結論として、日米同盟の解消は双方にとって終りである。
北は既に、核弾頭搭載の中距離ミサイルを保有していると思っていた方が良い。
それは、日本がその射程に入っているという事であって迎撃は不可能であるという事を意味している。
対抗策は、相手と同様のものがなければならない。
それは、技術的には短期間で可能である。
しかしそれには、NPTを脱退し、日米同盟を解消しなければならない。
これは、現時点では、不可能な選択である。北朝鮮化が出来るとは、思えない。
アメリカに日米同盟解消は出来るだろうか。出来ない。
アメリカが在日基地を失えば、東半球でのインテリジェンス・ロジスティクス・出撃機能つまり、戦略拠点を失う事を意味する。それは、超大国でなくなる事をも意味する。
太平洋は、アメリカの海でなくなりハワイは危険となり東海岸さえ危なくなる。
これをアメリカは、認めるだろうか。否である。
つまり、日米双方にとって現在の日米同盟維持が好ましいのである。
他方、北が全てを犠牲にして手にした独立の担保である核を手放す事は、有り得ない。
つい最近まで、日本ではアメリカのブラフに惑わされ今直ぐにも北を攻撃するという論者がいた。さすがに、それはなく来年になればと後退した。今、この段階にある。
だが、在韓国アメリカ人は、そのまま居るのである。これ以上の解答はあろうか。
北が、全てを犠牲にして手に入れた核・ミサイルを手放す事は、有り得ない。それは、死ねという事である。
アメリカの優先順位は、極東でなく中東である。
最終的には、北の核の黙認となろう。韓国からサヨナラする事は有り得るだろう。
でも、日本からの撤退は、自滅を意味する。
アメリカの一部にそれを示唆する言論があるが、それは、ブラフであろう。
ただ、日本の核保有が困難なのは、単に政治的理由による。敗戦の軛である。
日米間で、何らかの担保を確保すれば良いのである。
中東は、恐らく複数国が核を保有している。
一足早く、恐怖の均衡であるとしても核の均衡の時代となっている。
東アジアも早晩、そうならざるを得ない。要は、経済力である。
北が日本にミサイルを撃ち込んでも、アメリカは自国可愛さに反撃しないという説があるがお笑いであろう。
誰がそんな国を認めようか。大国から滑り落ちて終りである。
著者には、事実を根拠とした確固たる絵図があり腑に落ちた。
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