日本ではアイスマンというとあまり聞き覚えがないのか、
書籍もごく少数(しかも同名の小説など)です。
しかしこれは少々内容は古いですが知りたい方には一番にお勧めできる本です。
写真はもちろんのこと、発掘された状況や、どの地方出身かなどの推測まで、
著者の考えがしっかりはっきり乗っています。
なぜ表紙のような奇妙なポーズをしているかから、
着衣や所持品からどのような生活をしていたかなどまで考えられています。
ぜひ見てみたい!と思わせるような一冊です。
追記:ナショナルジオグラフィック2011年11月号にアイスマンの特集がなされており、
今作では判明していなかった事実が明らかにされています。しかも解剖まで!
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5000年前の男 (文春文庫 シ 8-1) 文庫 – 1998/1/1
一九九一年、アルプス山中で発見された凍結ミイラの謎に考古学の権威が挑む。現代科学を駆使して解明された驚くべき新事実とは?
- 本の長さ375ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日1998/1/1
- ISBN-104167309777
- ISBN-13978-4167309770
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (1998/1/1)
- 発売日 : 1998/1/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 375ページ
- ISBN-10 : 4167309777
- ISBN-13 : 978-4167309770
- Amazon 売れ筋ランキング: - 316,744位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 241位考古学 (本)
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- - 4,737位文春文庫
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年12月6日に日本でレビュー済み
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期待通りの品物で、今後も安心してネットで購入することが出来ます。
2008年6月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アルプスの尾根でみつかった遭難者の遺体が5000年前の男性のミイラだと判明。
当時の服装と携帯品もいっしょにその場所で発見されました。
それを研究している考古学の大学教授が、2年後にわかったことをまとめた本です。
「まじめな学者は、単に第一印象や仮説、あてずっぽうなどで、一般受けする本を書こうとは思わない。
研究を行ったうえで、学者ならではの乾燥した言葉遣いで専門誌に発表し、それから一般向けにわかりやすい言葉で説明をしようとするものだ。」
と作者が書いているとおり、
一般向けにわかりやすい言葉で書かれたこの本は
とても読みやすく、興味深い内容が淡々と記されているのに、深い裏づけがあるため読み応えがあります。
ミイラの体格や当時の死亡状況。
携帯品に作成中の矢や弓があったり、日本の蓑に似た縄のコートを着ていたこと。
毛皮の帽子。
そういったものが詳しく書かれていて、とても興味深い、面白い本でした。
当時の服装と携帯品もいっしょにその場所で発見されました。
それを研究している考古学の大学教授が、2年後にわかったことをまとめた本です。
「まじめな学者は、単に第一印象や仮説、あてずっぽうなどで、一般受けする本を書こうとは思わない。
研究を行ったうえで、学者ならではの乾燥した言葉遣いで専門誌に発表し、それから一般向けにわかりやすい言葉で説明をしようとするものだ。」
と作者が書いているとおり、
一般向けにわかりやすい言葉で書かれたこの本は
とても読みやすく、興味深い内容が淡々と記されているのに、深い裏づけがあるため読み応えがあります。
ミイラの体格や当時の死亡状況。
携帯品に作成中の矢や弓があったり、日本の蓑に似た縄のコートを着ていたこと。
毛皮の帽子。
そういったものが詳しく書かれていて、とても興味深い、面白い本でした。
2013年8月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本屋は商人として昔気質の真っ正直さを如実に示した。出荷の段階で、商品の極些細な欠陥に気付いたのか、「これこれだから発注を取りやめるか、値引きで購入したいかどちらにするか」と問い合わせて来た。この真面目さには脱帽して、且つ、心の温まりを覚えた。
2007年1月11日に日本でレビュー済み
アイスマンと呼ばれる、発見されたミイラから分かることは数知れない。彼はどのように
生活していたのか?どんな道具を使っていたのか?どんな服装をしていたのか?持ち物
からも、当時の環境が明らかになってきた。普通の生活の果ての死。それは死んだ後に
ミイラにされたものが発見されるのとは全く違う様子を示している。読めば読むほど興味
深い。この本が出版されてからけっこう年月がたっている。まだまだ多くの発見があったに
違いない。この本のその後もぜひ調べたいと思っている。
生活していたのか?どんな道具を使っていたのか?どんな服装をしていたのか?持ち物
からも、当時の環境が明らかになってきた。普通の生活の果ての死。それは死んだ後に
ミイラにされたものが発見されるのとは全く違う様子を示している。読めば読むほど興味
深い。この本が出版されてからけっこう年月がたっている。まだまだ多くの発見があったに
違いない。この本のその後もぜひ調べたいと思っている。
2011年11月27日に日本でレビュー済み
1991年9月19日、オーストリア・イタリア国境近くのアルプスの標高3210mの地点で、氷河の中からかなり原形をとどめた凍結ミイラが姿を現した。
最初は、何十年か前に遭難した登山者の遺体と思われたこのミイラが、放射性炭素法により今から5000年前のものと判明したため、世界中の注目を集めることになる。
この「エッツィ」という愛称で呼ばれることになるミイラが、世紀の大発見と騒がれたのはなぜか。その理由は、4つにまとめることができる。第1は、エッツィが生きていたのが、今から5000年前という気が遠くなるほど大昔であること。イエスが生きていたのが今から2000年前、最初のピラミッドが造られたのが4600年前であることを思い浮かべれば、5000年前というのがどのくらい昔かという感じが掴めるだろう。第2は、エッツィが世界最古のミイラでありながら、氷河に5000年間、密閉されていたおかげで見事な保存状態で発見されたこと。第3は、彼はいわゆる行き倒れの状態で死亡したため、墓に埋葬されたケースと異なり、いかにもそこで生きていたという生々しさが感じられること。第4は、これも氷河のおかげだが、彼の服装や携帯物が奇跡と思えるほど良好な保存状態で発見されたため、彼の死亡原因、死亡時期、職業、故郷が突き止められ、当時の暮らしの状態が明らかにされたこと。一言で言えば、エッツィは幸運な条件がすべて重なった、考古学的に稀有な新石器時代後期のミイラなのである。
『5000年前の男――解明された凍結ミイラの謎』(コンラート・シュピンドラー著、畔上司訳、文春文庫。出版元品切れだが、amazonで入手可能)の著者らの考古学的調査により、エッツィの正体が明らかにされていく。歯の磨耗程度などから25〜40歳の男性で、身長は160cm、虫歯はゼロ。彼が患っていた疾患については本書も触れているが、その後に朝日新聞が「エッツィは首、背中、腰に疲労が原因らしい関節炎が見つかり、また、胸や首の血管にはカルシウムがたまっており、動脈硬化も患っていた」と、さらに詳しく報じている。そして、エッツィは毛皮製の帽子、上着、ズボン、縄製のマントを身に着け、革製の靴を履いていたのである。5000年前のエッツィの姿が私たちの眼前に生き生きと甦ってくるではないか。
以上の成果を踏まえて、考古学者である著者が再現するエッツィの生と死のドラマは次のとおりである。羊飼いのエッツィにとって生前最後の年の9月か10月に、彼の故郷の村で激しい戦いが発生し、彼は右側の3番目から6番目までの肋骨を折ってしまう。彼は痛む胸をかばいながら、最後の力を振り絞りアルプス山中に逃げ込む。吹雪ないし急な霧、あるいはその両方に見舞われて、完全に疲労困憊している。そこで、以前からよく見知っている窪地で悪天候を回避しようとする。斧と弓、それに背負い籠を岩場の裾に置く。そうこうするうちに暗くなってくる。雪は絶え間なく降り続いており、寒さが身に染みる。手足がだるくなってくる。ついに倒れてしまう。どうにも眠い。服がすぐに凍り始める。一晩のうちに彼は凍りついて遺体になってしまったのである。
著者が「本当にこういう成り行きだったかどうか断言はできないが、しかし、これがかなり確率の高い仮説だとは言える」と自信を示しているだけあって、本書は優れて実証的である。
最初は、何十年か前に遭難した登山者の遺体と思われたこのミイラが、放射性炭素法により今から5000年前のものと判明したため、世界中の注目を集めることになる。
この「エッツィ」という愛称で呼ばれることになるミイラが、世紀の大発見と騒がれたのはなぜか。その理由は、4つにまとめることができる。第1は、エッツィが生きていたのが、今から5000年前という気が遠くなるほど大昔であること。イエスが生きていたのが今から2000年前、最初のピラミッドが造られたのが4600年前であることを思い浮かべれば、5000年前というのがどのくらい昔かという感じが掴めるだろう。第2は、エッツィが世界最古のミイラでありながら、氷河に5000年間、密閉されていたおかげで見事な保存状態で発見されたこと。第3は、彼はいわゆる行き倒れの状態で死亡したため、墓に埋葬されたケースと異なり、いかにもそこで生きていたという生々しさが感じられること。第4は、これも氷河のおかげだが、彼の服装や携帯物が奇跡と思えるほど良好な保存状態で発見されたため、彼の死亡原因、死亡時期、職業、故郷が突き止められ、当時の暮らしの状態が明らかにされたこと。一言で言えば、エッツィは幸運な条件がすべて重なった、考古学的に稀有な新石器時代後期のミイラなのである。
『5000年前の男――解明された凍結ミイラの謎』(コンラート・シュピンドラー著、畔上司訳、文春文庫。出版元品切れだが、amazonで入手可能)の著者らの考古学的調査により、エッツィの正体が明らかにされていく。歯の磨耗程度などから25〜40歳の男性で、身長は160cm、虫歯はゼロ。彼が患っていた疾患については本書も触れているが、その後に朝日新聞が「エッツィは首、背中、腰に疲労が原因らしい関節炎が見つかり、また、胸や首の血管にはカルシウムがたまっており、動脈硬化も患っていた」と、さらに詳しく報じている。そして、エッツィは毛皮製の帽子、上着、ズボン、縄製のマントを身に着け、革製の靴を履いていたのである。5000年前のエッツィの姿が私たちの眼前に生き生きと甦ってくるではないか。
以上の成果を踏まえて、考古学者である著者が再現するエッツィの生と死のドラマは次のとおりである。羊飼いのエッツィにとって生前最後の年の9月か10月に、彼の故郷の村で激しい戦いが発生し、彼は右側の3番目から6番目までの肋骨を折ってしまう。彼は痛む胸をかばいながら、最後の力を振り絞りアルプス山中に逃げ込む。吹雪ないし急な霧、あるいはその両方に見舞われて、完全に疲労困憊している。そこで、以前からよく見知っている窪地で悪天候を回避しようとする。斧と弓、それに背負い籠を岩場の裾に置く。そうこうするうちに暗くなってくる。雪は絶え間なく降り続いており、寒さが身に染みる。手足がだるくなってくる。ついに倒れてしまう。どうにも眠い。服がすぐに凍り始める。一晩のうちに彼は凍りついて遺体になってしまったのである。
著者が「本当にこういう成り行きだったかどうか断言はできないが、しかし、これがかなり確率の高い仮説だとは言える」と自信を示しているだけあって、本書は優れて実証的である。
2005年6月15日に日本でレビュー済み
5000年前のミイラの発見の話。ミイラの顔写真が迫力アリ。衝撃写真、イラスト70点所収。
2022年10月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
5000年前の男性の遺体が、イタリアの北部アルプスの南チロルで発見された。著者は考古学者で、この調査研究の陣頭指揮を執った人物である。
5000年前ということは紀元前3000位で、新石器時代の後期に当たる。雪倒れのようで、ほぼ完全な形でミイラ化し、服装類も研究できる許容量で残っており、所持品も残っていた。通常は、積雪や氷河の動きで、断片がバラバラにあちこちで部分部分が見つかることはあるが、窪地に倒れたため氷河の動きにほとんど影響されておらず、また、人工的埋葬ではないので「生活スタイルそのままの姿」でそれらが出てきている。
最初見つけたのは、普通の登山家であり、また、うわさが広がっても、50年~100年前に遭難した誰々だろうというような噂や報道や警察の動き、博物館や専門学者の動きもまさかのことで動きは鈍い。遭難者を、水、氷から引き揚げようとするような動きである。ただ、半分水、半分は氷に埋まっていた形で出現・発見されたので、迂闊には引き上げられなかったのが幸いしたて、一部損傷で済んでいる。
次第に、専門学者が動き出し、ひょっとしたらすごい発見ではないかということが認識され始め、著者総指揮の下、慎重な取り扱い・発掘が行われるようになっていく。考古学とは、例えばビルの解体や開発工事で見つかるとかで、壊される危ういものであることが認識できた。現場保存ということがいかに大切か、写真撮影が重要であり、警察の鑑識のような一つ証拠も見逃さないという、プロ精神と技術(最新の知識と研究方法など)で進められていく。
本筋は、考古学者ならではの発掘、保管、識別観察、考察であり、それは、他の専門学者や研究施設が協力しながら、考古学者として、その時点での知識と技術の限界を知りながら、実に慎重で丁寧な研究がされていく。それの過程や考察を一つ一つ丁寧に、非常にわかりやすく説明してある。本当に幅広い知識と協力体制が必須である。そして、そのアイスマンはどこの人か、どういうことでこのような所で雪倒れになったのかの根拠を持った推論まで及んでいる。
と同時に、後年の知識や技術の進歩も考えながら、できるだけ触れないように、また、腐敗が始まらない時間だけ研究し、保管し、また研究とずっと続けて行くもののようである。
初心者には相当に興味ある書になっていると思う。そういう仕事を志す人にとっては、入門書としては、最適ではないかと思った。
5000年前ということは紀元前3000位で、新石器時代の後期に当たる。雪倒れのようで、ほぼ完全な形でミイラ化し、服装類も研究できる許容量で残っており、所持品も残っていた。通常は、積雪や氷河の動きで、断片がバラバラにあちこちで部分部分が見つかることはあるが、窪地に倒れたため氷河の動きにほとんど影響されておらず、また、人工的埋葬ではないので「生活スタイルそのままの姿」でそれらが出てきている。
最初見つけたのは、普通の登山家であり、また、うわさが広がっても、50年~100年前に遭難した誰々だろうというような噂や報道や警察の動き、博物館や専門学者の動きもまさかのことで動きは鈍い。遭難者を、水、氷から引き揚げようとするような動きである。ただ、半分水、半分は氷に埋まっていた形で出現・発見されたので、迂闊には引き上げられなかったのが幸いしたて、一部損傷で済んでいる。
次第に、専門学者が動き出し、ひょっとしたらすごい発見ではないかということが認識され始め、著者総指揮の下、慎重な取り扱い・発掘が行われるようになっていく。考古学とは、例えばビルの解体や開発工事で見つかるとかで、壊される危ういものであることが認識できた。現場保存ということがいかに大切か、写真撮影が重要であり、警察の鑑識のような一つ証拠も見逃さないという、プロ精神と技術(最新の知識と研究方法など)で進められていく。
本筋は、考古学者ならではの発掘、保管、識別観察、考察であり、それは、他の専門学者や研究施設が協力しながら、考古学者として、その時点での知識と技術の限界を知りながら、実に慎重で丁寧な研究がされていく。それの過程や考察を一つ一つ丁寧に、非常にわかりやすく説明してある。本当に幅広い知識と協力体制が必須である。そして、そのアイスマンはどこの人か、どういうことでこのような所で雪倒れになったのかの根拠を持った推論まで及んでいる。
と同時に、後年の知識や技術の進歩も考えながら、できるだけ触れないように、また、腐敗が始まらない時間だけ研究し、保管し、また研究とずっと続けて行くもののようである。
初心者には相当に興味ある書になっていると思う。そういう仕事を志す人にとっては、入門書としては、最適ではないかと思った。