単細胞生物の粘菌は、当然、脳や神経はありません。また、著者の中垣俊之さんによると、生物学上の分類さえ融通無碍なんだそうです。
中垣さんは、こんな粘菌に魅せられて?日々の研究に励んでこられました。
そして、遂にイグ・ノーベル賞を受賞することになりました。しかも2回も!!
この、イグ・ノーベル賞、日本でも最近マスコミに取り上げられることがままありますから、よく御存じの方もおられるものと思います。
本書は、以下の章に大別されています。 第1章:イグ・ノーベル賞顛末記 第2章:粘菌の知 人の知
第3章:ヒトもアメーバも自然現象 第4章:粘菌のためらいー科学と文学のあいだ
第5章:不安定性から読み解く秩序づくりのしくみ 第6章:ヒトは粘菌に学べ
第1章は、タイトル通り、イグ・ノーベル賞受賞の顛末が面白おかしく綴られています。第2章は、著者の粘菌研究の概略です。
第3章、第4章は、著者の粘菌研究の成果述べられていて、本書のメインとなるところです。
第5章は、不安定化について、第6章は、著者の人生観、人間論といったことが各々述べられています。
詳しいことは本書を読んでいただかなくてはいけませんが、粘菌は、、ある条件下で、迷路を解き、交通網も独自に作り、
しかも、それが現在の鉄道網とそう違ってはいません。これは驚くべきことですね!!
第5章では、安定化、不安定化ということについて書かれていて、私は、この言葉の概念を本書で初めて知りました。
けもの道、交通渋滞も不安定化から生じるようです。
また、生物でも貝殻、の縞模様、魚の模様、シマウマの縞は、不安定化が関与しているようです。
粘菌というと私は、南方熊楠を思い出します。また、昭和天皇も粘菌に御興味があり、神島行幸の際、熊楠が粘菌、海洋生物について、
御前講義を行いました。熊楠は、その際、標本をキャラメルの箱に入れて差し出したそうです。
昭和天皇は、この講義、そして、キャラメルの箱のことが非常に印象に残っていたようで、歌にも詠まれています・・蛇足でした!!!・・・
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粘菌 偉大なる単細胞が人類を救う (文春新書 984) 新書 – 2014/10/20
中垣 俊之
(著)
単細胞で脳も神経もなく、大きさも性別も、生物学上の分類さえ融通無碍な生物・粘菌。その粘菌が人間でも難しい迷路を解き、現代の発達した交通網をも独自に作り上げてしまう。単細胞生物でありながら、どこまでも賢い。その賢さはどこからやってくるのか。
日々複雑怪奇な思考に挑んでいるようで、実はヒトがいつしか忘れがちな「単純に見えて賢い思考のプロセス」を、今こそ粘菌に学ぶべし。「人びとを笑わせ、そして考えさせる研究」に贈られるイグ・ノーベル賞を2度も受賞した著者が、粘菌の生態と秘密、そして生物の秩序づくりのしくみを明らかに。現代社会をもチクリと風刺する知的興奮あふれる1冊。
日々複雑怪奇な思考に挑んでいるようで、実はヒトがいつしか忘れがちな「単純に見えて賢い思考のプロセス」を、今こそ粘菌に学ぶべし。「人びとを笑わせ、そして考えさせる研究」に贈られるイグ・ノーベル賞を2度も受賞した著者が、粘菌の生態と秘密、そして生物の秩序づくりのしくみを明らかに。現代社会をもチクリと風刺する知的興奮あふれる1冊。
- 本の長さ198ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2014/10/20
- ISBN-10416660984X
- ISBN-13978-4166609840
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2014/10/20)
- 発売日 : 2014/10/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 198ページ
- ISBN-10 : 416660984X
- ISBN-13 : 978-4166609840
- Amazon 売れ筋ランキング: - 483,663位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,036位文春新書
- - 6,938位生物・バイオテクノロジー (本)
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2014年10月22日に日本でレビュー済み
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2014年12月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読みやすく一気に読み切ることができました。
粘菌の研究者による、粘菌(単細胞生物?)に関する内容ではあるが、筆者が2度も受賞したイグノーベル賞についての記述が、詳しくあり、イグノーベル賞がどういう物か解ったことはうれしかった。
また、筆者は粘菌の様々な反応について、インテリジェンスがあるのではと言う主張に対して、西洋(キリスト教?)文化では、人間以外のインテリジェンスを認めない風潮があるようなことなど、興味深い物があった。
生物関係に興味がある方に、おすすめだと思います。
粘菌の研究者による、粘菌(単細胞生物?)に関する内容ではあるが、筆者が2度も受賞したイグノーベル賞についての記述が、詳しくあり、イグノーベル賞がどういう物か解ったことはうれしかった。
また、筆者は粘菌の様々な反応について、インテリジェンスがあるのではと言う主張に対して、西洋(キリスト教?)文化では、人間以外のインテリジェンスを認めない風潮があるようなことなど、興味深い物があった。
生物関係に興味がある方に、おすすめだと思います。
2015年6月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前著もそうでしたが、粘菌の生物学的な記述はなく、粘菌の行動についての本です。内容はまずまずですが、タイトルが大げさすぎるのではないでしょうか?
2018年8月14日に日本でレビュー済み
著者は単細胞生物の知性について研究している人物。
粘菌を扱うことで2回もイグ・ノーベル賞を受賞していることで有名だ。本書では、その授賞式のようすが詳しく紹介されており、とてもおもしろそうだ。
もちろん粘菌の知性についても、迷路の実験をはじめとして、いろいろと語られている。「ヒトは粘菌に学べ」とした章もあり、我々の生き方についても反省させられる。
それにしても、粘菌は偉大だ。
粘菌を扱うことで2回もイグ・ノーベル賞を受賞していることで有名だ。本書では、その授賞式のようすが詳しく紹介されており、とてもおもしろそうだ。
もちろん粘菌の知性についても、迷路の実験をはじめとして、いろいろと語られている。「ヒトは粘菌に学べ」とした章もあり、我々の生き方についても反省させられる。
それにしても、粘菌は偉大だ。
2015年1月16日に日本でレビュー済み
第5章「不安定性から読み解く秩序づくりの仕組み」で、粘菌の体の管に関することのすぐ後に、それに関連する種々の現象を紹介しているのですが、私にはなぜ、粘菌とは直接関係のないことを読者に語ろうとしているのか、中垣俊之氏の意図がよく分かりませんでした。しかし、よく読んで考えてみると、人々の心理に影響を与えることや、経済や歴史にも通じる仕組みを、これらの現象が暗に示していることに気付きました。
中垣氏は理数科学や粘菌の研究を長年してきたのですが、その他にも様々な副産物を手に入れてきたところを読んでいただきたいです。
中垣氏は理数科学や粘菌の研究を長年してきたのですが、その他にも様々な副産物を手に入れてきたところを読んでいただきたいです。