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笑い三年、泣き三月。 単行本 – 2011/9/16
木内 昇
(著)
終戦直後、焼け跡で出会った男3人。年齢も境遇も違う彼らは浅草のストリップ小屋で家族のように暮らし始める。直木賞受賞第一作
- 本の長さ416ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2011/9/16
- ISBN-104163808507
- ISBN-13978-4163808505
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2011/9/16)
- 発売日 : 2011/9/16
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 416ページ
- ISBN-10 : 4163808507
- ISBN-13 : 978-4163808505
- Amazon 売れ筋ランキング: - 595,808位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年10月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画を見てるようでした。笑いました、泣きました感動しました。今の時代これから先戦争は絶対あってわまりません。しかし人の情け、人との関わりはうらやましいほどですに読んでいてなんかしら懐かしさが募りました。私自身の両親 を思い出したのかもしれません。老いた先輩方が黄泉の国に行かれ語り継ぐ人がいなくなったら淋しいものです。しかし作者の木内昇さんはまだ若くおどろきました。新聞で木内さんの本を知り良い本にめぐり逢い辛く幸せな時間でした。
2014年5月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
戦争が終わって、もはや戦後ではないとか言われたころに生まれたんだけど、
でも、小さなころを振り返ってみると、
今の時代よりは終戦間もなしに近い生活だったのかなーと思わないでもなく。
なんていうか、信じたものに(国家とかその教えとか)裏切られ・・・
というか、価値観がまったくひっくり返った時代に、
経済的な面はもちろんのこと、精神的にも寄る辺をなくし。
そんな中でもなんとか生きて行こうとする、
生きていくために笑おうとする、
戦争時代を生き延びたこと自体が才能なんだから、
何のとりえもなくても、生きる才能があるのだからって。
たぶん、そんな風に生きていけたら幸せだよね。
大きな不幸を背負うほどに幸せに敏感になるのかなぁ、人間は。
傷つくことだけどんどん上手になってきた私にはある意味サンクチュアリのような
世界のお話でした。
でも、小さなころを振り返ってみると、
今の時代よりは終戦間もなしに近い生活だったのかなーと思わないでもなく。
なんていうか、信じたものに(国家とかその教えとか)裏切られ・・・
というか、価値観がまったくひっくり返った時代に、
経済的な面はもちろんのこと、精神的にも寄る辺をなくし。
そんな中でもなんとか生きて行こうとする、
生きていくために笑おうとする、
戦争時代を生き延びたこと自体が才能なんだから、
何のとりえもなくても、生きる才能があるのだからって。
たぶん、そんな風に生きていけたら幸せだよね。
大きな不幸を背負うほどに幸せに敏感になるのかなぁ、人間は。
傷つくことだけどんどん上手になってきた私にはある意味サンクチュアリのような
世界のお話でした。
2019年12月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
出版社御中、どうぞ増刷のほど何卒お願い申し上げます。
私は遅ればせながら中古を入手しましたが、もっともっと読まれるべき傑作中の傑作と確信します。
ただ今、卵かけご飯を食べていると自ずと「武雄の鼻血」が思い出され、大増刷をお願いしたい衝動を抑えきれなくなりました。
私は遅ればせながら中古を入手しましたが、もっともっと読まれるべき傑作中の傑作と確信します。
ただ今、卵かけご飯を食べていると自ずと「武雄の鼻血」が思い出され、大増刷をお願いしたい衝動を抑えきれなくなりました。
2012年3月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私は、NHK「週刊ブックレビュー」で生島淳氏が「おすすめの一冊」に上げているのを見て本書を知ったのだが、ビートたけしなど多数の有名お笑い芸人を輩出した浅草六区が終戦直後の焼け野原から復興していく状況と、当時の「エロに燃えて笑いに悩む」人々の姿に興味を惹かれて、読んでみる気になった。
さて、そんな本書を読んで、まず感心したのが、登場人物のキャラ作りの上手さだった。純朴で心優しい時代遅れの漫才師、善造。大空襲で浮浪児となり、笑いを忘れ、大人びた仮面を被った少年、武雄。癒し系の性格で、山の手言葉を崩さない自称元財閥のひとり娘だが、気が緩むとド田舎の方言が出るという、この作品最高のキャラの持ち主である踊り子、ふう子。元映画監督志望、天涯孤独の復員兵で、いつも憎まれ口ばかりをたたいて周りのひんしゅくを買っている屈折した男、光秀。元万年助監督の気配りの人であるストリップ劇場の支配人、杉浦(オネエ言葉を使うにもかかわらず、女を取っ替え引っ替えしている人でもある)。元やくざの「インチキおみくじ屋」(終盤に、意外な形で存在感を発揮する)等々、主役・脇役を問わず、いずれ劣らぬ個性豊かなキャラたちが競演しているのだ。
ただ、当時の世相や浅草六区の状況はよく描かれているものの、この時代設定とこれだけの個性豊かなキャラが揃っていたら、もっと山あり谷ありで、読み応えのある面白い作品になってもいいはずと思うのだが、それほどでもなかったという不満は感じてしまう。本書のタイトルは「笑い三年」なのだが、主人公が時代遅れの漫才師ということもあって、笑えるのはふう子の言動くらいだし、「泣き三月」についても、私がぐっときたのは、終盤、人前で感情を出すのを抑える習性が身に付いていた武雄が、人目もはばからず泣き続けるシーンだけだった。
しかし、私は、基本的に、レビューを書く作品は二度読みすることにしているのだが、二度読みするとますます退屈を感じる作品も少なくない中、本書を二度読みしてもダレなかったということは、強烈なインパクトこそないものの、味わいのある作品ではあるのだと思う。特に、246ページでふう子に語らせている言葉は、現代に生き、自分に自信を持てず、自分が生きる意味を見い出せないでいる人をも勇気付ける素晴らしい名言であり、これに触れるだけでも、この本を読む価値はあるといっても過言ではないと思う。
さて、そんな本書を読んで、まず感心したのが、登場人物のキャラ作りの上手さだった。純朴で心優しい時代遅れの漫才師、善造。大空襲で浮浪児となり、笑いを忘れ、大人びた仮面を被った少年、武雄。癒し系の性格で、山の手言葉を崩さない自称元財閥のひとり娘だが、気が緩むとド田舎の方言が出るという、この作品最高のキャラの持ち主である踊り子、ふう子。元映画監督志望、天涯孤独の復員兵で、いつも憎まれ口ばかりをたたいて周りのひんしゅくを買っている屈折した男、光秀。元万年助監督の気配りの人であるストリップ劇場の支配人、杉浦(オネエ言葉を使うにもかかわらず、女を取っ替え引っ替えしている人でもある)。元やくざの「インチキおみくじ屋」(終盤に、意外な形で存在感を発揮する)等々、主役・脇役を問わず、いずれ劣らぬ個性豊かなキャラたちが競演しているのだ。
ただ、当時の世相や浅草六区の状況はよく描かれているものの、この時代設定とこれだけの個性豊かなキャラが揃っていたら、もっと山あり谷ありで、読み応えのある面白い作品になってもいいはずと思うのだが、それほどでもなかったという不満は感じてしまう。本書のタイトルは「笑い三年」なのだが、主人公が時代遅れの漫才師ということもあって、笑えるのはふう子の言動くらいだし、「泣き三月」についても、私がぐっときたのは、終盤、人前で感情を出すのを抑える習性が身に付いていた武雄が、人目もはばからず泣き続けるシーンだけだった。
しかし、私は、基本的に、レビューを書く作品は二度読みすることにしているのだが、二度読みするとますます退屈を感じる作品も少なくない中、本書を二度読みしてもダレなかったということは、強烈なインパクトこそないものの、味わいのある作品ではあるのだと思う。特に、246ページでふう子に語らせている言葉は、現代に生き、自分に自信を持てず、自分が生きる意味を見い出せないでいる人をも勇気付ける素晴らしい名言であり、これに触れるだけでも、この本を読む価値はあるといっても過言ではないと思う。
2020年3月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
初めて読んだのは図書館本でした。とても読みやすい筆致でどんどん引き込まれていきます。作者はユーモアのある方なのだろうと推察いたします。読後の感動が大きく、今後何度も読み返したくなる本だと感じたため、購入しようと探したのですが、多くの本屋で在庫無し。Amazonでやっと状態の良い中古を入手することができました。他の方のレビューにもありますが、なぜ増刷されていないのでしょうか。不思議です。個人的には映画化されても良い!くらいに思っているのですが…
先程再読し終えました。再読でも感動。また岡部善造に会いたくなるだろうな、と感じています。
先程再読し終えました。再読でも感動。また岡部善造に会いたくなるだろうな、と感じています。
2020年5月21日に日本でレビュー済み
戦後間もない浅草界隈を生きた人々を描いた作品。
劇場ミリオン座を取り巻く様々な個性の人々の息遣いが
時代背景と共にしつこ過ぎず、程よい加減で描かれている。
話の展開は何となく予想はしていたが、それでも最後はジーンとなってしまった。
最終場面は空の青さや光のまぶしさ、空気の清々しさ、そういった果てしない景色が
頭に思い浮かび、余韻を残した。
夢や希望を失いかけたとき、もう一度読んでみたくなる作品。
劇場ミリオン座を取り巻く様々な個性の人々の息遣いが
時代背景と共にしつこ過ぎず、程よい加減で描かれている。
話の展開は何となく予想はしていたが、それでも最後はジーンとなってしまった。
最終場面は空の青さや光のまぶしさ、空気の清々しさ、そういった果てしない景色が
頭に思い浮かび、余韻を残した。
夢や希望を失いかけたとき、もう一度読んでみたくなる作品。
2017年11月30日に日本でレビュー済み
木内作品はほとんど読んでいますが、他の作品とはトーンが異なり、これほど笑えた木内作品はありません。とてもユーモラスでありながらもやはり戦後、厳しい状況を生き抜く辛さもありますが、いずれの登場人物も魅力的で、こころにしみる作品でした。木内先生の引き出しの多彩さには驚かされます。
2012年2月19日に日本でレビュー済み
「浅草」「戦後」「闇市」そんなキーワードが好みであり、
NHKブックレビューで面白いと取り上げていたこともあり、読んだ。
まず、笑おうと思ってこの本を手に取るなら失敗する。
漫才的な笑いはないからだ。
ただひとくせもふたくせもある登場人物達は笑える。
みな必死でそれぞれの方法で生き抜こうとしている。
そんな人間の姿は一見こっけいでもあるからだ。
でもなぜかせつなくて愛おしい笑いを感じたければ
この本はおすすめ。
文体は読みやすい。ただ個人的には途中眠気を感じるような
中弛み感も覚えたことは事実である。しかしそこを乗り越えると
最後は泣ける。(私は404頁)
大震災を受けた子ども達とピタリと重なってしまったのだ。
本を閉じた後はお湯に身を浸したようなじんわりとした
ぬくもりがきっと残るだろう。
マリ・フレデリック・バッケの「喪の悲しみ」とあわせて読むと
より深みが増すように思う。
NHKブックレビューで面白いと取り上げていたこともあり、読んだ。
まず、笑おうと思ってこの本を手に取るなら失敗する。
漫才的な笑いはないからだ。
ただひとくせもふたくせもある登場人物達は笑える。
みな必死でそれぞれの方法で生き抜こうとしている。
そんな人間の姿は一見こっけいでもあるからだ。
でもなぜかせつなくて愛おしい笑いを感じたければ
この本はおすすめ。
文体は読みやすい。ただ個人的には途中眠気を感じるような
中弛み感も覚えたことは事実である。しかしそこを乗り越えると
最後は泣ける。(私は404頁)
大震災を受けた子ども達とピタリと重なってしまったのだ。
本を閉じた後はお湯に身を浸したようなじんわりとした
ぬくもりがきっと残るだろう。
マリ・フレデリック・バッケの「喪の悲しみ」とあわせて読むと
より深みが増すように思う。