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決闘 ネット「光の道」革命 (文春新書) 新書 – 2010/10/19
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2010/10/19
- ISBN-104166607782
- ISBN-13978-4166607785
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商品の説明
著者について
ソフトバンク株式会社代表取締役社長。1957年佐賀県生まれ。アメリカ・カリフォルニア大学バークレー校経済学部卒業。1981年日本ソフトバンクを設立。以降、ベンチャービジネスの革命児として、第一線を走り続ける。2003年ブロードバンド推進協議会設立、代表理事を務める。福岡ソフトバンクホークスのオーナーでもある。
佐々木俊尚(ささき としなお)
ジャーナリスト。1961年兵庫県生まれ。早稲田大学政経学部中退。毎日新聞記者、アスキーを経て、フリーに。IT分野を中心に取材をつづけている。総務省「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」委員。「2011年 新聞・テレビ消滅」「Google グーグル」「電子書籍の衝撃」など著書多数。
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2010/10/19)
- 発売日 : 2010/10/19
- 言語 : 日本語
- 新書 : 240ページ
- ISBN-10 : 4166607782
- ISBN-13 : 978-4166607785
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,551,917位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
新著『レイヤー化する世界』を刊行しました!
紙の本は、NHK出版新書から。
電子本は、セルフパブリッシングによってKindleStoreから。
どちらでもお好きな方をどうぞ!
【私の書籍のコンセプト】
インターネットやコンピュータのテクノロジは、われわれの社会をどのように変容させていくのか? ネットとリアル社会の境界部分ではどんな衝突が起こり、どのようにリアルはネットに呑み込まれ、そしてどのように融合していくのか? その衝突と融合のリアルな局面を描いていくこと。そしてその先に待ち受ける未来ビジョンを、できうるかぎり事実に基づいて描写していくこと。それが私の仕事の基本的なテーマです。
【私のバックグラウンド】
1961年兵庫県の片田舎で生まれ、大阪西成のディープな街・玉出で育つ。
母の再婚相手がトヨタ自動車の工員に採用されたのをきっかけに、愛知県豊田市に転居。地元中学から愛知県立岡崎高校に進学。文学や哲学書に埋没した思春期をすごす。
1981年、早稲田大学政経学部政治学科入学。前半はロッククライミングに熱中し、後半は当時普及しはじめていたPCを手に入れ、パソコン通信を使ったオータナティブな市民運動ネットワークの実験に参加。掲示板での議論に熱中する。
1988年、毎日新聞社に入社。以降12年あまりにわたって事件記者の日々を送る。東京社会部で警視庁を担当した際にはオウム真理教事件に遭遇。ペルー日本大使公邸占拠事件やエジプト・ルクソール観光客虐殺事件などで海外テロも取材する。
1998年、脳腫瘍を患って長期休養。翌年、糸が切れたように毎日新聞社を辞めてアスキーに移籍。月刊アスキー編集部でデスクを務める。
2003年、独立してフリージャーナリストに。以降たったひとりで事務所も構えず、取材執筆活動に邁進中。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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「NTTの経営のやり方が悪いから、国民が便利にならない。
そこで、国がNTTの資産を没収して、新会社を作ってほしい。
そして、その新会社を私が経営したい。」
というように聞こえます。
資本主義的に考えると、
NTTの株を買い占めて自分が経営者になればいいだけです。
それができないから、政府の助けを借りたい、
という話であれば、
競争のルールも何もあったもんじゃない、
と思うのですが、どうなのでしょうか。
とりあえず、読んでみる価値はある本だと思います。
しかし、それらを全く無効にしてしまうほどのTwitterマーケティングを孫さんは繰り広げた結果、著者とUStreamで決闘を行い事実上勝利を収めている(ように見える)。
UStream部分の他、加筆部分があり、内容は「ソフトバンクはモンゴル帝国軍である」というもの。
孫さんをチンギス・ハーンになぞらえている。
時代が強力なリーダーシップを必要としているという点を簡潔に示している。
この話を斯界の話で終わらせないために読まれた方には行動を勧める。
その行動は自分で考えよ、それが出来無い者は死ぬべし。
とりあえず私はiPadをもう何台か買って親戚に押し付けてみます。
印象に残った箇所を簡略化して挙げる(カッコ内は私のコメント)。
佐々木:日本の世論は、マスメディアが作っている。でも、日本の新聞やテレビは劣化していて、世論をミスリードばかりしている。自壊しつつあるマスメディアを捨てて、インターネットを使った新たな世論形成の場を作るべきだ。
・・・僕が期待しているのは、ツイッターだけでなく、たとえばブロゴスやハフィントンポストみたいな政治サイトが出てきていますが、そういう中で、有権者が語ったことが政治家に世論形成プロセスでつながる仕組み、そのミッシングリンクを埋める場所です。
(脳は、フィードバック回路が密であるほど高度な判断ができる。社会システムも、同じだ。)
孫:光ファイバーを使った家庭用データ通信サービスの普及率は現在9割とNTTは言いますが、いま光が来ているのは無線を受け取る鉄塔のところまで。家庭やオフィスの中まで光をもってきて、それをフェムト化あるいはWi-Fi化して、光を生活のすぐそばまで引き寄せなきゃ行けない。
(「フェムト化(フェムトセル化の略)」とは、簡単に言えば、自宅に引かれているインターネット回線経由で携帯電話を利用する仕組みをさす。)
孫:メタル線は停電のときでも電話線が電気を供給しているので電話が通じるが、光線だと電気が供給されていないので災害の際に電話が使えなくなる、と心配される方がいます。そこで解決策を考えました。家の内壁につけるアダプタの中にリチウム電池を入れておくという方法があります。
・・・そもそも電力線がちぎれるような大災害のときは、電話線も切れてしまうケースが多い。
(病院や送信所では、外部からの電源供給が絶たれた場合に備えて、自家発電が採用されている。)
孫:努力は必要だけど、ビジョンのないところには努力のしようがない。明確なビジョンと期限付きの目標がないと、みんなが中途半端に、あちこちで愚痴を言って、そうしている間に、日本が丸ごと医療費倒れしますよ。
(孫氏のような人物を英語で”visionary”という。「知性を駆使して未来を見通す能力をもつ個人」を意味する。企業家や政治家は、visionaryでなくてはならない。)
佐々木:電子カルテの実現は、現状突破しようとすると膨大な数の法令改正が必要です。医師会の抵抗をどうなぎ倒すか、厚生労働省の役人をどう説き伏せるか。沢山のハードルが立ち塞がっている。
孫:僕が日本の大統領だったら、もう強引にやっちゃう。
(民主主義的な意思決定法の最大の弱点は、時間がかかりすぎる点にある。ここに独裁制のメリットがある。)
佐々木:音楽や本が海外のプラットフォームにイニシアチブを握られているのに対し、電子政府や電子カルテなど国が行うサービスには規制があるため、海外のプラットフォームは入れない。それでは国産プラットフォームが立ち上がるのかといえば、そちらも立ち上がらず、結局ぐずぐずになっている。
(現代において破壊力をもつ発明は、コンテンツではなく、コンテンツを扱う「システム」のレベルで起きる。FacebookやGoogleの検索エンジンには、極言すればシステムだけがあり、コンテンツがない。システムを制した者が、世界を制する。日本の産業が凋落している主因は、システム構築力の貧弱さにあるのではないか。)
孫:すべての学生に電子教科書を無償で配っても、費用は3600億円。八ツ場ダム一個ぶんに及ばない。ダム一個なくても国は死なないけど、子どもたちが高度な教育を受けられないとしたら、国の将来が危うい。
(短期的な視野で判断するなら、ダムの方が大事だろう。教育効果は定量が難しいため、その重要性は過小評価される。)
孫:NHKの番組には、大河ドラマから、各国の語学講座とか、生命体の不思議などの科学ドキュメント、世界史、日本史の映像がいっぱいある。これは教育に向いています。多額の国費をかけて新たに教材を作るなんてナンセンスです。過去何十年分かの動画を教材クラウドの中に、電子化して入れてしまえば、すべての学生が利用可能になります。
(教育価値の高い動画は、無料で全世界に公開してほしい。)
孫:僕は本当に日本が好きなんです。日本に、泣きたいほど、叫びたいほど望んで日本人になった人が何人いるのか。自分が愛する国のために、少しでも貢献したいというときに、どこにためらう必要があるのか。
(孫氏は、在日韓国人の次男として佐賀県の朝鮮人集落に生まれ、差別を経験しながら育った。)
そこでソフトバンクとして「税金を1円も使わずにやる方法がある」という案を出した。一時期ソフトバンクのCMでやっていた「A案?B案?」だ。
結果的にはタスクフォースとして、「よくわからないから無視」という形になってしまったのはとても残念。たたき台をまず出したのだから、それに対して効果的な反論、これに変わる別の案や修正案、そういったもので議論されることは全くなかった。
この本はまだそういった結論が出る前のものだけど、全世帯のラストワンマイルに光が引かれメタルを全撤廃。そして、教育のクラウドと医療のクラウドを実現させるという案は強引で暴力的かもしれないが非常に魅力がある。
これを読んでも教育のクラウド&ICT化は貧弱なイメージしか湧かないが、医療の方は十分説得力がある。
ただ気になったのは光にすれば2〜30年はこれで行けると孫さんは言っているが、倍々ゲームで通信量が増えている中30年ももつのだろうかと疑問が湧いた。
しかし、「そういったさまざまな疑問点が湧くのは当然。喧々がくがくと「オープンに」議論して何とかしていこうという志が大切なのではないか」との孫さんのメッセージはインパクトが強い。
それ自体の善し悪しはともかく、こういった壮大な構想をぶち上げて、本気でやろうとしているスケールはただただ凄い。
ぐいぐい引き込まれて読み終えてしまった。面白いです。読むなら「今」ですね。時間が経てば経つほど意味が薄れる。逆に言えば読もうかなと思った瞬間が一番価値がある本といえる。
そうそう対談なので佐々木さんについても一言。やはりよく分かってらっしゃるなぁと。でも過程の違いによる「大反対」であって目指す目的地は一緒なのだから、途中からどんどん孫さんのペースにはまっているのがよく分かる。
対談は、タイトルにもあるように”巌流島対決”になぞらえて行われた。論点はインフラが先か、アプリが先か。
インフラ先行を唱える孫氏の言葉は、さすがに実業を行っているだけあり非常に説得力がある。そして、それを知りながらヒールに徹する佐々木氏もこれまたお見事。特に一章で、孫さんが、教育や医療という公共的な使い道を提示しながらインフラ先行論を主張するのに対し、佐々木氏がプラットフォーム重視という第三の道による切り返しで議論を進めるあたりは、非常に見どころがある。
注目すべきはビジョナリーとしての孫氏の純粋さだ。その純粋さと正義感ゆえに、与党的なビジョンをたてさせ、野党的にアプローチに奔走させる。
しかし、二章以降、様相は一変する。戦っていながらも、どこかでお互いを「敵の敵は味方」と思いながら、議論している雰囲気が凄く伝わってくる。これは、憂国の士による興業なのだ。そもそも、インフラが先か、アプリが先か、二者択一である必要はない。二人の狙いは、話題化を図り、議論を巻き起こすこと。
二人の熱き想いを無駄にしないためには、われわれ国民が議論に耳を傾け、問題意識を持つこと、まずはそこからスタートだ。
孫さんは、100%光にするにはいろんな障害があるが、無理矢理にでも実行すべき、そのためにどう動くかと言うことを論じている。(自身がインフラの事業をしていることもあり若干インフラよりに話を進めているが)
佐々木さんは、光の道の考えや孫さんの考える日本の未来像に賛成だが、教育や医療をデジタル化することのプラットホームができていない、既得権者たちの反発がすごい、などすごく現実的に捉えているからこそ、否定的な意見ばかり。行動に対する具体的意見があまりない。
決闘というよりは、議論している内容は一緒だけれども、互いに立っている土俵が違う印象。
だから決闘じゃなくて、ただの対談。
でも、どっちの意見もすごく合理的だしフェアな議論をしているので、読んでいるだけですごく楽しい。
日本のデジタル化に興味がある人にはおすすめ。