今年(2022年)は、松本清張没後30年。本棚から当書を持ち出して再読しました。750ページになる大部の書ですが、一気に読みました。若い頃、清張を夢中で読んだ記憶が蘇りました。そして、清張死亡のニュースを聞いたときの喪失感は忘れられません。
小学生以来、強い劣等感を抱えた私にとって、清張作品はどれも心に残りました。後年は古代史、昭和史等も読みました。
Ⅰ 私の想い出
Ⅱ 巨大な山脈
Ⅲ 小説と肉声
Ⅳ 清張ワールドの愉しみ
Ⅴ 創作周辺の人びと
Ⅵ 年譜
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松本清張の世界 (文春文庫 編 2-33) 文庫 – 2003/3/7
文藝春秋
(編集)
没後十年。国民作家として愛され、今なお映像化される小説の数々。自在な着想の古代史、鮮やかな昭和史。ファン待望の総特集文庫化
- 本の長さ744ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2003/3/7
- ISBN-104167217783
- ISBN-13978-4167217785
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2003/3/7)
- 発売日 : 2003/3/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 744ページ
- ISBN-10 : 4167217783
- ISBN-13 : 978-4167217785
- Amazon 売れ筋ランキング: - 562,250位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 6,730位文春文庫
- - 94,346位ノンフィクション (本)
- - 150,931位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年4月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
・Kenさんと同じく私も、「成長と共に違和感を感じつつ・・・抜け出せない」で来ました。
推理の持つ限界性と、人間の弱さや偏屈さなどを見せ付けられているような遣る瀬無さ、を感じつつも、単なる犯人探しから、社会背景や生来環境の貧しさ・痛み由来の、犯意に至る人間心理を克明に描き、奥深さの加わった清張氏の作品に、引き付けられて止まなかったのです。
ところで人気作家に関する文春の、この『・・・(作家名)の世界』は、心憎い纏めシリーズですよね。
これまで司馬遼太郎氏や藤沢周平氏の『世界』を読んで、『うん、そうそう』と合点したりするとともに、『なるほど』と新たな味わいを教えられたりして、同様の期待を抱き、手を伸ばした次第です。
ですがこの本では、清張氏の創作に向けた飽くなき熱意と誰彼問わず示される人間味ある優しさには、執筆の皆さん、異口同音に感嘆されているが、作品には、言葉ほどに熱さを感じられない方、も見受けられました。
私もこの本から、大佛次郎氏や石川達三氏との対談を始め、発見がなかったとは云えないまでも、作品の新たな味わいに結び付くものは少なく、せめて一品なりともの思いから、気に入る作品を探すのも、これで終いに出来そうです。
推理の持つ限界性と、人間の弱さや偏屈さなどを見せ付けられているような遣る瀬無さ、を感じつつも、単なる犯人探しから、社会背景や生来環境の貧しさ・痛み由来の、犯意に至る人間心理を克明に描き、奥深さの加わった清張氏の作品に、引き付けられて止まなかったのです。
ところで人気作家に関する文春の、この『・・・(作家名)の世界』は、心憎い纏めシリーズですよね。
これまで司馬遼太郎氏や藤沢周平氏の『世界』を読んで、『うん、そうそう』と合点したりするとともに、『なるほど』と新たな味わいを教えられたりして、同様の期待を抱き、手を伸ばした次第です。
ですがこの本では、清張氏の創作に向けた飽くなき熱意と誰彼問わず示される人間味ある優しさには、執筆の皆さん、異口同音に感嘆されているが、作品には、言葉ほどに熱さを感じられない方、も見受けられました。
私もこの本から、大佛次郎氏や石川達三氏との対談を始め、発見がなかったとは云えないまでも、作品の新たな味わいに結び付くものは少なく、せめて一品なりともの思いから、気に入る作品を探すのも、これで終いに出来そうです。
2014年8月29日に日本でレビュー済み
清張ファンにもいろいろな人がいる。清張のモノなら何でも絶賛という人。瑕疵や傷を感じながら清張作品を愛する人。清張の歴史観社会観に心から共感できる人。成長と共に違和感を感じつつ少年時代からの読書体験の中の清張の大きさから抜け出せない人(私ですが)。
どんな清張ファンにもこの本は一読の価値はある。戦後の大衆文化における清張の大きさを改めて確認できる本だと思う。ただし、清張作品の瑕疵、負の側面に全く触れていないのは、読者層を考えれば当然ではあろうが、もう少しバランス感覚もあってよかったのではないか。
(追記)「砂の器」にいくつか礼讃が寄せられているが、映画に対するものですな。小説を読んで書いているのか、この人は?という賛辞は清張さんに失礼ではないか。小説「砂の器」自体も傑作中の傑作では決してないが。
どんな清張ファンにもこの本は一読の価値はある。戦後の大衆文化における清張の大きさを改めて確認できる本だと思う。ただし、清張作品の瑕疵、負の側面に全く触れていないのは、読者層を考えれば当然ではあろうが、もう少しバランス感覚もあってよかったのではないか。
(追記)「砂の器」にいくつか礼讃が寄せられているが、映画に対するものですな。小説を読んで書いているのか、この人は?という賛辞は清張さんに失礼ではないか。小説「砂の器」自体も傑作中の傑作では決してないが。