無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
ファンレター 愛読者 (文春文庫 お 26-7) 文庫 – 2007/11/9
- 本の長さ329ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2007/11/9
- ISBN-104167451085
- ISBN-13978-4167451080
この著者の人気タイトル
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2007/11/9)
- 発売日 : 2007/11/9
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 329ページ
- ISBN-10 : 4167451085
- ISBN-13 : 978-4167451080
- Amazon 売れ筋ランキング: - 995,857位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
埼玉県出身。早稲田大学文学部卒業後、JTBに入社、雑誌『旅』などの編集に携わる。
88年、『五つの棺』(のち『七つの棺』として文庫化/創元推理文庫)でデビュー。88年、『倒錯のロンド』(講談社文庫)で江戸川乱歩賞候補、95年、『沈黙の教室』(ハヤカワ文庫)で日本推理作家協会賞(長編部門)受賞。主な作品に、『倒錯の死角』『倒錯の帰結』『異人たちの館』(講談社文庫)、『冤罪者』『失踪者』『天井男の奇想』(文春文庫)、『逃亡者』『追悼者』(文藝春秋)、『暗闇の教室』(ハヤカワ文庫)など。
謎の画家、石田黙の作品を収集。05年、石田黙作品集にして美術ミステリである『黙の部屋』(文藝春秋/現在文春文庫)を発表。
07年6月、石田黙のコレクション展(石田黙展)を文藝春秋画廊・地下室で開く。
11年5月、メメント・モリ(折原一骸骨絵コレクション展)を同画廊で開く。
18年10月、ヴァニラ画廊にて、メメント・モリ展&石田黙展を開く。
現在、日本推理作家協会会員。
著者ホームページ 「沈黙の部屋」http://orihara1.la.coocan.jp/
カスタマーレビュー
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
全体に凡庸な出来だが以下は特に酷い。タイトル作「ファンレター」は乱歩の「人間椅子」そのものなので唖然とした。島田荘司氏の舞台設定を借りた「傾いた密室」はトリックがミエミエだし、「七つの棺」に同工異曲のものがあった筈だ。「二重誘拐」は読んで強いデジャヴに襲われた。それでも最後には西村香の謎に迫る驚愕のアイデアが待っているかと期待して結末まで読んでも空振りに終ってしまうのである。
幾らパロディ仕立てのユーモア・ミステリと言ってもアイデアが無さ過ぎる。短編とは言っても、初期にはもっとアイデアに富んだ作品を書いていた筈である。楽屋落ちだけでない、読み応えのある作品を期待したい。
短編集のようにいくつもの話しがつまっております。
一環しているのは西村香という名の正体不明の覆面作家。
この覆面作家に色々な熱狂的なファンが「会いたい」「サインが欲しい」
「講演会に来てほしい」だの厚かましい手紙を出版社まで送ってくる。
厚かましいファンを相手にするのが西村香だったり、
時には西村香に扮する出版社の人間だったりして色々な事件へと発展する。
短編集かと思って読んでいたら途中から「もしかして続きモノ?」と疑問を抱くようになる。
そして最後の最後に待ち受けるラストとは!?
あまり期待せずに読むと◎です。密室殺人のトリックが陳腐だと言わず、
西村香と手紙やFAXでのみやり取りする形式や、西村香と関わった人間が
最後にどうなるのかを楽しんで読むと良いでしょう。
熱狂的ファンのエスカレートする要求、勝手な言い分で講演会出演を迫る図書館司書、
西村香を助けた女、自分勝手な雑誌編集者、などなど全10編から成る連作短編
この本の面白いところは、文章がすべて“手紙”の形式で描かれているところで、
すべてのストーリーが手紙やFAX、留守電など記録として表現されているため一味違った読みごたえがある。
ただし、著者の他の作品とは違い、殺害のトリックだとか驚愕の展開といった要素はあまりないので
そちらを期待している方にはオススメできない。
個人的には、ほとんどの登場人物が常識がなかったり自己中心的であったりといかにも、
あーいるいる!と思わせる特徴的な性格という所が気に入りました。
主人公の西村香自身がすごく人間的なところも、姿を見せないのに感情移入することができて引き込まれる要素のひとつでした。
実はこの本は他の作家さんの作品を題材にしたパロディ本でもあるのですが、知らなくても十分に内容は楽しめます。
ちょっと変わった雰囲気や内容の小説を読みたい方にはオススメです。おもしろいです。
というのも、現在の小説・ドラマでは当たり前のように登場する狂気、恐怖、ドロドロした情念が、10年以上も前の時点でビビッドに描写されていたからだ。
そう、本書の主役は理想と現実の狭間に陥っていく人々なのだ。そこで著者はパロディ仕立てとして、覆面作家を狂言回しとしている。一種の緩衝材である。
読後感は爽やかとは言えないが、人間の持つ本性を刺激するのであろうか、不思議な魅力・魔力を覚えずにはいられない異色作である。だから私も再び手に取ったのであろう。