
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
姫の戦国 上 (文春文庫 な 2-36) 文庫 – 1997/7/10
永井 路子
(著)
京の公家の娘悠姫は、駿河の今川氏親のもとに嫁ぐ。武家と公家の違い、激動する戦国の世にとまどいながらも、今川義元の母として時代を生き抜く女を描く、歴史長篇。(縄田一男)
- 本の長さ357ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日1997/7/10
- ISBN-104167200368
- ISBN-13978-4167200367
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (1997/7/10)
- 発売日 : 1997/7/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 357ページ
- ISBN-10 : 4167200368
- ISBN-13 : 978-4167200367
- Amazon 売れ筋ランキング: - 349,329位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2018年2月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ドラマでの寿桂尼の存在感に圧倒され彼女を描いた歴史小説を探し本著へ来ました。今川家が当時いかに大家であったか、様々な出来事を夫と共に乗り越えてきたかを若き姫(のちの寿桂尼)視線で瑞々しく執筆されていて今読んでも決して色あせるのもではありません。桶狭間での敗北~凋落が学校で学ぶ日本史的に注目されがちなので「今川家は実はすごい」を知りたい歴史好きの方にお奨めです。
2016年5月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
NHK大河ドラマも数年に一度は女性を主人公にしているようですし、これは大河にしても良いと思います。
それと、主人公の寿桂尼に限らず、従来の義元や今川の領地支配などの世間の評価も見直してあげたほうが良いでしょう。
寿桂尼というと、これまでの武田信玄などの時代劇や小説などから「今川家のおばあさん」「尼将軍」といったイメージを持つ人も多そうですが、元は京の公家から嫁いだ普通の姫君でした。
有名な今川義元も織田信長に討たれた愚鈍な人物というイメージですが、実際は教養も武術の才もあるひとかどの人物だったようで、今川領は以前から政治や経済などなかなか先進的だったそう。
桶狭間のことから単なるバカ殿のように思われてしまっているのはもったいない。
2017年7月20日追記:2017年大河の「おんな城主直虎」寿桂尼役の浅丘ルリ子さんもインタビューで永井路子さんの小説の話をされていたようです。興味を持った方には、よかったら検索して読んでいただければと思います。
「もっと若かったら、寿桂尼が主人公のドラマをやりたかった」浅丘ルリ子(寿桂尼)【「おんな城主 直虎」インタビュー】2017年4月16日 / 20:45(エンターテイメントニュースエンタメオーヴォ)
ちなみに、悠姫(寿桂尼)の夫今川氏親の母親である北川殿は、従来浪人から一代で成り上がって大名になったと考えられていた北条早雲(伊勢新九郎盛時)の年の離れた妹とされてきました。
このため側室だったと考えられてきて、永井さんも従来説に沿って描いていましたが、
近年の研究で室町幕府の有力な幕臣一族出身の別人が早雲(伊勢新九郎盛時)である可能性が高いことが分かり、身分は決して低くなく、関東での動静にも背後に足利幕府関係者の意向があった可能性が浮かび上がりました。
すると北川殿も、実は側室ではなく幕府関係者や今川家の意向が反映された釣り合いのとれた縁組で正室であった可能性が高くなり、妹ではなく年の近い姉であった可能性が強まりました。
最近の戦国大名後北条氏・早雲関連の小説などはこの新しい史実に基づいたものも出ています。
よく考えてみると、この新説のほうがずっと自然に感じます。
こうしたことが分かってくると、知名度が高い武将でありながらも謎の多い人物であった北条早雲(伊勢新九郎盛時)も以前よりは大河ドラマ化などしやすくなる気がします。
『姫の戦国』もそこは脚本などで史実に合わせて修正すれば問題はないでしょう。
余談ですが、この新説に基づいた人物像であれば、最近話題の「応仁の乱」などもストーリーに絡めることが可能になります。
ただし、早雲(伊勢新九郎盛時)はどこか孤高のカリスマ的なところがある人物。
思い入れのある人の中には、2000年代以降でいえばたとえば「義経」「風林火山」などに匹敵するような「本格大河」路線でなければ気軽にドラマ化などしてもらいたくないような、複雑な気持ちもあるのではないでしょうか。
早雲(伊勢新九郎盛時)のような幕府譜代の高級官僚としての素養と品格、武将としての風格の両方がサマになる人というと、タラレバになりますが、たとえば「風林火山」(2007)当時の内野聖陽さんあたりであれば年齢も雰囲気もお似合いだったのではないかな、という気がしました。
今年の大河「おんな城主直虎」は主な登場人物がさほどメジャーでなかったからでしょうか、あまり評価が高くないようで残念です。
寿桂尼も出てきます。今川家や当時の駿河・遠江近辺、昨年の「真田丸」では描き切れていなかった弱小領主の日常生活などに興味を持った人であればそれなりには楽しめるのではないでしょうか。
今川家はそもそも鎌倉幕府を倒して室町幕府の征夷大将軍となった「足利将軍家の一族」です。
数ある分家の中でも格上とされてきた家で(足利本家の分家筆頭である吉良家の分家)鎌倉時代にはすでに存在しており、「太平記」などでも室町幕府で代々管領をはじめ主要な役職を務めることになる細川・斯波・畠山などとともに足利一族の一員として参戦しています。
吉良家・今川家などは江戸徳川幕府における「御三家」のような感じだったようです。
だから、今川家の地方大名らしからぬ優雅な公家のような家風や交流関係なども、元はといえば昔から京の都の足利将軍家に近しかったことが大いに関係しています。
こういうところから、同じく平安・鎌倉期から続く古い武家であっても、甲斐の武田などとは気風が違ってくるわけです。
それと、主人公の寿桂尼に限らず、従来の義元や今川の領地支配などの世間の評価も見直してあげたほうが良いでしょう。
寿桂尼というと、これまでの武田信玄などの時代劇や小説などから「今川家のおばあさん」「尼将軍」といったイメージを持つ人も多そうですが、元は京の公家から嫁いだ普通の姫君でした。
有名な今川義元も織田信長に討たれた愚鈍な人物というイメージですが、実際は教養も武術の才もあるひとかどの人物だったようで、今川領は以前から政治や経済などなかなか先進的だったそう。
桶狭間のことから単なるバカ殿のように思われてしまっているのはもったいない。
2017年7月20日追記:2017年大河の「おんな城主直虎」寿桂尼役の浅丘ルリ子さんもインタビューで永井路子さんの小説の話をされていたようです。興味を持った方には、よかったら検索して読んでいただければと思います。
「もっと若かったら、寿桂尼が主人公のドラマをやりたかった」浅丘ルリ子(寿桂尼)【「おんな城主 直虎」インタビュー】2017年4月16日 / 20:45(エンターテイメントニュースエンタメオーヴォ)
ちなみに、悠姫(寿桂尼)の夫今川氏親の母親である北川殿は、従来浪人から一代で成り上がって大名になったと考えられていた北条早雲(伊勢新九郎盛時)の年の離れた妹とされてきました。
このため側室だったと考えられてきて、永井さんも従来説に沿って描いていましたが、
近年の研究で室町幕府の有力な幕臣一族出身の別人が早雲(伊勢新九郎盛時)である可能性が高いことが分かり、身分は決して低くなく、関東での動静にも背後に足利幕府関係者の意向があった可能性が浮かび上がりました。
すると北川殿も、実は側室ではなく幕府関係者や今川家の意向が反映された釣り合いのとれた縁組で正室であった可能性が高くなり、妹ではなく年の近い姉であった可能性が強まりました。
最近の戦国大名後北条氏・早雲関連の小説などはこの新しい史実に基づいたものも出ています。
よく考えてみると、この新説のほうがずっと自然に感じます。
こうしたことが分かってくると、知名度が高い武将でありながらも謎の多い人物であった北条早雲(伊勢新九郎盛時)も以前よりは大河ドラマ化などしやすくなる気がします。
『姫の戦国』もそこは脚本などで史実に合わせて修正すれば問題はないでしょう。
余談ですが、この新説に基づいた人物像であれば、最近話題の「応仁の乱」などもストーリーに絡めることが可能になります。
ただし、早雲(伊勢新九郎盛時)はどこか孤高のカリスマ的なところがある人物。
思い入れのある人の中には、2000年代以降でいえばたとえば「義経」「風林火山」などに匹敵するような「本格大河」路線でなければ気軽にドラマ化などしてもらいたくないような、複雑な気持ちもあるのではないでしょうか。
早雲(伊勢新九郎盛時)のような幕府譜代の高級官僚としての素養と品格、武将としての風格の両方がサマになる人というと、タラレバになりますが、たとえば「風林火山」(2007)当時の内野聖陽さんあたりであれば年齢も雰囲気もお似合いだったのではないかな、という気がしました。
今年の大河「おんな城主直虎」は主な登場人物がさほどメジャーでなかったからでしょうか、あまり評価が高くないようで残念です。
寿桂尼も出てきます。今川家や当時の駿河・遠江近辺、昨年の「真田丸」では描き切れていなかった弱小領主の日常生活などに興味を持った人であればそれなりには楽しめるのではないでしょうか。
今川家はそもそも鎌倉幕府を倒して室町幕府の征夷大将軍となった「足利将軍家の一族」です。
数ある分家の中でも格上とされてきた家で(足利本家の分家筆頭である吉良家の分家)鎌倉時代にはすでに存在しており、「太平記」などでも室町幕府で代々管領をはじめ主要な役職を務めることになる細川・斯波・畠山などとともに足利一族の一員として参戦しています。
吉良家・今川家などは江戸徳川幕府における「御三家」のような感じだったようです。
だから、今川家の地方大名らしからぬ優雅な公家のような家風や交流関係なども、元はといえば昔から京の都の足利将軍家に近しかったことが大いに関係しています。
こういうところから、同じく平安・鎌倉期から続く古い武家であっても、甲斐の武田などとは気風が違ってくるわけです。
2022年6月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
永井路子を初めて読んだ。司馬遼太郎に見込まれていたと聞いたが。
文章自体は平易で読みやすいと思う。気になるのは『今の世のでいえば●●庁長官であろうか」とか「〇〇県知事であろうか」といった、現実に引き戻す表現が多用されている点。
時代劇としての美学を感じない。
文章自体は平易で読みやすいと思う。気になるのは『今の世のでいえば●●庁長官であろうか」とか「〇〇県知事であろうか」といった、現実に引き戻す表現が多用されている点。
時代劇としての美学を感じない。
2011年12月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今川義元の母,寿桂尼の若き日々の物語.
話は悠姫(寿桂尼)が京都の中御門家で生活している頃から始まる.上巻では,駿河今川家に嫁ぎ子を成す辺りまでが描かれる.“今川義元”どころか,長男の氏輝さえ幼名の“龍王丸”の時期である.末子に近い義元は身籠もられてもいない.
ここでは史上に名高い義元の母ではなく,京都の公家から地方の武家に嫁いだ一人の女性が生き生きと表現されている.永井路子先生の作品は,本当に女性が主役として生きている.もしこのまま義元が登場せずして終わったとしても,十分に面白い小説だと思う.それでは歴史小説の体を成していないかというと,決してそのようなことはない.歴史考察もしっかりとしており,随所に散りばめられた当時の世相が楽しめる.
直ぐ下巻に手が伸びる.
話は悠姫(寿桂尼)が京都の中御門家で生活している頃から始まる.上巻では,駿河今川家に嫁ぎ子を成す辺りまでが描かれる.“今川義元”どころか,長男の氏輝さえ幼名の“龍王丸”の時期である.末子に近い義元は身籠もられてもいない.
ここでは史上に名高い義元の母ではなく,京都の公家から地方の武家に嫁いだ一人の女性が生き生きと表現されている.永井路子先生の作品は,本当に女性が主役として生きている.もしこのまま義元が登場せずして終わったとしても,十分に面白い小説だと思う.それでは歴史小説の体を成していないかというと,決してそのようなことはない.歴史考察もしっかりとしており,随所に散りばめられた当時の世相が楽しめる.
直ぐ下巻に手が伸びる.
2008年11月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
寿桂尼と聞けば義元の母であることは戦国時代小説ではお馴染みだが、主人公としての作品は殆ど存在しない。
ある意味では貴重な作品だ。
公家出身という一見暗いイメージが先行すると思いきや、なかなか闊達な女性に描かれている。
3人の息子に死に直面するなど波乱かつ苦悩の人生後半だったと思われる。
永井氏の作風が良く出ている。
一般文学通算485作品目の感想。通算764冊目の作品。2008/11/10(in中国・山東省・青島)
ある意味では貴重な作品だ。
公家出身という一見暗いイメージが先行すると思いきや、なかなか闊達な女性に描かれている。
3人の息子に死に直面するなど波乱かつ苦悩の人生後半だったと思われる。
永井氏の作風が良く出ている。
一般文学通算485作品目の感想。通算764冊目の作品。2008/11/10(in中国・山東省・青島)
2012年11月23日に日本でレビュー済み
今川家といえば、貴族ぶっていて白粉でべったり。お歯黒。そして、戦に関してはとんと無能。
最後には義元が桶狭間で無様に殺され、没落していった……というイメージがあります。
が、この本は全く違う。今川家が如何に戦国の世で奮闘していたか、というのを女性視点からガッツリ書いています。
何よりこの作者の素晴しいところは、女が踏ん張って家を支えていた、というのを色濃く書いている事。
そりゃ勿論作者の妄想が80%以上入っているでしょう。
が、綺麗な「読み物語」としても相当の質の良さ。
兄弟は義元が殺した――という説ではなく、別の説を立ち上げてみたり。果ては、太原雪斎と義元の関係を色濃く浮き出させてみたり。
面白すぎて、ページを捲る手が止まりません。永井路子の作品の中で一番面白いかも。
女を舐めんな。そんな想いと共に読むと、女性は主役に共感できる事でしょう。
この本は本当にお薦めです。
レビューには全く関係ありませんが、このサイトで「姫の戦国」と検索をかけると、某大河ドラマ関連の商品が下の方にずらずらっと並んできます。
そういえば、副題は「姫の戦国」でしたね。
タイトルをパクッタんだとしたら許せないなぁ。シナリオの質も、歴史に関する考察量も違いすぎるもの……。
最後には義元が桶狭間で無様に殺され、没落していった……というイメージがあります。
が、この本は全く違う。今川家が如何に戦国の世で奮闘していたか、というのを女性視点からガッツリ書いています。
何よりこの作者の素晴しいところは、女が踏ん張って家を支えていた、というのを色濃く書いている事。
そりゃ勿論作者の妄想が80%以上入っているでしょう。
が、綺麗な「読み物語」としても相当の質の良さ。
兄弟は義元が殺した――という説ではなく、別の説を立ち上げてみたり。果ては、太原雪斎と義元の関係を色濃く浮き出させてみたり。
面白すぎて、ページを捲る手が止まりません。永井路子の作品の中で一番面白いかも。
女を舐めんな。そんな想いと共に読むと、女性は主役に共感できる事でしょう。
この本は本当にお薦めです。
レビューには全く関係ありませんが、このサイトで「姫の戦国」と検索をかけると、某大河ドラマ関連の商品が下の方にずらずらっと並んできます。
そういえば、副題は「姫の戦国」でしたね。
タイトルをパクッタんだとしたら許せないなぁ。シナリオの質も、歴史に関する考察量も違いすぎるもの……。
2016年6月10日に日本でレビュー済み
本書は、1992年8月10日~1993年11月13日に、日経新聞夕刊に連載され、1997年に文庫化されました。
永井氏は、ヒロイン悠姫の見直しと、今川氏の再評価を目的に執筆されたようです。
内容は、中御門家に生まれ今川家に嫁いだ悠姫を描いていて、脇役の乳母・萩江と青侍・陶三郎が良い味を出しています。
上巻は、細川政元が殺されて京中に野党が出没している辺りから始まり、今川義元誕生前までを描いています。
当時の朝廷と公家の貧窮、ぎくしゃくした嫁・姑、芽生え始めた夫への不信などが描かれ、
成長した子供たちの話も加わるであろう下巻が楽しみです。
永井氏は、ヒロイン悠姫の見直しと、今川氏の再評価を目的に執筆されたようです。
内容は、中御門家に生まれ今川家に嫁いだ悠姫を描いていて、脇役の乳母・萩江と青侍・陶三郎が良い味を出しています。
上巻は、細川政元が殺されて京中に野党が出没している辺りから始まり、今川義元誕生前までを描いています。
当時の朝廷と公家の貧窮、ぎくしゃくした嫁・姑、芽生え始めた夫への不信などが描かれ、
成長した子供たちの話も加わるであろう下巻が楽しみです。
2020年9月26日に日本でレビュー済み
永井路子先生の本でございます。
いやあ、なかなか面白いですねー。
京都の中御門家の悠姫が主人公です。
京都の公家の出が、駿河の今川氏親に嫁ぐことになる。
最初は、駿河の田舎ぶりや、義理の母の北川どのに馴染まなかったものの、
戦国乱世の世で、たくましくなっていく悠姫。
やがて、自分も子供を産むのだが、実は氏親には愛人がいたりして、
どうしようと悩む…
というような話が上巻です。
今川氏を中心に、連歌師や公家らが、いかに戦国武将を利用していたか、いや逆に、戦国武将はいかに連歌師や公家らを利用していたかが活写されています。
また、戦国の姫君の特有の苦悩やらもちゃんと描かれています。
とりあえず、永井先生のちゃんとした知識といいますか、史料にあたって書いてるんだろうな、
という手堅さが、物語の面白さにいかんなく発揮させられています。
いやあ、なかなか面白いですねー。
京都の中御門家の悠姫が主人公です。
京都の公家の出が、駿河の今川氏親に嫁ぐことになる。
最初は、駿河の田舎ぶりや、義理の母の北川どのに馴染まなかったものの、
戦国乱世の世で、たくましくなっていく悠姫。
やがて、自分も子供を産むのだが、実は氏親には愛人がいたりして、
どうしようと悩む…
というような話が上巻です。
今川氏を中心に、連歌師や公家らが、いかに戦国武将を利用していたか、いや逆に、戦国武将はいかに連歌師や公家らを利用していたかが活写されています。
また、戦国の姫君の特有の苦悩やらもちゃんと描かれています。
とりあえず、永井先生のちゃんとした知識といいますか、史料にあたって書いてるんだろうな、
という手堅さが、物語の面白さにいかんなく発揮させられています。