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虚無のオペラ (文春文庫 こ 29-3) 文庫 – 2006/1/11

3.5 5つ星のうち3.5 24個の評価

冬の京都、山間の雪の宿で、別れるための4日間を過ごす……女と男の性愛と恋情の極みを静かに奏であげる。これぞ恋愛文学の極致
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋 (2006/1/11)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2006/1/11
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 357ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 416754203X
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4167542030
  • カスタマーレビュー:
    3.5 5つ星のうち3.5 24個の評価

著者について

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小池 真理子
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1952(昭和27)年、東京生れ。成蹊大学文学部卒業。

1996(平成8)年に『恋』で直木賞、1998年に『欲望』で島清恋愛文学賞、2006年に『虹の彼方』で柴田錬三郎賞を受賞した。代表的な長編作品に『狂王の庭』『虚無のオペラ』『瑠璃の海』『望みは何と訊かれたら』『ストロベリー・フィールズ』がある一方、短編の名手としても知られ、『水無月の墓』『夜の寝覚め』『雪ひらく』『玉虫と十一の掌篇小説』といった短編集も多数発表している。また、エッセイ集に『闇夜の国から二人で舟を出す』などがある。

カスタマーレビュー

星5つ中3.5つ
5つのうち3.5つ
24グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2003年11月25日に日本でレビュー済み
冬の京都の奥、ひそかに建つ宿で、不倫関係の結子と正臣は別れを決意し、最後の4日間を過ごす。
「あなたの知らない京都旅行記」みたいな要素と、美しい詩のような世界観が入った物語です。ストーリーとしては平凡かもしれません。
宿に滞在中、結子が恋愛の始まりから終わりを振り返ります。
著名な画家の裸婦のモデルである彼女と、ピアニストである正臣。夫の不倫を知らないであろう妻は全盲の妊婦。
成就しないゆえに美しい「浪漫的恋愛」に少し似たお話です。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2007年2月18日に日本でレビュー済み
小池真理子さんの恋愛小説の中でも、好きな一編です。

恋の苦しみの中で一番辛いことは、思いを断ち切ることではないでしょうか。

主人公結子は、8才年下の恋人正臣と別れるために、冬の京都の宿に、

四日間を過ごすことを思いつきます。

結子は、自分のことを「身持ちがよいほうではない」等と言いますが、

私には、とてもすがすがしい女性に感じられます。

彼女には、ごまかしや嘘がありません。

宿で過ごす四日間を書くというのは、力量のいることだと思いますが、

回想をはさみながら、結子の心情がていねいに描かれ、

読んでいる私も、彼女の切なさにいっしょに浸ることができました。

最後の場面では、結子といっしょに、私の目にも涙が浮かんでいました。

結子が恋人より8歳も年上であるがゆえに、

そして、自らも四十をこえているゆえに、

恋の終わりがよけいに切ないのです。

小池作品の底には、「死」のイメージが重ねられているものが

多いと思いますが、この作品も例外ではありません。

死を意識し始める年齢の人間にとっては、恋の火の消えるのを

耐えることが、どんなに哀しいものであることか。

この作品では、年下の男のかわいらしさも、

よく表現されていると思います。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年12月26日に日本でレビュー済み
絵描き,ピアニスト,声楽家,モデル。
芸術家の間の関係は不可思議。

自己中心なはずなのだ。
芸術というもやがかかっていて何でも正当化してしまう。

場面の切り替え,過去と現在の切り替えがうまい。
最後には全貌の一部が分かる。

分からないところもいろいろあるところが文学なのだろう。
結末がどうなるか。全く予想と違ったので推理小説なのかもしれない。
2003年10月23日に日本でレビュー済み
老いに向かっていくことの根本的な孤独。女が愛する若い男の描写が作者特有の人物像で、時として鼻白む思いがする。テーマに比べて文章が冗長過ぎて結末の分かっている小説なのに・・・という感想が消えない。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年8月10日に日本でレビュー済み
結子と正臣が過ごした4日間の冬の京都
この別れの旅の最終日
結子にとっては悲しく寂しい時間のはずなのに
読み終わるとなぜか、爽やかな希望を感じるのが不思議です。

この4日間で、結子は気持ちを切り替えることができた
と書くと、あまりに単純で、身も蓋もありませんが
旅の間の天気や風景の描写、二人が交わすなにげない会話の中から
気持ちが変わっていく様を、実にさりげなく味わうことができます。

二人が肌を合わせるシーンも、露骨な表現がなにひとつなされていないのに
十分官能的に味わうことができるのは
冬の京都の情景の美しさともども、小池さんの筆の「さすが!」なおかげだと思います。
うまく表現できませんが、静かに興奮してしまった、という感じでしょうか。

結局、二人は分かれてしまうわけですが
別れに付き物の、じめっとした悲しさよりも
結子にとっても正臣にとっても、また、堂島にとっても
新たな未来を感じさせ、皆それぞれに次の一歩が踏み出せる
そのような幸福の予感を感じました。
これは、ハッピーエンドの小説なのでしょうね。

全編を通して感じる、情景の描写の美しさと
「静かな興奮」を味わうことができたので、星5つの評価です。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2004年8月17日に日本でレビュー済み
年下のピアニストとの不倫関係を終わらせるため,最後の4日間を冬の京都の温泉旅館で過ごす結子。4日間だけの物語ではあるが,これまでの2人の出会いや様々な回想があふれ出し,これまでの2人の人生がかいま見える。雪深い山間の宿の中での2人の時間は,隠す必要のない肌
と肌を触れあう官能の時間。雪,温泉,ピアニストの指がなぞる肌と汗。これらが小池真理子特有の世界で自在にあふれかえる。結子ならずとも,このまま時が止まればいいと思うことは誰しも経験したことがあるはず。読んでいてもそれが切なかった。やがて訪れる別れの朝。もはやそれは別れではなく,結子がこれまでの人生にピリオドを打ち,新たな第1歩を歩み出す,旅立ちの朝と信じたい。少なからず,結子の年齢は,そういうことを考えざるを得ない年齢なのだ。別れゆく小説だけど
妙にすがすがしさを感じた。冬の京都に行ってみたい。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2005年8月25日に日本でレビュー済み
日本画の巨匠・堂島滋春のモデルを生業とする三浦結子は46歳。30歳の時から、足掛け16年に亘って、裸婦を描き続ける堂島のヌードモデルを務めてきた。
「あまり身持ちの良い方ではないんです。」と自ら公言して憚らない結子は、これまで何人もの男と嵐の様に恋愛を楽しんで来たが、二年前に幼い娘と盲目の妻を持つ8歳年下のピアニスト・島津正臣と出会い、激しい恋に落ちた。島津に妻子がいたとしても、そんなことは些細な問題で、大人同士の二人の恋に、何の影も落とす筈がない、と根拠もなく信じてきたが、裸体を曝しながらも、画家とモデルという濃密な関係から、下賎な男女の関係に落ちることなく、長の歳月を過ごしてきた堂島が、ある日突然縊れて自殺しようとした頃から、島津との間に、激しいだけの恋とは違う感情がうごめいている。
さらに追い討ちをかけるように、島津の妻に二人目の子が宿り、心穏やかではいられなくなった結子は、島津との別れを決意する。別れは、地味な自然消滅では決してなく、派手なイベントを設けたいと思う結子は、かつて島津と情熱の旅をした京都の、人里離れた宿に島津と篭ってしまおう、と計画する。
別れをイベントにしようという結子の気持ちが理解できない島津を、どうにかこうにか説得し、二人は三泊四日の旅に出た。
物語は、この三泊四日の京都の旅を中心に描かれているが、このところ滅法恋愛小説家のイメージを濃くした小池真理子の作品の中でも、秀逸なストーリーと言えるだろう。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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