佐々氏の評論ものはやはり少々難しい。『危機の政治学』の難しかったのなんのって。東大法学部卒の超インテリだから、でしょうね。
反対に、ノンフィクションものは俄然面白い。権力におもねることなく、長い物に巻かれることなく、常に現場を歩み続けてこられたゆえであり、激しく共感させられることが多いです。
この『危機管理最前線』は、評論とノンフィクションが混ざっていて、難しい部分と面白い部分があるという感じです。
特に後半は、「上司の慶事より部下の弔事」と「適切な感情移入」が帝王学の肝心と喝破する著者が、実際に魂の震える思いをされた事柄が記されていて、涙を誘います。とにかくこの姿勢は過去の著作から一貫していて、ある面「ベタ」ではありますが。
しかしこの、ぷんぷんと男臭いベタは、世の中から決して失われないだろうし、メガネのふちに指を添えて「ふん、くだらん」とさげすむような人であっても、やっぱり感動の涙にむせぶことはあると思うのです。
著者のこの「ベタ」を、これからも味わいたいものです。
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危機管理最前線 (文春文庫 さ 22-13) 文庫 – 2007/6/8
佐々 淳行
(著)
北朝鮮拉致事件、相次ぐ企業不祥事、テロ対策、機能低下する政治家と国会。情報収集、交渉、組織管理、事件処理はいかにすべきか
- 本の長さ296ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2007/6/8
- ISBN-104167560143
- ISBN-13978-4167560140
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2007/6/8)
- 発売日 : 2007/6/8
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 296ページ
- ISBN-10 : 4167560143
- ISBN-13 : 978-4167560140
- Amazon 売れ筋ランキング: - 968,391位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2007年7月5日に日本でレビュー済み
平成14年から3年間に雑誌に掲載した論評です。若干古いネタもありましたが、いつも通り、著者の国を思う気持ちが伝わってきます。
この本の面白いのは読み進めば読み進むほど笑えるように構成されていることです。特に第IV章の「国会は戦場である」は著者の経験した国会での出来事やエピソードが紹介されていて、かなり笑えます。それでいて危機管理のノウハウが随所にちりばめられています。
一つ一つの論評は原稿用紙8枚分ということなので、通勤時間帯に読むのに手頃な本です。
この本の面白いのは読み進めば読み進むほど笑えるように構成されていることです。特に第IV章の「国会は戦場である」は著者の経験した国会での出来事やエピソードが紹介されていて、かなり笑えます。それでいて危機管理のノウハウが随所にちりばめられています。
一つ一つの論評は原稿用紙8枚分ということなので、通勤時間帯に読むのに手頃な本です。