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ノモンハンの夏 (文春文庫 は 8-10) 文庫 – 2001/6/8

4.2 5つ星のうち4.2 689個の評価

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エリートが招いた悲劇!
参謀本部作戦課、そして関東軍作戦課の罪と罰は誰が背負ったのか?
このエリート集団が己を見失ったとき、満蒙国境での悲劇が始まった。司馬遼太郎氏が最後に取り組もうとして果せなかったテーマを、共に取材した著者が、モスクワのスターリン、ベルリンのヒトラーの野望、中国の動静を交えて雄壮に描き、混迷の時代に警鐘を鳴らした傑作。
山本七平賞受賞作。
解説・土門周平
公式の諸資料の他に、ノモンハン事件を中心にした研究、回想は二十種類を越えるが、広範囲の資料収集と深い分析・考察という点で本書は群を抜いている。それに緻密な文体については他の追従を許さない。ノモンハン事件の定本として長く残ることは確かである。──解説より
目次
第一章参謀本部作戦課/〝戦略戦術の総本山〟参謀本部はすでに対ソ作戦方針を示達していた。「侵されても侵さない。不拡大を堅守せよ」
第二章関東軍作戦課/関東軍の作戦参謀たちは反撥した。「侵さず侵されざる基調として、強い決意を固めて万事に対処する」
第三章五月/モロトフ外相はスターリンに指示された抗議文書を東郷大使に手渡した。「これ以上の侵略行為は許さない」
第四章六月/関東軍の作戦参謀辻政信少佐はいった。「傍若無人なソ蒙軍の行動に痛撃を与えるべし。不言実行は伝統である」
第五章七月/参謀本部は、関東軍の国境侵犯の爆撃計画を採用しないと厳命した。
第六章八月/歩兵連帯長須見新一郎大佐はいった。「部隊は現在の陣地で最後を遂げる考えで、軍旗の処置も決めています」
第七章万骨枯る/死屍累々の旧戦場をまわりながら、生き残った兵たちはだれもが思った。「ああ、みんな死んでしまったなあ」
あとがき
参考文献
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋 (2001/6/8)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2001/6/8
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 471ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4167483106
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4167483104
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 689個の評価

著者について

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半藤 一利
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1930年、東京・向島生まれ。

東京大学文学部卒業後、文藝春秋入社。松本清張、司馬遼太郎らの担当編集者をつとめる。「週刊文春」「文藝春秋」編集長、取締役などをへて作家。「歴史探偵」を名乗り、おもに近現代史に関する著作を発表。

著書は『日本の一番長い日』、『漱石先生ぞな、もし』(正続、新田次郎文学賞)、『ノモンハンの夏』(山本七平賞)、『幕末史』など多数。『昭和史 1926-1945』『昭和史 戦後篇 1945-1989』で毎日出版文化賞特別賞を受賞。

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ノモンハン事件を引き起こした秀才参謀、辻政信と服部卓四郎の許されざる罪
5 星
ノモンハン事件を引き起こした秀才参謀、辻政信と服部卓四郎の許されざる罪
『ノモンハンの夏』(半藤一利著、文春文庫)では、昭和14(1939)年5~8月、日本陸軍が満州国西部とモンゴル人民共和国の国境地帯でソ連・モンゴル連合軍と戦い、ソ連の大戦車軍団の前に大打撃を受けたノモンハン事件の刻々と変化する様相が、ドキュメンタリー・タッチで臨場感豊かに描き出されている。透徹した歴史観を持つ半藤一利が、本書によって訴求したかったのは、3つのことだと私は考えている。第1は、エリート中のエリートたる陸軍参謀・辻政信(陸大36期)と、その上司・服部卓四郎(34期)の身の程を弁えぬ傲岸不遜な思考・行動への激しい怒りである。第2は、辻・服部の大局観を欠いた暴走を止められなかった陸軍首脳部の情けなさ、もどかしさへの大いなる不満である。第3は、ノモンハン事件の失敗から何も学ばず、無謀な太平洋戦争に突っ込んでいった日本という国の無反省な体質への遣るせない失望感、無力感である。「参謀本部第一部(作戦)の第二課(作戦課)には、エリート中のエリートだけが集結した。・・・花形はだれが何といおうと、作戦と戦争指導を掌握する第二課。そこが参謀本部の中心であり、日本陸軍の聖域なのである。すべての根基となる作戦計画は第二課で立案された。天皇の勅許をえて大元帥命令(奉勅命令)としてそこから発信され、かつ下達された作戦の指導も作戦課の秀才参謀たちによってなされる。そこでたてられる作戦計画は外にはいっさい洩らされず、またその策定については外からの干渉は完璧なまでに排除された。・・・陸軍中央に秀才軍人たちが集結してくると、ものの考え方は奇妙なくらい現実離れしていく傾向があったのである」。「ここに関東軍司令部の第一課(作戦)参謀辻政信少佐が颯爽と登場してくる。・・・作戦参謀として辻は、当面している情勢が多端であり関東軍の兵力が劣勢であることは十分に承知している。そうと認識すればするほどさかんなる闘志をもやした。停戦成立の直後、張鼓峰付近の戦場へと飛んだ辻は、死傷1400名余の犠牲者をだしながら、日本軍が兵力を撤収し、ソ連軍が越境の既成事実を確保し、国境線を拡大形成していることに憤激した。・・・ソ連になめられないためにも、ソ連軍が国境を侵犯してきたときには即座に一撃を加え、これを粉砕することが、紛争の拡大を防ぐことになる。いや、それこそが唯一の道といえる、と辻はいきり立った」。「関東軍作戦課はいまや、目鼻のはっきりしない参謀本部作戦課の集団主義とは違って、作戦参謀辻政信とかれをバックアップする作戦課主任参謀服部卓四郎という、きわだって戦闘的な二人を中心にして、独自の道を驀進しはじめた。東京の秀才的集団主義に対抗する新京の暴れん坊的個性主義の挑戦なのである」。「このとき、国境での衝突があのような大戦争になろうとは、だれひとり考えてもいなかったことを証明する。なぜならだれもがソ連軍の猛攻撃などあるべくもないと思っていたからである。当時の陸軍軍人は高級であればあるほど、自国の軍事力への過信と、それと裏腹なソ連軍事力への過小評価の心情をもっていた。共通して対ソ戦力への評価は観念的なもので、機械化戦力を充実しつつあるソ連軍備についての、客観的な分析はごくおろそかにされている」。「問題なのは、この(日本軍の)空襲がハルハ河の西岸、すなわち日満側の主張する国境線を越えて行われていることである。まだ小競り合いの段階ですでに堂々と国境侵犯を日本軍は行っている。それを小松原(道太郎師団長<中将、18期>)も辻も、ほかのだれもが、挑発と感じないのみならず一毫の疑問すらなげかけていない。いったいいつのときから日本陸軍は、天皇の命令なくして国境を侵犯することに平気になったのか。満洲事変いらいの『勝てば官軍』意識にはじまる退廃は、『ここにきわまれり』であったのである」。「辻は(ソ連軍により)軍橋が爆破されたのを見届けると、何もいわずにそのまま東方へ姿を消した。自信満々にたてたソ連軍殲滅作戦が失敗に終ったのを、辻はどう思ったことか。・・・関東軍作戦課の根拠のない増長慢がうんだと簡単には書けない、あまりにも大きい犠牲であったのである。こうして日本軍の外蒙古領への侵攻作戦は二昼夜で挫折した。これ以後、日本軍がハルハ河西岸のモンゴル領へ進出したことはない。戦闘はすべて東岸で行われることになる」。「軍隊の下層の人たちはみんな、この優秀とみなされた吼える男たちによって働かされ、戦わされて死んだり傷ついたりするのである。しかも、その犠牲の上にかかる男たちの出世の道がある。秀才参謀は机上の作戦計画に一点の疑いもはさむことはない。なにしろ兵は『一銭五厘』でいくらでも補充できる存在なのである。だから辻は、安心して吼えていた」。「ソ連軍の圧倒的な兵力と火力による総攻撃をうけた第1日目から、第一線将兵は勇戦すれど、戦況はどこの日本軍にも容易ならざることになっている。そして日をおって絶望的になる。・・・多くの将兵の壮絶な敢闘と空しい死がそこにあるだけである」。ソ連から振り下ろされた鉄槌は、二度までも秀才参謀たちの幻想を打ち挫いたのである。「関東軍は5月いらいずっと『確信』をもって作戦を実施し、そのたびに失敗した。将兵を飲まず食わずで、弾薬がつきてもなお戦わせた。しかも補給や救援の手段はいっさい考えていなかった。そして幻想と没常識な作戦指導で、いかに多くの将兵を死なせたかに思いをいたすものはなかった。・・・死者は黙して語らないから正確な(戦没者)数はとうてい知ることはできない。わかることは、第一線の将兵がおのれの名誉と軍紀の名のもとに、秀才参謀たちの起案した無謀な計画に従わされて、勇敢に戦い死んでいったということだけである」。ノモンハン事件から太平洋戦争へと突っ走り、多くの死傷者を生じさせた陸軍への怒りがひしひしと伝わってくる。そして、決して戦争はしてはならないという半藤の堅固な信念が底流を成す、力の籠もった著作である。
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上位レビュー、対象国: 日本

2023年9月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昨年は「昭和史」今年は「ノモンハンの夏」その後「ソ連が満洲に侵攻した夏」「昭和天皇ご自身による天皇論」のもっと勉強しなければと思いました。「辻政信著のノモンハン秘史」これだけは図書館で借りて読みました。賢くならなければ、人を見る目を養わなければ、同じ繰り返しをしてしまいますね。
この手の本は、紙の本より電子書籍の方がわからないこととか、年代とか読みながら調べられるのがいいですね。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年3月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まず『ノモンハンの夏』について書誌的な経緯
を確認しておきましょう。
初出は『別冊文藝春秋』220号~222号
(1997年)です。
初収は文藝春秋の単行本(1998年4月20日)
です。それを文庫化(2001年6月10日)した
のが本書(文春文庫)になります。
単行本が出たときに一度、通読いたしましたが
再読したく思い、本書を購入、再度、読了いた
しました。
「ノモンハン事件」(欧米では「ハルヒーン・
ゴルの戦い」と呼称)に関する書籍の中では
入手しやすく、概観に適していると思います。

執筆・出版に至る経緯を確認しておきますと
司馬遼太郎(1923-1996)がノモンハン事件
を題材にして小説を企画したのが始まりです。
(当時まだご存命であった)関係諸氏の取材も
行っていました。しかし事情により執筆・出版
がなされないうちに司馬は急逝されました。
そこで司馬といっしょに取材を行っていた
半藤一利(1930-2021)が(司馬の遺志を
嗣ぐ形で)『ノモンハンの夏』を執筆・上梓
された由です。

世界史的な事実を確認しておきますと、
ノモンハン事件(ハルヒーン・ゴルの戦い)
とは、1939年5月から9月にかけ、
当時の満洲国(現在の中国東北部)とモンゴル
人民共和国(いわゆる外蒙古)の国境をめぐる
紛争です。満州国軍+日本軍 VS モンゴル軍+
ソ連軍の激突であり、実態は紛争と言うより、
航空機と機械化された車両(戦車、装甲車等)
と砲に象徴される、近代的かつ本格的な戦争
でした。例えば、英国の歴史作家
アンソニー・ビーヴァー氏(1946-)等は
「第二次世界大戦は、1939年、満洲に始まり、
1945年、満洲に終わった」とする説を呈示
しています。つまり「ノモンハン事件」を
第二次世界大戦の始まりとみなす説です。
私はその説を支持する者です。

満洲-モンゴル国境付近を流れる川が
「ハルハ川(ハルヒーン・ゴル)」です。
ハルハ川の東にある小さな村の名前がまさに
「ノモンハン」です(名前の由来は本書に
あります)。一帯は草原です。荒野と言った
方がいいでしょう。小さな湖が多数あります
が、すべて塩湖です。飲料水に乏しいという
点では、北アフリカの砂漠と共通です。
夏の昼間は炎暑(40度近く)なのに、夜は霜が
降りるくらい寒かったという点でも、砂漠と
共通する気候です。砂漠より悪いことには、
蚊がきわめて大量に発生して、両軍の将兵を
苦しめました。

そんなハルハ川からノモンハンにかけての一帯
には、石油も、石炭も、ダイアモンドも、何も
資源は埋まっていません。日本内地の感覚から
すれば付近の国境が4~5キロ移動したところ
で何の痛痒もありませんでした。日本からする
とノモンハン事件は、そもそも「戦争の目的」
「戦いの意義」を欠く戦争でした。

一方、スターリン(1878-1953)からすれば
「二正面戦争を避けるため、西に向かう前に
東の強敵(旧日本陸軍の関東軍)を完膚なき
までにたたく」という明確な目的を有していま
した。だからジューコフ(1896-1974)と
いう最優秀の将軍を投入し、戦いの途中で、
師団長から軍団長に昇進させ、人事面でも最善
を尽くしたことになります。

事実、スターリンはノモンハン事件が最高潮に
達したときに、独ソ不可侵条約(1939.8.23)
を締結、9日後にドイツ軍がポーランドに侵攻
1939年9月17日、ソ連軍もポーランドに侵攻、
スターリンはヒトラー(1889-1945)と
ポーランドを分割して手に入れました。
ヒトラーも、スターリンも、世界史上最大級の
独裁者でありました。その罪を検証することは
別の成書に譲りますが、本書を読んで痛感する
第一は、ノモンハン事件を通じて、ソ連側には
「軍事的合理性」という一貫性が存在したこと
(その中身の善悪はここでは触れません)が
読み取れます。

しかし日本側は「軍事的合理性」に欠けていた
というのが最大の相違です。既に述べましたが
「目的」「意義」すら日本は欠いていました。
1937年7月7日から、日中戦争を戦っていたの
ですから、ソ連と全面戦争になればまさに
「二正面戦争」であり、軍事的基本原理から
必敗です。そのためには満蒙国境で、不要な
紛争は極力避けるのが軍事的合理性です。
そもそも、日本陸軍にとって仮想敵国はソ連で
あり、何千キロにも及ぶ満ソ、満蒙国境の警備
を考えれば、1937年に盧溝橋事件を起こし、
日中戦争を始めたこと自体が「二正面戦争」
に相当します。「ノモンハン事件」の後
日本陸軍は「南進」し、米英と開戦となります
が、必敗の戦法である「二正面作戦」を開始
した時点で、1945年の敗戦は免れなかったで
あろうと今にして思います。

クラウゼヴィッツ(1780-1831)が言う通り
「戦争は、他の手段をもってする、政治の延長
である」のですが、その観点からしますと、
「ノモンハン事件」は日本から見ると、全く
無意味でした。目的も意義もありません。
(三宅坂の日本陸軍)参謀本部の命令を、現場
の関東軍が無視して「暴走」した結果ですが、
参謀本部の命令を現地の軍が聞かないというの
はもはや軍のしての体裁を実はなしていない、
ということを本書は繰り返し指摘します。
戦略レベル、戦術レベル、あるいは現場の戦闘
レベルにおいて、日本陸軍が総体としていかに
「軍事的合理性」を欠いた集団であったのか、
本書は強い筆致で指摘します。

私が驚いたのは、明治憲法下では天皇に属して
いた「統帥権」(具体的には大元帥たる天皇の
命令)も無視して、日本陸軍(関東軍)が動い
ていたことです。天皇をだますような奏上を
成して丸め込んでしまうとは「不忠の臣」
「君側の奸」と批判されても然るべき内容と
言えます。これをもってこれを見るに
1939年頃には、日本陸軍のみならず官僚機構
あるいは国として、既に機能不全に陥っていた
と考えることもできます(私見です)。

本書は日本陸軍が軍事的合理性を欠いていた
ことを証言や文献を基に、1コ1コ挙げて行き
ます。それでも現場(戦場)における悲惨さは
別書に譲っています。本書を読んだら関連書に
進むのが良いと思われます。
本書が指摘する日本陸軍の軍事的合理性の欠如
を順不同でいくつか挙げてみます。
①根拠なき楽観論。「敵(この場合はソ連)の
戦力は弱い」と調査分析なく信じること。
②攻撃力と防御力に欠ける戦車を用いたこと。
攻撃力と防御力に勝る敵戦車と我戦車が戦車
としては1対1であるとしたこと。
③「戦車はみだりに対戦車戦闘を行うものに
あらず」という自己矛盾した「戦車兵操典」。
(②の戦車の用兵からは必然)
④最後は歩兵による白兵戦だ、とする白兵戦
決戦思想。そのための人的消耗は問わない。
⑤階級が下の者ほど苦労する。
⑥階級が上の者ほど楽をし、かつ責任を問われ
ない。よく知られているように「ノモンハン」
の敗戦に責任のある作戦参謀が「太平洋戦争」
開戦を指導し、歴史を繰り返した。
⑦陸幼-陸士ー陸大のエリート集団の異様さ。
同じ身内に対しては強烈な連帯感と同志愛を
持つが、そうでない者は徹底的に疎外する。
陸幼出身ではない、旧制中学-陸士ですら、
疎外されることが多かった。
⑧陸幼ー陸士ー陸大のエリート集団は身内に
甘い。「ノモンハン事件」で失敗しようが、
「インパール作戦」で失敗しようが、責任を
問われない。
⑨車の運転に例えると、「思い込み」が多い。
しかも我が方に根拠なく楽観的な思い込みが
激しい。例えば、ハルハ川~ノモンハン周辺は
鉄道の最寄り駅から750キロあるから、敵は
大兵力のはずがない、と根拠なく信じること。
航空機、自動車化された歩兵、戦車、装甲車両
などの近代化された戦争を、想定するに至らな
かった。
…などになります。すべてを挙げることが困難
ですが、本書を読み進む上で、軍事的合理性の
欠如が何個あるか、メモしながら読むことを
お勧めします。

最後に、本書を読みながら感じたことは、
旧日本陸軍は軍事的合理性の欠如によって
自ら滅び、国土は灰燼に帰し、国民は辛苦を
なめさせられました。しかるに戦後77年経った
今でも「合理性の欠如」が生き延びているよう
に思えてなりません。
「根拠のない楽観論」
「想定を超えるものは想定しないという矛盾」
「想定しないものが起こったときは責任を取る
必要がないという無責任」
などがその例です。
①4つのプレートの上に立つ日本列島であるが
大地震は起こらない(はずだ)。
②10メートルを超えるような津波は起こらない
(はずだ)。
…などの根拠なき楽観論(あるいは利潤優先の
思考)で何が起こったかを考えるとき、
1939年5月から9月にかけ、離れて遠き
ノモンハンで何が起こったかを深く反省する
ことは今もって有意義です。そのための
概説書として本書は available な存在である
と思います。
43人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2022年3月2日に日本でレビュー済み
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モロトフは「東部ポーランドに居住するウクライナ人と白ロシア人を戦争の被害から保護するために、ソ連軍が移動している」と巧妙な理由を発表した。

ノモンハンの昔からデマ嘘を理由に他国に侵略していたロシア。プーチンは言語道断、しかしロシア人の民族性なのだろうか?
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2021年3月14日に日本でレビュー済み
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知らない学習しない日本の指導者を放置している国民も、やはり無知なんでしょうね?
2021年9月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本陸軍を振り回した参謀辻中佐の記述が面白い。 読みやすいように書かれた外観主体の記述である。
陸軍という階級社会で、己の能力を発揮したい抑制の効かない人間の記録である。
日本という社会も犠牲になるが、司馬のような観念的捉え方は、かれを具体的に記述する根気と愛情?はむりだろうとおもう。
 天皇が一番理性的な判断をしているのだが、集まってくる情報の貧弱さで時流にながされる。
むしろ太平洋戦争のさなかでゆいつ真実の情報を得ていたときのほうが、正しい判断をしている。

いまからみるとおかしな国家であった。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2024年5月9日に日本でレビュー済み
いくつかあるノモンハン事件関連の本のなかで、将兵および政治家の実録と命令の原文の引用が豊富なこと(ゆえにページが多い)と、表題にあるようにヒトラーの動きをにらみつつ自らの野望を達成する圧倒的な政治的権力、才能と忍耐力を持つ(と描写されている)スターリンの意図が、地球儀を俯瞰して重層的に描かれているところが素晴らしい。ノモンハンでの戦闘が日独伊三国同盟交渉をめぐる国内での政治争闘を背景におこなわれ、その停戦・終結に前後して、独ソ不可侵条約が結ばれ、続いて第二次世界大戦(ドイツ、そしてソ連のポーランド侵攻)が始まったという歴史的事実に震撼するほかない。

日本陸軍については、いつもの半藤節である。陸軍の参謀たちの無能さをこき下ろし、兵站を無視した無謀な作戦を強く非難する。ただし、そこがあまりにもクドいので、★ひとつマイナス。

印象に残ったフレーズは、関東軍・服部参謀の事後の評価「国境を侵さず、侵せしめずという点では、ソ連軍のほうが統制が効いていた」(改めて日本陸軍のエリートたちが「統帥権の干犯」「天皇の兵馬の大権」など気にしていないことに呆れる)と、ジューコフ元帥のスターリンへの戦勝報告「日本軍の兵士の勇気と敢闘精神は素晴らしいが、将校は無能である」(将星と政治家においてをや・・・)。「日本人大衆の政治的民度は低く、わずかな勝利で増長し、わずかな敗北でうちひしがれる」。【以上の引用は記憶なので正確ではありません】
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2021年4月22日に日本でレビュー済み
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半藤一利の本を読むのはこれが初めてでした。亡くなったことを知りこの本を読みました。
これ程読み終えるまで時間がかかった本はありません。
他の本数冊と並行でしたが1か月近くを要しました。
何故か?一口で言えば非常に読みにくかったせいです。私は吉村昭、角田房子などの歴史書を読むことが好きですが、半藤さんはやはり文学者ではないと思いました。(今まで読まなかったのもその予感があったせいです)
しかし、歴史の資料としてここまで詳しく書いてあることは非常に興味深いことですし、貴重なことだと思います。

「『絶対悪』を見た思いがする」と書かれた辻政信という謎が多い軍人のことなど興味がつきません。

「日本のいちばん長い日」が’60年代に書かれたにもかかわらず、この本が書かれるのは1997年になった理由が良く分かりりました。実名で書かれる多くの人が存命であったり、亡くなっていても遺族がいるわけですから。
しかし半藤さんはあくまでも日本の軍部を批判することが主目的であり、それ以上のものでは無いように思われました。
しかし、この資料性は5つ星に値します。
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2021年10月17日に日本でレビュー済み
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ノモンハン、インパール、現在の政治状況にもつながる日本人の資質の危うさ。
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