「戦争の常識」という書名ですが、実際は「戦争をするための人、モノ、事」という内容。実際の戦闘の状況や記録、戦術・戦略の説明など生臭い内容はありません。そのため、戦争をするための組織(陸・海・空)の一般的な知識を網羅している感じです。
また、新書版ゆえ、紙数と大きさに限りがあるため、図版が一切ありません。なので、文中に出てくる機材などの写真をパソコンで検索・表示しながら読み進めると、一層理解が深まると思います。
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戦争の常識 (文春新書 426) 新書 – 2005/2/18
鍛冶 俊樹
(著)
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兵器はもちろん、軍隊の仕組みや兵制、作戦など、戦争にかかわるすべての分野の基本用語を、現代戦をふまえて分かりやすく解説する
- 本の長さ230ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2005/2/18
- ISBN-104166604260
- ISBN-13978-4166604265
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2005/2/18)
- 発売日 : 2005/2/18
- 言語 : 日本語
- 新書 : 230ページ
- ISBN-10 : 4166604260
- ISBN-13 : 978-4166604265
- Amazon 売れ筋ランキング: - 753,240位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年3月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2007年6月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
戦争・軍隊組織等についての、ごく基本的な知識を、明快に整理して
判りやすく論述されている名著だと思います。
あくまでも入門編、という位置づけでしょうが、筆者にとっては、
目から鱗が正に落ちるような記述が並んでおりました。
例えば、「安全保障」と言う言葉は、これまで新聞やテレビ等でよく
見聞しておりましたが、思った以上に重大な意味合いを国際社会では
含有していること。初めて知りました。安保反対・安保反対と単純に
条件反射のように口走るだけでは、国際社会では生き残れないことが
よくわかりました。
新聞・ニュースで国際情勢を読み解きしていく上で、必需品とも言える
教科書的存在だと思います。ミギだろうが、ヒダリだろうが、なんだろうが、
是非ご一読いただきたいと思います。
判りやすく論述されている名著だと思います。
あくまでも入門編、という位置づけでしょうが、筆者にとっては、
目から鱗が正に落ちるような記述が並んでおりました。
例えば、「安全保障」と言う言葉は、これまで新聞やテレビ等でよく
見聞しておりましたが、思った以上に重大な意味合いを国際社会では
含有していること。初めて知りました。安保反対・安保反対と単純に
条件反射のように口走るだけでは、国際社会では生き残れないことが
よくわかりました。
新聞・ニュースで国際情勢を読み解きしていく上で、必需品とも言える
教科書的存在だと思います。ミギだろうが、ヒダリだろうが、なんだろうが、
是非ご一読いただきたいと思います。
2014年11月22日に日本でレビュー済み
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平和を維持したければ、戦争に関する事を学ばなければ始まらない事がわかった本だった。
2010年11月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本はとても読みやすく、あっと言う間に読み終えてしまいました。
内容については軍隊の編成、階級、軍種や装備等の基礎知識的なものから、安全保証、イラク戦争、ミサイル防衛や自衛隊のことについてまで触れられており、とても充実した内容となっています。
本書を読めば、軍事について知ることがいかに大切な事かがわかると思います。
イギリスには軍事学を教える一般大学があるそうです。 日本でも教養として学んでおくべき学問であると思います。
また、この本は広く浅くといった感じなので、より専門的な知識を求める方は注意して下さい。
内容については軍隊の編成、階級、軍種や装備等の基礎知識的なものから、安全保証、イラク戦争、ミサイル防衛や自衛隊のことについてまで触れられており、とても充実した内容となっています。
本書を読めば、軍事について知ることがいかに大切な事かがわかると思います。
イギリスには軍事学を教える一般大学があるそうです。 日本でも教養として学んでおくべき学問であると思います。
また、この本は広く浅くといった感じなので、より専門的な知識を求める方は注意して下さい。
2016年12月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
商品説明にて
「経年による使用感はありますが、特に大きな損傷や大きな汚れ等なく概ね良好です。」
との内容だったが、10ページ以上に渡って書き込みのある商品が届いた。
問い合わせ対応も非誠実。
「経年による使用感はありますが、特に大きな損傷や大きな汚れ等なく概ね良好です。」
との内容だったが、10ページ以上に渡って書き込みのある商品が届いた。
問い合わせ対応も非誠実。
2015年4月28日に日本でレビュー済み
2005年の本。著者は、元・航空自衛隊将校の軍事ジャーナリストである。
曰く・・・
アフガニスタンは、インド、中国、中近東、ロシアに自由に抜けられる要衝地にある。ソ連がアフガニスタンに侵攻すると、ホメイニ革命を起こしていたイランからイラク、サウジアラビアまでソ連陸軍が侵攻することも不可能ではなくなる。もしそうなると西側諸国はエネルギー資源を失って壊滅してしまう。ソ連のアフガニスタン侵攻は西側にとって死活的問題だった。
湾岸戦争のころ、サウジ王朝が崩壊すると、欧米諸国の介入がなければ、事態を収拾できるのはまがりなりにも近代化を達成したフセインのイラクだけ。フセインがサウジに侵攻すると、サウジの民衆が旧弊な王室よりもフセインを受け入れる可能性がある。イラクとサウジが合体すると世界の石油市場はフセインの思いのままになる。これが湾岸戦争に至った理由である。
テロやゲリラ戦などの非正規戦は国際法で禁止されている。正規軍か否かの区別が重要になった。テロリスト、ゲリラ、スパイは捕らえられると捕虜としての処遇が受けられず、犯罪人扱いとなる。正規軍人は、捕まっても、国際法上の捕虜として扱われるので、安全が一応約束されている。しかし、現代では正規軍も迷彩服に身をつつむなど正規軍の要件である識別性がなくなってきており、正規戦が非正規戦化してきている。
実際の戦闘において捕虜は大きな負担になる。捕虜収容所に護送するだけの兵力の余裕があるとは限らないし、釈放するとこちらの状況を敵に通報されてしまう。戦場での捕虜釈放は命取りになりかねない。こうした現実を考えると、捕虜の安全が国際法通りに確保されるとは限らない。捕虜の虐待や殺害は、第二次世界大戦のときにはドイツや日本だけでなく、ソ連にも中国にも英米にもあった。
戒厳令とは、非常措置として、軍が国家の全部または一部を直接支配する命令を指す。議会は休止し、行政府と裁判所は軍の命令を受ける。秩序回復のための国家の最後の手段。パキスタンのムシャラフがクーデターを起こしたときには、非常事態を宣言し、憲法を停止し、軍政をひいているがこれは事実上の戒厳令施行。
大統領議院内閣制は君主制の変化とみることができる。強い権力をもった絶対君主を大統領に置き換えたのが露仏で、政治的実権をもたない象徴的君主を大統領に置き換えたのが独伊。
アメリカの場合、国防長官は国防総省を統括しているので軍政の長である。しかし、軍令は大統領の命令に国防長官が副署することで発令される。国防長官とは、Secretary of Defenceであり、直訳すれば国防担当秘書。大統領お抱えの秘書として、大統領と一体となって最高指揮権を形成していると考えられている。
軍の階級は、兵卒、下士官、将校に分類できる。兵卒は、一任期を終えると、除隊か継続かを選択する。下士官の一番下が伍長で、伍長になると任期はなくなり永続勤務になる。平時には伍長から上を職業軍人とよぶ。
旧軍においては元帥は階級ではなく称号だった。東郷元帥は、階級は海軍大将。元帥府は天皇直属の機関であり、天皇の軍事顧問団であり、天皇が軍事問題を相談するための相談役が元帥。軍事だけでなく国家的視点に立った軍事相談役。
軍は、緊急事態において混乱を避ける事が最重要なため、小隊長が戦死したら、その次の階級の者が直ちに小隊長を代行する。転勤したてでも指揮をとる。普段から階級を明示して上下関係を明確にしておく必要がある。
19世紀には数ヶ月の訓練で兵隊は一人前になったが、現在は武器がハイテク化したこともあり1年前後の訓練が必要。先進国の兵役期間はだいたい1年くらいなので訓練だけで終わってしまう。徴兵制は、人件費抑制のメリットはあるものの、軍には有難がられない。
外国が戦場になっている場合は現地住民にも徴発が課せられることがある。軍は、対価を現金ではなく軍票(手形みたいなもんか?)で払う。住民は軍票を軍の会計に持って行くと現金に換えてもらえる。
戦車は、第一次世界大戦のときに塹壕を突破するために開発された。戦車は障害物を乗り越えて敵陣を突破するのが主眼なので攻撃力、機動力、防御力のバランスが重要。一方、自走砲は大砲に主眼を置いており、なるべく大きな砲を積むために速度や馬力、装甲は犠牲にされる。
戦車の敵は、敵歩兵の対戦車ロケット弾(による側面攻撃)、地雷、攻撃ヘリコプター。攻撃ヘリコプターは、山陰などに隠れてわずかに高度を上げて攻撃し、また隠れるという戦法がとれる。これに対抗するためには、対空ミサイルを持った歩兵か攻撃ヘリが必要。昨今の陸上部隊では攻撃ヘリは必需品になりつつある。
巡洋艦と駆逐艦の違いは、排水量の違いだけ。巡洋艦>駆逐艦>フリーゲート艦>コルベット艦。
第二次世界大戦が終わり、艦隊決戦の時代も去ったように思われるがそれは正確ではない。戦艦の時代が終わり空母同士で艦隊決戦をしている。艦隊決戦が過去のものになったのではなくアメリカと艦隊決戦しようとする国がない。
アジア諸国は、目の前を通る経済の大動脈シーレーンの価値をよく知っている。通商破壊戦は暴挙であると認識しているが、それが発展途上国よりも先進国にとってはるかに強い打撃であると認識しているため、通商破壊戦が可能な海軍をもつことは先進国に対して強い軍事的圧力となる。
米軍は、陸軍、海軍、空軍、海兵隊および沿岸警備隊(必要に応じて指揮下に入れる)の5軍種。
朝鮮戦争で、アメリカはP51ムスタング(プロペラ戦闘機の傑作機)が中国軍のジェット戦闘機ミグ15に歯が立たなかったためジェット戦闘機の時代になった。ミグ15はソ連製だが、ソ連軍がドイツを占領した時にドイツのジェット戦闘機の設計技術を押収して作り上げたといわれる。
1982年のレバノン紛争で、イスラエルのF15,F16はシリア軍のミグ23,ミグ21を無損害で80機以上撃墜している。ショックを受けたソ連から派遣された調査チームは、マイクロチップ技術などの基幹技術で越えがたい格差があることを発見する。この技術格差を埋めるためにペレストロイカに乗り出して失敗し、ソ連は崩壊している。F15,F16がソ連を崩壊させたともいえる。
地上のレーダー基地の情報は指揮管制所に集められ、そこから戦闘機に指令される。飛ぶ指揮管制所がAWACS。戦争になれば敵が真っ先に撃ち落とそうとするのはこれらの飛行機であり、だからといってAWACSが後ろ(安全圏)に退くと戦闘機が危険にさらされる。AWACSは戦闘機よりも厳しい任務。
弾道ミサイルの液体燃料は出力制御しやすいが強力な酸化剤を含むためミサイルに入れっぱなしにするとタンクを酸化・腐食させてしまう。そのために発射直前に注入しなければならず、即応性に欠ける。固形燃料方式は、出力制御に高度な技術を要する。
ミサイル命中精度が上がってくると威力は少なくて済む。核実験を公然と行えなくなってきているため水爆は無理。となると小型核兵器の時代になる。全面核戦争の危機は去ったが、核兵器の限定的使用の公算はかえって高まっている。
アメリカは、ミサイル防衛で核兵器を使うことも考慮しているらしい。核ミサイルを防ぐために核ミサイルを使う。核ミサイルなら、かなり離れた距離ですれ違っても核爆発の威力で敵ミサイルを破壊できる。大気圏外で迎撃した場合なら核汚染はかなり希釈される。それでも環境汚染はあるが、核攻撃されるよりはマシ。
祖国統一戦争で出現した軍隊は、誕生時にすべての権限を手中にしており、そのあと確立してくる行政官庁とは画然とした違いがある。軍隊の権限は自由裁量範囲が大きい。その裁量のなかで禁止事項だけが規定されている。一般の行政官庁は実施すべき事項が決められておりそれ以外のことをしてはいけない。後発の行政組織として出発した自衛隊は、行政官庁と同じく許可事項列挙型で、それでいて不測の事態に対処せねばならない。軍隊でありながら軍隊としての裁量を与えられていない。
みたいな話。
曰く・・・
アフガニスタンは、インド、中国、中近東、ロシアに自由に抜けられる要衝地にある。ソ連がアフガニスタンに侵攻すると、ホメイニ革命を起こしていたイランからイラク、サウジアラビアまでソ連陸軍が侵攻することも不可能ではなくなる。もしそうなると西側諸国はエネルギー資源を失って壊滅してしまう。ソ連のアフガニスタン侵攻は西側にとって死活的問題だった。
湾岸戦争のころ、サウジ王朝が崩壊すると、欧米諸国の介入がなければ、事態を収拾できるのはまがりなりにも近代化を達成したフセインのイラクだけ。フセインがサウジに侵攻すると、サウジの民衆が旧弊な王室よりもフセインを受け入れる可能性がある。イラクとサウジが合体すると世界の石油市場はフセインの思いのままになる。これが湾岸戦争に至った理由である。
テロやゲリラ戦などの非正規戦は国際法で禁止されている。正規軍か否かの区別が重要になった。テロリスト、ゲリラ、スパイは捕らえられると捕虜としての処遇が受けられず、犯罪人扱いとなる。正規軍人は、捕まっても、国際法上の捕虜として扱われるので、安全が一応約束されている。しかし、現代では正規軍も迷彩服に身をつつむなど正規軍の要件である識別性がなくなってきており、正規戦が非正規戦化してきている。
実際の戦闘において捕虜は大きな負担になる。捕虜収容所に護送するだけの兵力の余裕があるとは限らないし、釈放するとこちらの状況を敵に通報されてしまう。戦場での捕虜釈放は命取りになりかねない。こうした現実を考えると、捕虜の安全が国際法通りに確保されるとは限らない。捕虜の虐待や殺害は、第二次世界大戦のときにはドイツや日本だけでなく、ソ連にも中国にも英米にもあった。
戒厳令とは、非常措置として、軍が国家の全部または一部を直接支配する命令を指す。議会は休止し、行政府と裁判所は軍の命令を受ける。秩序回復のための国家の最後の手段。パキスタンのムシャラフがクーデターを起こしたときには、非常事態を宣言し、憲法を停止し、軍政をひいているがこれは事実上の戒厳令施行。
大統領議院内閣制は君主制の変化とみることができる。強い権力をもった絶対君主を大統領に置き換えたのが露仏で、政治的実権をもたない象徴的君主を大統領に置き換えたのが独伊。
アメリカの場合、国防長官は国防総省を統括しているので軍政の長である。しかし、軍令は大統領の命令に国防長官が副署することで発令される。国防長官とは、Secretary of Defenceであり、直訳すれば国防担当秘書。大統領お抱えの秘書として、大統領と一体となって最高指揮権を形成していると考えられている。
軍の階級は、兵卒、下士官、将校に分類できる。兵卒は、一任期を終えると、除隊か継続かを選択する。下士官の一番下が伍長で、伍長になると任期はなくなり永続勤務になる。平時には伍長から上を職業軍人とよぶ。
旧軍においては元帥は階級ではなく称号だった。東郷元帥は、階級は海軍大将。元帥府は天皇直属の機関であり、天皇の軍事顧問団であり、天皇が軍事問題を相談するための相談役が元帥。軍事だけでなく国家的視点に立った軍事相談役。
軍は、緊急事態において混乱を避ける事が最重要なため、小隊長が戦死したら、その次の階級の者が直ちに小隊長を代行する。転勤したてでも指揮をとる。普段から階級を明示して上下関係を明確にしておく必要がある。
19世紀には数ヶ月の訓練で兵隊は一人前になったが、現在は武器がハイテク化したこともあり1年前後の訓練が必要。先進国の兵役期間はだいたい1年くらいなので訓練だけで終わってしまう。徴兵制は、人件費抑制のメリットはあるものの、軍には有難がられない。
外国が戦場になっている場合は現地住民にも徴発が課せられることがある。軍は、対価を現金ではなく軍票(手形みたいなもんか?)で払う。住民は軍票を軍の会計に持って行くと現金に換えてもらえる。
戦車は、第一次世界大戦のときに塹壕を突破するために開発された。戦車は障害物を乗り越えて敵陣を突破するのが主眼なので攻撃力、機動力、防御力のバランスが重要。一方、自走砲は大砲に主眼を置いており、なるべく大きな砲を積むために速度や馬力、装甲は犠牲にされる。
戦車の敵は、敵歩兵の対戦車ロケット弾(による側面攻撃)、地雷、攻撃ヘリコプター。攻撃ヘリコプターは、山陰などに隠れてわずかに高度を上げて攻撃し、また隠れるという戦法がとれる。これに対抗するためには、対空ミサイルを持った歩兵か攻撃ヘリが必要。昨今の陸上部隊では攻撃ヘリは必需品になりつつある。
巡洋艦と駆逐艦の違いは、排水量の違いだけ。巡洋艦>駆逐艦>フリーゲート艦>コルベット艦。
第二次世界大戦が終わり、艦隊決戦の時代も去ったように思われるがそれは正確ではない。戦艦の時代が終わり空母同士で艦隊決戦をしている。艦隊決戦が過去のものになったのではなくアメリカと艦隊決戦しようとする国がない。
アジア諸国は、目の前を通る経済の大動脈シーレーンの価値をよく知っている。通商破壊戦は暴挙であると認識しているが、それが発展途上国よりも先進国にとってはるかに強い打撃であると認識しているため、通商破壊戦が可能な海軍をもつことは先進国に対して強い軍事的圧力となる。
米軍は、陸軍、海軍、空軍、海兵隊および沿岸警備隊(必要に応じて指揮下に入れる)の5軍種。
朝鮮戦争で、アメリカはP51ムスタング(プロペラ戦闘機の傑作機)が中国軍のジェット戦闘機ミグ15に歯が立たなかったためジェット戦闘機の時代になった。ミグ15はソ連製だが、ソ連軍がドイツを占領した時にドイツのジェット戦闘機の設計技術を押収して作り上げたといわれる。
1982年のレバノン紛争で、イスラエルのF15,F16はシリア軍のミグ23,ミグ21を無損害で80機以上撃墜している。ショックを受けたソ連から派遣された調査チームは、マイクロチップ技術などの基幹技術で越えがたい格差があることを発見する。この技術格差を埋めるためにペレストロイカに乗り出して失敗し、ソ連は崩壊している。F15,F16がソ連を崩壊させたともいえる。
地上のレーダー基地の情報は指揮管制所に集められ、そこから戦闘機に指令される。飛ぶ指揮管制所がAWACS。戦争になれば敵が真っ先に撃ち落とそうとするのはこれらの飛行機であり、だからといってAWACSが後ろ(安全圏)に退くと戦闘機が危険にさらされる。AWACSは戦闘機よりも厳しい任務。
弾道ミサイルの液体燃料は出力制御しやすいが強力な酸化剤を含むためミサイルに入れっぱなしにするとタンクを酸化・腐食させてしまう。そのために発射直前に注入しなければならず、即応性に欠ける。固形燃料方式は、出力制御に高度な技術を要する。
ミサイル命中精度が上がってくると威力は少なくて済む。核実験を公然と行えなくなってきているため水爆は無理。となると小型核兵器の時代になる。全面核戦争の危機は去ったが、核兵器の限定的使用の公算はかえって高まっている。
アメリカは、ミサイル防衛で核兵器を使うことも考慮しているらしい。核ミサイルを防ぐために核ミサイルを使う。核ミサイルなら、かなり離れた距離ですれ違っても核爆発の威力で敵ミサイルを破壊できる。大気圏外で迎撃した場合なら核汚染はかなり希釈される。それでも環境汚染はあるが、核攻撃されるよりはマシ。
祖国統一戦争で出現した軍隊は、誕生時にすべての権限を手中にしており、そのあと確立してくる行政官庁とは画然とした違いがある。軍隊の権限は自由裁量範囲が大きい。その裁量のなかで禁止事項だけが規定されている。一般の行政官庁は実施すべき事項が決められておりそれ以外のことをしてはいけない。後発の行政組織として出発した自衛隊は、行政官庁と同じく許可事項列挙型で、それでいて不測の事態に対処せねばならない。軍隊でありながら軍隊としての裁量を与えられていない。
みたいな話。
2015年7月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
特定の国の話ではなく、どこの国の軍隊にも共通していることがかいてあります。
読む人が読めば、多少右寄りに感じるかもしれません。
読む人が読めば、多少右寄りに感じるかもしれません。
2009年5月17日に日本でレビュー済み
軍事一般に関しての仕組みや用語、武器についての初歩的な入門書である。内容に非常にバランスがとれていて、冷静に記述してある。変な色気もないので、何の注意事項もなく、人にお勧めできる本と言える。
少しミリタリーリテラシーに関心がある人にとっても、国防と安全保障、軍法会議と軍事法廷、軍隊で一番偉いのは誰か、などはちょっと悩む問題だろう。また、良くマスコミに見られる戦車と装甲車・自走砲の混同なども注意して判断ができるようになるだろう。
軍事的な状況把握にはある程度の知識が必要だ。石原知事が都内で災害訓練を行った時に「銀座に戦車」などとミスリードする報道もあったし、海外で治安維持やクーデターに出動した部隊が戦車か装甲車かで全く本気度や能力が違う。チャイナの共産党中央軍事委員会主席がどのような立場なのか、国家主席が兼任する場合と別人の場合は何が違うのかを理解することは世界情勢把握に欠かせないだろう。
少しミリタリーリテラシーに関心がある人にとっても、国防と安全保障、軍法会議と軍事法廷、軍隊で一番偉いのは誰か、などはちょっと悩む問題だろう。また、良くマスコミに見られる戦車と装甲車・自走砲の混同なども注意して判断ができるようになるだろう。
軍事的な状況把握にはある程度の知識が必要だ。石原知事が都内で災害訓練を行った時に「銀座に戦車」などとミスリードする報道もあったし、海外で治安維持やクーデターに出動した部隊が戦車か装甲車かで全く本気度や能力が違う。チャイナの共産党中央軍事委員会主席がどのような立場なのか、国家主席が兼任する場合と別人の場合は何が違うのかを理解することは世界情勢把握に欠かせないだろう。