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菊池寛と文藝春秋の誕生 こころの王国 (文春文庫 い 17-15) 文庫 – 2008/1/10
猪瀬 直樹
(著)
菊池寛の文藝春秋にいた美人秘書と朝鮮から来た美青年。時代は漱石の「こゝろ」から「モダン日本」へ、そしてさらに激変しつつあった
- 本の長さ313ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2008/1/10
- ISBN-104167431157
- ISBN-13978-4167431150
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2008/1/10)
- 発売日 : 2008/1/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 313ページ
- ISBN-10 : 4167431157
- ISBN-13 : 978-4167431150
- Amazon 売れ筋ランキング: - 789,652位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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作家。1946年長野県生まれ。
83年に『天皇の影法師』『昭和16年夏の敗戦』『日本凡人伝』を上梓し、87年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞。定評の評伝小説に『ペルソナ 三島由紀夫伝』『ピカレスク 太宰治伝』『こころの王国 菊池寛と文芸春秋の誕生』がある。
『日本国の研究』で96年度文藝春秋読者賞。
2002年、小泉首相より道路公団民営化委員に任命される。その戦いの軌跡は『道路の権力』『道路の決着』に詳しい。06年に東京工業大学特任教授、07年に東京都知事に任命される。近著に『ジミーの誕生日 アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」』『東京の副知事になってみたら』。また、『昭和16年夏の敗戦』中公文庫版が2010年6月に刊行された。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年4月25日に日本でレビュー済み
菊池寛は学友の芥川龍之介らが文壇デビューするのを尻目に、記者としてスタート、のち、大衆文学の大家となり文藝春秋を創刊、芥川賞、直木賞を創設した。この大雑把な経歴にも、芸術と商業、純文学と大衆文学、作品と商品の狭間を生きた菊池寛という人物の特異性を垣間見ることが出来る。本書は、「ピカレスク」で太宰治の、「ペルソナ」で三島由紀夫の、新たな解読を試みてきた著者の作品ということもあり期待を持って手に取った。しかし、本書は前二作とはアプローチが異なっている。菊池寛の秘書であり愛人である主人公の視点から菊池の人物像を一面的に語る小説形式なのだ。このような形式では、主人公の女性が知り得ない部分はブラックボックスになってしまう。主人公が思いを寄せ文春社員でもある朝鮮の青年を登場させ、主人公の問いに答える形で、こうしたブラックボックスを補う工夫もあるが、菊池寛の全体を捉えるには無理がある。まるでその会話は「Q子とA男の菊池寛問答」といった体でまどろっこしく、こうした形式を選択した作者の意図がますます疑問に思えてくる。主人公の視点から昭和初期の街の様子や風俗を描く部分など軽い読み物としては面白いかもしれないが、菊池寛という人間を知る上では物足りない。
2008年2月4日に日本でレビュー済み
女性の一人称で書かれた作品です。
登場人物も少なく、菊池寛とその秘書「わたし」、それに朝鮮半島出身の馬海松の三人です。しかも、「わたし」を中心に三角関係なのですが、これはサイド・ストーリーです。
本筋の話は、「わたし」が、社長である菊池寛の人となりから小説の本質まで、その真実を探るものです。従って、「わたし」を探偵役としたミステリー仕立てと言っても良いかも知れません。それに馬海松という第三者を埋め込むことで、物語は深みのあるものになっています。
この菊池寛論の最大の山場は、「わたし」が菊池寛のことが少し解ったような気がすると、馬海松に出した手紙の部分です。
それは、彼が敢えて「心の王國」と題して、漱石の「こころ」に対抗していると言うものです。「こころ」の二人には生活感がなく高踏的な部分が、小説の領域を狭めているというもので、「芸術」か「共感」かと迫っていると言えばいいのでしょうか。その意味で、菊池寛は漱石のアンチ・テーゼとしての作品をかいているとするものです。
言われて見ればそうかなと思うし、もう一度両者を読み比べて見たいなとも思います。
巻末には、対談が二つ掲載されています。こちらも興味深く読むことが出来ます。
「漱石の『こころ』と菊池寛の『心』」(井上ひさし、猪瀬直樹)
「『昭和モダニズム』の時代」(久世光彦、猪瀬直樹)
登場人物も少なく、菊池寛とその秘書「わたし」、それに朝鮮半島出身の馬海松の三人です。しかも、「わたし」を中心に三角関係なのですが、これはサイド・ストーリーです。
本筋の話は、「わたし」が、社長である菊池寛の人となりから小説の本質まで、その真実を探るものです。従って、「わたし」を探偵役としたミステリー仕立てと言っても良いかも知れません。それに馬海松という第三者を埋め込むことで、物語は深みのあるものになっています。
この菊池寛論の最大の山場は、「わたし」が菊池寛のことが少し解ったような気がすると、馬海松に出した手紙の部分です。
それは、彼が敢えて「心の王國」と題して、漱石の「こころ」に対抗していると言うものです。「こころ」の二人には生活感がなく高踏的な部分が、小説の領域を狭めているというもので、「芸術」か「共感」かと迫っていると言えばいいのでしょうか。その意味で、菊池寛は漱石のアンチ・テーゼとしての作品をかいているとするものです。
言われて見ればそうかなと思うし、もう一度両者を読み比べて見たいなとも思います。
巻末には、対談が二つ掲載されています。こちらも興味深く読むことが出来ます。
「漱石の『こころ』と菊池寛の『心』」(井上ひさし、猪瀬直樹)
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