「夏の旅情サスペンスみちのく祭り殺人行~死んだ妻からの電話」古谷一行、で途中予想していのが外れました。意外な犯人にたどり着きました。悲劇的な内容です。 元エリート銀行マンの長崎俊一郎(古谷一行)は、6年前妻に自殺された過去を背負っていた。それを振り払うため今は生まれ故郷の盛岡を離れ、単身東京で警備員をしている。
翌朝、会社を出た長崎の目前で、ビルの屋上から男が落下した。顔を見た長崎は慄然とする。前夜に会った友人の倉持だったのだ。
警察の見解はノイローゼからの自殺。事情聴取を受けた長崎は故郷盛岡のことを尋ねられ、亡くなった妻・秋子(伊藤蘭)を思い出す。秋子は6年前の誕生日にベランダから墜死、自殺とされていた。
その日、長崎のもとになんと死んだはずの秋子を名乗る電話が来る。彼女は、自分は自殺ではなく殺されたのだと訴える。真相をもう一度調べて欲しいと…。
部屋で一人愕然としている長崎のもとへ出版社に勤務している秋子の妹・中瀬綾(宮崎美子)が食事を作りにやって来る。長崎が秋子だと名乗る電話があったことを伝えると、綾は悪戯だと怒る。しかし秋子の死に責任を感じている長崎は軽く受け流せないでいた。その真相を知ろうと盛岡へ向かうことを決意する。
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蒼い記憶 (文春文庫 た 26-8) 文庫 – 2003/2/7
高橋 克彦
(著)
オゾンの匂いで甦った花奈子の面影とあの村の記憶。両親が焼け死んだ、生き神信仰の村で男が見たものは? 珠玉のホラー全十二篇
- 本の長さ326ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2003/2/7
- ISBN-104167164108
- ISBN-13978-4167164102
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2003/2/7)
- 発売日 : 2003/2/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 326ページ
- ISBN-10 : 4167164108
- ISBN-13 : 978-4167164102
- Amazon 売れ筋ランキング: - 126,844位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1947年、岩手県に生まれる。早稲田大学商学部卒。
美術館勤務を経て、1983年『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞を受賞。その後、1986年『総門谷』で吉川英治文学新人賞、1987年『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞、1992年『緋い記憶』で直木賞を受賞。
著書に『広重殺人事件』『竜の柩』『炎立つ』など多数。また、浮世絵研究家としても知られ『浮世絵鑑賞事典』がある。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年1月8日に日本でレビュー済み
高橋克彦の「記憶シリーズ」第三弾である。直木賞を受賞したのは第一弾の『緋い記憶』であるが、個人的には本書への思い入れが最も強い。理由は、高橋の最高傑作と言うよりも、日本語で書かれたホラー短篇における逸品とも言うべき名作「夢の記憶」が収録されているからである。
主人公の「私」は夢の中で見聞きした出来事をノートに書き留め始める。人間の想像力は無限の可能性を持っているはずなのに、夢の中では他人になることも別の時代に行くこともできず、常に「私」でありせいぜい少年時代ぐらいまでしかさかのぼることができないこと、すなわち夢の素材はあくまでも経験であるらしいことを主人公は分析する。しかしその割には全く見覚えのない人物と出会ったり、見知らぬ土地が舞台になったりすることを主人公は不思議に思う。
やがて主人公は、夢の中の登場人物や夢の舞台となる建物が何度もあらわれることに気づき始める。夢にはそれなりの一貫性があり、もう一つの世界を形成しているように見える。人間の脳はほんの一部しか使うことができないとよく言われるが、残った部分は夢の中のもう一つの世界の方に割り当てられているのではないだろうか。やがて主人公は現実よりも夢の中の世界の方に思いを寄せるようになってゆく。
ここで場面は大きく変わる。それまでのノートの記述からズームアウトし、ノートを読んでいる二人が初めて登場する。一人はノートの書き手の妻であり、もう一人はノートの書き手の友人である(もう一人の)「私」である。ノートの書き手の「私」はすでに死んでおり、二人はノートに書かれた夢の内容について議論している。そして……。
読み終えた瞬間「やられた」と思った。こういう哲学的なホラーを読みたい、できれば書きたいと思っていた。これ一作だけのためにも買う価値は充分あるが、他の作品も佳作ぞろいの優れた短篇集である。
主人公の「私」は夢の中で見聞きした出来事をノートに書き留め始める。人間の想像力は無限の可能性を持っているはずなのに、夢の中では他人になることも別の時代に行くこともできず、常に「私」でありせいぜい少年時代ぐらいまでしかさかのぼることができないこと、すなわち夢の素材はあくまでも経験であるらしいことを主人公は分析する。しかしその割には全く見覚えのない人物と出会ったり、見知らぬ土地が舞台になったりすることを主人公は不思議に思う。
やがて主人公は、夢の中の登場人物や夢の舞台となる建物が何度もあらわれることに気づき始める。夢にはそれなりの一貫性があり、もう一つの世界を形成しているように見える。人間の脳はほんの一部しか使うことができないとよく言われるが、残った部分は夢の中のもう一つの世界の方に割り当てられているのではないだろうか。やがて主人公は現実よりも夢の中の世界の方に思いを寄せるようになってゆく。
ここで場面は大きく変わる。それまでのノートの記述からズームアウトし、ノートを読んでいる二人が初めて登場する。一人はノートの書き手の妻であり、もう一人はノートの書き手の友人である(もう一人の)「私」である。ノートの書き手の「私」はすでに死んでおり、二人はノートに書かれた夢の内容について議論している。そして……。
読み終えた瞬間「やられた」と思った。こういう哲学的なホラーを読みたい、できれば書きたいと思っていた。これ一作だけのためにも買う価値は充分あるが、他の作品も佳作ぞろいの優れた短篇集である。
2014年3月22日に日本でレビュー済み
「記憶」を共通のモチーフに、ホラーあり、ミステリーあり、不思議な話あり、ほろっとする話ありの、よりどりみどりな短編集であります。
収録作12編はそれぞれ20~30ページと短めで、プロットは無駄なくシンプル、ベタなオチではあるんですが、そこは高橋先生の巧みな語り口。シンプルだからこそ意外な結末、隠された人間ドラマをみごとに引き立てています。
作中ベストは「欠けた記憶」。アルバムから消えた写真の謎を追うことから明らかになる、人間模様が哀しい。
対象的な結末の怪奇譚「幽かな記憶」「記憶の窓」も印象的。
ただ、一番がっかりなのは巻末の表題作だったりします……
収録作12編はそれぞれ20~30ページと短めで、プロットは無駄なくシンプル、ベタなオチではあるんですが、そこは高橋先生の巧みな語り口。シンプルだからこそ意外な結末、隠された人間ドラマをみごとに引き立てています。
作中ベストは「欠けた記憶」。アルバムから消えた写真の謎を追うことから明らかになる、人間模様が哀しい。
対象的な結末の怪奇譚「幽かな記憶」「記憶の窓」も印象的。
ただ、一番がっかりなのは巻末の表題作だったりします……
2009年4月25日に日本でレビュー済み
この本を読んでずいぶん経つが、最近読み返して改めて感動することができた。
一話ずつゆっくりと読めば、なんだか切ない気持ちになる。
作者独自の世界に引き込まれてしまい、読んだ後もボーッとしてしまう。
ホラー短編と書いてあるが、決してホラー小説じゃなく愛の物語である。
一話ずつゆっくりと読めば、なんだか切ない気持ちになる。
作者独自の世界に引き込まれてしまい、読んだ後もボーッとしてしまう。
ホラー短編と書いてあるが、決してホラー小説じゃなく愛の物語である。
2010年6月8日に日本でレビュー済み
そんな物語が、行き交う。
【幽かな記憶】、【水の記憶】がいい。
どこにでも行けるはずなのに、どこにも行けずそこに戻ると、
どうしようもなく切ない、儚くもリアルな夢が待っている。
いずれも還る場所がある。
不安定な蒼い蒼い場所がある。
でも物語はどこかセピアでモノクローム。
最近ちょっと歳とったかな・・・っていう貴方にオススメします。
【幽かな記憶】、【水の記憶】がいい。
どこにでも行けるはずなのに、どこにも行けずそこに戻ると、
どうしようもなく切ない、儚くもリアルな夢が待っている。
いずれも還る場所がある。
不安定な蒼い蒼い場所がある。
でも物語はどこかセピアでモノクローム。
最近ちょっと歳とったかな・・・っていう貴方にオススメします。
2012年6月24日に日本でレビュー済み
再読。記憶をキーワードにした連作集。
『緋い記憶』『前世の記憶』に続く第三集。
以前読んだ時は、よくできたミステリだと思ったが、登場人物に近い年齢になって読むと感慨もひとしお。
おぼろげな記憶と現実の齟齬を中心に話が展開する。ここ数日、本書を読みながら毎晩、昔の夢を見た。
そういう意味では非常に稀有な読書体験。他の二作も既読ではあるが機会があれば再読したい。
私もユーザーであるがSNSや読書プログ全盛の昨今。何年何月何日何時何分に何処で何をし、
何を読んでいたかが分る世の中では消えゆくしかないテーマなのかもしれない。
『緋い記憶』『前世の記憶』に続く第三集。
以前読んだ時は、よくできたミステリだと思ったが、登場人物に近い年齢になって読むと感慨もひとしお。
おぼろげな記憶と現実の齟齬を中心に話が展開する。ここ数日、本書を読みながら毎晩、昔の夢を見た。
そういう意味では非常に稀有な読書体験。他の二作も既読ではあるが機会があれば再読したい。
私もユーザーであるがSNSや読書プログ全盛の昨今。何年何月何日何時何分に何処で何をし、
何を読んでいたかが分る世の中では消えゆくしかないテーマなのかもしれない。
2003年4月2日に日本でレビュー済み
記憶シリーズの三作目。物語は前回の二作品に比べ短いものばかりだが、より作品に深みが感じられるようになった。また、作品もホラーだけではなく、多様性を帯びてきた気がする。これも作者が練達したためか。そして、今回は悲しく切ない作品がいくつか収録されており、その中でも「水の記憶」と「愛の記憶」は絶品だ。どちらも亡き妻に関する作品であるが、読み手は必ずや涙するだろう、と私は言い切りたい。この二作品だけでも、星は5つつけるべきだと思う。