一般の軍事学の本を読んでも、ゲリラに対する記述は少ない。しかし昨今の
戦争の多くは、ゲリラ戦を含む戦闘が行われている。そんな日本の軍事学の
盲点を学ぶのために本書は、非常に良書だと思います。
構成は(ゲリラ戦の理論を少し+ゲリラ戦の戦史を追う)×12+展望×1と
いった構成で読みやすく、戦史を学びたい方にも十分に満足がいく書になって
いると思います。
日本は専守防衛が基本ですが、正規軍(自衛隊)が負けてしまえば、ゲリラ戦
を行うしかなくなります。そんな時誰もゲリラ戦について知らなければ、一般
的な損害(この書によると、ゲリラ10人に対し敵正規軍1人)に数倍する損害
になるかもしれません。
またゲリラ戦の限界についても多く記されているので、そこも勉強になります。
ひとつ残念なのは、二次大戦で日本軍が遭遇したゲリラ(中国便衣隊など)に
ついての記述がない事です。自国の経験が活かせないのはちょっとがっかりで
すが、ここは他の書籍にあたらざるを得ないでしょう。
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ゲリラの戦争学 (文春新書 254) 新書 – 2002/6/1
松村 劭
(著)
二十一世紀の戦争はこう変わる!
古代の戦争からアメリカ同時多発テロ事件までの戦例を拾い、ゲリラ戦術の特色や対ゲリラ戦の極意を説いて新しい戦争の形態を探る
古代の戦争からアメリカ同時多発テロ事件までの戦例を拾い、ゲリラ戦術の特色や対ゲリラ戦の極意を説いて新しい戦争の形態を探る
- 本の長さ220ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2002/6/1
- ISBN-104166602543
- ISBN-13978-4166602544
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2002/6/1)
- 発売日 : 2002/6/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 220ページ
- ISBN-10 : 4166602543
- ISBN-13 : 978-4166602544
- Amazon 売れ筋ランキング: - 490,858位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年3月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2022年9月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
実戦を経験していない自衛官では、なんの説得力も無い。
2005年11月6日に日本でレビュー済み
ゲリラ戦とは、何なのか。それを、戦争という視点から捉え直すと同時に、過去の歴史を紐解き、その実態を明らかにしていく。
あまり体系だって語られる事の少ないゲリラ戦に焦点を当てた本。過去の歴史を様々に引き合いに出し、その上で、理論としての「ゲリラ戦」を描き出している。
特に、ゲリラ戦の、戦力としての評価と、その運用方法…それは同時に、対ゲリラ戦の方法論でもあるのですが…を理論的に語っている点において、基本的な1冊といえる。
そんな理論が、果たして必要なのかといえば、少なくとも、不要なものでは無い筈だ。
例えば、現在の日本が、ゲリラ戦を使用しうるのかといえば、甚だ心許ないものであろう。ましてや、ゲリラ戦を必要としないための準備の方が、さらに心許ないものですし。
かといって、日本がどこかの国の占領下…あるいは、影響力の力による浸透の標的に決してならないかといえば、否であろう。むしろ、近年きな臭いが漂う中、見ないようにしている現実を突きつけられ、同時に内側からも新しい風が吹き始めているのでしょうから。
あまり体系だって語られる事の少ないゲリラ戦に焦点を当てた本。過去の歴史を様々に引き合いに出し、その上で、理論としての「ゲリラ戦」を描き出している。
特に、ゲリラ戦の、戦力としての評価と、その運用方法…それは同時に、対ゲリラ戦の方法論でもあるのですが…を理論的に語っている点において、基本的な1冊といえる。
そんな理論が、果たして必要なのかといえば、少なくとも、不要なものでは無い筈だ。
例えば、現在の日本が、ゲリラ戦を使用しうるのかといえば、甚だ心許ないものであろう。ましてや、ゲリラ戦を必要としないための準備の方が、さらに心許ないものですし。
かといって、日本がどこかの国の占領下…あるいは、影響力の力による浸透の標的に決してならないかといえば、否であろう。むしろ、近年きな臭いが漂う中、見ないようにしている現実を突きつけられ、同時に内側からも新しい風が吹き始めているのでしょうから。
2011年12月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一見面白そうな表題で、なおかつ防衛大学校の専門家が著者であるだけに期待したが…
見事に期待はずれ。
「戦争・軍隊保有」に関する持論を展開するのは勝手だが、その「政治思想の素養」がなさ過ぎる。
「軍事史」に関して言えば(おそらくは日本では)専門家だが、いざ政治思想や現在日本の世論を批判する
段になると突然「小言叔父さん」になってしまい、9条廃止派の典型的論議になる。これで紙幅を稼ぐのは
雑談するようなもの。まあ鬼子扱いされた自衛隊の幹部だったのでしかたないが。
簡単に言えば「ゲリラ戦」に関してきちんと語ってくれ! と言いたくなる程度の内容の薄さ。
「ゲリラ戦」をまとめた形で述べているのは、最初の章と最後の章。これは一読の価値あり。
特に目新しいことはないが「ゲリラが成長し、会戦方式で最終的勝利を得る」ことや、ゲリラ側の損害が10倍近くに
なることは、結構意外な結論だが納得できる
しかし、その後は延々と戦史を時系列で語っている。本書で触れられているのは、アメリカ独立戦争・起源前後のローマ
・ナポレオンの対スペイン戦争・スペイン内乱・信長対一向衆・ベトナム戦争・インドシナ戦争。この程度の戦史。
これらの戦史については、内容がせいぜい高校レベル。
試しにウィキで検索をかけると、全ての項目で遥かに詳しい内容が記述されている。また、戦史の描き方としては散漫で、
おそらくは原典にあたったものはなく、「世界の歴史」のほうがかなりまし。おそらくは孫引き程度か?
事実関係の歪曲。この手の論客によく見うけられるやり方で以下に列挙する。
スペイン内戦で左派政権が都市部に拠点を置いたことが、「一般人の犠牲が増えた」その責任を負うべきと
なるらしい。まことに斬新(笑)な切り口。
「一義的責任」を攻撃を受けた側に置く論法には唖然。本気なのか不明?
「現状打破派」の開戦動機に「指導者の強がり(ママ)」があるらしい。「〜強がり」なる表現を開戦の動機とする本に
初めて出会った。
ソ連が安保理を利用したこと。これは正しいが一方のアメリカへの批判は一切ない。
ゲバラが「逮捕され、死亡(ママ)した」…「処刑」が正解。両手首を切断され現在はキューバで埋葬。
ベトナム戦争を奇妙に編集し、なぜゲリラ戦が勝利したかがほとんど語られず、急に南ベトナム内部の
権力抗争の話に移行する。???の連続で、ベトナムゲリラ戦の詳細さえない。
「済州島4・3事件」について。社会主義勢力が内乱を目指した事実を本書では一方的な思い込みで書く。
社会主義勢力側の虐殺のみを強調をしているが、事実は正反対。韓国政府が正式に謝罪し、済州島には
政府の手によって謝罪の意を現す大きな記念館・記念碑がある。(2年ほど前に現地で確認した。)
よって、この章は全くの捏造。
ソ連のアフガン侵攻では、アメリカがゲリラに多大の兵器を提供。この時点でアメリカとイスラーム勢力は
友好な関係。それらの武器が現在アメリカに向けられている。この事実をあえて書いてない。
ということで、入門書としてもその政治色が濃すぎるし、専門書としては明らかに失格。ネットで調べられる内容なら
あえて出版することもあるまいに…
純軍事的にも政治力学的側面での戦争論としても失格。おそらくはこのまま重刷せずに終わるかと思いますので、
図書館でめくって下さい。私にはお金の無駄でした。
見事に期待はずれ。
「戦争・軍隊保有」に関する持論を展開するのは勝手だが、その「政治思想の素養」がなさ過ぎる。
「軍事史」に関して言えば(おそらくは日本では)専門家だが、いざ政治思想や現在日本の世論を批判する
段になると突然「小言叔父さん」になってしまい、9条廃止派の典型的論議になる。これで紙幅を稼ぐのは
雑談するようなもの。まあ鬼子扱いされた自衛隊の幹部だったのでしかたないが。
簡単に言えば「ゲリラ戦」に関してきちんと語ってくれ! と言いたくなる程度の内容の薄さ。
「ゲリラ戦」をまとめた形で述べているのは、最初の章と最後の章。これは一読の価値あり。
特に目新しいことはないが「ゲリラが成長し、会戦方式で最終的勝利を得る」ことや、ゲリラ側の損害が10倍近くに
なることは、結構意外な結論だが納得できる
しかし、その後は延々と戦史を時系列で語っている。本書で触れられているのは、アメリカ独立戦争・起源前後のローマ
・ナポレオンの対スペイン戦争・スペイン内乱・信長対一向衆・ベトナム戦争・インドシナ戦争。この程度の戦史。
これらの戦史については、内容がせいぜい高校レベル。
試しにウィキで検索をかけると、全ての項目で遥かに詳しい内容が記述されている。また、戦史の描き方としては散漫で、
おそらくは原典にあたったものはなく、「世界の歴史」のほうがかなりまし。おそらくは孫引き程度か?
事実関係の歪曲。この手の論客によく見うけられるやり方で以下に列挙する。
スペイン内戦で左派政権が都市部に拠点を置いたことが、「一般人の犠牲が増えた」その責任を負うべきと
なるらしい。まことに斬新(笑)な切り口。
「一義的責任」を攻撃を受けた側に置く論法には唖然。本気なのか不明?
「現状打破派」の開戦動機に「指導者の強がり(ママ)」があるらしい。「〜強がり」なる表現を開戦の動機とする本に
初めて出会った。
ソ連が安保理を利用したこと。これは正しいが一方のアメリカへの批判は一切ない。
ゲバラが「逮捕され、死亡(ママ)した」…「処刑」が正解。両手首を切断され現在はキューバで埋葬。
ベトナム戦争を奇妙に編集し、なぜゲリラ戦が勝利したかがほとんど語られず、急に南ベトナム内部の
権力抗争の話に移行する。???の連続で、ベトナムゲリラ戦の詳細さえない。
「済州島4・3事件」について。社会主義勢力が内乱を目指した事実を本書では一方的な思い込みで書く。
社会主義勢力側の虐殺のみを強調をしているが、事実は正反対。韓国政府が正式に謝罪し、済州島には
政府の手によって謝罪の意を現す大きな記念館・記念碑がある。(2年ほど前に現地で確認した。)
よって、この章は全くの捏造。
ソ連のアフガン侵攻では、アメリカがゲリラに多大の兵器を提供。この時点でアメリカとイスラーム勢力は
友好な関係。それらの武器が現在アメリカに向けられている。この事実をあえて書いてない。
ということで、入門書としてもその政治色が濃すぎるし、専門書としては明らかに失格。ネットで調べられる内容なら
あえて出版することもあるまいに…
純軍事的にも政治力学的側面での戦争論としても失格。おそらくはこのまま重刷せずに終わるかと思いますので、
図書館でめくって下さい。私にはお金の無駄でした。
2009年1月22日に日本でレビュー済み
前半部分ではゲリラ戦の鉄則として「正規軍に勝てるようになるまで逃げる」「攻撃と撤退を繰り返す」などゲリラ戦の戦術について説明し、後半部分で実際にゲリラ戦を行った事例を取り上げ、前半部分を補足している。
結論として、ゲリラ戦についての資料としては不十分な内容である。ゲリラ戦の鉄則といっても、「」内に書いていた程度の抽象的な概念の説明だけに終始しており、具体的な戦術などについてはほとんど記述していない。また、後半部分の戦闘の事例も概説レベルの内容で、詳しいことを知ることはできない。(本書を理解するのに不十分という意味ではない)
ゲリラ戦について調べたいのなら、チェ・ゲバラ著「ゲリラ戦争」をお勧めする。この本ならより詳細、そして丁寧に説明がされている上、同程度の値段なので断然お得である。
書くまでもないかもしれないが、根本的に目的や手法など前提が異なるビジネスに役にたつわけがないのでうたい文句に惑わせられないように。
結論として、ゲリラ戦についての資料としては不十分な内容である。ゲリラ戦の鉄則といっても、「」内に書いていた程度の抽象的な概念の説明だけに終始しており、具体的な戦術などについてはほとんど記述していない。また、後半部分の戦闘の事例も概説レベルの内容で、詳しいことを知ることはできない。(本書を理解するのに不十分という意味ではない)
ゲリラ戦について調べたいのなら、チェ・ゲバラ著「ゲリラ戦争」をお勧めする。この本ならより詳細、そして丁寧に説明がされている上、同程度の値段なので断然お得である。
書くまでもないかもしれないが、根本的に目的や手法など前提が異なるビジネスに役にたつわけがないのでうたい文句に惑わせられないように。