読売新聞代表の正力松太郎を通じて、戦前、戦中、戦後の諸々について書かれています。
原子力発電、テレビ放送、新聞、巨人軍、書かれていること、全部が全部事実とは思わないですが、
リアリティを持って最後まで読めました。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
正力松太郎と影武者たちの一世紀 巨怪伝 上 (文春文庫 さ 11-3) 文庫 – 2000/5/10
佐野 眞一
(著)
長嶋のサヨナラホームランで知られる「天覧試合」は正力松太郎にとって36年前の事件に決着をつける大芝居だった。その事件とは……
- 本の長さ550ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2000/5/10
- ISBN-104167340038
- ISBN-13978-4167340032
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2000/5/10)
- 発売日 : 2000/5/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 550ページ
- ISBN-10 : 4167340038
- ISBN-13 : 978-4167340032
- Amazon 売れ筋ランキング: - 216,521位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 354位ビジネス人物伝 (本)
- - 2,961位文春文庫
- - 13,044位歴史・地理 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
1947(昭和22)年東京生れ。
出版社勤務を経てノンフィクション作家に。主著に、民俗学者・宮本常一と渋沢敬三の交流を描いた『旅する巨人』(大宅賞)、エリートOLの夜の顔と外国人労働者の生活、裁判制度を追究した『東電OL殺人事件』、大杉栄虐殺の真相に迫り、その通説を大きく覆した『甘粕正彦 乱心の曠野』『沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史』など多数。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2017年8月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2020年9月1日に日本でレビュー済み
読売新聞社と日本テレビと原子力とプロ野球のなりそめ非常に良くわかりました!その時代背景が、リアルに伝わって来ました!
2023年2月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
過去の歴史の流れを詳細に記載されており、これから展開される事の予測に役立ちました。
2012年4月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
面白すぎで、すっかり圧倒されてしまった。一つには正力松太郎の巨大さにであり、もう一つは本書に9年間かけたと言われるノンフィクション作家佐野眞一氏の圧倒的な取材力と筆力にである。膨大なエピソードがちりばめられた上下巻1,000ページにものぼる大著だが、あきっぽい私でも読み終えるのが惜しいと思ったほど。
正力松太郎は"大衆操作の天才"と呼ばれ、プロ野球の父、テレビ放送の父、原子力発電の父と称される。正力の遺産はとにかく巨大なものだった。弱小だった「読売新聞」をプラウダを超える世界一の大新聞に育てたことに始まり、自由民主党の大連立を仕掛け、日本初のプロ野球チーム「読売巨人軍」発足、日本初の民放テレビ局「日本テレビ」開局、当時そのテレビで独占中継され根強い人気を持つ「プロレス」の立ち上げ、Jリーグ発足の基となった「読売サッカークラブ」創設、カナダ・カップ日本開催による「プロゴルフ」ブーム、原子力平和利用ブームを起こし「原子力発電」の日本への導入と、昭和大衆史は正力抜きでは語れないことを痛感する。
彼の業績は現在でいうと、新聞・テレビのクロスメディア、記者クラブなどの「マスメディア」問題や、原子力ムラと言われる「原発」問題につながり、そこに冷戦構造下のアメリカの思惑が深くかかわっていたことがよく理解できる。このことを紋切り型にいい悪いというのではなく、本書を通じて、当時の正力や影武者や政治家たちが何を考えどんな思いで行動してきたかを理解することこそ有益であると思う。
昭和史を深く知る上でも、一級のエンターテイメントとしても、著者渾身のノンフィクションをぜひご堪能あれ。
正力松太郎は"大衆操作の天才"と呼ばれ、プロ野球の父、テレビ放送の父、原子力発電の父と称される。正力の遺産はとにかく巨大なものだった。弱小だった「読売新聞」をプラウダを超える世界一の大新聞に育てたことに始まり、自由民主党の大連立を仕掛け、日本初のプロ野球チーム「読売巨人軍」発足、日本初の民放テレビ局「日本テレビ」開局、当時そのテレビで独占中継され根強い人気を持つ「プロレス」の立ち上げ、Jリーグ発足の基となった「読売サッカークラブ」創設、カナダ・カップ日本開催による「プロゴルフ」ブーム、原子力平和利用ブームを起こし「原子力発電」の日本への導入と、昭和大衆史は正力抜きでは語れないことを痛感する。
彼の業績は現在でいうと、新聞・テレビのクロスメディア、記者クラブなどの「マスメディア」問題や、原子力ムラと言われる「原発」問題につながり、そこに冷戦構造下のアメリカの思惑が深くかかわっていたことがよく理解できる。このことを紋切り型にいい悪いというのではなく、本書を通じて、当時の正力や影武者や政治家たちが何を考えどんな思いで行動してきたかを理解することこそ有益であると思う。
昭和史を深く知る上でも、一級のエンターテイメントとしても、著者渾身のノンフィクションをぜひご堪能あれ。
2014年6月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「本は読むものでなく、引くものだ」という言葉に、まさに当てはまる作品でしょう。
2012年8月2日に日本でレビュー済み
※以下のレビューは、上巻しか読んでいない段階で書いている。
ノンフィクションライターの佐野眞一さんによる正力松太郎(読売新聞や巨人軍の(事実上の)創設者)の伝記である。正力に対してはやや批判的。
正力は、富山の裕福な家庭に生まれ、出来はそれほどよくなかったが、東大を出て警察官僚になる。関東大震災のときには、朝鮮人や社会主義者が暴動を起こすというデマが流布されたが、警察当局がその流言に関わっているのではないかという説がある。デマが広がると、政府は治安維持令を発令し、流言飛語を取り締まるのだが、これが治安維持法の先駆けになる。正力は警察官僚として順調に出世していくが、大正12年(関東大震災の年)に起きた難波大助による皇太子暗殺未遂事件の責任を問われて懲戒免官となる。好事魔多し。
その後、弱小新聞であった読売新聞の買収をもちかけられる。そのためのお金は内務相の後藤新平が用立てる。後藤新平は匿名で、正力を見込んでポンとお金を出したという。美談とされているが、日比谷焼打事件など「大衆の力」に気づきつつあった政府が「政府御用達の新聞」を手に入れようとしていて、その経営者に無官だが有能で警察出身・強面の正力を当てはめた、と推測している。
読売新聞の社員は、警察(権力側)出身の正力に反発するが、正力は剛腕で鎮圧。読売新聞を完全に「自分の新聞」にする。正力の目的は新聞人として大成することではなく、政治家になることである。そのために、新聞を握ることが有効という考え方だったらしい。
経費を節減し、社員を叱咤激励する。イエローペーパーのような大衆迎合路線(当時は新聞は社会の木鐸という意識が強く、こういうひらきなおった発想はは新しかった)、囲碁欄のような興行路線により読売はぐんぐん部数を伸ばす。
正力は、母親の影響で、また、裕福な育ちだったせいもあるのかお金に対しては淡泊だったらしい。一方、権力欲は強い。読売に追い上げられていた東日新聞から依頼を受けた右翼に首を切りつけられるという経験もしている。
昭和4年、正力は報知新聞論説委員の池田林儀の提案によりプロ野球に興味を持つ。職業野球は正力の発案ではないが、他人のアイディアの実行力は正力ならでは。
旭川中学のスタルヒンは、ロシアからの亡命貴族の子であるが、読売は殺人事件をおこしたスタルヒンの父を(右翼が)守ってやる、という約束でスタルヒンを巨人に入団させたらしい。
正力の人脈と行動力があったからプロ野球が誕生したともいえるし、巨人はあくまでも読売の部数拡大のためのコンテンツであった、という生い立ち故にプロ野球は健全発展できなかったというマイナス面もある。
敗戦後、読売には労働争議が勃発。正力を排除しようという機運が高まり、共産系が読売を手に入れるまであと一歩のところまでいく。一方、正力は戦争責任(戦時中、国民を戦争遂行に向けて鼓舞したこと)を問われて巣鴨プリズンへ。しかし、GHQの共産党容認の姿勢は、「レーニンの理論では資本主義国を戦わせ、負けた国から順次革命に導くものである」という三田村邦夫(代議士)の主張によって転換し、GHQは共産党排除に動く。そして、正力の出獄と復帰。このとき正力62歳。
しかし、行動の人である正力はまだまだ仕事をする。
良し悪しとかを超えて、バイタリティのある人である。
ノンフィクションライターの佐野眞一さんによる正力松太郎(読売新聞や巨人軍の(事実上の)創設者)の伝記である。正力に対してはやや批判的。
正力は、富山の裕福な家庭に生まれ、出来はそれほどよくなかったが、東大を出て警察官僚になる。関東大震災のときには、朝鮮人や社会主義者が暴動を起こすというデマが流布されたが、警察当局がその流言に関わっているのではないかという説がある。デマが広がると、政府は治安維持令を発令し、流言飛語を取り締まるのだが、これが治安維持法の先駆けになる。正力は警察官僚として順調に出世していくが、大正12年(関東大震災の年)に起きた難波大助による皇太子暗殺未遂事件の責任を問われて懲戒免官となる。好事魔多し。
その後、弱小新聞であった読売新聞の買収をもちかけられる。そのためのお金は内務相の後藤新平が用立てる。後藤新平は匿名で、正力を見込んでポンとお金を出したという。美談とされているが、日比谷焼打事件など「大衆の力」に気づきつつあった政府が「政府御用達の新聞」を手に入れようとしていて、その経営者に無官だが有能で警察出身・強面の正力を当てはめた、と推測している。
読売新聞の社員は、警察(権力側)出身の正力に反発するが、正力は剛腕で鎮圧。読売新聞を完全に「自分の新聞」にする。正力の目的は新聞人として大成することではなく、政治家になることである。そのために、新聞を握ることが有効という考え方だったらしい。
経費を節減し、社員を叱咤激励する。イエローペーパーのような大衆迎合路線(当時は新聞は社会の木鐸という意識が強く、こういうひらきなおった発想はは新しかった)、囲碁欄のような興行路線により読売はぐんぐん部数を伸ばす。
正力は、母親の影響で、また、裕福な育ちだったせいもあるのかお金に対しては淡泊だったらしい。一方、権力欲は強い。読売に追い上げられていた東日新聞から依頼を受けた右翼に首を切りつけられるという経験もしている。
昭和4年、正力は報知新聞論説委員の池田林儀の提案によりプロ野球に興味を持つ。職業野球は正力の発案ではないが、他人のアイディアの実行力は正力ならでは。
旭川中学のスタルヒンは、ロシアからの亡命貴族の子であるが、読売は殺人事件をおこしたスタルヒンの父を(右翼が)守ってやる、という約束でスタルヒンを巨人に入団させたらしい。
正力の人脈と行動力があったからプロ野球が誕生したともいえるし、巨人はあくまでも読売の部数拡大のためのコンテンツであった、という生い立ち故にプロ野球は健全発展できなかったというマイナス面もある。
敗戦後、読売には労働争議が勃発。正力を排除しようという機運が高まり、共産系が読売を手に入れるまであと一歩のところまでいく。一方、正力は戦争責任(戦時中、国民を戦争遂行に向けて鼓舞したこと)を問われて巣鴨プリズンへ。しかし、GHQの共産党容認の姿勢は、「レーニンの理論では資本主義国を戦わせ、負けた国から順次革命に導くものである」という三田村邦夫(代議士)の主張によって転換し、GHQは共産党排除に動く。そして、正力の出獄と復帰。このとき正力62歳。
しかし、行動の人である正力はまだまだ仕事をする。
良し悪しとかを超えて、バイタリティのある人である。
2012年12月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
闇の権力の実態に吐き気がする。他人を批評できる立場に、マスコミはないのに。NHKなどもひどい。
2012年5月15日に日本でレビュー済み
全ての始まりはここに書かれている。
そして全ての始まりはここである。
現在の原子力廃止が進まない理由もわかる。
原発の元凶が何処にあるか、この本を読むことで把握できる。
東電を攻撃しても無駄な理由が良くわかる。
そして全ての始まりはここである。
現在の原子力廃止が進まない理由もわかる。
原発の元凶が何処にあるか、この本を読むことで把握できる。
東電を攻撃しても無駄な理由が良くわかる。