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睡蓮の長いまどろみ(上) (文春文庫) 文庫 – 2003/10/11
宮本 輝
(著)
突然、目の前で身を投げた女から、死後に手紙が届く。四十二年前に自分を捨てた母が暗闇に見たものは? 人間の宿命を問う畢生の巨篇
- 本の長さ304ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2003/10/11
- ISBN-104167348152
- ISBN-13978-4167348151
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2003/10/11)
- 発売日 : 2003/10/11
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 304ページ
- ISBN-10 : 4167348152
- ISBN-13 : 978-4167348151
- Amazon 売れ筋ランキング: - 682,286位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1947(昭和22)年、兵庫県神戸市生れ。追手門学院大学文学部卒業。
広告代理店勤務等を経て、1977年「泥の河」で太宰治賞を、翌年「螢川」で芥川賞を受賞。その後、結核のため二年ほどの療養生活を送るが、回復後、旺盛な執筆活動をすすめる。『道頓堀川』『錦繍』『青が散る』『流転の海』『優駿』(吉川英治文学賞)『約束の冬』『にぎやかな天地』『骸骨ビルの庭』等著書多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年8月31日に日本でレビュー済み
どんな人もそれぞれの事情を抱えながら(それぞれの事情を折り合いをつけながら)、なんとか現実に適応しようと(自分なりの幸せをつかもうと)努力しているのだと思いますし、この小説の登場人物も運命に翻弄されながらも自分の人生に誠実に立ち向かおうとしており、そうした姿は心に響くものがありました。しかし、一方で、主人公の抱えている2つの問題(母親との関係と心の中の女性という問題)がどのようにつながっているのか、そこが読者には(少なくとも私には)分かりにくい感じがして、なんとなくまとまりのない小説という印象が否めませんでした。
2017年4月7日に日本でレビュー済み
昔読んだときは、よくもなく、わるくもない出来だとおもったが、再読した今回は、全然感情移入できなかった、それは、2回目というのでなしに。面白くなかった、この人の作品にしては、珍しい駄作。
2004年4月17日に日本でレビュー済み
離別した母親への思慕はなぜか強い。
第一章は、そんな母親に他人に成りすまし会いに行く順哉。
日常が戻って来たと思わせた瞬間に、ある事件が起こる。
自殺する瞬間を目撃した心の動揺の描写が広がり、淡々と物語は進む。
驚きと死を目の当たりにした恐怖心を生きている人間だからこそ感じ、その脆さを主人公も周囲の登場人物も形を変えて数日後にあわられてきた。
それから起こるミステリーは死んだはずの千菜の名前で手紙が届く。
誰にもいえない秘密を抱えて人は生きていくから面白い。
第一章は、そんな母親に他人に成りすまし会いに行く順哉。
日常が戻って来たと思わせた瞬間に、ある事件が起こる。
自殺する瞬間を目撃した心の動揺の描写が広がり、淡々と物語は進む。
驚きと死を目の当たりにした恐怖心を生きている人間だからこそ感じ、その脆さを主人公も周囲の登場人物も形を変えて数日後にあわられてきた。
それから起こるミステリーは死んだはずの千菜の名前で手紙が届く。
誰にもいえない秘密を抱えて人は生きていくから面白い。
2004年3月8日に日本でレビュー済み
いつも人間の宿命をいろんな角度から掘り下げて、だんだんと核心に迫り明確なメッセージを最後に掲げる宮本文学ですが、今回は特にそれを強く感じました。
睡蓮と蓮という、誰もが同一視しがちな花をモチーフに、ある宿命を背負った女性・美雪と、その生き別れた息子・順哉の周囲に起きた事件を絡み合わせて、タイトルにつながるテーマを上手く浮き彫りにしていきます。
「因果倶時」という、蓮に込められた、そして人間の宿命にまつわる、諦めとも高潔さとも神秘性とも言い換えられる崇高さをもって、泥の中から汚れに染まらず生き抜き、花を咲かせる清々しさを、宮本輝はこの小説によって訴えたかったのでしょうか。終盤近くでタイトルに睡蓮を選んだ意味に気が付き、いつもながらのタイトルの付け方の妙に絶句しながら、睡蓮が咲くいろんな国でこの花が神聖化され、宗教観を抱かせるまでに崇められてきた理由までわかった気がしました。
この小説を読んで、睡蓮そして蓮という古代から咲く花が私にとっていっそう興味を掻き立てる存在になりました。
睡蓮と蓮という、誰もが同一視しがちな花をモチーフに、ある宿命を背負った女性・美雪と、その生き別れた息子・順哉の周囲に起きた事件を絡み合わせて、タイトルにつながるテーマを上手く浮き彫りにしていきます。
「因果倶時」という、蓮に込められた、そして人間の宿命にまつわる、諦めとも高潔さとも神秘性とも言い換えられる崇高さをもって、泥の中から汚れに染まらず生き抜き、花を咲かせる清々しさを、宮本輝はこの小説によって訴えたかったのでしょうか。終盤近くでタイトルに睡蓮を選んだ意味に気が付き、いつもながらのタイトルの付け方の妙に絶句しながら、睡蓮が咲くいろんな国でこの花が神聖化され、宗教観を抱かせるまでに崇められてきた理由までわかった気がしました。
この小説を読んで、睡蓮そして蓮という古代から咲く花が私にとっていっそう興味を掻き立てる存在になりました。
2002年11月14日に日本でレビュー済み
過去いくつかの宮本作品は、会話によって、登場人物が思案し、戸惑いながら問題に向かい合い、幸せを求め、(その登場人物やその状況にとっての)幸福とは何かというテーマを追求してゆくというパターンがあったように思う。そして、その背景描写は、東欧(「ドナウの旅人」)や、神戸(「花の降る午後」)、北海道・大阪(「優駿」)と主人公の思考や行動に影響を与えるものであった。しかし、「睡蓮の長いまどろみ」では登場人物の会話は途切れ途切れ、本当は会話によって語られるはずの”謎解き”がほとんど説明文になっており、アッシジ、東京、北海道、大阪と移動しても(北海道の雨以外)主人公の考えにあまり影響を与えない単なる"背景"になっていた。
2008年2月23日に日本でレビュー済み
あんまり書評で悪い評価を書きたくもないし、宮本輝はそれなりに読んできて好きな作家だけど、正直な感想として本作は駄作ではないかと・・・。はっきり言って、上巻を読み終えた時点でやめようかと思ったくらいです。その原因は、人物が何人も出てくるが、絡み合う必然性が認められず、わざと絡ませようとしていると感じられるので、小説としてまとまりがないような気がする。そのため、ある種トリッキーな存在の人物が浮いてしまっている。そして最後の終わり方があまりにも陳腐すぎる。老舗文学雑誌「文学界」に約3年も連載する内容なのかちょっと疑問です・・・。