ふたりで過ごす時間の長短は、愛にどう作用するのか?
愛とは、愛の本質とは何なのか、そしてそれと対を成す孤独を描く物語だと思いました。
時を追って描かれるエピソードはひとつひとつが厳選されたルポルタージュのように生き生きと胸に迫り、愛に溺れるシーンは煌めいて、その眩さに心地よく酔うことができます。
あっと驚くラストのために、ネタバレになることは書けませんが、関わる人々の描写もとても興味深く、ラストのその後を想像すると、いつまでもいつまでも余韻が残りました。
お気に入りの作品になりました。
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永遠者 単行本 – 2012/10/12
辻 仁成
(著)
本書の幕開けは1899年末、万国博覧会開催を目前にしたパリ。若き日本人外交官のコウヤは、ダンスホールで美しい踊り子カミーユと出会い、
たちまち恋に落ちる。心も体もカミーユに囚われ、時間を忘れてだがいを貪り合う日々。「結婚をしたい」というコウヤに、「〈儀式〉を通過すれば
貴方は永遠に私を愛することができるのよ」と、カミーユは囁く。
新しい世紀の幕開けと共に、二人の果てのない愛の彷徨が始まる――著者が全身全霊を込めて書き上げた衝撃作。
たちまち恋に落ちる。心も体もカミーユに囚われ、時間を忘れてだがいを貪り合う日々。「結婚をしたい」というコウヤに、「〈儀式〉を通過すれば
貴方は永遠に私を愛することができるのよ」と、カミーユは囁く。
新しい世紀の幕開けと共に、二人の果てのない愛の彷徨が始まる――著者が全身全霊を込めて書き上げた衝撃作。
- 本の長さ331ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2012/10/12
- ISBN-10416381700X
- ISBN-13978-4163817002
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2012/10/12)
- 発売日 : 2012/10/12
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 331ページ
- ISBN-10 : 416381700X
- ISBN-13 : 978-4163817002
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,308,130位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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東京生まれ。
89年「ピアニシモ」ですばる文学賞を受賞し、作家デビュー。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年「白仏」の仏翻訳語版「Le Bouddlha blan」で、仏フェミナ賞・1999年外国小説賞を日本人としては初めて受賞。
文学以外の分野でも幅広く活動している。監督・脚本・音楽を手がけた映画「千年旅人」「ほとけ」「フィラメント」「ACACIA」でも注目を集め、メディアの垣根を越えたその多岐にわたる活躍は、今、もっとも注目されている。2003年より渡仏。現在はフランスを拠点に創作活動を続けている。
カスタマーレビュー
星5つ中3.3つ
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イメージ付きのレビュー
5 星
愛と孤独の物語
ふたりで過ごす時間の長短は、愛にどう作用するのか?愛とは、愛の本質とは何なのか、そしてそれと対を成す孤独を描く物語だと思いました。時を追って描かれるエピソードはひとつひとつが厳選されたルポルタージュのように生き生きと胸に迫り、愛に溺れるシーンは煌めいて、その眩さに心地よく酔うことができます。あっと驚くラストのために、ネタバレになることは書けませんが、関わる人々の描写もとても興味深く、ラストのその後を想像すると、いつまでもいつまでも余韻が残りました。お気に入りの作品になりました。
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トップレビュー
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2019年11月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ふたりで過ごす時間の長短は、愛にどう作用するのか?
愛とは、愛の本質とは何なのか、そしてそれと対を成す孤独を描く物語だと思いました。
時を追って描かれるエピソードはひとつひとつが厳選されたルポルタージュのように生き生きと胸に迫り、愛に溺れるシーンは煌めいて、その眩さに心地よく酔うことができます。
あっと驚くラストのために、ネタバレになることは書けませんが、関わる人々の描写もとても興味深く、ラストのその後を想像すると、いつまでもいつまでも余韻が残りました。
お気に入りの作品になりました。
愛とは、愛の本質とは何なのか、そしてそれと対を成す孤独を描く物語だと思いました。
時を追って描かれるエピソードはひとつひとつが厳選されたルポルタージュのように生き生きと胸に迫り、愛に溺れるシーンは煌めいて、その眩さに心地よく酔うことができます。
あっと驚くラストのために、ネタバレになることは書けませんが、関わる人々の描写もとても興味深く、ラストのその後を想像すると、いつまでもいつまでも余韻が残りました。
お気に入りの作品になりました。
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2014年4月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
吸血鬼(ヴァンパイア)をモチーフとして、
「愛することは限りあるから意味がある」というテーマを描いた意欲作。
1899年、パリ万博の時期のフランス。
侍の子孫で、外務省・在仏書記官のザマ・コウヤ(27才)は、
日本にマキエという許婚がいるにもかかわらず、
ムーランルージュでの踊り子、プロゴヨヴィッチ・カミーユにひかれ、情愛の日々に落ちる。
実はカミーユはヴァンパイアであり、彼女と儀式を交わすことで、
コウヤも老いが来ない永遠の命を持つことになる。
その後、物語は45年後の大空襲下の東京、大阪万博、
人類が月面着陸を果たした時期、チェルノブイリ原発事故、湾岸戦争、9・11テロなど、
史実上重要な出来事を背景として進んでいき、ラストシーンは3・11の震災に置かれる。
メッセージは、233ページに出てくる「終わりがあるからこそ、今が豊か」という台詞にこもっている。
一読して、3つの点から、なじむことが最後までできなかった。
1つ目は、吸血鬼をモチーフにしているので、実感がわかず、
物語に入っていくことができなかったこと。
永遠者になる儀式のシーンは、赤面するほど滑稽で、失笑してしまった。
2つ目は、参考文献から引いた当時の状況を記述する箇所が、説明調に列挙されていて、
記録映画のように、無味乾燥としたページが幾つかあること。
吸血鬼=永遠の命、そこに無限で愛することの無意味さ
というテーマ性を乗っけたところまでは分かるが、
手癖(自分のお得意パターン)で書いている印象を受けた。
「サヨナライツカ」のヴァンパイア版なのである。
3つ目は、展開があまりにも早いこと。
早送りで見させられている。あるいは要約を読まされているような感じであった。
コウヤは長らく会っていないカミーユを懐かしむが、
読者はそれだけの思いを共有できていないので、ついていけない。
また、107ページで、コウヤの最初の妻・マキエの最期の言葉が述べられるが、
二人が過ごした日々が全く描かれていないのに、妻から夫に感謝の言葉を語られても、
読み手の感情が揺さぶられることは無い。
全体的に登場人物が、薄っぺらいのだ。
この手の、1人の女性を思い続ける路線には
『ニュートンの林檎』『冷静の情熱のあいだ』『右岸』などがあり、
ある程度のボリュームがあったり、丁寧にエピソードが綴られていたりしているので、
これらの作品群のほうが、それぞれで主人公に感情移入でき、ともに物語世界を楽しめた。
「愛することは限りあるから意味がある」というテーマを描いた意欲作。
1899年、パリ万博の時期のフランス。
侍の子孫で、外務省・在仏書記官のザマ・コウヤ(27才)は、
日本にマキエという許婚がいるにもかかわらず、
ムーランルージュでの踊り子、プロゴヨヴィッチ・カミーユにひかれ、情愛の日々に落ちる。
実はカミーユはヴァンパイアであり、彼女と儀式を交わすことで、
コウヤも老いが来ない永遠の命を持つことになる。
その後、物語は45年後の大空襲下の東京、大阪万博、
人類が月面着陸を果たした時期、チェルノブイリ原発事故、湾岸戦争、9・11テロなど、
史実上重要な出来事を背景として進んでいき、ラストシーンは3・11の震災に置かれる。
メッセージは、233ページに出てくる「終わりがあるからこそ、今が豊か」という台詞にこもっている。
一読して、3つの点から、なじむことが最後までできなかった。
1つ目は、吸血鬼をモチーフにしているので、実感がわかず、
物語に入っていくことができなかったこと。
永遠者になる儀式のシーンは、赤面するほど滑稽で、失笑してしまった。
2つ目は、参考文献から引いた当時の状況を記述する箇所が、説明調に列挙されていて、
記録映画のように、無味乾燥としたページが幾つかあること。
吸血鬼=永遠の命、そこに無限で愛することの無意味さ
というテーマ性を乗っけたところまでは分かるが、
手癖(自分のお得意パターン)で書いている印象を受けた。
「サヨナライツカ」のヴァンパイア版なのである。
3つ目は、展開があまりにも早いこと。
早送りで見させられている。あるいは要約を読まされているような感じであった。
コウヤは長らく会っていないカミーユを懐かしむが、
読者はそれだけの思いを共有できていないので、ついていけない。
また、107ページで、コウヤの最初の妻・マキエの最期の言葉が述べられるが、
二人が過ごした日々が全く描かれていないのに、妻から夫に感謝の言葉を語られても、
読み手の感情が揺さぶられることは無い。
全体的に登場人物が、薄っぺらいのだ。
この手の、1人の女性を思い続ける路線には
『ニュートンの林檎』『冷静の情熱のあいだ』『右岸』などがあり、
ある程度のボリュームがあったり、丁寧にエピソードが綴られていたりしているので、
これらの作品群のほうが、それぞれで主人公に感情移入でき、ともに物語世界を楽しめた。
2016年1月23日に日本でレビュー済み
辻氏の本は、これが初めてです。非日常的な設定でありながら、愛を睦み合う主人公2人の心情が描かれていて、胸にじんと来るものがありました。特に、2人が愛を交わす場面では、凡百の官能小説よりも官能的な印象を持ちました。結末はどうであれ、そこに至るまでの2人と彼らを巡る人々の哀しみが深く胸に刻まれます。