何度読んでも涙が出てしまう。伊藤、山本、大西、宇垣、阿南、岡田・・・その他有名・無名の戦士達の遺書だ。比較的平易に書かれているので、中学生くらいなら理解出来る内容になっている。ぜひ学生の方々に読んで欲しい。
彼ら皆が、家族そしてその家族の住む祖国に対して、どれ程の思いを持っていたか・・・
特に本間雅晴がマニラで軍事裁判にかけられた際の、弁護に立った夫人の証言「夫は軍事裁判の被告になっていますが、私は本間の妻である事を心から誇りに思っています。私の娘には本間の様な夫を持って貰いたいと思っています。」
泣いてなどいられない、と気丈に振舞う夫人の言葉に、ハンカチで顔を覆ってすすり泣く本間・・・何度読んでも胸が熱くなる。
左翼史観で歪められたつまらない歴史の授業をきく位なら、この本を何度でも繰り返し読んで貰いたい。

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太平洋戦争に散った勇者たちの叫び 戦士の遺書 (文春文庫 は 8-6) 文庫 – 1997/8/6
半藤 一利
(著)
愛する家族への思い、日本人としての誇り。太平洋戦争に散った二十八人の遺書を各人の人間性、歴史的背景も含めて綴った感動作!
- 本の長さ299ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日1997/8/6
- ISBN-104167483068
- ISBN-13978-4167483067
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著者について
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1930年、東京・向島生まれ。
東京大学文学部卒業後、文藝春秋入社。松本清張、司馬遼太郎らの担当編集者をつとめる。「週刊文春」「文藝春秋」編集長、取締役などをへて作家。「歴史探偵」を名乗り、おもに近現代史に関する著作を発表。
著書は『日本の一番長い日』、『漱石先生ぞな、もし』(正続、新田次郎文学賞)、『ノモンハンの夏』(山本七平賞)、『幕末史』など多数。『昭和史 1926-1945』『昭和史 戦後篇 1945-1989』で毎日出版文化賞特別賞を受賞。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年3月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こちらの書籍を読むきっかけは”文藝春秋2009年1月号/昭和の遺書53通”山下奉文大将のページ272pに
著者<半藤 一利>の氏名があった為です。
”戦士の遺書”という大きなタイトルは有名無名を問わず考えさせられる方々の人生の顛末でした。
他のレビューにあちこちと短時間に描きすぎ・・・という方もおられましたが、それぞれの<何故、戦争に?>が
理解出来る作品ばかりです。
海軍中将(伊藤整一)、陸軍中将(安達二十三)、陸軍大将(山本五十六)、陸軍少将(水上源蔵)、
海軍大将(井上成美)、陸軍中将(岡田資)、海軍中将(大西瀧次郎)、陸軍少将(上原良司)、
海軍中将(宇垣まとい)、陸軍元帥(杉山元)、陸軍大将(田中静一)、海軍少佐(野中五郎:226事件自決野中四郎氏実弟)
陸軍大佐(中川洲男)、海軍中佐(庄司元三)、陸軍大佐(山崎保代)、(海軍少佐)国定謙男、(陸軍大将)山下奉文、
海軍大佐(有泉龍之助)、陸軍大佐(親泊朝省)、陸軍少佐(大田実:沖縄県民かく戦えり・・・)、陸軍中将(栗林忠道)
陸軍大尉(黒木博司)、陸軍中将(岡本清福)、陸軍中将(満淵正明)、海軍少将(猪口敏平)、陸軍大将(阿南惟幾)などの項目
それぞれに知らない事も理解しながら人となりを想像出来ます。
全ての方が時代の犠牲者ではなかったでしょうか。
20代の青年〜50代荘年期を刑死や短銃自害、自刃などで責任を取られることの心の様を是非色々な感じ方で考えて頂ければと思います。
P16= 安藤二十三 <十万人の部下に玉砕を命じた剛毅>
P46= 岡田資 <戦犯裁判を第二の戦場として闘う>
P60= 上原良司 <京子ちゃん さようなら>
P104= 庄司元三 <Uボートで自決した技術者の無念>
P170= 岡本清福 <東京に無視された最善の和平工作>
P178= 満淵正明 <重傷のB29捕虜を介錯し絞首刑に>
P229= 阿南惟幾 <一死を以て大罪を謝す>・・・不服の者は自分の屍を越えてゆけと降伏を訓示。
終戦前夜、訪ねた竹中中佐に「本夜、私は自刃する」
まるで見ていたかのように書かれてもいますが、言葉の言い回しは別にしまして”日本のいちばん長い日”の
ラストシーンを観て思うことは軍人すなわち武士の鑑であったということかと。
書くということは生半可な知識では無理ですね。
※昭和5年(1930年)生まれ、東大文学部、文春社編集長等経歴の筆者ならではの逸品です。
※A級戦犯の合祀には極めて批判的である・・・。(私は合祀について人間皆兄弟?と思います(^^;)
著者<半藤 一利>の氏名があった為です。
”戦士の遺書”という大きなタイトルは有名無名を問わず考えさせられる方々の人生の顛末でした。
他のレビューにあちこちと短時間に描きすぎ・・・という方もおられましたが、それぞれの<何故、戦争に?>が
理解出来る作品ばかりです。
海軍中将(伊藤整一)、陸軍中将(安達二十三)、陸軍大将(山本五十六)、陸軍少将(水上源蔵)、
海軍大将(井上成美)、陸軍中将(岡田資)、海軍中将(大西瀧次郎)、陸軍少将(上原良司)、
海軍中将(宇垣まとい)、陸軍元帥(杉山元)、陸軍大将(田中静一)、海軍少佐(野中五郎:226事件自決野中四郎氏実弟)
陸軍大佐(中川洲男)、海軍中佐(庄司元三)、陸軍大佐(山崎保代)、(海軍少佐)国定謙男、(陸軍大将)山下奉文、
海軍大佐(有泉龍之助)、陸軍大佐(親泊朝省)、陸軍少佐(大田実:沖縄県民かく戦えり・・・)、陸軍中将(栗林忠道)
陸軍大尉(黒木博司)、陸軍中将(岡本清福)、陸軍中将(満淵正明)、海軍少将(猪口敏平)、陸軍大将(阿南惟幾)などの項目
それぞれに知らない事も理解しながら人となりを想像出来ます。
全ての方が時代の犠牲者ではなかったでしょうか。
20代の青年〜50代荘年期を刑死や短銃自害、自刃などで責任を取られることの心の様を是非色々な感じ方で考えて頂ければと思います。
P16= 安藤二十三 <十万人の部下に玉砕を命じた剛毅>
P46= 岡田資 <戦犯裁判を第二の戦場として闘う>
P60= 上原良司 <京子ちゃん さようなら>
P104= 庄司元三 <Uボートで自決した技術者の無念>
P170= 岡本清福 <東京に無視された最善の和平工作>
P178= 満淵正明 <重傷のB29捕虜を介錯し絞首刑に>
P229= 阿南惟幾 <一死を以て大罪を謝す>・・・不服の者は自分の屍を越えてゆけと降伏を訓示。
終戦前夜、訪ねた竹中中佐に「本夜、私は自刃する」
まるで見ていたかのように書かれてもいますが、言葉の言い回しは別にしまして”日本のいちばん長い日”の
ラストシーンを観て思うことは軍人すなわち武士の鑑であったということかと。
書くということは生半可な知識では無理ですね。
※昭和5年(1930年)生まれ、東大文学部、文春社編集長等経歴の筆者ならではの逸品です。
※A級戦犯の合祀には極めて批判的である・・・。(私は合祀について人間皆兄弟?と思います(^^;)
2003年9月16日に日本でレビュー済み
大勢の部下が死ぬことをわかっていながら、敢えてその命令を出す人の苦痛。
納得はいかないけれど、その人が信じていたことの純粋さ。
遺書を残した人は文字通り戦士で、『きけわだつみのこえ』に出てくる学生達と
正反対の立場にいた人達だけれど、彼らにもやむをえない事情があったのだろうと思ってしまいました。
何回も泣かされました。不覚(笑)!
太平洋戦争の日本軍の展開を見る限り、あれは軍部のせいで兵隊さんが大勢死んだ戦争だと思って憤っていました。
おそらく、それは間違いではないのだろうと思いますが、指揮した彼らも血が通う人間だったんだなあ、
と思いました。
納得はいかないけれど、その人が信じていたことの純粋さ。
遺書を残した人は文字通り戦士で、『きけわだつみのこえ』に出てくる学生達と
正反対の立場にいた人達だけれど、彼らにもやむをえない事情があったのだろうと思ってしまいました。
何回も泣かされました。不覚(笑)!
太平洋戦争の日本軍の展開を見る限り、あれは軍部のせいで兵隊さんが大勢死んだ戦争だと思って憤っていました。
おそらく、それは間違いではないのだろうと思いますが、指揮した彼らも血が通う人間だったんだなあ、
と思いました。
2011年4月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私自身は半藤さんの本が好きで読んでいるのですが、”あとがき”に書いてあるように、半藤さん自身としては「書きたいテーマ」ではなくゴリ押しされて書いた作品だったようです。
しかし、人物評とともにその人が残した遺書や辞世の句、手紙などを元によく書けているなと私は感じました。
ただ、私が思うに「昭和史の語りべ」「歴史探偵」と言われる半藤さんがどれだけ人物評や戦時中の事実をもとに書けたとしても、戦争で散って行った戦士の心情までは計り知れないものがあり、それをうまく活字で表現できなかったもどかしさがあるのだと思います。
これから自決する人が残す辞世の句に一体どれだけの気持ちが込められていたのか。家族への思い、友人への思い、大日本帝国への思い、天皇陛下への思い。散って行く戦士それぞれが心に持っている計り知れない思いは、当時戦争で実際に死を目前にしてがむしゃらに戦っていた人にしか分からない、現代人には想像を絶する何かがあるような気がします。
そういった意味で、半藤さんが巻末で語っているのは中途半端で半藤さん自身が納得いくような書き方ができなかったのかもしれません。
本書に挙げられている「戦士」は代表的な人物ばかりですが、その陰にも数え切れないほどの戦士が戦争で亡くなっています。
戦争で散って行ったその一人一人が家族やお国や天皇陛下に対してこのような深い思いを抱いて死んで行ったに違いないのだと、私自身は想像できようもない当時の状況を一生懸命頭に思い描きながら読みました。
しかし、人物評とともにその人が残した遺書や辞世の句、手紙などを元によく書けているなと私は感じました。
ただ、私が思うに「昭和史の語りべ」「歴史探偵」と言われる半藤さんがどれだけ人物評や戦時中の事実をもとに書けたとしても、戦争で散って行った戦士の心情までは計り知れないものがあり、それをうまく活字で表現できなかったもどかしさがあるのだと思います。
これから自決する人が残す辞世の句に一体どれだけの気持ちが込められていたのか。家族への思い、友人への思い、大日本帝国への思い、天皇陛下への思い。散って行く戦士それぞれが心に持っている計り知れない思いは、当時戦争で実際に死を目前にしてがむしゃらに戦っていた人にしか分からない、現代人には想像を絶する何かがあるような気がします。
そういった意味で、半藤さんが巻末で語っているのは中途半端で半藤さん自身が納得いくような書き方ができなかったのかもしれません。
本書に挙げられている「戦士」は代表的な人物ばかりですが、その陰にも数え切れないほどの戦士が戦争で亡くなっています。
戦争で散って行ったその一人一人が家族やお国や天皇陛下に対してこのような深い思いを抱いて死んで行ったに違いないのだと、私自身は想像できようもない当時の状況を一生懸命頭に思い描きながら読みました。
2004年12月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は、将官クラスを中心とした20数名の軍人の方々について、
残された遺書や口承された「最期の言葉」を部分的に引用しながら、
各人の「最期」に焦点を当てた人物評で構成されています。
一人ずつについては短い記述ですが、
戦前戦後を含む様々な時期、様々な立場、様々な戦闘地域に亘って選ばれており、
それぞれの「個人の最期」という視点から今一度先の大戦について考えることができます。
しかしながら一方では、「遺書」という極めて個人的なものを恣意的に部分引用しながら、
各人物を論評していくというアプローチに対して、一部の方にとっては、
「祖先の墓を暴かれ、掘りかえされた骨をいじくりまわされ品評されている」
と感じられるかもしれません。
著者は長年マスコミにいらした方ですのでそのあたりは仕方ないことではありますが、、、。
たいていの方にとっては星4つ、一部の方にとってはゼロ、ということで、真ん中をとって2つとしました。
残された遺書や口承された「最期の言葉」を部分的に引用しながら、
各人の「最期」に焦点を当てた人物評で構成されています。
一人ずつについては短い記述ですが、
戦前戦後を含む様々な時期、様々な立場、様々な戦闘地域に亘って選ばれており、
それぞれの「個人の最期」という視点から今一度先の大戦について考えることができます。
しかしながら一方では、「遺書」という極めて個人的なものを恣意的に部分引用しながら、
各人物を論評していくというアプローチに対して、一部の方にとっては、
「祖先の墓を暴かれ、掘りかえされた骨をいじくりまわされ品評されている」
と感じられるかもしれません。
著者は長年マスコミにいらした方ですのでそのあたりは仕方ないことではありますが、、、。
たいていの方にとっては星4つ、一部の方にとってはゼロ、ということで、真ん中をとって2つとしました。
2003年8月6日に日本でレビュー済み
大東亜戦争で戦われた戦士達の生き様と散華までの様子が記されている。何れも今の平和を享受して生きる我々には、とても真似の出来そうに無い所作ばかりである。読めば涙が溢れてくるし、「凄い!」とただただ感動してしまうだろう。しかし、感動だけで済ませてはいけない。戦後に連合国、共産勢力により汚染された誤りだらけの近代史観を糾し、真の主権国としての脱皮をした上で、改めて先人の方々へ感謝の誠を捧げるべきであろう。本書のような題材がNHKの“プロジェクトX”のようにテレビで放映されれば、多くの平和ボケに甘んじる日本人も目を覚まし、祖国の復活に繋がると思うが…。
ただ、本書に数回、我が国が無条件降伏をしたかの様に記されているが、多くの国民が誤解しているのと同様に著者自身!も勘違いされているのでは…。我が国はドイツのように無条件降伏したのではなく、ポツダム宣言を受諾したのであって、国体護持の条件付の降伏であり、日本国軍を無条件に武装解除したに過ぎない。
さらに蛇足ながら、本書の様な書籍では「太平洋戦争」ではなく、「大東亜戦争」と記すべきであると思う。
ただ、本書に数回、我が国が無条件降伏をしたかの様に記されているが、多くの国民が誤解しているのと同様に著者自身!も勘違いされているのでは…。我が国はドイツのように無条件降伏したのではなく、ポツダム宣言を受諾したのであって、国体護持の条件付の降伏であり、日本国軍を無条件に武装解除したに過ぎない。
さらに蛇足ながら、本書の様な書籍では「太平洋戦争」ではなく、「大東亜戦争」と記すべきであると思う。
2005年8月4日に日本でレビュー済み
旧日本軍軍人28人の遺書を通して、その人の身の処し方について、著者の感慨を述べるというものである。紹介されている軍人たちの死に方の内訳としては、戦死、自決、戦犯として刑死などが主であるが、隠棲することによって社会的な死を選んだとも言える人物も一人ある。
1冊の本で28人も紹介しているので、一人ひとりの生き様・死に方に多くのページを割いているわけではないが、おそらく司馬遼太郎を敬愛しているであろう著者らしく、人物を非難したり、中傷したり、こき下ろしたりするのではなく、良心的な解釈をしている点に、優しい気遣いや愛情といったものを感じる。
解説で阿川弘之氏が次のように述べている。「自国の軍隊と自軍の戦死者とをこれほど完膚なきまでに忘れ去った国は、史上その例を見ない」。
この本は、今の若い人々にとっても「自国の軍隊と自軍の戦死者」に思いをいたすきっかけになるだろう。
1冊の本で28人も紹介しているので、一人ひとりの生き様・死に方に多くのページを割いているわけではないが、おそらく司馬遼太郎を敬愛しているであろう著者らしく、人物を非難したり、中傷したり、こき下ろしたりするのではなく、良心的な解釈をしている点に、優しい気遣いや愛情といったものを感じる。
解説で阿川弘之氏が次のように述べている。「自国の軍隊と自軍の戦死者とをこれほど完膚なきまでに忘れ去った国は、史上その例を見ない」。
この本は、今の若い人々にとっても「自国の軍隊と自軍の戦死者」に思いをいたすきっかけになるだろう。