僕が昨日読み終えたのはいわゆる普通サイズのオリジナル本で、この本は昭和62年の出版
になっている。僕が前回ブックレヴューを書いた「ショージ君の男の分別学」より約4年程
後で書かれた本ということになる。そこで感じることは、この4年の間に東海林さだおが、
かなり老けて衰えたなということである。
どこでそういう冷酷なことが言えるのかというと、彼が出歩いて体験したことを以前ほどに
は書いていないことから、そういう風に思ったのである。頭の中に浮かんだ雑感のようなも
のを書き記すことが多くなった、が、それはあまり面白くないのである。行動派文学者とし
ての東海林の姿は本書を執筆する頃から次第に影を薄くし始めていたように思われる。
忍び寄る老いとともに、人間は出不精になってゆく。それは仕方のないことである。ただ、
僕は東海林ファンとして、たとえ不様に老いさらばえた姿でもいい、東海林さん、どうぞ貴
方の好奇心を失わず、各地、各所の探訪を続けてくださいとお願いしたい気持ちを持ってい
る。
本書の中で一番楽しく読めたのは「我が懐かしの新大久保」だった。東海林さんが早稲田の
3年生の頃下宿していた地を25年ぶりに訪れて懐旧の情に浸るという一篇である。荻窪か
ら新大久保まで、わずか20分の旅であるが、25年という歳月の流れがこもっていて、ま
るで自分のことのように懐かしい思いを味わうことが出来た。
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笑いのモツ煮こみ (文春文庫 し 6-24) 文庫 – 1993/5/1
東海林 さだお
(著)
バアちゃん達の“原宿”、若い男達のエステティック、巷にいる神様へのインタビュー等、今流行のモツ鍋と違って内容はちと複雑です
- 本の長さ302ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日1993/5/1
- ISBN-104167177242
- ISBN-13978-4167177249
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (1993/5/1)
- 発売日 : 1993/5/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 302ページ
- ISBN-10 : 4167177242
- ISBN-13 : 978-4167177249
- Amazon 売れ筋ランキング: - 781,538位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 8,287位文春文庫
- - 12,123位近現代日本のエッセー・随筆
- - 32,514位評論・文学研究 (本)
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