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闇の梯子 (文春文庫 ふ 1-17) 文庫 – 1987/2/1
藤沢 周平
(著)
この作家初期の秀作短篇五篇。黒地の人生絵図として読者に鮮烈に印象づけられている市井物語。その頂点をなす表題作をはじめ「父と呼べ」「入墨」などを収録する
- 本の長さ290ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日1987/2/1
- ISBN-104167192179
- ISBN-13978-4167192174
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (1987/2/1)
- 発売日 : 1987/2/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 290ページ
- ISBN-10 : 4167192179
- ISBN-13 : 978-4167192174
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,634,943位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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昭和2(1927)年、鶴岡市に生れる。山形師範学校卒業。48年「暗殺の年輪」で第六十九回直木賞を受賞。平成9(1997)年1月逝去(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『乳のごとき故郷 (ISBN-13: 978-4163726502 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年4月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
闇に堕ちていく人々の物語… 落ち込んでる人には、お勧め出来ません。
2021年11月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『暗殺の年輪』で直木賞を受賞する前後の、藤沢周平の初期短編集です。
表題作「闇の梯子」の主人公の若妻が病を得て、次第に弱ってゆく様子は作者の実体験を色濃く反映しています。私生活の不幸が作品に暗い色調を落としているのは、著者前期の特徴ともいえますが、人生のほろ苦さの中に柔らかな温かみが流れる藤沢作品の醍醐味が味わえます。
なかでも「父と呼べ」にはホロリとさせられます。
表題作「闇の梯子」の主人公の若妻が病を得て、次第に弱ってゆく様子は作者の実体験を色濃く反映しています。私生活の不幸が作品に暗い色調を落としているのは、著者前期の特徴ともいえますが、人生のほろ苦さの中に柔らかな温かみが流れる藤沢作品の醍醐味が味わえます。
なかでも「父と呼べ」にはホロリとさせられます。
2010年9月26日に日本でレビュー済み
藤沢周平氏の初期作品5編を集めた短編集。
初期の作品とはいえ、藤沢周平作品のエッセンスは十分に味わえる。
「父と呼べ」「紅の記憶」が面白かった。
■父と呼べ
大工の徳五郎は、仕事の帰り道事件に出くわして、父親が物盗りで島送りになった子供・寅太を引き取ることになる。
実の子供は悪い道に嵌り込み二度と帰ってこれるかわからない。なついてきていた寅太も実の母親に連れて行かれる。
すっかりさびしくなった家でおかみさんに父(ちゃん)と呼ばせる徳五郎と、ばかばかしいよと言いながら応えるおかみさんの姿が切ない。
■闇の梯子
彫師の清次のもとにかつての兄弟子酉蔵が金の無心にやってきた。
彫師の世界から闇の世界に降りて行ったかつて尊敬していた兄弟子弥之助が頭のかげにちらつき無心されるままに金を渡してしまう。
そうこうしているうちに女房のおたみが死病を患っていることがわかり、清次も薬代のために闇の世界の仕事に手を出していってしまう。
■入墨
姉妹で飲み屋を切り盛りする店に、島帰りの父親が帰ってきた。そこに姉のお島のかつての情夫である乙次郎が帰ってくる。
姉妹の父親の気持は語られず、どんな気持ちで飲んでいたのか、不思議な読後感を持つ作品。
■相模守は無害
藤沢作品にちょくちょく出てくる海坂藩の話だが、珍しく公儀隠密の側からの物語となっている。
明楽箭八郎が十四年の海坂藩での隠密探索を終えて、江戸で見かけたのは失脚、蟄居しているはずの海坂藩家老神山相模守の嫡子・神山彦五郎である。相模守は復活しているのでは?疑問を持ち箭八郎は再度海坂藩に潜入する。
■紅の記憶
麓綱四郎は冷や飯の二男。殿岡甚兵衛の所の加津のもとに婿入りすることになっていた。
ある日、加津から呼び出しを受け、君側の肝・香崎左門についてどう思うかと問われる。殿岡甚兵衛と娘・加津が香崎左門を襲って返り討ちにあったのはそれからしばらくしてのこと。
妻となるはずだった娘のために仇を取る綱四郎の働きに感傷的になると同時にスカッとする。
初期の作品とはいえ、藤沢周平作品のエッセンスは十分に味わえる。
「父と呼べ」「紅の記憶」が面白かった。
■父と呼べ
大工の徳五郎は、仕事の帰り道事件に出くわして、父親が物盗りで島送りになった子供・寅太を引き取ることになる。
実の子供は悪い道に嵌り込み二度と帰ってこれるかわからない。なついてきていた寅太も実の母親に連れて行かれる。
すっかりさびしくなった家でおかみさんに父(ちゃん)と呼ばせる徳五郎と、ばかばかしいよと言いながら応えるおかみさんの姿が切ない。
■闇の梯子
彫師の清次のもとにかつての兄弟子酉蔵が金の無心にやってきた。
彫師の世界から闇の世界に降りて行ったかつて尊敬していた兄弟子弥之助が頭のかげにちらつき無心されるままに金を渡してしまう。
そうこうしているうちに女房のおたみが死病を患っていることがわかり、清次も薬代のために闇の世界の仕事に手を出していってしまう。
■入墨
姉妹で飲み屋を切り盛りする店に、島帰りの父親が帰ってきた。そこに姉のお島のかつての情夫である乙次郎が帰ってくる。
姉妹の父親の気持は語られず、どんな気持ちで飲んでいたのか、不思議な読後感を持つ作品。
■相模守は無害
藤沢作品にちょくちょく出てくる海坂藩の話だが、珍しく公儀隠密の側からの物語となっている。
明楽箭八郎が十四年の海坂藩での隠密探索を終えて、江戸で見かけたのは失脚、蟄居しているはずの海坂藩家老神山相模守の嫡子・神山彦五郎である。相模守は復活しているのでは?疑問を持ち箭八郎は再度海坂藩に潜入する。
■紅の記憶
麓綱四郎は冷や飯の二男。殿岡甚兵衛の所の加津のもとに婿入りすることになっていた。
ある日、加津から呼び出しを受け、君側の肝・香崎左門についてどう思うかと問われる。殿岡甚兵衛と娘・加津が香崎左門を襲って返り討ちにあったのはそれからしばらくしてのこと。
妻となるはずだった娘のために仇を取る綱四郎の働きに感傷的になると同時にスカッとする。
2006年5月3日に日本でレビュー済み
藤沢周平氏の初期の作品を集めた短編集との事なので、イメージ的に重く暗い感じの作品ばかりが収録されているのではと思っていましたが、闇の梯子以外の作品はその様な雰囲気では無く、所謂市井の人情物であったり、藤沢作品お馴染みの海坂藩が登場する「相模守は無害」やストーリー全体のイメージから、平四郎活人剣や用心棒日月抄と自分は少しダブらせて読み進めた「紅の記憶」など、後々の藤沢作品の原点の様な作品群ではないかと感じました。まだ藤沢作品を読んだ事が無いとゆう方はこの短編集から始めてみるのも良いかと思います。
2004年11月2日に日本でレビュー済み
闇の梯子は、やくざ者になってしまった兄のことを心のどこかで気にしながら、生きている職人が主人公です。知り合いの職人が兄と似ているどうしようもない男であると気づくのですが、その横顔に寂しさと空しさの影を見出し、そこに兄への愛情に似た感情を覚え、男は金を貸してしまいます。そして、家庭は女房の病によって暗いものになり、自分自身もいつしか危険な仕事に手を出し始めます。そのときにふっと部屋の脇を見ると、そこには兄と知り合いが降りていった梯子が見えるような気がする。そんなお話です。やくざ者にまとわりつく寂しさと空しさの影、また人生のどうしようもない因果について考えさせられる作品だと思います。
入墨は色々な短編集に組み込まれている話で、これも心に残ります。昔自分を捨てた父が戻ってくるが、最後の最後までほとんど口をききません。だから、何を考えているかはわからないのですが、それでも最後の最後で父親の気持ちの欠片が見えるような…。言葉がないからこそ気持ちが見えることもがあるのだろうなと思いました。
入墨は色々な短編集に組み込まれている話で、これも心に残ります。昔自分を捨てた父が戻ってくるが、最後の最後までほとんど口をききません。だから、何を考えているかはわからないのですが、それでも最後の最後で父親の気持ちの欠片が見えるような…。言葉がないからこそ気持ちが見えることもがあるのだろうなと思いました。
2021年12月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
三ヶ月ほど前に初めて藤沢周平の小説を読み、それ以来、どっぷりと藤沢周平小説にはまり込んでいます。短編でも長編でも、人の心をじわっとつかんで、なにか透明な美しさの印象を残してゆくーーそんな魅力にはまっています。
この『闇の梯子』は、暗すぎると評する人もいます。ことにこの表題作は、不治の病の床につく妻をかかえて危険な仕事に手をそめてゆく主人公を描いた、暗い作品には違いないのですが、その暗さが不思議な透明感を湛えている。「入墨」にしても、「紅の記憶」にしても、凄惨な出来事を描きながら、そこに透明な旋律が聞こえる。これを文学と言わずして、何を文学と言えましょうか!
この『闇の梯子』は、暗すぎると評する人もいます。ことにこの表題作は、不治の病の床につく妻をかかえて危険な仕事に手をそめてゆく主人公を描いた、暗い作品には違いないのですが、その暗さが不思議な透明感を湛えている。「入墨」にしても、「紅の記憶」にしても、凄惨な出来事を描きながら、そこに透明な旋律が聞こえる。これを文学と言わずして、何を文学と言えましょうか!