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楽しい終末 (文春文庫 い 30-3) 文庫 – 1997/3/1
- 本の長さ403ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日1997/3/1
- ISBN-104167561034
- ISBN-13978-4167561031
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (1997/3/1)
- 発売日 : 1997/3/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 403ページ
- ISBN-10 : 4167561034
- ISBN-13 : 978-4167561031
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,177,511位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 10,322位文春文庫
- - 17,152位近現代日本のエッセー・随筆
- - 49,556位評論・文学研究 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
1945年、北海道生れ。埼玉大学理工学部中退。
二十代から世界各地を旅し、ギリシャ、沖縄、フランスで暮らす。現在は、札幌在住。公式サイトは[cafe impala]
http://www.impala.jp
1988年「スティル・ライフ」で芥川賞を受賞。詩、小説、随筆、翻訳(英・ギリシャ語)、書評と執筆は多岐にわたる。広く深い文学的教養と理系的知識を土台に、自然と人間の関わりについての示唆に富んだ作品を多く著している。
ワープロ原稿で芥川賞を受賞した初めて作家でもあり、9.11をきっかけに毎日メールマガジンを通じて意見を表明する(『新世紀へようこそ』に収録)など、早くからデジタル・メディアの活用に関心を持つ。2014年からは株式会社ボイジャーと共同で自身の著作の電子アーカイブ化にも取り組んでいる。
主な著書に『母なる自然のおっぱい』(読売文学賞)『マシアス・ギリの失脚』(谷崎潤一郎賞)『ハワイイ紀行』(JTB出版文化賞)『花を運ぶ妹』(毎日出版文化賞)『すばらしい新世界』(芸術選奨文部科学大臣賞)『イラクの小さな橋を渡って』『憲法なんて知らないよ』『言葉の流星群』(宮沢賢治賞)『静かな大地』(親鸞賞)『パレオマニア』等。2003年、著作活動全般について司馬遼太郎賞、「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」の編纂で朝日賞を受賞。
東日本大震災の後は被災地に通い、『春を恨んだりはしない』『双頭の船』『アトミック・ボックス』を執筆。震災をきっかけに日本と日本人について思索したいとの思いから、「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」に取り組み、2014年末から刊行開始。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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池澤先生の博識の、当然重たい重たい説明でクリアに表現されていて読み応えが強烈なパンチ、ボディブロー
みたいな感じが自分にはしました。どうのように人類が存亡を歩むのか誰にもわからない、現実がため息物。
なんと、1997年に購入したきり未読だった(笑)。
終末。
1997時点では単に世紀末が近づいたということだったかもしれないが、今や、他人事ではなくなってしまった。
読み始めたら、核の脅威、原発の本質などの記述もあり、思わず息をのんだ。
「楽しい終末」というタイトルだが、別に人類など滅亡したほうがいい、というようなシニカルな本ではない。
ただ、終末がありえないと信じるのは楽天的過ぎるということ。
天国に行く最も確実な方法は地獄への道を熟知すること、であるから、滅びへの道を見つめることはどうしても必要だ。
さて、
もっと早く読んでいたらよかったな。
とも思ったけれど、
そうだとしても自分は何かしただろうか?
この本があっても、ほかに無数の警告があっても、原発事故は起こってしまった。
人類は楽天的過ぎ、無責任すぎ、問題解決は間に合わない。我々人類は終末に向かっているのではないか?という思いは確信になってしまうかもしれない。が、なぜ人類はそうなのか?についてのさまざまな角度からの話題が興味深く読めて面白い。終末に向かっているのが確かだとしても、大事なことは、事態を見つめ、あきらめず、考えるということなのだと思う。
池澤氏の思索の底にあるのは、人類がとくに第二次大戦後に、急速に自分たちの生きる環境を作り変えてしまったことに対する疑義でしょう。生きる環境は変えられても、生物としての人間はそんなにすぐ変化できない。変化は、種としてのニンゲンの死につながるのではないか、そんな思いが伝わってきます。ノンフィクション好きはもちろん、ノンフィクションは普段あまり読まない人でも楽しめる作品になっていると思います。