この引っ張る力はどうだろうか?一度捕まれたら疾風怒濤のように読み進めてしまう。気がついたら下巻に入っていた。見えざる力と見えなかったものが、どんどん形になってくる。心の動きや新たな疑問はどんどん大きな流れに向かっていく。この描き方は見事だ。
等君、君には何が見えていたんだい?
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楽園 上 (文春文庫 み 17-7) 文庫 – 2010/2/10
宮部 みゆき
(著)
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未曾有の連続誘拐殺人事件(「模倣犯」事件)から9年。取材者として肉薄した前畑滋子は、未だ事件のダメージから立ち直れずにいた。そこに舞い込んだ、女性からの奇妙な依頼。12歳で亡くした息子、等が〝超能力〟を有していたのか、真実を知りたい、というのだ。かくして滋子の眼前に、16年前の少女殺人事件の光景が立ち現れた。16年前、土井崎夫妻はなぜ娘を手にかけねばならなかったのか。等はなぜその光景を、絵に残したのか? 滋子は二組の親子の愛と増、鎮魂の情をたぐっていく。その果てにたどり着いた、驚愕の結末。それは人が求めた「楽園」だったのだろうか――。
進化し続ける作家、宮部みゆきの最高到達点がここにある!
進化し続ける作家、宮部みゆきの最高到達点がここにある!
- 本の長さ512ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2010/2/10
- 寸法10.5 x 2 x 15 cm
- ISBN-104167549077
- ISBN-13978-4167549077
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2010/2/10)
- 発売日 : 2010/2/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 512ページ
- ISBN-10 : 4167549077
- ISBN-13 : 978-4167549077
- 寸法 : 10.5 x 2 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 33,073位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 510位文春文庫
- - 9,302位文学・評論 (本)
- - 9,447位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1960年生まれ。東京都出身。東京都立墨田川高校卒業。
法律事務所等に勤務の後、87年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞してデビュー。
1992年 「龍は眠る」で第45回日本推理作家協会賞長編部門、 同年「本所深川ふしぎ草紙」で第13回吉川英治文学新人賞。1993年 「火車」で第6回山本周五郎賞。1997年 「蒲生邸事件」で第18回日本SF大賞。1999年 「理由」で第120回直木賞。2001年 「模倣犯」で毎日出版文化賞特別賞、第5回司馬遼太郎賞 、 第52回芸術選奨文部科学大臣賞文学部門をそれぞれ受賞。2007年 「名もなき毒」で第41回吉川英治文学賞受賞。2008年 英訳版『BRAVE STORY』でThe Batchelder Award 受賞。2022年 第70回菊池寛賞受賞。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年12月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
”摸倣犯”で活躍した前畑滋子のその後談ということで読み始めたのですが、複雑なストーリーでした。でもどんどん引き込まれて読みました。悲しい事件でも最後に救いのあるのが宮部さんの作品です。
2007年9月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
あの「模倣犯」の正体を暴いた前畑滋子が帰ってきた!
小さい字が見にくいと老眼鏡を取り出す前畑さん,
・・・うーん。9年の年月経過がリアルににじみ出ていてちょっと哀しい。
一軒家の床下で16年間発見されずに眠り続けた美少女の死体と
超能力でそれを「見た」愛くるしい少年。
・・・とくると,なにかワクワクしそうな物語の始まりですが,
実際のところ,今回,前畑さんが夢中になってる事件は,
模倣犯のような猟奇的殺人でもないし愉快犯的なものでもなく,
ある一家の暗い過去にまつわるものです。
ですので,見ようによっては,
前畑さんが普通の家庭の暗部を根掘り葉掘り暴いているようにも見えて
前畑さん,そこまでしなくてもいいんじゃない,と声をかけたくなることもありました。
また,前畑さんの必然でもない単なる推測が何故かビシビシ的中するのも
ちょっと強引な感じがしました。
相変わらず,登場人物一人ひとりの人物像を丁寧に書き込んでいて
宮部みゆきさんらしいなと思いましたし,
上下巻あっというまに読み終わりましたので退屈というわけじゃないのですが
感想として,面白かったかと聞かれると,そうでもない。
「模倣犯」には遠く及ばないし,
超能力を扱ったものとしてみても,
「蒲生邸事件」のようなファンタスティックな色合いもなく,
ちょっと残念でした。
小さい字が見にくいと老眼鏡を取り出す前畑さん,
・・・うーん。9年の年月経過がリアルににじみ出ていてちょっと哀しい。
一軒家の床下で16年間発見されずに眠り続けた美少女の死体と
超能力でそれを「見た」愛くるしい少年。
・・・とくると,なにかワクワクしそうな物語の始まりですが,
実際のところ,今回,前畑さんが夢中になってる事件は,
模倣犯のような猟奇的殺人でもないし愉快犯的なものでもなく,
ある一家の暗い過去にまつわるものです。
ですので,見ようによっては,
前畑さんが普通の家庭の暗部を根掘り葉掘り暴いているようにも見えて
前畑さん,そこまでしなくてもいいんじゃない,と声をかけたくなることもありました。
また,前畑さんの必然でもない単なる推測が何故かビシビシ的中するのも
ちょっと強引な感じがしました。
相変わらず,登場人物一人ひとりの人物像を丁寧に書き込んでいて
宮部みゆきさんらしいなと思いましたし,
上下巻あっというまに読み終わりましたので退屈というわけじゃないのですが
感想として,面白かったかと聞かれると,そうでもない。
「模倣犯」には遠く及ばないし,
超能力を扱ったものとしてみても,
「蒲生邸事件」のようなファンタスティックな色合いもなく,
ちょっと残念でした。
2007年9月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「模倣犯」から9年後。「あの事件」の呪縛から逃れようとしている、
フリーライター前畑滋子を描くスピンオフ作品。
いつもタイトルが秀逸な宮部作品だが、「模倣犯」と同じく
「楽園」というタイトルの奥深い意味は最後にわかる。
ここで書くとネタばれになるが、
その部分の宮部氏の文章は、呼んでいて鳥肌がたつほどの迫力だ。
こうした宮部節は作品の随所にいつもある。
人間に対する鋭い洞察力、対象をその瞬間だけ遠くに突き放した結果得る
残酷なほどの人間の持つ現実の姿。
編集者は本の帯に書くキャッチコピーに困らないだろうなといつも思う。
宮部氏の作品の例にもれず、冒頭の数行を読んだだけで虜になってしまった。
とうとう深夜までかかって上下巻読了。
ストーリー展開と人物描写のうまさもさることながら、
陰惨な事件の中でも作者の暖かな目線が読んでいてホッとする。
先日お話した、ひとり息子を亡くした53歳の女性が、
愚直すぎるほどの人生の中で掴み取ったものを最後に昇華させる展開は本当に見事。
人間の持つ、はかりしれない可能性、強さやかしこさは、学歴ではなく、
どう人生を生きてきたかで決まるのだと痛感する。
そして、最後に本当に爽やかなエピソードが残されている。
これはこの作品に、奥行きを与えていると思う。
「模倣犯」を呼んだ人も、読んでいない人も、「楽園」は楽しめると思う。
しかしこの本を読んだら「模倣犯」を読まずにはいられなくなることは確か。
お奨めです。
フリーライター前畑滋子を描くスピンオフ作品。
いつもタイトルが秀逸な宮部作品だが、「模倣犯」と同じく
「楽園」というタイトルの奥深い意味は最後にわかる。
ここで書くとネタばれになるが、
その部分の宮部氏の文章は、呼んでいて鳥肌がたつほどの迫力だ。
こうした宮部節は作品の随所にいつもある。
人間に対する鋭い洞察力、対象をその瞬間だけ遠くに突き放した結果得る
残酷なほどの人間の持つ現実の姿。
編集者は本の帯に書くキャッチコピーに困らないだろうなといつも思う。
宮部氏の作品の例にもれず、冒頭の数行を読んだだけで虜になってしまった。
とうとう深夜までかかって上下巻読了。
ストーリー展開と人物描写のうまさもさることながら、
陰惨な事件の中でも作者の暖かな目線が読んでいてホッとする。
先日お話した、ひとり息子を亡くした53歳の女性が、
愚直すぎるほどの人生の中で掴み取ったものを最後に昇華させる展開は本当に見事。
人間の持つ、はかりしれない可能性、強さやかしこさは、学歴ではなく、
どう人生を生きてきたかで決まるのだと痛感する。
そして、最後に本当に爽やかなエピソードが残されている。
これはこの作品に、奥行きを与えていると思う。
「模倣犯」を呼んだ人も、読んでいない人も、「楽園」は楽しめると思う。
しかしこの本を読んだら「模倣犯」を読まずにはいられなくなることは確か。
お奨めです。
2020年9月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中古の品でしたが、良品で満足しました
2012年11月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大変面白かった。作品紹介は次のとおり。未曾有の連続誘拐殺人事件(「模倣犯」事件)から9年。取材者として肉薄した前畑滋子は、未だ事件のダメージから立ち直れずにいた。そこに舞い込んだ、女性からの奇妙な依頼。12歳で亡くした息子、等が“超能力”を有していたのか、真実を知りたい、というのだ。かくして滋子の眼前に、16年前の少女殺人事件の光景が立ち現れた。
一般文学通算688作品目の読書完。通算1027冊目の作品。2011/04/11
一般文学通算688作品目の読書完。通算1027冊目の作品。2011/04/11
2019年11月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
超能力の話??と思いつつ読み進めるとどんどん奥へ奥へ深く深くストーリーは展開していきます。家族、親子というものの繋がりの不可思議さ、ある意味理不尽さというテーマは誰にでも共感できる普遍的なテーマであると思います。模倣犯はずーっと以前に読んだので、あまり覚えていなかったけれど、関係なく楽しめました。模倣犯まだ読んでない方も楽しめると思います。