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お勝手太平記 単行本 – 2014/9/30
金井 美恵子
(著)
金井ファン待望、痛快痛烈な最新小説
アキコさんの趣味は手紙を書くこと。料理、裁縫、映画、イヤな男、「お勝手」の話題を毒気たっぷりに認める著者真骨頂の書簡小説。
アキコさんの趣味は手紙を書くこと。料理、裁縫、映画、イヤな男、「お勝手」の話題を毒気たっぷりに認める著者真骨頂の書簡小説。
- 本の長さ318ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2014/9/30
- ISBN-104163900977
- ISBN-13978-4163900971
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2014/9/30)
- 発売日 : 2014/9/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 318ページ
- ISBN-10 : 4163900977
- ISBN-13 : 978-4163900971
- Amazon 売れ筋ランキング: - 101,291位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年11月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私には良さが分からなかった。年配女性のつまらない日常の呟きとしか思えず、読むにつれて苦痛になりました。電子書籍で購入したので、定価購入を後悔。私の端末の本棚からも削除しました。この本の面白さを理解できない私が未熟なのか?
2014年10月25日に日本でレビュー済み
金井美恵子は困った小説家だ。
新作が出るたびに買い求め、
一気に読み終えると、たちまちまた彼女の作品が読みたくなり
過去の作品を読み返す羽目になる。
そして誰彼かまわず、「絶対面白いから読んでみて」と薦めたくなるのだが、
どこが魅力的なのかと問われると、私の言語レベルが低いため
「とにかく面白いから」と言葉を濁して逃げてしまうことになる。
初期の硬質で詩的な短編群も大好きだが、(私のお気に入りは『アルゴス』)
大きな作風転換を試みた有名な『目白四部作』及び
後発の『彼女(たち)について私が知っている二、三の事柄』
『快適生活研究』を楽しく読んだ時期を経て、今、本作が発表された。
『快適生活研究』に登場する手紙魔のアキコさんが友人、知人、
挙句の果てに自分の家政婦に宛てた手紙50通で構成される
書簡体小説。
ちくちくと待ち針で頬をつつくような軽い毒がそこかしこに仕掛けられ、
アキコさんの筆は留まるところを知らない。
筆はすべりにすべり、まるで女子会のおしゃべり好きなおばさんの
会話に耳を傾けているような、かまびすしいけれど心地よいテンポで
ストーリーは進む。
例えば、ノルウェーの毛布について書いたと思えば、
『ノルウェイの森』に言及し、
「とっても幼稚な、若い男の子が夢精をするような青春ポルノ小説ですよ」
とばっさり斬り捨てるあたり、世のハルキストたちも
苦笑せざるを得ないだろう。
すでに『恋愛太平記』で谷崎潤一郎の『台所太平記』を
もじっているにも関わらず
あえて本作を『お勝手太平記』と名付けたのは
作者が、アキコさんの自由奔放な生き方を愛情込めて『お勝手』
と評したからかも知れない。
このように、金井美恵子はいつまでたっても一筋縄ではいかない、
魅力的で知的たりうる貴重な小説家なのだ。
新作が出るたびに買い求め、
一気に読み終えると、たちまちまた彼女の作品が読みたくなり
過去の作品を読み返す羽目になる。
そして誰彼かまわず、「絶対面白いから読んでみて」と薦めたくなるのだが、
どこが魅力的なのかと問われると、私の言語レベルが低いため
「とにかく面白いから」と言葉を濁して逃げてしまうことになる。
初期の硬質で詩的な短編群も大好きだが、(私のお気に入りは『アルゴス』)
大きな作風転換を試みた有名な『目白四部作』及び
後発の『彼女(たち)について私が知っている二、三の事柄』
『快適生活研究』を楽しく読んだ時期を経て、今、本作が発表された。
『快適生活研究』に登場する手紙魔のアキコさんが友人、知人、
挙句の果てに自分の家政婦に宛てた手紙50通で構成される
書簡体小説。
ちくちくと待ち針で頬をつつくような軽い毒がそこかしこに仕掛けられ、
アキコさんの筆は留まるところを知らない。
筆はすべりにすべり、まるで女子会のおしゃべり好きなおばさんの
会話に耳を傾けているような、かまびすしいけれど心地よいテンポで
ストーリーは進む。
例えば、ノルウェーの毛布について書いたと思えば、
『ノルウェイの森』に言及し、
「とっても幼稚な、若い男の子が夢精をするような青春ポルノ小説ですよ」
とばっさり斬り捨てるあたり、世のハルキストたちも
苦笑せざるを得ないだろう。
すでに『恋愛太平記』で谷崎潤一郎の『台所太平記』を
もじっているにも関わらず
あえて本作を『お勝手太平記』と名付けたのは
作者が、アキコさんの自由奔放な生き方を愛情込めて『お勝手』
と評したからかも知れない。
このように、金井美恵子はいつまでたっても一筋縄ではいかない、
魅力的で知的たりうる貴重な小説家なのだ。
2015年5月8日に日本でレビュー済み
金井美恵子さんの『お勝手太平記』はアキコさんという六十過ぎの女性の書いた手紙によって構成されている。このアキコさんの手紙は金井さんの2006年に刊行された『快適生活研究』にすでに登場していて、その時はそのくだくだしく長い手紙に、ったく、うっとうしいババアだな、と思ったのだけれど(笑)、今作においても、そのうっとうしさは全開で、というよりさらに磨きがかかっていて、面白すぎて止まらない。
アキコさんが手紙を書く相手は主に女学校時代の友人たちで、大きな病気をしたり、旦那がボケたり、バリバリと働いていたり、すでに仕事を引退していたり、といろいろな友人たちに宛てて、その近況についてや、若かった頃の思い出話やらをくだくだと書き連ねているのだけれど、とにかくその手紙の持続するさまというか、ひとつの話題からつるつると芋づる式に様々な記憶やら出来事やらが召喚されて脱線に継ぐ脱線を積み重ねてゆくさまがとても素晴らしい。そうかと思うとひとつの話題が、例えばコオロギの鳴き方の表現の仕方が、浮かんでは沈み、また浮かんでは沈みと繰り返し立ち現れて持続を形作りもする。
ではそうした持続のなかから物語が立ち上がってくるのかというと、そうでもない。この作品のなかで、季節は経巡り、それなりの年月の経過があるのだけれど、そのあいだにどんなことが起こるかといえば、せいぜいが友人の病気がゆっくりと回復に向かったり、アキコさんが目の手術をしたり、あるいはみんなで集まって食事をしたり、そんなことばかりだ。しかもそうした出来事自体が語られたりはしない。アキコさんが手術をしても、そこでは病院で着るパジャマについての観察と考察が延々と語られる。だから物語らしい物語などどこにもない。そこにあるのはただ、アキコさんの現在と過去とを自在に往還しながら、緊密に織り上げられた圧倒的な細部、それだけだ。けれどもそこには、特別なことなどひとつもない、平凡で平板な「小さいこと、もっと小さいこと」への愛おしさが満ちている。
アキコさんが手紙を書く相手は主に女学校時代の友人たちで、大きな病気をしたり、旦那がボケたり、バリバリと働いていたり、すでに仕事を引退していたり、といろいろな友人たちに宛てて、その近況についてや、若かった頃の思い出話やらをくだくだと書き連ねているのだけれど、とにかくその手紙の持続するさまというか、ひとつの話題からつるつると芋づる式に様々な記憶やら出来事やらが召喚されて脱線に継ぐ脱線を積み重ねてゆくさまがとても素晴らしい。そうかと思うとひとつの話題が、例えばコオロギの鳴き方の表現の仕方が、浮かんでは沈み、また浮かんでは沈みと繰り返し立ち現れて持続を形作りもする。
ではそうした持続のなかから物語が立ち上がってくるのかというと、そうでもない。この作品のなかで、季節は経巡り、それなりの年月の経過があるのだけれど、そのあいだにどんなことが起こるかといえば、せいぜいが友人の病気がゆっくりと回復に向かったり、アキコさんが目の手術をしたり、あるいはみんなで集まって食事をしたり、そんなことばかりだ。しかもそうした出来事自体が語られたりはしない。アキコさんが手術をしても、そこでは病院で着るパジャマについての観察と考察が延々と語られる。だから物語らしい物語などどこにもない。そこにあるのはただ、アキコさんの現在と過去とを自在に往還しながら、緊密に織り上げられた圧倒的な細部、それだけだ。けれどもそこには、特別なことなどひとつもない、平凡で平板な「小さいこと、もっと小さいこと」への愛おしさが満ちている。