この本は核武装という日本のごく一部の旧態政治家と投げやりな官僚が密かに夢想する野心を実現するためのツールとしての原発、という究極の真実からスタートする個性的な一冊である。そこには電力の安定供給も、安価である神話も一切取っ払った、ギラギラの核武装妄想だけが,正力〜岸〜佐藤〜角栄〜福田〜中曽根の継承の中で膨らんでいった経緯が丹念に書かれている。
巷間にささやかれている「米国のおしつけ」というよりも、まさに過去と,そして現在の自民党の野心が日本の減資力を猛烈に進めてきたのであり、外圧とは責任逃れの偽装にすぎないことがよくわかる。
そして、有馬氏はそれを当然の事、日本はよくやってきた、原子力は核武装という潜在的な外交カードとして安易に捨てるべきでは無いと、結ぶのだ。
そこが、その部分が激しく不自然で整合性を欠いている事をお知らせしなくてはならない。
この本の主張する事実からすると、その妄想が結果的に現状は日本の沈没に一役買っていることを氏はとっぱらってむりやりとも言える結論を持ち込んだ。
pic.twitter.com/CtfC4xlq
いきなり原発容認だけを目的とした不自然な結論日本の達した事が残念である。氏が前のページで言っている通り、既に核物質は金で手にはいる時代であり再処理は核武装の必要条件ではない。
ましてや日本は非核武装国としては世界最大のプルトニウム保有国となっており、その使い途の無さが世界の猜疑の的になっているほどだ。これを地上に無防備に晒したままにして置く馬鹿はいない。北朝鮮でさえ地下だ。
なにしろ日本の原子力がさらけ出したのは、その無防備過ぎる核の管理能力である。自衛隊でさえ見放すような堕落した民間企業丸投げの原子力力行政が安全保障にこれからも講義あるなどと言う空論は著者の見識を疑わざるを得ない
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
原発と原爆 「日・米・英」核武装の暗闘 (文春新書) 新書 – 2012/8/20
有馬 哲夫
(著)
ヒロシマに原発建設を計画したのは誰だ!
ヒロシマに原発設置、そして日本核武装の可能性が、戦後史の闇から浮かび上がる。秘密文書が語る実態と、うごめく日米実力者らの暗闘
ヒロシマに原発設置、そして日本核武装の可能性が、戦後史の闇から浮かび上がる。秘密文書が語る実態と、うごめく日米実力者らの暗闘
- 本の長さ237ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2012/8/20
- ISBN-104166608738
- ISBN-13978-4166608737
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2012/8/20)
- 発売日 : 2012/8/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 237ページ
- ISBN-10 : 4166608738
- ISBN-13 : 978-4166608737
- Amazon 売れ筋ランキング: - 643,505位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,257位文春新書
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中3.4つ
5つのうち3.4つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
21グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2013年2月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2015年7月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
教養として購入。読むのは先になりますが、入手できる時に入手しておかないと。
2012年8月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者は、これまでアメリカ公文書館の原資料の研究に基づき『原発・正力・CIA』をはじめとしてインテリジェンス研究上の先駆的業績で著名である。本書はアメリカだけでなくイギリスの史料ならびに「幻の文書」と言われていた『日本の核政策に関する基礎的研究』を目にする機会にも恵まれて、日本の現代史において原発と核武装がどのように結びついていたかをテーマにこれまでのタブーに挑戦したものである。
“広島に原発を”というイェーツ提案、アイゼンハワーの“原子力を平和に”キャンペーンは既に有名だが、ジョン・フォスター・ダレスがキリスト者として原爆投下に反対したp39とか、マッカーサーが自らの戦績を低めるものとして原爆使用に反対したp43事実は初耳であった。
初めての原子炉をイギリスから輸入した(東海村)のが、岸の自衛核武装論に端を発するというp69。核兵器の原材料であるプルトニウムを巡る米日の争点である。これを継いだのが岸の実弟佐藤栄作。その時代に秘かに研究・論議された結果が先にあげた「幻の文書」である。佐藤の後継田中角栄は「独自の資源外交を行って虎の尾を踏んだ」という“神話”を巡っても俗論を排しているp187。著者によれば1988年の日米原子力協定によりプルトニウムの再処理・蓄積・利用が可能になり「いまや核武装もでき・・・かなりの核戦力をもつことさえできる」としているp219。要は日本が核拡散防止条約体制から離脱するという決断次第なのだ。先ほどの原子力基本法の一部改訂で”安全保障“の一語が加えられた意味が見えてくるようだ。
ここまでは本書のプラスの評価。評点5だが以下はマイナス点。まずロッキード事件に関して「トライスターなどのエアバス」p161と記しているが、今日仏独英西共同のエアバス・インダストリーと混同されるおそれがあるので不適切である。さらに、原水爆実験反対運動p25も広島・長崎の反核運動p44も、「ソ連や左翼勢力のプロパガンダに煽られた」ものと断定しているが、いささか学問的判断とは言い難くバイアスがかかり過ぎている。そのうえ、要するところ「潜在的核武装能力を捨てるな」という著者の結論、それゆえに核武装能力の根源である原発は国際政治のカードであるから必要という結論には到底同意できないことを表明しておきたい。
“広島に原発を”というイェーツ提案、アイゼンハワーの“原子力を平和に”キャンペーンは既に有名だが、ジョン・フォスター・ダレスがキリスト者として原爆投下に反対したp39とか、マッカーサーが自らの戦績を低めるものとして原爆使用に反対したp43事実は初耳であった。
初めての原子炉をイギリスから輸入した(東海村)のが、岸の自衛核武装論に端を発するというp69。核兵器の原材料であるプルトニウムを巡る米日の争点である。これを継いだのが岸の実弟佐藤栄作。その時代に秘かに研究・論議された結果が先にあげた「幻の文書」である。佐藤の後継田中角栄は「独自の資源外交を行って虎の尾を踏んだ」という“神話”を巡っても俗論を排しているp187。著者によれば1988年の日米原子力協定によりプルトニウムの再処理・蓄積・利用が可能になり「いまや核武装もでき・・・かなりの核戦力をもつことさえできる」としているp219。要は日本が核拡散防止条約体制から離脱するという決断次第なのだ。先ほどの原子力基本法の一部改訂で”安全保障“の一語が加えられた意味が見えてくるようだ。
ここまでは本書のプラスの評価。評点5だが以下はマイナス点。まずロッキード事件に関して「トライスターなどのエアバス」p161と記しているが、今日仏独英西共同のエアバス・インダストリーと混同されるおそれがあるので不適切である。さらに、原水爆実験反対運動p25も広島・長崎の反核運動p44も、「ソ連や左翼勢力のプロパガンダに煽られた」ものと断定しているが、いささか学問的判断とは言い難くバイアスがかかり過ぎている。そのうえ、要するところ「潜在的核武装能力を捨てるな」という著者の結論、それゆえに核武装能力の根源である原発は国際政治のカードであるから必要という結論には到底同意できないことを表明しておきたい。
2014年3月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
エアアバスは普通名詞ではなく、会社名なので固有名詞です。グラマンロッキードのエアバスなんてくだりを読んでしまうと、この著者の認識レベルがこの程度だと思われてしまいます。ということは著者の推察の部分の説得力がいかんせん無くなってしまいます。せっかく骨太のレポートなのに残念です。せめて校正でなんとかできなかったのですか文春さん。
2018年11月9日に日本でレビュー済み
図書館本
外交文書という1次資料を入念に調査することによって見えてきた事実。
原発導入の裏にある日本核武装の周到な準備が明らかになる。
孫崎さんの本(日米同盟の正体)を少し読んでおりますが、日本の政治家が首相に成るた
めにはアメリカの意向には逆らえないとの指摘がありました。そして、日本の戦略無き
外交(ある意味謀略学が日本にはないと指摘してますよね)の結果としてのプルトニウ
ムだらけの日本になったこと。
そして日米のやり取りが凄い、ヒロシマに原発建設構想、さらに沖縄原発の可能性があったこと。
問題だらけだった東海原発(イギリス製)をめぐる駆け引き。
GEがソ連にウラン濃縮を委託。
日本のメディアコントロールによる安全神話(これは他書でも明らか)
福島原発がターンキー契約だったのは東海原発の問題が大きい。
田中角栄氏の資源外交がアメリカという虎の尾を踏んだわけではなかった。
単体抽出法(混合抽出法よりウランとプルトニウム抽出が効果的)の合意文書は日本外交の勝利by有馬氏
現在の情況で、日本が核武装すべきかどうかもわからない。中略 だが、いえることは、それを使うにせよ、使わないにせよ、カードは、持っておく必要があるということだby 有馬氏
有馬さんの本で欠けている点は、まさに、科学者と技術者の関与の一次資料でしょうか。
原発も核兵器も科学者抜きでは絶対不可能です。湯川秀樹はラッセル・アインシュタイ
ン宣言に署名していますが、その後は核廃絶ではなく軍縮に流れが変わってしまった
と、唐木順三が著書の中で指摘しています。また南極探検の西堀栄三郎なども原子力船
に関与していたりします。
どうして、一流の物理学者等が原発を許し、さらに核武装へ向かう日本を許したのか。
九大の吉岡先生などがおそらくご存知なのでしょうが、僕は不勉強でわかりません。
科学の負の遺産という歴史がここにあるのだと思います。
外交文書という1次資料を入念に調査することによって見えてきた事実。
原発導入の裏にある日本核武装の周到な準備が明らかになる。
孫崎さんの本(日米同盟の正体)を少し読んでおりますが、日本の政治家が首相に成るた
めにはアメリカの意向には逆らえないとの指摘がありました。そして、日本の戦略無き
外交(ある意味謀略学が日本にはないと指摘してますよね)の結果としてのプルトニウ
ムだらけの日本になったこと。
そして日米のやり取りが凄い、ヒロシマに原発建設構想、さらに沖縄原発の可能性があったこと。
問題だらけだった東海原発(イギリス製)をめぐる駆け引き。
GEがソ連にウラン濃縮を委託。
日本のメディアコントロールによる安全神話(これは他書でも明らか)
福島原発がターンキー契約だったのは東海原発の問題が大きい。
田中角栄氏の資源外交がアメリカという虎の尾を踏んだわけではなかった。
単体抽出法(混合抽出法よりウランとプルトニウム抽出が効果的)の合意文書は日本外交の勝利by有馬氏
現在の情況で、日本が核武装すべきかどうかもわからない。中略 だが、いえることは、それを使うにせよ、使わないにせよ、カードは、持っておく必要があるということだby 有馬氏
有馬さんの本で欠けている点は、まさに、科学者と技術者の関与の一次資料でしょうか。
原発も核兵器も科学者抜きでは絶対不可能です。湯川秀樹はラッセル・アインシュタイ
ン宣言に署名していますが、その後は核廃絶ではなく軍縮に流れが変わってしまった
と、唐木順三が著書の中で指摘しています。また南極探検の西堀栄三郎なども原子力船
に関与していたりします。
どうして、一流の物理学者等が原発を許し、さらに核武装へ向かう日本を許したのか。
九大の吉岡先生などがおそらくご存知なのでしょうが、僕は不勉強でわかりません。
科学の負の遺産という歴史がここにあるのだと思います。
2012年12月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
目が醒めました。米国は全てを自分の管理下でしか核開発をさせない
政策を最初から謀っている事が良く判る。
政策を最初から謀っている事が良く判る。
2013年6月7日に日本でレビュー済み
2012年、早大教授・有馬哲夫氏の著書です。
本書は、米英の機密文書を通じて、日本の原発の発展、核武装戦略を書いた本です。
そもそも、アイゼンハワーの「原子力を平和に」演説から、原発の推進が始まりますが、
その真意は、ウランの提供の際に結ぶ協定によって各国の原子力研究・開発をチェックし、核兵器の拡散を防止するものです。
米国は、日本へ原発の供与を考えつつも、日本がプルトニウムを獲得し核武装することを懸念し、
協力協定で、米国から提供されたウランから産出されたプルトニウム等を、米国に返還することを義務付けします。
米国・国務省のメモランダム(P32)から一部抜粋すると、
「協力協定ではアメリカから提供されたウランによって産出されたプルトニウムは、アメリカに返還されることになっているが、
そうすると広島で作られたプルトニウムをアメリカが核兵器に使用することになり、心理的に大きな問題を生む。」とあります。
。。。「日本から返還されるプルトニウムを、米国が核兵器に使用する」という米国側の前提が読み取れます。(← とても重要ですよね?)
一方、正力・岸は、自衛核武装のためのプルトニウム獲得を目指します。
結局、米国からは輸入せず、プルトニウムを獲得させてくれる英国からコルダーホール型原発を輸入。これが、東海発電所です。
石川一郎は、英国から日本への報告書(P87〜88)の中で、コルダーホール型は「プルトニウム生産を主目的としている」旨を書いています。
「核武装能力を獲得しようとする日本」と「核武装させまいとする米国」の攻防は、佐藤、田中、中曽根へと続いていきます。
評価は、内容について、科学的な部分が分りにくい、時代が今へ近づくにつれ微妙、政治家・官僚の外交評価は核関連だけではできない etcで「☆-1」。
また、個人的には、読みにくい感じがしたので、プラス「☆-1」。。。ということで、「☆3」とさせていただきました。
本書は、米英の機密文書を通じて、日本の原発の発展、核武装戦略を書いた本です。
そもそも、アイゼンハワーの「原子力を平和に」演説から、原発の推進が始まりますが、
その真意は、ウランの提供の際に結ぶ協定によって各国の原子力研究・開発をチェックし、核兵器の拡散を防止するものです。
米国は、日本へ原発の供与を考えつつも、日本がプルトニウムを獲得し核武装することを懸念し、
協力協定で、米国から提供されたウランから産出されたプルトニウム等を、米国に返還することを義務付けします。
米国・国務省のメモランダム(P32)から一部抜粋すると、
「協力協定ではアメリカから提供されたウランによって産出されたプルトニウムは、アメリカに返還されることになっているが、
そうすると広島で作られたプルトニウムをアメリカが核兵器に使用することになり、心理的に大きな問題を生む。」とあります。
。。。「日本から返還されるプルトニウムを、米国が核兵器に使用する」という米国側の前提が読み取れます。(← とても重要ですよね?)
一方、正力・岸は、自衛核武装のためのプルトニウム獲得を目指します。
結局、米国からは輸入せず、プルトニウムを獲得させてくれる英国からコルダーホール型原発を輸入。これが、東海発電所です。
石川一郎は、英国から日本への報告書(P87〜88)の中で、コルダーホール型は「プルトニウム生産を主目的としている」旨を書いています。
「核武装能力を獲得しようとする日本」と「核武装させまいとする米国」の攻防は、佐藤、田中、中曽根へと続いていきます。
評価は、内容について、科学的な部分が分りにくい、時代が今へ近づくにつれ微妙、政治家・官僚の外交評価は核関連だけではできない etcで「☆-1」。
また、個人的には、読みにくい感じがしたので、プラス「☆-1」。。。ということで、「☆3」とさせていただきました。