筆者は、中野翠氏(1946−)とナンシー関氏(1962−2002)のコラムを読み比べていた時期があり、ふたりの作家性の違いを検討したが、
喉元まで「答え」が出かかっているのだが、結局、明快な「答え」が出なかった。
そんな折、小林信彦氏のコラムで、ふたりの作家性、人間性に関して言及している箇所があり、ハタと手を打った。
筆者なりに咀嚼して書くと、ふたりの作家性の違いとは、
「中野翠氏には、「人から愛されたい気持ち」が、コラムの行間から滲み出していて、コラムの「斬れ味」に「手心」という名の影響を及ぼしているが、
ナンシー関氏には、「人から愛されたい気持ち」が、コラムに微塵も反映されず、結果、「抜けば玉散る氷の刃」の如きコラムが顕現している。」
であるという。
筆者は、中野翠、ナンシー関両氏のコラムニストとしての才能に優劣をつけようとするのではなく、ふたりの「違い」を知りたいのだ。
「人から愛されたい気持ち」は、人間誰しも多かれ少なかれ抱く感情であろう。
だがしかし、人を超え、「超人」へと至る道を歩むに当たり、「人から愛されたい気持ち」は、必要か、それとも不必要か…にわかに「答え」は出ない。
一手誤れば、「修羅」と化す恐れがあるからだ。
筆者は、ナンシー関氏が夭折されたのは、「御仏の慈悲」であるように思えてならない。
人間として生まれ、人間として生き、人間として世を去る、それが一番「正しい」のだ。
中野翠氏は若い頃、学生運動に参加し、サラリーマンの父親と、専業主婦の母親を軽蔑し、両親を「論破」したことが「生涯の自慢」であるという。
ナンシー関氏が夭折されて12年、中野翠氏の「生涯の自慢」は、今でも変わりはないのだろうか。
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満月雑記帳 (文春文庫 な 27-7) 文庫 – 1997/12/1
中野 翠
(著)
おなじみ「極私的年鑑」の1993年版。"ヘアヌード"に浮かれ騒ぐ世相を中野翠がバッサリ斬る。「イヤダカライヤダ」が心地良い
- 本の長さ338ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日1997/12/1
- ISBN-104167552078
- ISBN-13978-4167552077
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (1997/12/1)
- 発売日 : 1997/12/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 338ページ
- ISBN-10 : 4167552078
- ISBN-13 : 978-4167552077
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,505,695位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 11,418位文春文庫
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