロシアの闇を背負った学生たちがどんな経歴で、混乱期のロシアで、どのようにその後を歩んでいるかが書かれており本当に面白い(こんな陳腐な表現では伝わらない面白さがある)。
後半の民族学研究所の部分では、民族とは何かについて、ソ連各地でおきていた民族問題を通して、民族学研究所の研究者たちとともに考察していく。
2009年7月4日に日本でレビュー済み
印象に残ったことなどについて、以下記す。
.民族とは、近代の現象である。にもかかわらず、民族主義者には数百年あるいは数千年の昔から存在していたと観念される。
.民族主義カードは、キャリアまでの距離をショートカットできる(タレント政治家と同様だ)
.「遠隔地ナショナリズム」とは、自らは住んだことがない民族的故郷に対して実際に故郷に住んでいる者よりも観念的で強い愛着を抱くという特徴を持つナショナリズムである(日本においてもよく見受けられる)
.ソ連体制にマルクス主義が根づいたことは一度もなかった。資本主義を知らないのだからロシア人はマルクス主義を理解できなかった(日本における欧米型の民主主義も似たようなものだろう)
.境界線上の人間(周縁にいることを好む性格)は何かを判断するときに、他の人よりも多くの情報を必要とする。知的好奇心が強い。
朝鮮及び朝鮮人の内在的論理については、古田博司の著作を読めばいい。二人とも差別意識がなくフィールドはこの世界であるという信条の持主である。
翻ってアングロサクソンについては鬼畜米英の時代から変わってはいないのではないだろうか。留学生は増大したのに。新自由主義とかグローバルスタンダードとかフィールドワークなき空虚な観念が飛び交って消費されている。そして、内在的論理が隠されている。
.民族とは、近代の現象である。にもかかわらず、民族主義者には数百年あるいは数千年の昔から存在していたと観念される。
.民族主義カードは、キャリアまでの距離をショートカットできる(タレント政治家と同様だ)
.「遠隔地ナショナリズム」とは、自らは住んだことがない民族的故郷に対して実際に故郷に住んでいる者よりも観念的で強い愛着を抱くという特徴を持つナショナリズムである(日本においてもよく見受けられる)
.ソ連体制にマルクス主義が根づいたことは一度もなかった。資本主義を知らないのだからロシア人はマルクス主義を理解できなかった(日本における欧米型の民主主義も似たようなものだろう)
.境界線上の人間(周縁にいることを好む性格)は何かを判断するときに、他の人よりも多くの情報を必要とする。知的好奇心が強い。
朝鮮及び朝鮮人の内在的論理については、古田博司の著作を読めばいい。二人とも差別意識がなくフィールドはこの世界であるという信条の持主である。
翻ってアングロサクソンについては鬼畜米英の時代から変わってはいないのではないだろうか。留学生は増大したのに。新自由主義とかグローバルスタンダードとかフィールドワークなき空虚な観念が飛び交って消費されている。そして、内在的論理が隠されている。