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弁護 (文春文庫 ハ 17-1) 文庫 – 2000/11/1
- 本の長さ464ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2000/11/1
- ISBN-104167527642
- ISBN-13978-4167527648
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商品の説明
商品説明
ある日、アントネッリは「並みはずれた知性の持主」として私淑する裁判官リオポルド・リフキンから丁重な呼び出しを受ける。「ジョーゼフ、きみは勝ちすぎだ」。リフキンはそう言って、どうみても有罪確実の男の弁護を要請する。被告人は継娘を冒したカドで起訴されたのだが、アントネッリはリフキンの期待にみごとこたえ―いや、反してか―男の無罪をむしり取ってしまう。アントネッリには、数多い勝利のファイルのどこかに入れ忘れてしまいそうな些細な出来事だったが、これが、10年後に動転の結末となって立ち上がる因果の発端だった。
アントネッリが親友でもある地方検事ホラス・ウールナーの立証のわずかな隙をついて、無罪にした被告人はジョニー・モレルといった。麻薬、押し込み、暴行の常習犯で、リフキンから初めてこの名前を聞いたとき、アントネッリ自身が「名前からして有罪っぽいじゃないですか」というような「下司野郎」だった。ところが、妻のデニースは「けだるい夏の午後の空のようなブルー」の目と、「頭をかるくあげるとふわっと肩のまわりに落ちる」ブロンドの美女だった。これほどの女が、なぜジョニーみたいな男と体を重ね、しかもわが娘を冒した夫の無実を主張するのか。そして、ジョニーに冒された一部始終を冷静に法廷で証言した娘は、彼の放免後、どこに消えたのか。
アントネッリがその後も続く連勝の弁護士活動と、初めて真実の愛を教えてくれた若い女子学生アレグザンドラとの甘い生活に忙殺されて、そんなことなどすっかり忘れたころ、ジョニーが何者かに射殺された。検察当局は妻のデニースを被疑者として起訴し、デニースはアントネッリに弁護を懇願するが、断られて有罪が確定する。そして、また忘却の時が流れ、20年の刑期を5年に減刑されて自由の身になったデニースが、ジョニー殺しとまったく同じ手口で射殺された。しかも殺しの現場は、アントネッリが尊敬してやまないリフキンの豪壮な屋敷だった。周囲の状況からリフキンにデニース殺しの疑いがかかり、アントネッリは「有罪のものを無罪にするより、無実のものを無罪にする」難しさに押しひしがれながら、リフキン弁護の法廷に立つ。ここで初めて、10年前に始まった因果の連鎖が浮き出てくるのだが、ギリシャの古典を引いて「法と正義」を説くリフキンの清廉な生き様、アレグザンドラとの恋の顛末(てんまつ)、親友ホラスとのやりとりなどに織り込められた伏線のあやは、重厚なタペストリーのように見事である。
作者のD.W.バッファはこれが第1作の新人だが、彼がリーガル・サスペンスの世界に登場させたジョーゼフ・アントネッリら新しいキャラクターたちの魅力には、絶対にはまる。(伊藤延司)
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2000/11/1)
- 発売日 : 2000/11/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 464ページ
- ISBN-10 : 4167527642
- ISBN-13 : 978-4167527648
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,108,115位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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奥付には、2000年11月と記してあったから評者が本書を読んだのは15年も昔になる。
本書を読み進みながらなぜこんなに面白いリーガルサスペンスなのになにも憶えていないのだろうかと情けなくなってしまった。
先に読んだロバート ゴダード著『リオノーラの肖像』などはあまり好きなジャンルではなかったのに結構記憶していて、好きな法廷ものである本書をすっかり忘れているから不思議である。
本書『弁護』は、1997年に刊行された著者D・W・バッファの処女作であるが、信じられないほどクオリティの高い作品である。
リーガルサスペンスの大御所トゥローやグリシャムを凌駕するほどの個性と才能を持った作家であるから夜更かししてまで読んでしまった。
法廷弁護士として勝ち続けることしか頭にない主人公ジョーゼフ・アントネリが、身も焦がすような恋に落ちる相手が誰だったのかの種明かしをされた時には、読み進みながらひょっとしてこの女性?と、思っていたから物語の終焉で少々イージーな展開だなと感じてしまったは免れなかった。
が、「事件の謎を解く手がかりはすべて明白に記述されていなくてはならない」と言ったのは、バン・ダインの有名な言葉であることを思い出すと、主人公がバンクーバーへ調査に行った時に出会った老女の語るなかにかすかな手がかりを読者にあたえていたのかもしれないかなと思ってしまったのである。
巻末の解説で中嶋博行氏が書いていた「新たな巨星の誕生」という章で下のように書いていたので・・・内に転載したい。
・・・<前文略>とても新人とは思えないほど洗練された、かつ、鋭い筆致で描かれた小説だ。だいたい、裁判官や弁護士の口から、プラトンやソクラテスの言葉が出てくる小説など読んだことがない。<後文略>・・・
この解説でギリシャの哲人たちが登場するのは、本書の主人公ジョーゼフ・アントネリが尊敬する巡回裁判所判事リオポルド・リフキンが古典から引用した比喩や警句などをアントネリたちに語っていることを指しているのである。
著者の経歴をあとがきで知ったら、陪審員制度の瑕疵などについてアントネリに語たらせる言葉の重みは、この物語を単なるリーガルサペンスで終わらせない小説だと考えさせられてしまったのである。
本書の帯に、「傑作とは、たぶん、こうゆう本をいうのだろう。」と、中嶋博行氏が書いていた言葉に偽りなしと、本書を高く評価したい。
在庫のなかに、著者の3作目である2002年7月刊行『審判』を見つけたので再読してみようと思いながら、15年ぶりに本書D・W・バッファ著『弁護』を楽しく読み終えた。
人物造形が巧妙で、ストーリーを読ませます。勝利至上主義のビジネスライクな弁護士でありながらどこか魅力のある主人公、友人の検事、師と仰ぐ判事、そして一筋縄ではいかない依頼人。弁護士としての倫理とは何かという深淵なテーマを扱いながら、感情移入して読むこともできる、リーガルサスペンスです。
事件の展開も、前半はまあ予測されるところと思いきや、驚愕のクライマックスへ!映画化されそうなドラマチックなストーリーで、ページ数もさほど多くなく、読みやすいと思います。
というより
(1)非常に大きな興味の中心としてクローズアップされる謎の
(2)回答として考えられる選択肢がどう考えても一つしかなく
まさかと思っていると、それがそのまま解決だったのである。ある意味で驚いた。
少なくとも(1)を弱める(あまり興味がそっちに行かないようにする)のがプロの小説のような気がするが(ウール
リッチの某名作のように)新人なので仕方ないのだろうか。
美点も多く、この小説のキモはそんなドンデン返しにあるのじゃない、と言われれば確かにそうなんんだろうが、
どうしても気になってしまった。
’98年、「このミステリーがすごい!」海外編第15位。
常勝の弁護士アントネッリは、恩師と仰ぐ判事からのたっての頼みで、妻の連れ子をレイプした義父が起訴された事件で弁護に立つ。天才的ともいうべき弁術で、圧倒的不利を跳ね返したアントネッリは、どう見ても有罪としか思えない男を無罪にしてしまう。
しかし歳月を経て、この事件は関係者の運命を狂わせはじめるのだ。その裁判のこともすっかり忘れられた頃、第1の事件が起こる。男が有罪になっていれば起こらなかったはずの事件が・・・。そして、くだんの判事をも巻き込む第2の事件が発生するに及んで、まるで機械のように弁護士活動を続けてきたアントネッリも、初めて、正義とは何か、弁護とは何かという問題に直面することになる。
アメリカのというわけでもないが、裁判という制度の不確実性を浮き彫りにする登場人物たちのディスカッションや、正義と自分の才能の間で揺れるアントネッリの思索など、本書の訴えかける問題は大きい。そして淡々とした時間の流れの果てに待ち受ける、意表をつく衝撃。
本書は、発表当時、「そろそろ出がらしだろうと思われたリーガル・フィクションの世界に思わぬ才能が現れた」といわれたが、なるほどと頷ける一作である。
他の国からのトップレビュー
This 1st Joseph Antonelli novel finds protagonist as an overly successful criminal defense attorney who agrees to request by Judge Leopold Rifkin to defend a probably guilty Johnny Morel, drug dealer & con man, charged with rape of his 12-year-old stepdaughter Michelle Walker. Acquitted, he is murdered & wife Denise Morel is charged with his murder, a case Antonelli declinded. She's convicted of murder but gets early release from prison for good behavior - but then she's found dead in the house of Judge Rifkin who's charged with her killing. Antonelli becomes his defense attorney.
We are introduced to colorful prosecutors, defense attorneys & a spiteful DA and to Antonelli's live-in girl friends, firstly Lisa then sexy Alexandra, the bright, blonde paralegal assistant who'd dampen sales of Viagra.
This story has accounting of 4 trials: -- the 3 criminal trials are of Johnny Morel, Denise Morel & Judge Rifkin. We are provided a vivid profile of machinations & passions influencing outcomes of civil/criminal trial and of philosphy on the justice system & critical factors which may usher murder.
The novel is extraordinarily well-written. The reader is wont to read those subsequent novels #2 through #6. Reading Buffa's Antonelli is like eating potato chips, you can't stop with one.
I'm not a reader who reads everything.
I really like this author and have read thee of his books, now on the fourth.