この小説は『太陽の季節』パート2みたいなものです。『太陽の季節』よりインパクトはありませんが、質は断然上です。
「結婚」について疑問を持つ主人公が繰り広げるラブコメです。『僕は結婚しない』というタイトルの意味は最後で解ります。主人公は誰を選ぶのか?そして主人公は結婚するのか?とてもテンポの良い文章でコミカルに読ませます。
作者は男性なので、女性よりは男性の方が主人公に共感出来る人が多いかな?というよりターゲットは男性です。
某ドラマを思い出す人もいるかもしれません(そのドラマはこの作品が発表されてから、かなり後の作品です。2006年のドラマです)。
現代を舞台にしたラブコメなので、派手な展開はありません。それにエロは何故かポルノにはなっていないので、そこらへんを期待すると肩透かしを食らわされます。
実写化は文章が肝の小説なので無理でしょうが、北野武か金子修介か、もしくは主人公と同世代の男性監督に撮って貰いたいです。
この小説、実は覆面作家として書くつもりだったらしいです。
作者の息子達(特に次男)の存在があってこそ書けた小説です。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
僕は結婚しない (文春文庫 い 24-7) 文庫 – 2003/9/1
石原 慎太郎
(著)
現代の倒錯した性愛はどこに行き着くのか
ヨットの事故、売春シンジケイトの犯罪、小学生の理香との出会い……。息もつかせぬ展開で描かれる若者の風俗、結婚観、セックス
ヨットの事故、売春シンジケイトの犯罪、小学生の理香との出会い……。息もつかせぬ展開で描かれる若者の風俗、結婚観、セックス
- 本の長さ206ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2003/9/1
- ISBN-10416712808X
- ISBN-13978-4167128081
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2003/9/1)
- 発売日 : 2003/9/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 206ページ
- ISBN-10 : 416712808X
- ISBN-13 : 978-4167128081
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,118,380位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
1932年神戸市生まれ。一橋大学卒。55年、大学在学中に執筆した「太陽の季節」で第一回文學界新人賞を、翌年芥川賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 オンリー・イエスタディ (ISBN-13: 978-4344414501 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
星5つ中4.2つ
5つのうち4.2つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
3グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2004年4月27日に日本でレビュー済み
私は本書をして、今更ながらに、「結婚しない」男性を「新しいもの」として捉えている古典的なスタイルに、反復だなあと嘆かずにいられない。『太陽の季節』とはいうまいが、確かに『太陽の季節』を書いて、それが「新しいもの」として受け止められた時代はあった。その時代は、まだ「新しいもの」へ時代も読者も賭けるものがあった。だが、今はどうか?「古いもの」も「新しいもの」も是も非もあったものではないのではないか。
そんな時代への認識もなく、「古いもの」と「新しいもの」を対置して捉えて語る著者の「性の風俗」への感覚とは何ぞや。主人公の叔父にあたる「古いもの」の象徴は女性性器をアップにする写真を見て嘆き、主人公はそれを見て無感覚であるが、今は叔父でさえも無感覚なのではないか。だから問題だ、というのが保守系文士としての立場ではないかと思う。その問題を放り投げて叔父は「古いもの」へしがみつき、甥は「新しいもの」で生きていく。そこには何もコミュニケーションがなくて、二つは別々に生きていくしかない。いや、今は物分りのよい年寄りが多くて手がつけられないのだ。ジェネレーション・ギャップなんてそうありふれたものではなくなっているのだ。以上の認識なくして性の風俗は語れないと思う。
最低点にしなかったのは、「古いもの」としての中年以上の男性が、「新しいもの」としての若者の行動に理解を示す可能性が出るかもしれないということ(既に出ているのだから当然予想できることだ)。本書を読んで、「わしも結婚しない」なんていうじいさんが出るんじゃないかな。石原なら、そうした状況をふまえて読者に判断を委ねる内容にするのかと思ったが、見事裏切られた思い。
そんな時代への認識もなく、「古いもの」と「新しいもの」を対置して捉えて語る著者の「性の風俗」への感覚とは何ぞや。主人公の叔父にあたる「古いもの」の象徴は女性性器をアップにする写真を見て嘆き、主人公はそれを見て無感覚であるが、今は叔父でさえも無感覚なのではないか。だから問題だ、というのが保守系文士としての立場ではないかと思う。その問題を放り投げて叔父は「古いもの」へしがみつき、甥は「新しいもの」で生きていく。そこには何もコミュニケーションがなくて、二つは別々に生きていくしかない。いや、今は物分りのよい年寄りが多くて手がつけられないのだ。ジェネレーション・ギャップなんてそうありふれたものではなくなっているのだ。以上の認識なくして性の風俗は語れないと思う。
最低点にしなかったのは、「古いもの」としての中年以上の男性が、「新しいもの」としての若者の行動に理解を示す可能性が出るかもしれないということ(既に出ているのだから当然予想できることだ)。本書を読んで、「わしも結婚しない」なんていうじいさんが出るんじゃないかな。石原なら、そうした状況をふまえて読者に判断を委ねる内容にするのかと思ったが、見事裏切られた思い。