本書は2015年5月に出版された本だが、本書の中では現在(2022年9月時点)のウクライナ情勢に関する予言的な言葉が随所にある。
「ウクライナは国家として存在していない」「ロシアは西側による制裁を恐れていない」「ロシアを見くびってはいけない」など。
エマニュエル・トッドを妄信するのは避けたいが、着眼点は鋭く、面白いと感じる。
ロシアとドイツは、強い。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
¥880¥880 税込
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
¥880¥880 税込
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
¥26¥26 税込
配送料 ¥215 6月9日-11日にお届け
発送元: 新明商店 販売者: 新明商店
¥26¥26 税込
配送料 ¥215 6月9日-11日にお届け
発送元: 新明商店
販売者: 新明商店
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
サンプル サンプル
「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書) 新書 – 2015/5/20
エマニュエル・トッド
(著),
堀 茂樹
(翻訳)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥880","priceAmount":880.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"880","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"T9BcfaYltroG1oNPEpIN2U7EBz0yLSYpwfc2zvDz%2FYAXojdoNC3P3o3MTQAy8vYu8tp5SbGg0WmwLsvUCjJHHjVicVqdW4EGhZpMPEpRCaIlHJkBxxrBWU13L%2FcMY3vcJPm9A0xMQc8%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥26","priceAmount":26.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"26","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"T9BcfaYltroG1oNPEpIN2U7EBz0yLSYpIobs1kvilBFcARHy0OrXFWRIiSgbfa4vOM%2FsVFzyswaoBJlC%2By8KIdXW03ZRth76SYN0f6mr4Nxo25nLcj%2F3ZX90I%2BFvVQwi35f%2FK6cEFfMewCfAa4cCPvToFA2KTCiA9pApRWzlgT2MYFsH9kM5ftcjRmLwVa87","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
冷戦終結と欧州統合が生み出した「ドイツ帝国」。EUとユーロは欧州諸国民を閉じ込め、ドイツが一人勝ちするシステムと化している。ウクライナ問題で緊張を高めているのもロシアではなくドイツだ。かつての悪夢が再び甦るのか?
- 本の長さ232ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2015/5/20
- 寸法11 x 1.3 x 17.4 cm
- ISBN-104166610244
- ISBN-13978-4166610242
よく一緒に購入されている商品
対象商品: 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書)
¥880¥880
最短で6月2日 日曜日のお届け予定です
在庫あり。
¥913¥913
最短で6月2日 日曜日のお届け予定です
在庫あり。
¥935¥935
最短で6月2日 日曜日のお届け予定です
残り16点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
出版社からのコメント
人口動態から、ソ連崩壊と米国衰退をいち早く予見した歴史家の新たな「予言」の書。冷戦終結とEU統合によって生じた「ドイツ帝国」は、当初もっぱら経済的だったのが、今日ではすでに政治的なものになっている、とトッド氏は指摘します。そしてウクライナ問題で緊張を高めているのも、ロシアではなくドイツで、「ドイツ帝国」がこのまま拡大すれば、いずれアメリカとも衝突しうる、と。インタビュー形式で読みやすく、しかも『悪童日記』の名訳者、堀茂樹さんによる素晴らしい翻訳で読める、日本オリジナル版です。
内容(「BOOK」データベースより)
冷戦終結と欧州統合が生み出した「ドイツ帝国」。EUとユーロは欧州諸国民を閉じ込め、ドイツが一人勝ちするシステムと化している。ウクライナ問題で戦争を仕掛けているのもロシアではなくドイツだ。かつての悪夢が再び甦るのか?
今後の世界にとって脅威なのは、ロシアでも中国でもなくドイツだ。冷戦崩壊とEU統合によって生まれたのは、ドイツの一人勝ちの状況であり、端的に言えば、「ドイツ帝国」の再来だ。冷戦崩壊とEUの東方拡大によって利益を得たのは、ドイツなのである。ドイツは、社会主義政権下で高い水準の教育を受けた良質で安い労働力を活用し、経済を復活させ、ヨーロッパを支配するに至っている。問題なのは、歴史的に見て、ドイツの外交政策が、常に不安定でバランスを欠いていることだ。今後の世界にとって最も危険な脅威は、「強すぎるドイツ」である。
今後の世界にとって脅威なのは、ロシアでも中国でもなくドイツだ。冷戦崩壊とEU統合によって生まれたのは、ドイツの一人勝ちの状況であり、端的に言えば、「ドイツ帝国」の再来だ。冷戦崩壊とEUの東方拡大によって利益を得たのは、ドイツなのである。ドイツは、社会主義政権下で高い水準の教育を受けた良質で安い労働力を活用し、経済を復活させ、ヨーロッパを支配するに至っている。問題なのは、歴史的に見て、ドイツの外交政策が、常に不安定でバランスを欠いていることだ。今後の世界にとって最も危険な脅威は、「強すぎるドイツ」である。
著者について
エマニュエル・トッド(Emmanuel Todd )
1951年生まれ。フランスの歴史人口学者・家族人類学者。国・地域ごとの家族システムの違いや人口動態に着目する方法論により、『最後の転落』(76年)で「ソ連崩壊」を、『帝国以後』(02年)で「米国発の金融危機」を、『文明の接近』(07年)で「アラブの春」を次々に“予言”。『デモクラシー以後』(08年)では、「自由貿易が民主主義を滅ぼしうる」と指摘。
堀茂樹(ほり しげき) 1952年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部教授(フランス文学・哲学)。翻訳家。アゴタ・クリストフの『悪童日記』をはじめ、フランス文学の名訳者として知られる。
1951年生まれ。フランスの歴史人口学者・家族人類学者。国・地域ごとの家族システムの違いや人口動態に着目する方法論により、『最後の転落』(76年)で「ソ連崩壊」を、『帝国以後』(02年)で「米国発の金融危機」を、『文明の接近』(07年)で「アラブの春」を次々に“予言”。『デモクラシー以後』(08年)では、「自由貿易が民主主義を滅ぼしうる」と指摘。
堀茂樹(ほり しげき) 1952年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部教授(フランス文学・哲学)。翻訳家。アゴタ・クリストフの『悪童日記』をはじめ、フランス文学の名訳者として知られる。
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2015/5/20)
- 発売日 : 2015/5/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 232ページ
- ISBN-10 : 4166610244
- ISBN-13 : 978-4166610242
- 寸法 : 11 x 1.3 x 17.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 265,010位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 668位文春新書
- - 1,855位外交・国際関係 (本)
- - 73,410位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2016年1月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
トッド氏の著作を初めて読んでみた。
社会学なんぞ、ド素人の私にはなかなか馴染めないものであるが、
それでも目からうろこ的な読後感があった。
お前のそんな感想なんぞ、そもそも勘違いでしかない、
というご指摘、もっともなことではある。
この著作では、意外なことにまずはロシア、その社会的政治的復活が語られる。
著者はかって乳幼児死亡率から旧ソ連の崩壊を予期したということであったが、
この指標のみならず、出生率の改善、或いは驚異的に低かった男性の平均余命の伸びを語る。
なんだか昨今のロシアの力強さ、強引さを裏付ける記述で、日本人としては慄然とする。
ウクライナという特殊というか、1930年代まで国家としての共同体として体をなしていなかった
国家の特殊性と、そこを取り巻くドイツとロシアの国益をめぐっての鍔迫り合いの実態、その一端を、
「ふーんそうなんだ」などとのどかに感じることができる。
wikiによれば著者の社会論の背景には、独特の家族理論があるとのこと。
本作品でもドイツの直系家族、差別主義、という視点とフランス、パリ盆地、南仏周辺を代表的とする平等主義、
その差異があちこちでこの両国の利害に影響を与えていることが語られる。
しかし正直、一読した限りではすんなりとは理解できなかった。
カトリシズム、ルター的プロテスタント、差別主義、反ユダヤ、等々、背景は複雑だけれどもう少し分かりやすくお願いしたいと・・・
私見では、そもそもEU統合の精神とは、第2次大戦後国家再建に勤しむべき成人男子数が払拭するほど疲弊し尽くした両国が、
もう二度と戦争なんてやめようよ、で始まり欧州鉄鋼共同体がその先駆けとか。
しかしEU統合、共通通貨ユーロの発効後、ドイツはフランスを袖にして中東欧の低コストの労働市場にばかり進出。
その結果かどうかは断言できないものの、勝手なドイツが経済的には独り勝ちで他国を圧倒。
そんなドイツにフランスは不信を募らせるばかり。
という文脈を思い出しました。
という具合に、ド素人の私めにはたいへん新鮮な知識ばかりで霊験あらたかでございました。
社会学なんぞ、ド素人の私にはなかなか馴染めないものであるが、
それでも目からうろこ的な読後感があった。
お前のそんな感想なんぞ、そもそも勘違いでしかない、
というご指摘、もっともなことではある。
この著作では、意外なことにまずはロシア、その社会的政治的復活が語られる。
著者はかって乳幼児死亡率から旧ソ連の崩壊を予期したということであったが、
この指標のみならず、出生率の改善、或いは驚異的に低かった男性の平均余命の伸びを語る。
なんだか昨今のロシアの力強さ、強引さを裏付ける記述で、日本人としては慄然とする。
ウクライナという特殊というか、1930年代まで国家としての共同体として体をなしていなかった
国家の特殊性と、そこを取り巻くドイツとロシアの国益をめぐっての鍔迫り合いの実態、その一端を、
「ふーんそうなんだ」などとのどかに感じることができる。
wikiによれば著者の社会論の背景には、独特の家族理論があるとのこと。
本作品でもドイツの直系家族、差別主義、という視点とフランス、パリ盆地、南仏周辺を代表的とする平等主義、
その差異があちこちでこの両国の利害に影響を与えていることが語られる。
しかし正直、一読した限りではすんなりとは理解できなかった。
カトリシズム、ルター的プロテスタント、差別主義、反ユダヤ、等々、背景は複雑だけれどもう少し分かりやすくお願いしたいと・・・
私見では、そもそもEU統合の精神とは、第2次大戦後国家再建に勤しむべき成人男子数が払拭するほど疲弊し尽くした両国が、
もう二度と戦争なんてやめようよ、で始まり欧州鉄鋼共同体がその先駆けとか。
しかしEU統合、共通通貨ユーロの発効後、ドイツはフランスを袖にして中東欧の低コストの労働市場にばかり進出。
その結果かどうかは断言できないものの、勝手なドイツが経済的には独り勝ちで他国を圧倒。
そんなドイツにフランスは不信を募らせるばかり。
という文脈を思い出しました。
という具合に、ド素人の私めにはたいへん新鮮な知識ばかりで霊験あらたかでございました。
2015年5月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は著名な歴史人口学者のインタビュー記事を編集・翻訳したもの。
挑発的なタイトルだが、ドイツ以外の国−ロシアやアメリカなどにも言及している。
EU内においてドイツが着々とその地位を固めている趣旨は理解したが、
よくわからなかい箇所もあった。
舌鋒鋭い持論は風刺的で痛快だが、一方で抽象的でわかりにくい。
内容に関しては、本書のテーマよりむしろ、第7章の「富裕層に仕える国家」の方が印象的だった。
ここではドイツは関係なく、銀行を筆頭とする巨大金融資本の政治との癒着について述べている。
ごく少数の寡頭支配者層による金融資本主義が諸国家をコントロールしている構造においては、
むしろ政府債務をデフォルトした方がよい、とする考えは新鮮だった。
挑発的なタイトルだが、ドイツ以外の国−ロシアやアメリカなどにも言及している。
EU内においてドイツが着々とその地位を固めている趣旨は理解したが、
よくわからなかい箇所もあった。
舌鋒鋭い持論は風刺的で痛快だが、一方で抽象的でわかりにくい。
内容に関しては、本書のテーマよりむしろ、第7章の「富裕層に仕える国家」の方が印象的だった。
ここではドイツは関係なく、銀行を筆頭とする巨大金融資本の政治との癒着について述べている。
ごく少数の寡頭支配者層による金融資本主義が諸国家をコントロールしている構造においては、
むしろ政府債務をデフォルトした方がよい、とする考えは新鮮だった。
2015年6月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
トッドの眼に映っているヨーロッパ大陸の政治状況は、EU及びユーロは、ドイツの一人勝ちとなり大陸を牛耳りドイツ帝国化している。
戦後、アメリカはドイツ及び日本をコントロールしていたがドイツには失敗した。
ウクライナで戦争を仕掛けているのは、ロシアではなくドイツである。
緊縮政策に対するアメリカの諫言に対しても耳を貸さない。債務を背負っている南欧諸国は隷属させる。東ヨーロッパの人間は低賃金で働かせる。フランスには、銀行家に多少の餌を与えて大統領府をコントロールさせる。フランスも遂に隷属するようになった。
アメリカは、ヨーロッパ防衛の軍事費負担で体力を消耗した。それに対しドイツの軍事費負担は低コストで単一通貨ユーロを最大限活用し強大となった。
そして、近年では中国と意を通じ合わせるようになっている。韓国も中国について回るようになった。これらは、アメリカンシステムのひび割れと云える。
但し、欧州にとっての中国は、資本主義の損益計算の道具であって利潤を齎してくれる国に過ぎない。
中国は、経済面での崩壊とそれに伴う国内危機の寸前にある。
ヨーロッパ大陸は、歴史の中で迷子となっている。単一通貨導入は歴史的過ちである。
経済の停滞は、社会構造上の上層部(現在では、1%に冨が集中している)に不必要・不用な金が蓄積されているという事である。金融機関の発明である「政府債務」の意図する処は富裕層保有資産の安全化である。
デモクラシーの再建、市場の再活性化にはデフォルトのような外科手術が必要である。マルクスの「ルイ・ボナパルトのブリュメール18日」の中に、「金持ちたちは、政府債務が大好きなのです」という言葉がある。
無理な需要喚起は、サブプライム・ローンのように最後には弾け崩壊するのものである。
直系家族のドイツでは、長男を跡継ぎにし長男の家族を両親と同居させ、他の兄弟姉妹は長男の下位に位置づける。先進国では、存在しなくなったがその価値観は、継承している。日本も同様であるが、権力が分散している。
パリ盆地は、正反対で子供は自律的家族ユニットを築き、子供は全員平等である。自由と平等がフランス共和国の標語となる以前に、暗黙のうちに家族の標語であったのである。
アングロサクソンが、ユーロ圏という独仏路線を敬遠したのは、イギリスがその文化の最も深い部分で自由への絶対のこだわりがあったのであろう。
コンパクトで非常に読み易く切れ味抜群である。
フランスマスコミは、ユーロ一辺倒でどうしようもないという件があり、マスコミとは何処も同じらしい。
ただ、日本は敗戦に懲りて駝鳥戦略に閉じ籠ったままの人が多いようだ。
フランスの歴史人口学・人類学者であるトッドは、家族構造、人口構造等からソ連邦の崩壊を予測した。現在のロシアは、同様の予測からダイナミックに蘇生しつつあると分析している。それは、強い国家的伝統を保有していたからでもある。
トッドは、現実の問題を赤子のおもちゃのような理念やイデオロギー的価値観により判断しない。子供のような眼で事実を直視し、王様は裸だと見て取る。その意味で戦略的現実主義者プーチンの評価は高い。これに反しブレジンスキーは、ロシアのことが頭一杯でドイツの台頭を読み誤ったと評している。
日本の論壇ではお目にかからない視点に強く興味をそそられる。
戦後、アメリカはドイツ及び日本をコントロールしていたがドイツには失敗した。
ウクライナで戦争を仕掛けているのは、ロシアではなくドイツである。
緊縮政策に対するアメリカの諫言に対しても耳を貸さない。債務を背負っている南欧諸国は隷属させる。東ヨーロッパの人間は低賃金で働かせる。フランスには、銀行家に多少の餌を与えて大統領府をコントロールさせる。フランスも遂に隷属するようになった。
アメリカは、ヨーロッパ防衛の軍事費負担で体力を消耗した。それに対しドイツの軍事費負担は低コストで単一通貨ユーロを最大限活用し強大となった。
そして、近年では中国と意を通じ合わせるようになっている。韓国も中国について回るようになった。これらは、アメリカンシステムのひび割れと云える。
但し、欧州にとっての中国は、資本主義の損益計算の道具であって利潤を齎してくれる国に過ぎない。
中国は、経済面での崩壊とそれに伴う国内危機の寸前にある。
ヨーロッパ大陸は、歴史の中で迷子となっている。単一通貨導入は歴史的過ちである。
経済の停滞は、社会構造上の上層部(現在では、1%に冨が集中している)に不必要・不用な金が蓄積されているという事である。金融機関の発明である「政府債務」の意図する処は富裕層保有資産の安全化である。
デモクラシーの再建、市場の再活性化にはデフォルトのような外科手術が必要である。マルクスの「ルイ・ボナパルトのブリュメール18日」の中に、「金持ちたちは、政府債務が大好きなのです」という言葉がある。
無理な需要喚起は、サブプライム・ローンのように最後には弾け崩壊するのものである。
直系家族のドイツでは、長男を跡継ぎにし長男の家族を両親と同居させ、他の兄弟姉妹は長男の下位に位置づける。先進国では、存在しなくなったがその価値観は、継承している。日本も同様であるが、権力が分散している。
パリ盆地は、正反対で子供は自律的家族ユニットを築き、子供は全員平等である。自由と平等がフランス共和国の標語となる以前に、暗黙のうちに家族の標語であったのである。
アングロサクソンが、ユーロ圏という独仏路線を敬遠したのは、イギリスがその文化の最も深い部分で自由への絶対のこだわりがあったのであろう。
コンパクトで非常に読み易く切れ味抜群である。
フランスマスコミは、ユーロ一辺倒でどうしようもないという件があり、マスコミとは何処も同じらしい。
ただ、日本は敗戦に懲りて駝鳥戦略に閉じ籠ったままの人が多いようだ。
フランスの歴史人口学・人類学者であるトッドは、家族構造、人口構造等からソ連邦の崩壊を予測した。現在のロシアは、同様の予測からダイナミックに蘇生しつつあると分析している。それは、強い国家的伝統を保有していたからでもある。
トッドは、現実の問題を赤子のおもちゃのような理念やイデオロギー的価値観により判断しない。子供のような眼で事実を直視し、王様は裸だと見て取る。その意味で戦略的現実主義者プーチンの評価は高い。これに反しブレジンスキーは、ロシアのことが頭一杯でドイツの台頭を読み誤ったと評している。
日本の論壇ではお目にかからない視点に強く興味をそそられる。
2015年5月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
フランスにおけるインタビューを、8本纏めたもの。
その語りの主な対象は、ドイツ帝国の確立、ロシアの復活、
フランスの内情となる。
やはり何と言っても白眉は、巻頭のドイツ帝国である。
ドイツ・システムが既に確立されている様を、様々な観点から
浮き上がらせてくれる。
EU内部からの見立てには、迫真性がある。
また、ロシアの現在の姿を、「権威主義的デモクラシー」により
復活を果たしている、という見解は、とても新鮮である。
フランスの内情も、日本では伺い知ることが出来ないものばかり
で、貴重である。
だが、この本の真骨頂は、これら様々な見立てが、将来予測とし
て、当たるか当たらないかにあるのではない。
著者の深い思考のプロセスを辿ることで、自身が思考する際の
刺激となっていくことにある、と感じる。
その語りの主な対象は、ドイツ帝国の確立、ロシアの復活、
フランスの内情となる。
やはり何と言っても白眉は、巻頭のドイツ帝国である。
ドイツ・システムが既に確立されている様を、様々な観点から
浮き上がらせてくれる。
EU内部からの見立てには、迫真性がある。
また、ロシアの現在の姿を、「権威主義的デモクラシー」により
復活を果たしている、という見解は、とても新鮮である。
フランスの内情も、日本では伺い知ることが出来ないものばかり
で、貴重である。
だが、この本の真骨頂は、これら様々な見立てが、将来予測とし
て、当たるか当たらないかにあるのではない。
著者の深い思考のプロセスを辿ることで、自身が思考する際の
刺激となっていくことにある、と感じる。
2023年5月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中国などは、紀元前にすでに統一的国家となりEU超越形態でした。
文字も言語も度量衡制度も不統一でした。
歴史的には、殷、周は、すでにEUを超越した統一国家だったわけです。
ヨーロッパの歴史段階は、まだ殷にすら到達していない、と考えてしまう中国人は多いでしょう。
まあ、そのような目でみられて当然の状況が、数百年間も西欧では継続しています。
ですから、大ドイツが欧州統一国家として欧州に君臨する時代があっても、
逆に、フランスが欧州に君臨する時代を迎えても、かまわないわけです。
巨視的に人類史を俯瞰すると「統一国家」は、人類史の方向性なのでしょうから。
西欧の国家形態は、そもそもが対立と独立で歪んでいるから安定しないわけです。
ここらで、大同団結して「大ドイツ帝国」に統一されてもかまわないでしょう。
まさか、大秦帝国のような極端な法治国家にはならないでしょうから。
いいじゃないですか「大ドイツ」でも「偉大フランス」でも、統一すれば、、。
この著者は、あまりにも保守的で、視野が狭く、独善的ですよ。
こんな、保守(孤立と対立)に凝り固まった思考形態だから、戦争ばっかりやってきたわけでしょう。
しかも「最近では世界大戦」をやって「2度も世界中を破壊した」ではないですか。
えらく迷惑な連中ですよ、西欧人という人類は。
独立は対立ですから、バカが考えても紛争と戦争の反復になると予測できるでしょうに。
著者は、この根本的な予測の能力がない、という低度のアタマなのかな。
すこしは、反省して、統一欧州国家を試行してもいいのではないかな、ヨーロッパも、、、。
そろそろ、殷帝国のような統一西欧になる時期かも。
まだ、100年ほどかかるかもしれませんがね。
文字も言語も度量衡制度も不統一でした。
歴史的には、殷、周は、すでにEUを超越した統一国家だったわけです。
ヨーロッパの歴史段階は、まだ殷にすら到達していない、と考えてしまう中国人は多いでしょう。
まあ、そのような目でみられて当然の状況が、数百年間も西欧では継続しています。
ですから、大ドイツが欧州統一国家として欧州に君臨する時代があっても、
逆に、フランスが欧州に君臨する時代を迎えても、かまわないわけです。
巨視的に人類史を俯瞰すると「統一国家」は、人類史の方向性なのでしょうから。
西欧の国家形態は、そもそもが対立と独立で歪んでいるから安定しないわけです。
ここらで、大同団結して「大ドイツ帝国」に統一されてもかまわないでしょう。
まさか、大秦帝国のような極端な法治国家にはならないでしょうから。
いいじゃないですか「大ドイツ」でも「偉大フランス」でも、統一すれば、、。
この著者は、あまりにも保守的で、視野が狭く、独善的ですよ。
こんな、保守(孤立と対立)に凝り固まった思考形態だから、戦争ばっかりやってきたわけでしょう。
しかも「最近では世界大戦」をやって「2度も世界中を破壊した」ではないですか。
えらく迷惑な連中ですよ、西欧人という人類は。
独立は対立ですから、バカが考えても紛争と戦争の反復になると予測できるでしょうに。
著者は、この根本的な予測の能力がない、という低度のアタマなのかな。
すこしは、反省して、統一欧州国家を試行してもいいのではないかな、ヨーロッパも、、、。
そろそろ、殷帝国のような統一西欧になる時期かも。
まだ、100年ほどかかるかもしれませんがね。
2022年8月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
経済システムの具体的アクターが出てこないので分かりづらいです。抽象的で分かりづらいと感じる
2017年5月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
EUはヨーロッパ連合からドイツ帝国に変貌しているという。 EU内部では経済的にドイツの一人勝ちで黒字をため込み他の諸国はその結果赤字を余儀なくさせられているという。 南欧、特にギリシャの赤字は独の独断専行による反則技の結果だという。 ユーロという単一通貨が各国の経済状況に応じて切り下げができず独の一人勝ちを許しているという。 欧州各国はベルリン、ブリュッセル、フランクフルトに隷属させられた奴隷国家に成り下がっているという。 フランス首相もドイツの副首相でドイツに追随ずるだけのポチであるという。 米国の衰退は独の興隆をもたらし東アジアでは中国の興隆を引き起こしている。 この独は米国離れを引き起こし、ロシア、中国と経済的に結びつきを強めている。 特にロシアのパイプラインは独が終着駅でそこから欧州に配分される。 中国とも蒋介石を支援して日中衝突を意図したのも独である。 しかし中、露、インドが提携しても日本が参加しなければ強い連合とならない。 英国はEUになじまず脱退すると予測している。 しかし英国はユーロに加盟せずポンドである。 ポンドの切り下げは容易なのに独を英は抜けない。 ウクライナの政変は米国が仕掛けたことをトッドは知らないのか。 独は漁夫の利を得ているにすぎない。 2003年仏、独、露はトロワで米国のイラク介入に反対しました。 その後ウクライナ問題で仏、独と露は対立している。 独にはウクライナに対する領土的野心がビスマルクの時代からあったという。 米ロの協調が世界平和の鍵とトッドは結論する。 この時日本は中国の属国となるのか、衛星国に留まるのか。 トッドは中国の瓦解が始まり覇権国家にはなれないだろうと予測している。 独がEUで一強になったのも独が意図したわけではなくEU内での自由競争に勝ったからにすぎない。 これは国民の資質の問題である。 ドイツに第4帝国が出現するというのは杞憂ではないか。