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高丘親王航海記 (文春文庫 し 21-1) 文庫 – 1990/10/9

4.3 5つ星のうち4.3 167個の評価

貞観七(865)年正月、高丘親王は唐の広州から海路天竺へ向った。幼時から父・平城帝の寵姫・藤原薬子に天竺への夢を吹きこまれた親王は、エクゾティシズムの徒と化していたのだ。占城、真臘、魔海を経て一路天竺へ。鳥の下半身をした女、良い夢を食すると芳香を放つ糞をたれる獏、塔ほど高い蟻塚、蜜人、犬頭人の国など、怪奇と幻想の世界を遍歴した親王が、旅に病んで考えたことは…。遺作となった読売文学賞受賞作。
奇跡としか表現のできない大傑作なのだ。今世紀どころか、これまでの日本文学の中でも、これほどの水準に達した物語を私は読んだ記憶がない。
高丘親王の日本から天竺に至る七つの夢幻譚は、読者である自分の垢染みた心の殻を一枚ずつ剥がしていく怖さと喜びに満たしてくれた。(高橋克彦氏の解説より)

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋 (1990/10/9)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1990/10/9
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 253ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4167140020
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4167140021
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 167個の評価

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澁澤 龍彦
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2023年10月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ポスターを売らなかった話を、なぜ解説として載せたのか。難しくて読み取れなかった。すみません。もっと勉強します。
2020年1月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
詳しいレビューは他のレビュアーさんがされているので、省きます。

澁澤龍彦さんの小説は、はじめて読みました。

文章は、三島由紀夫と仲が良かったというところから勝手にイメージしていた雅文的なものではなく、とても読みやすいものでした。

小説全体の雰囲気は、井上靖さんの『天平の甍』が幻想的になったような感じで、音楽を聴いているように心地よかったです。

ときどき出てくるメタフィクションな台詞とかは筒井康隆さんみたいで、ちょっと笑えました。

あと、高丘親王を澁澤さんだと思うと、覚悟というかなんというか、末期ガンの状態で平然とこの作品を書いていた作者は、やはり凄まじい人だと思いました。

くつろいだ気分で読めるので、文学好き以外のひとにもオススメです。
24人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年6月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
"親王がはじめて天竺ということばを耳にして、総身のしびれるような陶酔を味わったのは、まだほんの七つか八つのころだった"1987年発表の本書は仏法を求めて老齢で入唐した高丘親王を描いた著者の遺作、怪奇と幻想に満ちた一冊。

個人的には読書会ですすめられて手にとりました。

さて、そんな本書は空海の十大弟子のひとりで、仏法を求めて老齢で入唐し、さらに天竺を目指して旅立ったのち消息を絶った『高丘親王』の史実をベースに【日本から天竺に至る七つの夢幻譚】鳥の下半身をした女、良い夢を食すると芳香を放つ糞をたれる獏、塔ほど高い蟻塚、蜜人、犬頭人の国など【怪奇と幻想の世界遍歴】が魅力たっぷりに描かれているのですが。

著者というといわゆる『悪徳の栄え事件』の被告人(サド裁判)や、沼正三のSM小説『家畜人ヤプー』を高く評価したりといった出来事やエッセイは知っていましたが、本書は未読だったので、航海記のようでいて【実際はその過半数が夢】という不思議な読み心地に驚きました。

また、何とも言葉にしづらくも、表層的なテキスト、物語の裏側から感じられる『普遍的な人生譚』は【感じるままに共感してしまう】わけで、とりあえず読んでくれ!と言いたくなります。

著者ファンはもちろん、30後半以降の方々にオススメ。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年2月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
不思議なお話です。
世界観を受け入れられるかどうかで
好みが分かれると思います。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年5月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
晩年はインドに
憧れたんですね
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年6月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
親王の夢と現実が溶け合って、独特の心地良さが醸し出されています。人間も怪物もキャラクターが魅力的である点も良いです。途中で遠い未来のことに言及するキャラが出てくるのが、個人的にはおかしさが感じられて面白かったです。他の方のレビューを読むまで知らなかったのですが、最後に親王が喉を痛めているのは、著者の咽頭ガンを反映していたのですね。
12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年3月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 澁澤龍彦もかつて読み漁った作家の一人。そもそもあまり小説は書いておらず、サドの訳書や古今の怪しげな文物に関する蘊蓄本で有名。この小説は遺作だが、読んだかどうか覚えていない。いかにも澁澤龍彦らしい蘊蓄が楽しめる、実在の人物が主人公の幻想譚をたっぷりと堪能した。
 既に高齢の高丘親王がわずかな供を連れて生涯の夢だった天竺へ旅する、まるで西遊記みたいな筋立てだが、私は一読してスウィフトの「ガリバー旅行記」を想起した。もっとも現実社会への風刺を効かせた「ガリバー旅行記」とは風合いが違い、より幻想的でエロティック。親王が幼少期から強い影響を受けた藤原薬子との性的な思い出が天竺行きと密接に関わっており、親王が実際の旅のさなかにも夢を見ている時にもたびたび薬子が登場する、いわばキーパーソン。
 この感じはどこかで体験したなと思ったが、私がギャルゲーの最高峰と思っている「久遠の絆」だった。プレイしたことのない人に説明すると、秘められた「闇の力」を持つ主人公が遠い昔を回想する場面。病気の母親に食べさせるべく「闇の力」で鳥獣を狩っていた少年時代の主人公は見知らぬ少女に出会い、そんな事してると心が壊れちゃうわよ、とたしなめられる。そしておでこに軽くキスしてもらう、と言う場面があるのだが、これが千年を経て続くヒロインとの最初の出会いだったのである。「久遠の絆」の凄さを再確認した。
 それはともかく、エロティシズムに彩られ夢と現実が交錯しながら展開する幻想旅行の世界は正に絶品。親王は最期に、虎に我が身を捧げて天竺に届けてもらう、と言う残忍な死を迎えるのだけど、彼自身がそれを望んだものであり、読後感は悪くない。いろいろ書いたが、いくらストーリーを説明しても自分で読まなければ、本作の魅力は伝え切れない。優れた文学とはそういうものだと思う。

http://blog.livedoor.jp/nattolove-002/archives/12575116.html
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年11月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
澁澤氏が先に執筆したエッセイ中の思索を、薬子の乱を主因として天竺を目指す事になった高丘親王一行の幻想的航海記に託して描いた集大成的物語。最低限の史実を除き、リアリズムは排し、奇想と非論理(無意味)から生じる笑いを主題としているようである。

一番感じるのは、「私のプリニウス」、「胡桃の中の世界」の影響である。薬子の"卵"生願望、高丘親王の重層"円"的思考法、人語を操る動物を初めとする珍奇な動植物、アンチボデスの概念(プリニウスは裏側の人間は何故落ちないのか疑問を呈している)、球・円形オブジェへの拘り、種々の蛮族、「鳥=女神」論、全てエッセイ中で語られている。また、一行中の円覚を「日本人離れしたエンサイクロペディックな学識」を持つと評しているが、これは作者の自評だろう。大蟻食いのエピソードが示す、真と偽に代表される弁証法的二元論も澁澤ファンには御馴染み。この物語の時制を整理すると次のようだろう。

(1) 薬子、空海が登場する、高丘親王の幼年・青年時代(過去)
(2) 旅行中の現在
(3) (2)の中で見る夢の世界
(4) マルコ・ポーロ等の名が出る未来

(3)の中に(1)が現われ、(1)で(2)を予見し、(2)で(4)を予言すると言う、まさに玉葱の皮状態の循環同心円構造。秋丸・春丸、ジュゴンの転生にも輪廻思想が現われている。鏡の写像で生死を気にする姿は、"洞窟の影"の暗喩か。本作全体が高丘親王の"影(夢)"のようである。結末もファンタジックで集大成(遺作)に相応しい内容と言えよう。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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