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花のさかりは地下道で (文春文庫) 文庫 – 1985/10/1
色川武大
(著)
戦後の混乱期、上野駅の地下道に行き場もなく住みついた人たちの中に、当時グレてばくちの世界で生きていた私も、時折加わった。そこで一人の娼婦と出会った……私の胸の内に熱い思い出を残して通りすぎていった娼婦、浮浪児、そしてさまざまな男と女たち― 人の出会いのふしぎさをみごとの描く十二の短篇 解説・村松友視
- 本の長さ280ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日1985/10/1
- ISBN-104167296020
- ISBN-13978-4167296025
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (1985/10/1)
- 発売日 : 1985/10/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 280ページ
- ISBN-10 : 4167296020
- ISBN-13 : 978-4167296025
- Amazon 売れ筋ランキング: - 464,526位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年8月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
15年程前から探していました。もはや絶版だけにとても満足しています。
2014年11月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この人の文章がとても好きなんですが、読むたびに、日本語だけで十分じゃん?って気持ちになる。カタカナ外国語を混ぜるのが当たり前になってる日本の読み書き文章に慣れている自分には、ほぼ日本語だけで物事を表現しきっている作者の文章は新鮮で気持ちがいい。
それにしても、戦争(空襲)体験とは、なんてスゴイんだろうと読んでて思う。
一晩で馴染んだ街並みが瓦礫になり、いつもの道に黒こげの死体が山になり、幼い作者はそれをかぎ分け、時には踏みつけながら火のついた街を逃げ惑う。
その時自分がその黒こげの死体であっても少しも不思議ではなかったと思ったであろう。
空襲の夜の体験をずっと引きずっていて、作者の内面では、生きている人と死んでしまった人の境目も曖昧になってきたのではないだろうか?
それにしても、戦争(空襲)体験とは、なんてスゴイんだろうと読んでて思う。
一晩で馴染んだ街並みが瓦礫になり、いつもの道に黒こげの死体が山になり、幼い作者はそれをかぎ分け、時には踏みつけながら火のついた街を逃げ惑う。
その時自分がその黒こげの死体であっても少しも不思議ではなかったと思ったであろう。
空襲の夜の体験をずっと引きずっていて、作者の内面では、生きている人と死んでしまった人の境目も曖昧になってきたのではないだろうか?
2014年9月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
題材の過激さだけに頼る作品が多い中、言葉の節々から響いてくるものを感じる素晴らしい作品です。
2014年9月23日に日本でレビュー済み
初めてこの小説を読んだのは、二十歳の頃だ(1985)
高校生の時麻雀に凝り、阿佐田哲也の「麻雀放浪記」にはまり「Aクラス麻雀」をバイブルとし少しずつ「色川武大」作品を少しづつ読み始め…
それから何度読み返したことだろう 眠れない夜、出張先のホテルの部屋で、徹夜麻雀明けの妙に目の冴えた朝 etc…
読み進む度にいつも心は落ち着き、いつしか眠りに吸い込まれていく
だが、この小説を癒しや優しさなんて言葉では片付けたくはない
この小説の登場人物は尽くエキセントリックである だが、運や、戦争、時代や、自分自身でも持て余す「自分」そんなものを抱えつつだが懸命に生きている
それは地下道で生きる娼婦であったり、自分を罰するかのようにホルモンを荷車で引いて坂を登る肉屋、毎朝歌いながらやって来るゴミ屋
焼野原にバラック闇市の屋台、線路端で見つけた片方だけの女物の革靴 そして古い黒人霊歌「聖ジェームス病院」 幻、お化け…
何故そんな登場人物の小説がクールダウンになるのか、あの頃はわからなかったが
あれから三十年経ちおぼろげに思うのはどんな人の一生もみっともなく、不器用で、それ故かけがえなく、
結局のところ誰もかれもが、裸で一人で生きていくしかないのだなって事
そして一人だからこそ誰かと触れ合った時の暖かさを感じることが出来るのじゃないのだろうか
そんな作者が触れ合った登場人物達の生涯 それを見つめる作者の目はこんな言葉では片付けたくはないのだが
やっぱり「優しい」のだと思う(だが、けして優しさに甘えたり流されたりはしない)
そしてまたそんな「一人」を読み、感じ、確認した時、まるで長い間使っている毛布や肌着のように心のどこかにしっくりとくるそんな気がする
高校生の時麻雀に凝り、阿佐田哲也の「麻雀放浪記」にはまり「Aクラス麻雀」をバイブルとし少しずつ「色川武大」作品を少しづつ読み始め…
それから何度読み返したことだろう 眠れない夜、出張先のホテルの部屋で、徹夜麻雀明けの妙に目の冴えた朝 etc…
読み進む度にいつも心は落ち着き、いつしか眠りに吸い込まれていく
だが、この小説を癒しや優しさなんて言葉では片付けたくはない
この小説の登場人物は尽くエキセントリックである だが、運や、戦争、時代や、自分自身でも持て余す「自分」そんなものを抱えつつだが懸命に生きている
それは地下道で生きる娼婦であったり、自分を罰するかのようにホルモンを荷車で引いて坂を登る肉屋、毎朝歌いながらやって来るゴミ屋
焼野原にバラック闇市の屋台、線路端で見つけた片方だけの女物の革靴 そして古い黒人霊歌「聖ジェームス病院」 幻、お化け…
何故そんな登場人物の小説がクールダウンになるのか、あの頃はわからなかったが
あれから三十年経ちおぼろげに思うのはどんな人の一生もみっともなく、不器用で、それ故かけがえなく、
結局のところ誰もかれもが、裸で一人で生きていくしかないのだなって事
そして一人だからこそ誰かと触れ合った時の暖かさを感じることが出来るのじゃないのだろうか
そんな作者が触れ合った登場人物達の生涯 それを見つめる作者の目はこんな言葉では片付けたくはないのだが
やっぱり「優しい」のだと思う(だが、けして優しさに甘えたり流されたりはしない)
そしてまたそんな「一人」を読み、感じ、確認した時、まるで長い間使っている毛布や肌着のように心のどこかにしっくりとくるそんな気がする
2022年8月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
戦後の殺伐とした上野から始まり、身の回りを通り過ぎていった男女の覚書のような私小説集。