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梶原一騎伝 夕やけを見ていた男 (文春文庫) 文庫 – 2005/8/3
斎藤 貴男
(著)
- 本の長さ505ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2005/8/3
- ISBN-10416744304X
- ISBN-13978-4167443047
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2005/8/3)
- 発売日 : 2005/8/3
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 505ページ
- ISBN-10 : 416744304X
- ISBN-13 : 978-4167443047
- Amazon 売れ筋ランキング: - 482,497位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 619位コミック・アニメ研究
- - 6,180位文春文庫
- - 8,906位社会学概論
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年6月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
梶原先生の生き抜いた怒濤の昭和の時代が改めて垣間見得た気がします。恐るべし朝森3兄弟(笑)
2007年8月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
梶原一騎は、現在少なくとも40歳以上の男性の大半に相当な思想的影響を与えていると言えるのではあるまいか?
それが、取り返しのつかないほどの悪しき影響であり、梶原自身も見下げ果てた悪漢と見られる場合もあるかもしれない。しかし、現実には、志高き男が、梶原作品のヒーローを心の支えとしていることも決して少なくはないように思う。
これは、梶原一騎の真実を知るしかないと思い、大きな期待を持って本書を開いたが、想像をはるかに超える強烈さに絶句した。梶原一騎という男が、捻じ曲がり、劣等感を叩き込まれ、その反動で世間に対して黙っていられないという複雑で危険な人間であることは確かだが、一方で、純粋で、本当に憧れる女性にはからっきしで、親分肌でもあり、恩義を忘れない人間性も確実に見える。言っては悪いかもしれないが、こんな面白い人間はそうはいない。そして、彼の本当に志した純文学には適さなかったかもしれないが、天才であることも間違いない。
また、本書で初めて明かされる裏話の面白さは半端ではない。「あしたのジョー」の歴史的ラストは、ちばてつやのスタッフのアイデアだったとか、「タイガーマスク」での感動のシーンの梶原の原作原稿は「適当に書いといて」であったとか、サプライズ満載だ。
現在の日本を知るためにも、あるいは、単に痛快な本を読みたいという目的でも、本書は大いに役に立つことを確信する。
それが、取り返しのつかないほどの悪しき影響であり、梶原自身も見下げ果てた悪漢と見られる場合もあるかもしれない。しかし、現実には、志高き男が、梶原作品のヒーローを心の支えとしていることも決して少なくはないように思う。
これは、梶原一騎の真実を知るしかないと思い、大きな期待を持って本書を開いたが、想像をはるかに超える強烈さに絶句した。梶原一騎という男が、捻じ曲がり、劣等感を叩き込まれ、その反動で世間に対して黙っていられないという複雑で危険な人間であることは確かだが、一方で、純粋で、本当に憧れる女性にはからっきしで、親分肌でもあり、恩義を忘れない人間性も確実に見える。言っては悪いかもしれないが、こんな面白い人間はそうはいない。そして、彼の本当に志した純文学には適さなかったかもしれないが、天才であることも間違いない。
また、本書で初めて明かされる裏話の面白さは半端ではない。「あしたのジョー」の歴史的ラストは、ちばてつやのスタッフのアイデアだったとか、「タイガーマスク」での感動のシーンの梶原の原作原稿は「適当に書いといて」であったとか、サプライズ満載だ。
現在の日本を知るためにも、あるいは、単に痛快な本を読みたいという目的でも、本書は大いに役に立つことを確信する。
2010年3月6日に日本でレビュー済み
梶原一騎の苦悩を描こうとした力作です。
父から救護院に「捨てられた」事。
純文学者を夢見ながら、食っていく為に劇画原作者に甘んじなければ
ならなかった事。
デビュー当時、劇画原作者としてマンガ家より一段下に扱われた事。
『あしたのジョー』の大ヒットはちばてつやによるストーリーの改良
あってこそだった。自分の才能だけではなし得なかったというコンプレックス
の反動から、以降はマンガ家によるストーリーやセリフの修正を絶対に
認めなかった事。
多作による才能の枯渇。
作品が格闘技+暴力団のワンパターンになっていった事。
梶原一騎のカネに群がる人間に祭り上げられ、裸の王様化していった事。
親子の確執。弟真樹日佐夫、空手バカ一代大山倍達との確執。
梶原一騎の栄光の陰の部分をていねいにたどっています。
『あしたのジョー』『巨人の星』『タイガーマスク』『キックの鬼』
『紅の挑戦者』etc
あれだけの名作は彼の不幸な人生があってこそ、その苦悩や
コンプレックスのエネルギーから生まれてきたのだ。
そう実感させられました。
父から救護院に「捨てられた」事。
純文学者を夢見ながら、食っていく為に劇画原作者に甘んじなければ
ならなかった事。
デビュー当時、劇画原作者としてマンガ家より一段下に扱われた事。
『あしたのジョー』の大ヒットはちばてつやによるストーリーの改良
あってこそだった。自分の才能だけではなし得なかったというコンプレックス
の反動から、以降はマンガ家によるストーリーやセリフの修正を絶対に
認めなかった事。
多作による才能の枯渇。
作品が格闘技+暴力団のワンパターンになっていった事。
梶原一騎のカネに群がる人間に祭り上げられ、裸の王様化していった事。
親子の確執。弟真樹日佐夫、空手バカ一代大山倍達との確執。
梶原一騎の栄光の陰の部分をていねいにたどっています。
『あしたのジョー』『巨人の星』『タイガーマスク』『キックの鬼』
『紅の挑戦者』etc
あれだけの名作は彼の不幸な人生があってこそ、その苦悩や
コンプレックスのエネルギーから生まれてきたのだ。
そう実感させられました。
2011年3月26日に日本でレビュー済み
95年新潮社から「夕やけを見ていた男 評伝梶原一騎」として刊行され、01年同社より「梶原一騎伝」として加筆・改題の上文庫化された作品の新装版。
現代においても、おそらく日本でもっとも有名な劇画原作者であろう梶原一騎の評伝。
社会問題に関する著作の多い著者ということで、梶原一騎と彼が活躍していた頃の社会情勢を重ね合わせた作品なのかと思ったが、予想に反しその要素はほとんどなく、ストレートに梶原一騎の人生を追った読み応えも歯応えも充分の正統的な?評伝だった。
そうなったのは、執筆動機が少年時から著者が抱いていた梶原劇画に対する憧憬にあるようだ。作品にして発表する目的があったにせよ、それ以上に著者自身が梶原一騎の実像を知りたくてしょうがなかったのだろうと思う。
この作品は、梶原と深い関係に合った人達へのインタビューに基づき書かれている。
著者は、文字通り波乱万丈の人生を送った梶原の姿を、抑制の効いた筆致で淡々と記していく。おもしろ味のない文章かもしれないが、著者の熱は充分伝わってくる。また、送った人生が強烈過ぎるほど強烈なのだから、扇情的で煽るような文章や情緒的な文章である必要はないと感じる。
少年時代の出来事、栄光、乱作による原作の質の低下、誰の意見も許さないというまるで裸の王様のような状態、スキャンダルをきっかけとする転落、劇画原作者としての再生、そして人間としての再生の途を歩み始めた矢先の若すぎる死。
梶原によって人生を狂わせた者も多いように思う。
全編がすべてが読みどころであり、読む側にとってみれば、音楽でいうところの捨て曲なしの傑作アルバムのような人生といえる。
なかでも興味深かったのは、独立した章が設けられている「あしたのジョー」における梶原とちばてつやとの関係、そして梶原と極真空手の大山倍達との関係だった。
大山倍達を描いた劇画「空手バカ一代」の作画を担当したつのだじろうが連載途中に作画を降りた理由、そしてその後に起きた異常ともいえる出来事(事件)の薄気味悪さに思わず唸ってしまった。
栄光と同じくらいあるいはそれ以上の深い闇と暴力をかかえた梶原一騎の生涯。
闇の部分は、立場によって捉え方も異なるはずなのでどれが真相なのかはわからないし、検証もできない。しかし、そんなことはどうでもいいと思えるほど、この評伝は圧倒的におもしろい。
現代においても、おそらく日本でもっとも有名な劇画原作者であろう梶原一騎の評伝。
社会問題に関する著作の多い著者ということで、梶原一騎と彼が活躍していた頃の社会情勢を重ね合わせた作品なのかと思ったが、予想に反しその要素はほとんどなく、ストレートに梶原一騎の人生を追った読み応えも歯応えも充分の正統的な?評伝だった。
そうなったのは、執筆動機が少年時から著者が抱いていた梶原劇画に対する憧憬にあるようだ。作品にして発表する目的があったにせよ、それ以上に著者自身が梶原一騎の実像を知りたくてしょうがなかったのだろうと思う。
この作品は、梶原と深い関係に合った人達へのインタビューに基づき書かれている。
著者は、文字通り波乱万丈の人生を送った梶原の姿を、抑制の効いた筆致で淡々と記していく。おもしろ味のない文章かもしれないが、著者の熱は充分伝わってくる。また、送った人生が強烈過ぎるほど強烈なのだから、扇情的で煽るような文章や情緒的な文章である必要はないと感じる。
少年時代の出来事、栄光、乱作による原作の質の低下、誰の意見も許さないというまるで裸の王様のような状態、スキャンダルをきっかけとする転落、劇画原作者としての再生、そして人間としての再生の途を歩み始めた矢先の若すぎる死。
梶原によって人生を狂わせた者も多いように思う。
全編がすべてが読みどころであり、読む側にとってみれば、音楽でいうところの捨て曲なしの傑作アルバムのような人生といえる。
なかでも興味深かったのは、独立した章が設けられている「あしたのジョー」における梶原とちばてつやとの関係、そして梶原と極真空手の大山倍達との関係だった。
大山倍達を描いた劇画「空手バカ一代」の作画を担当したつのだじろうが連載途中に作画を降りた理由、そしてその後に起きた異常ともいえる出来事(事件)の薄気味悪さに思わず唸ってしまった。
栄光と同じくらいあるいはそれ以上の深い闇と暴力をかかえた梶原一騎の生涯。
闇の部分は、立場によって捉え方も異なるはずなのでどれが真相なのかはわからないし、検証もできない。しかし、そんなことはどうでもいいと思えるほど、この評伝は圧倒的におもしろい。
2015年8月23日に日本でレビュー済み
ハチャメチャな人生。思う存分に生きる、というのは存外生きづらいものであり、カリスマになる、というのは孤独になる、というのと方向性を同じくする、という奥深さをしみじみ感じた。読んでいて面白い人生、というのも、本人にとっては辛い上に、また、面白くかかれた部分に、「それは違う」といった無力感を感じるものなのだろう。才能と暴力を神から授かった男の偉大な業績と、満たされない空しい最期がまさに、そのものを物語っている。しかしながら、男ならだれもがあこがれるコワく性が含まれているのが怖い。その点、勝新太郎とまったく同じモノを感じる。逆説的ではあるが、作品に対する極度のまじめさ、周りの人間に対する極度の心配り、である。そのあたりに深い教訓が存在する。
2009年7月19日に日本でレビュー済み
伝説の劇画原作者の評伝
この著者においてはまあ、いろいろ評価が分かれると思う
カルト資本主義も面白い本とはいえ、そのスタンスには首をかしげざるを得ない部分もある
最近の本はなおさらで、ジャーナリストよりは活動家という感じ
でもこの本は本当に書きたかったことを書いている。同じ著者とは思えない
たぶん反骨の精神とか人間の自由さ、という面では梶原一騎に共感をしているのだろう
今の著者は本当に自由なのかな、と読んでいて思ってしまった
格差社会と戦っているのは分かるのだが、それは戦うべきだから戦っているのであって
本当は別にジャーナリストとしてしたいことがあるのではないか、と
著者の自由な新作を期待するところ
この著者においてはまあ、いろいろ評価が分かれると思う
カルト資本主義も面白い本とはいえ、そのスタンスには首をかしげざるを得ない部分もある
最近の本はなおさらで、ジャーナリストよりは活動家という感じ
でもこの本は本当に書きたかったことを書いている。同じ著者とは思えない
たぶん反骨の精神とか人間の自由さ、という面では梶原一騎に共感をしているのだろう
今の著者は本当に自由なのかな、と読んでいて思ってしまった
格差社会と戦っているのは分かるのだが、それは戦うべきだから戦っているのであって
本当は別にジャーナリストとしてしたいことがあるのではないか、と
著者の自由な新作を期待するところ
2007年2月24日に日本でレビュー済み
梶原一騎と言えば「あしたのジョー」を始めとする数々の名著と、相反する暴力的で非道徳的人格が有名な人物でした。
梶原一騎自身も何冊かの自伝と名作「男の星座」にて自分の一生を記していますが、それらが非常に美化されていたものだったことが、本著にてよくわかりました。
稀代の怪物がいかにして生まれ育ったか。文学者の父への嫉妬心。掴んだ栄光と名声を酒と暴力でブチ壊してしまい、ついには身体も壊してしまい、絶対絶命の怪物が最後に掴んだ幸福。
極真カラテや猪木にあこがれていた世代にお勧めです。
梶原一騎自身も何冊かの自伝と名作「男の星座」にて自分の一生を記していますが、それらが非常に美化されていたものだったことが、本著にてよくわかりました。
稀代の怪物がいかにして生まれ育ったか。文学者の父への嫉妬心。掴んだ栄光と名声を酒と暴力でブチ壊してしまい、ついには身体も壊してしまい、絶対絶命の怪物が最後に掴んだ幸福。
極真カラテや猪木にあこがれていた世代にお勧めです。
2007年5月21日に日本でレビュー済み
リベラルかつ鋭い分析で知られ、幼少時から梶原作品と共に育った、昭和33年生まれのジャーナリストが、1995年刊行の本に2001年に加筆して文庫化した、人間梶原の全体像に迫ろうとした本。梶原一騎=高森朝樹(朝雄)は、昭和11年に知性的な父と情念の深い母の間に生まれ、生来『夕やけ番長』的な粗暴かつ純情な男だった。教護院で物書きとしての才能を培った彼は、恋人の姓をペンネームとし、少年向け純文学を目指したが、時代の趨勢ゆえにまずは実話読物作家・絵物語原作者となった。当時小説より低く見られていた漫画の原作へ、彼を引き込んだのは、当時『少年サンデー』に後れをとっていた『少年マガジン』の若き編集長であった。以後彼は、『巨人の星』、『あしたのジョー』(ちばてつやとの合作)等のスポ魂もので一世を風靡し、さらに『愛と誠』等へジャンルを広げ、多くの漫画家やレスラーと交流し、栄光の頂点に上りつめるが、多作ゆえの才能の枯渇、生来の不器用さ(大衆蔑視的な個の絶対視)ゆえの時代の趨勢(日本型企業社会の確立、マイホーム主義、日常性重視)への不適応、更には彼の名声を利用しようとする打算的な人々への不信ゆえに、彼は離婚し酒と女に溺れ、粗暴な取り巻きと共にトラブルを頻発させ、周囲から忌避される存在となった。彼は映画製作(失敗)や大好きな格闘技興業にも手を出し、「義兄弟」大山倍達との関係を悪化させた。昭和58年、彼はつのだじろうへの組織的脅迫、編集者への暴行、強姦未遂事件等の罪状で逮捕され、それまで報道されなかった彼のスキャンダルが次々と暴かれ、2年後有罪判決を受けた。以後彼は、自伝的作品を書きつつ、家族サービスを重視し、昭和62年に亡くなった。子どもがそのまま大人になったような男と、その表現である彼の作品の危うさと魅力とを、的確に描ききった本。